2012年08月12日

お盆休みの朝

お盆休みが始まって、木村工務店では、今日の12日(日)から16日(木)の5日間の休みを頂戴し、ほとんど全ての現場が休む。まぁ、建築業界、特に職人さんにとって、大手を振って「平日」の休みが取れるのは、お盆とお正月ぐらいで、それに便乗するような形で、私たちも大きな顔して、休む。

IMG_36071985年に結婚してからこれまで、お盆休みは、「旅」をする日であり、大阪の小路から離れる日でもあって、それが最も嬉しいことだったのだ。と、いまここで気付く。お盆休みの初日に、こうしてこのブログを、先週に書いた、「過ごす庭」で、そうそうそのテーブルを硝子テーブルに置き換えて、流石にソファーと椅子は躊躇しているのだけれど、そのテーブルの上に金鳥の蚊取り線香の香りと煙が漂い、楠とモミジの木陰で、それなりの涼しさがあるものの、いや全く風が吹かないどんよりした日で、それで、ファンを回して、無理矢理風を起こし・・・。そんなこんなで、とにかく家の「過ごす庭」で、過ごす事を選択したお盆休みで、27年目にしてはじめての出来事。

大きな要因はキャンピングカーが動かなくなった事なのだけれど、それだけが原因でもなくて、今月は難波パークスにある「URBAN RESEARCH DOORS なんばパークス店」の増床工事中で、5年ほど前に、京都の森田建築設計事務所のモリタさんの設計で、滋賀の島村商店さんから古材が加工場に入って、うちのベッショ大工やササキ大工の若い大工が、苦労しながらも嬉しそうに古材を木組みした。前回はパークスがオープン前で、昼間に工事が出来て、それなりの余裕があったのだけれど、今回はパークスの全店舗が営業中だという事もあって、深夜の突貫工事の真っ最中。

その二人の大工は昼間に住宅の現場に行っているので深夜の工事が出来なくて、それで、このお盆休みを利用して、会社の加工場で、今回も、DSC05429やっぱり滋賀の島村商店から運ばれてきた古材で、明日から加工する予定になっている。きっと、うちの若い二人の大工も古材を扱う仕事でなかったら、休みの予定を無理矢理作っていたのかもしれない。私にとっても楽しみと言えば楽しみで、そんな現場の事情もあり、「私」という会社の立場もあって、15日と16日以外は、家庭(いえにわ)で過ごすことにした。

それにこんな時には、へんな頼まれゴトも迷い込んできて、長男の同級生のシモヒラくんが、そういえば彼の家は無有建築工房の設計による小路の有名建築なんだけれど、その彼が同級生など友達皆と、「流しそーめん」パーティを企てて、うちの加工場を貸して欲しいという・・・。もちろん、何度か、「まちのえんがわ」に出入りしてくれていて、丁度、「私」も家で過ごすお盆という事もあり、12日(日)なら大工の作業もしないのでエエよ。と軽く答えた。

暫くして、流しそうめんの「竹」って、どうしたら手に入りますか心当たりありませんか?と彼から問い合わせがある。私も流しそうめんを食べた経験もなく、テレビか雑誌で見た程度なのだけれど、工務店という環境に長年いると、「やったことはない頼まれ事をなんとかカタチにしてみるという面白さ」があって、竹屋さんに電話をしたり、木村工務店の裏匠でもあるトミマス部長に相談したりして、そしたら、型枠大工のモモヤマさんが、奈良で農業をしていて、その近くの竹藪から太い竹と、それだけではなく素麺の出汁を入れる細い竹まで親切に段取りしてくれた。その竹を奈良の帝塚山で工事中の現場監督のフルカワくんが運搬してくれる。

IMG_3588なんというのか、そういう、ものづくりの仲間と、まったく、くだらない事だけれど、あれこれと、大まじめに考えるのが、とってもオモロイし、そんな遊びから学べる出来事がいっぱい眠っている・・・。

そんな訳で、一昨日には、トミマスくんが、竹を半分に割る作業を引き受けてくれて、昨日には流し素麺セッティングの仮設置作業をシモヒラくんを交えてし、そんなのをあれやこれや工夫して、周りの人に実験台になってもらって、食べてもらうのが嬉しかったりする・・・・。

と、まぁ、「いえにわ」でブログを書きながら、こんなお盆休みが始まるろうとしている朝。
それでは皆さん、素敵なお盆休暇を!

投稿者 木村貴一 : 2012年08月12日 13:32 « 室戸のクワガタくん | メイン | 「木陰」 »


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