2012年05月20日
ゆらぎ。
それにしても、とってもエエ気候。心地良い風。内と外の曖昧な、いわゆる縁側や、そうそう、キャンプの時のタープの下や、木々の下で過ごすのが、最高の季節。夕食を家族と一緒に食べて、そういやぁ、子供と奥方と一緒に夕食を食べるのは日曜日ぐらいだな。夜の9時を過ぎて、このブログを書く内容も全く思いつかず、ただただ、この季節独特の心地よさを、デッキに腰掛けて、五感で味わいながら、無為に、すごす。
明日は、金環日食らしい。なのに、夜の風に、雨なムードがあって、少々心配。なんだか騒ぎすぎのような気もするが、それでもやっぱり、この目で見てみたい、体験してみたい、という気持ちがあるのも確か。そんなこんなで、風で草木が揺らぐ姿を見ているうちに、明日の予定が揺らぎながらやってきて、あれやこれやとおもうまに、右から左に思考の中を通過し、そのうち、日曜日の今日の一日が、揺らぐように思い出されてきて、そうそう、月一度の日曜日の住宅相談会があって、3組の家づくりの相談があったのだ。
ひと組目、親の土地と家を譲り受けて、母親と一緒に住もうと夫婦で決心し、いまの家を取り壊して、新築をする予定。それで、家づくりの依頼先をどこにすれば良いのかという心のゆらぎ。あちらこちらのハウスメーカーや工務店を探しているとのことで、土地を相続するための法律的な問題や資金計画など、「家づくり=資金づくり」という現実的な側面があって、そういう部分のフォローも大切な時代だなぁ・・・とあらためて思う。
ここ数年、ビジネスアスリートのゴトウさんというファイナンシャルプランナーの方に資金計画のアドバイスを依頼していて、ローン先の銀行探しも含めて、家づくりに伴う資金計画をアドバイスしてもらっている。7月22日日曜日に「まちのえんがわ」のワークショップとして、「住まいづくりの資金計画と省エネ手法」を予定していて、そこでゴトウさんによるファイナンシャルプランニングのワークショップを予定中。興味のある方は是非。
ふた組目、クリニックの開業を土地探しからお手伝いしていて、若いドクターのカップル。町に開かれた待合。コミュニケーションをうむ待合。なんていう提案と開業するにあたっての心のゆらぎがあって、それは、木村工務店が、「会社として、まちに開かれた縁側という機能」を持ってみたら、どうなるのぉ?という会社としてのゆらぎと同じで、「まちのえんがわ」と共通する部分。情報と商品がやりとりされるインターネット空間とはまた違う、リアルな人と人が出会い、コミュニケーションすることからうまれる、感情に属する何か、ハートとか愛情に属する何か、そういう何かからうまれる治療とか健康とか創造性とか、そんなsomething elseが求められているのかもしれない・・・・と、「私」の心の中も微妙にゆらぐ。
み組目、リフォーム工事をさせて頂いた方のご紹介で、家族四人で、初めてお見えになって、両親の家を譲り受け、そこをリフォームし、今お住まいのマンションから移り住みたいというご相談。古い雰囲気も残してながらリフォームしたいけれど、本気で、長くそこに、住み続けたいので、耐震のコトも気になるし・・・というご相談。そんなリフォーム工事をするためには、どれぐらいの予算がかかるのぉ?これからどんなコトを考えていかなければならないのぉ?という心のゆらぎで、ひと組目の方と同じように、「家の計画=資金の計画」という現実的な問題に対するアドバイスや、土地と家を相続するための法律的な問題などなど、資金計画や耐震や断熱という、家づくりの根底に流れるベーシックなリズムのようなものをきっちりと刻み続けながら、デザイン性やディテールや収納など、住まい手のライフスタイルが反映した心地良い家を造りたいものだなぁ・・・とおもう。
心地良くゆらぐ風があるように、家づくりにも「心のゆらぎ」というものがあって、心地良い心のゆらぎが、心地良い家を造るのかもしれない・・・・とおもえた、金環日食前夜。
投稿者 木村貴一 : 2012年05月20日 23:59 « 住宅風呂巡礼がもつシュールとアフォーダンス | メイン | 原初的エネルギー »