2013年02月17日
材料とのコミュニケーション。
板金ワークショップが終わって、板金の講師として参加してくれた職人さんを労うためにカマド横の囲炉裏に集まって、ビールで乾杯し、カマドピザとカレーとカマドナンを食べながら、今日の一日が無事に終わった事を笑顔で称え合いながら四方山話をする。次の次のワークショップ講師のステンドガラス製作の田中友子さんもこの板金ワークショップに参加してくれていて、板金職人さんに混じりながら、ステンドグラスと板金の共通点を談笑しながら囲炉裏を囲む。ワークショップそのものの時間も楽しいが、ワークショップ終了後の余韻を楽しみながらの職人さんとの語らいにも独特の味わい深さがある。
ステンドガラスも銅に半田付けをするので、板金職人さんの手仕事による銅板で造った小さな容器にステンドグラスを半田付けで付けていくと、ステンドグラスの縁で出来た銅板容器になって、そこに苔とか多肉を植えるとエエのでは・・・・。なんていうアイデアが生まれるまでに、笑いや罵倒や皮肉や茶化しやオモロイが、あちらこちらへと話題が大きく揺らぎながら、唐突に収束に向かった着陸地点が、ステンドグラスの縁を持つ銅板容器で、今風に言えば、ステンドガラス職人と板金職人とによるコラボレーションの誕生! なんていう名調子なのかもしれない。まぁ、そんなこんなで、東成錻力職人のミーティングにステンドガラス職人のタナカさんが参加する日程まで決まって、さてさて、4月21日日曜日はどんなステンドグラスワークショップになるのやら・・・。
そうそう、今回の板金ワークショップは、「銅板折り鶴」と「トタンチリトリ」製作をするワークショップで、銅板折り鶴は弊社協力会社の松倉商店さん+東成錻力職人で、誰でもが銅板で折り鶴を折れるように試行錯誤を繰り返して、下準備に力を注いでくれた。
トタンチリトリ製作は板金工事の山口板金さんで、暮らしに役立つ小物をテーマにして小さなチリトリとゴミ箱とゴミ箱の蓋に多肉植物、チリトリにマグネット付き刷毛を装備・・・。
板金の手仕事を通じて、ものづくりの喜びと不完全さを体験してもらうコトがメインなのだけれど、材料とのコミュニケーションというテーマもあって、今回は銅板の柔らかさのお陰で鶴が折れ、トタンという亜鉛合金鉄板の堅さがチリトリになり、またその材料とコミュニケーションをする通訳者としての道具を通じて、板金特有の「曲げる」「折る」「つぶす」なんていう作業を体験する。板金には「捨て谷」とか「無駄折り」なんていうコトバと作業があって、上の写真のチリトリの「端」は「無駄折り」をすることによって、ぺらぺらの板がしっかりした板となるわけで、そんなものづくりの裏に隠れている、「仕事」と「知恵」を体感してもえたらとおもう・・・・・。
19組の参加者のうち6組が木村工務店で施工をしたお施主さんで皆さん家族連れの参加で全員リピータ。5名の方々が初参加で、残り8名がリピータ。ワークショップの講師の方も2名混じっている。昨年一年間12回+αのワークショップを催したお陰で、何となくワークショップファミリーのような仲間意識が「私」に芽生えて、加工場の中で、お久しぶり・・・お元気!なんていう和気藹々の雰囲気が生まれるのが嬉しい。このブログを見ておられる方で、参加したいけど・・・と気後れしている方々がいらっしゃるのなら、ゆるーい雰囲気なので、是非。それに、できることなら、子供さんたちにも、ものづくりに潜む知恵を垣間見てもらえたら嬉しい・・・。
投稿者 木村貴一 : 2013年02月17日 23:59 « 北の文化 | メイン | 加工BARでの祈り »