2016年03月06日

黄色い春

20160227_123448000_iOS早朝、司馬遼太郎記念館の前を自転車で通ると、鉢植えの菜の花がいっぱい咲いていて、一気に春の気分になって、十三峠にも、サンシュウらしき黄色い花の群落が咲き始めて、春の黄色は早春を告げる花の雰囲気で、さらに、冬の内面にこもりがちな気分が、桜の満開のピンクで、一挙に解放されるのだろうなぁ....桜が待ち遠しい季節になってきた。

今日は住宅相談会の日曜日で、午前中のAさんご家族は、3年前の木村家本舗に遊びに来られた方で、神戸で中古住宅を購入したというコトで、リフォームの相談にお見えになったが、駐車スペースがなく、道路からいきなり階段でアプローチする敷地で、それゆえに割安で購入されたそうで、車を持たないと決断する若い世代の選択肢も増えているのも確か。以前にも書いたが、fun to drive より fun to home の方が、仕事柄としては有り難い傾向で、省エネな車より省エネな家の方が、環境や健康や経済に対する貢献度がより大きな時代になってきたのかもしれない。そういえば、自転車を置くための土間スペースを大きく取りたいという要望もあって、そんなライフスタイルも最近の傾向だとおもう。

そうそう、水曜日の午前中に守口のリフォーム現場にチェックに行って、フミノ大工とワダ大工と一緒に休憩しながら缶珈琲を飲んでいると、携帯電話が鳴って、誰かなとおもうと、堺の現場監理に行った、設計のササオさんからで、いきなり第一声で、C値0.4を達成しました!というハイテンションな喜びの声だった。C値というのは隙間相当面積のことで、家の気密性を示す指標で、家全体にある隙間面積(㎡)を延べ床面積(㎡)で割った数値で、単位はc㎡/㎡。 この数字が小さいほど気密性が高いとされて、一条工務店は全国的にC値0.7ぐらいを達成するらしく、先日見学した北海道の工務店はC値0.1だった。

この気密性というコトバと家の隙間というコトバが誤解を生みやすいコトバで、基本的には気密性を高める努力は、管理されていない隙間を極力少なくする努力のコトで、隙間風を減らして暖かい家を作ったり、窓から窓へ風が通り抜ける家を作ろうとおもうと、管理されていない知らない隙間を極力少なくして、空気の流れをコントロール出来るようにするコトが大切で、そのためには家の気密性という性能を高めるコトが必要になってくる。

お施主さんからのC値1以下の要望もあって、何よりも木組みの大好きなササキ大工が、気密性に挑戦しますわ!と挑んだ住宅で、先日チェックに訪れた現場で、C値0に近いはずですわ!と自信のほどを覗かせていたが、勿論、電話が掛かってきた時、ササオさんの横にいたササキ大工に電話を替わってもらって、その労をねぎらったのだけれど、私と一緒の現場にいたフミノ大工もその一報に一緒に喜んでいた。それにしても、耐震性能や断熱気密性能など、大工の技術の変化も目覚ましく、木組みという技術はどうなっていくのやら....。

20160305_115706922_iOSそういえば、現在施工中で、土曜日の夜に会社で打ち合わせがあった若いご夫妻は、大手メーカーに勤めるご夫妻で、二人とも木組みに拘って、こんな木組みにしたいというCGを自分たちで作製してお持ちになり、それを私たちが現実のモノにする役目で、そういう建築というモノづくりを共有しながら一緒に作っていこうという若い世代もあって、打ち合わせが終わったあとは、加工場の角に作った簡素なバーで、設計のタナカくんと現場監督のトクモトくんも一緒にビールを飲みながら、あやこれやの四方山噺を楽しんだ。

お昼からのBさん親子は、空堀で平屋の工場をお持ちで、親子で仕事をされていて、そこに現在賃貸住まいの息子さんご家族が、1、2階を工場にし、3、4階を住まいにする計画で、都市のなかで、住まいと仕事場を一緒にする、職住一体型のスタイルを良しとして受け入れる若い世代も出てきて、仕事とプライベートな生活を完全に分けるスタイルから仕事とプライベートな生活が共存するスタイルには、新らたな可能性があるのだとおもう。

さまざまなスタイルにフレッシュ挑む黄色い春がやってきた感じ....。

投稿者 木村貴一 : 2016年03月06日 23:59 « インフルエンザB型 | メイン | ピーチとスープカレー »


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