2011年09月04日

「まちのえんがわ」というプロジェクトを進めていて、DSC01225木村工務店の1階にある車一台分の車庫スペースに、「衣食住」の「住」に、興味と関心を持つ皆さんに、住まいに関する「専門知識」を、セレクトされた雑誌や本やカタログを通じて提供し、「まちのライブラリー」として、縁側のような場所を造りだそうとする試みで、ただ今、大工工事の真っ最中。

土曜日、台風が近畿地方に接近し、大阪市内では、予想に反して雨は多く降らなかったのだけれど、そうそう、そういえば、先週の土曜日に突然襲った、あの集中豪雨の方が、凄くて、何でも一時間の大阪の降雨量としては記録的な数字だったらしい。

P8270037その影響で、会社の前には水が溢れ出し、長靴を履かないと歩かれない状況になって、20センチほど道路に水が溜まった。車が通過すると、その勢いで、まるで津波のように水が、ドバッと押し寄せてきて、工事中の「まちのえんがわ」にまで水が進入し、慌てて、倉庫にある土嚢袋を取りに行き、積み上げて水を食い止める。

その台風が過ぎ去って、どんよりした天気の今日の日曜日の朝。突然雨に降られるのもイヤだな。という、ちょい弱気な気分になって、毎週恒例の日曜の朝のランニングは止めた。結局、その1時間ほどの間は曇ったままだったので、それなりの後悔も沸き起こった訳で、まぁ、そんな時もあるわな。などと、心が心を慰めている状況。

この5月に庭に植えたシロツメ草が、一面の緑になって、カッコ良かったのに、夏の暑さと、落ち葉の手入れを怠った影響かで、緑がまだらになり出した。ランニングもしなかったので、シロツメ草の間に絡まった落ち葉拾いを1時間ほどする。「庭仕事」のようなコトは、ほとんど経験がないのだけれど、しゃがみ込んで草と土に触れながら過ごす一時間は、ランニングと同じように、終わった後は、しんどいけれど心地良い気分になれるのだ。ってコトを知ったのが嬉しい収穫だった。

そうこうしている時に、コトバノイエのカトウさんが、建築図書専門店の柳々堂さんの女性店主を連れてお見えになった。何でも100年以上も続く建築の専門書店だというのだから敬服する。コーヒーを飲んだり、食事をしたりしながら、「まちのえんがわ」に置く建築専門書のアドバイスをもらう。実にためになる話だったなぁ・・・。ご協力に感謝。

お昼を過ぎてから、建築家のヤベさんのご紹介で、「マンガ皿」という不思議な作品をつくるツタイミカさんと「よこじわーるど」というFreeペーパーを制作するヤマサキミノリさんが、コトバノイエのカトウさんプロデュースのもと、うちの家にお見えになる。二人とも20代の女子。先週に告知をしたように、今年も木村家本舗を催すコトになり、そこに、「マンガ皿」の展示と木村家本舗フリーペーパーの製作を依頼するコトになった。

50代のオッサン二人と20代前半の女子二人が、テーブルを挟んで、コーヒーやお茶を飲みながら、「大まじめな遊びの催し」について語り合うその姿。その時は、何とも思わなかったが、今こうして、文章に書いてみると、ちょい不思議な光景だたのかもしれない。隣の部屋で、奥方や息子が聞き耳をたてながら、このエエ年したオッサン二人の姿を滑稽に見ていたのだろうか・・・・・。

カトウさんの持つハブ機能によって、三人の女性と縁をもった楽しい日曜日だった。

「まちのえんがわ」も「木村家本舗」も当然ながら、建築空間との関わりが大いにあって、勿論、工務店をしているので、建築空間には興味があるわけで、大好きなのだけれど、旅に行っても建築を見るのだな。とオモワレルと、意外とそうではなくて、建築を見るコトを意識して旅に組み入れるようになったのは、ここ5年ほどのコト。なぜか、奥方や息子がそれなりに建築に興味を持つようになっていて、旅の中のひとつのイベントとして、「一緒に建築を見る」という時空間が案外楽しい。とようやく最近気付いたのだった。

このお盆の気仙沼・那須・東京の旅では、那須の二期倶楽部と隈研吾三部作といわれる建物と七石舞台という作品を見る。松岡正剛・内藤廣・和泉正敏の三人による七石舞台というのが那須の二期倶楽部にあって、朝食を食べた後、朝の七石舞台を見学する。その「場」の雰囲気とディテールが独特でとっても不思議な感じ。

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石と石の間で、緑を映し出しているのがステンレスで、周りの緑をそのステンレスが取り込んで、それが、石との組み合わせで、不思議な浮遊感を醸し出す。石とステンレスが自然な形のままぴったりとくっついている、その技術の高さにも驚かされるが、朝日がそのステンレスに反射するので、その上に立つと下から顔にライティングがされたようになり、とっても不思議な雰囲気をもつ顔としてステンレス面が反射する。

家族三人がそのステンレスの上に立って、記念写真をお互いに撮りあうという、超ベタベタな家族写真撮影会を楽しむ気にさせる、摩訶不思議な舞台。奥方など、息子に向かって、ここで、結婚式したらエエのに。と言う。確かに、結婚式の舞台としても使用するらしい。ちなみに石の製作者の和泉正敏さんとは何度も面識があって、うちの会社の前にある石のオブジェは、和泉さんの作品。

七石舞台は、石とステンレスと周囲の自然環境とそこでの催しや宴がひとつの「縁」として結ばれていくような雰囲気。「木村家本舗」も「まちのえんがわ」もそんな「縁」を結ぶ空間になれればとおもう・・・。

投稿者 木村貴一 : 2011年09月04日 23:52 « ちょい「脱皮」 | メイン | テーブルを囲んでゆったりと時空間を共有する。 »


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