2011年01月23日
ステイ
冬だから、寒いと言えば寒い。でも、穏やかだと言えば穏やか。そんな大阪の朝。先週の土曜日は、予期せぬ葬儀があり、全ての現場を停めて、全社員と大工と手伝いと協力業者で、告別式に参列した。翌日は、土曜日に打ち合わせ予定になっていた方々を日曜日に振り替えて頂いて、打ち合わせをした。その日曜日の朝は、流石に、様々な余韻が残っていて、メチャクチャに寒かった事もあって、まったく、ランニングをする気持ちになれず、走らなかったが、今朝は、そんなに寒くもなかった事も手伝って、なんだか走りたくて走った。
ジャクソンブラウンというアメリカのシンガーソングライターのアルバムに、「running on empty」 というアルバムと曲があって、なぜか、唐突に思い出す。レコードジャケットのライナーノーツと歌詞対訳には、孤独のランナーとあり、「・・・ むなしく走り続ける。わけもわからず走り続ける。太陽に向かって走り続ける。なのに、時の流れに追いつくこともできずに走り続ける。・・・」という歌詞だった。と、レコードアルバムを引っ張り出してきて、眺めてみた。
そんな、ランニング オン エンプティーな心境で走った訳では、全くないのだけれど、時として、走る事が、ちょっとしたブレークスルーをもたらすことがあるのかもしれない。とおもう。そういえば、間寛平のアースマラソンというのも、完走と聞くと、たいしたもんやな。と興味深くおもえるわけで、わけもわからずに走り、わけもわからなく「アメマ~」と叫ぶのも、時にはエエでぇ。とおもえるような、ここ数日。この一週間は、脳内に突然なリセットがかかったような感覚だった。
そうそう、その、「running on empty」 というアルバムのB面のラストにステイという名曲があって、それを思い出す。特に、曲の後半の、女性のコーラスが、「みなさんもう少し長くいてください。私たちはもう少し長く演奏していたいんです。・・・」という、熱唱あたりから、ぐっときて、奥方も、これ、これがエエね。昔から大好き。と唸る。
ナカタさんへのお悔やみのメールや電話やお花を施主の方々からたくさん頂戴し、どちらかといえば、先週は、その「ステイ」の心境。その一部だけ抜粋させて頂くと・・・。
「・・・・しばらくお目にかかっていなかったので残念です。
小さな頼み事でもわざわざ京都の果てまで駆けつけてくれて本当に有り難く思っていました。お茶を飲みながら仕事の愚痴を面白おかしく話して息抜きしていらっしゃったのが昨日の事のようです。・・・」「・・・・ 昨年、我が家の工事現場にもたびたび訪れていただき、接した時間は少なかったのですが、いつも施主の立場に立った温かい言葉を掛けてくださいました。・・・」
「・・・・色々とご対応して頂き、これからもまだまだ頼りにさせて頂こうと思っていたので、非常に残念でなりません。 ・・・・」
「・・・築7~80年の3軒長屋の真ん中という事や、とても狭い周辺道路ということもあり、ご近所へのあいさつ回りに同行いただき不安に思われている両隣の方に丁寧に、そして大丈夫ですと自信を持って話していただき、とてもスムーズにあいさつ回りができました。
おかげさまで快適な生活を送らせていただいてます。
これも家が建った後のこと、建物自体はもちろんご近所との付き合いを大切に考えていただいた木村工務店さんのおかげです。・・・・」仕事の関係の方々から
「・・・・また、当時、娘さんが結婚されるとうれしそうにおっしゃっていたことも、覚えています。 確か、京都の海岸沿いのご出身だったと記憶しています。 ぼやきながらも、人に愛される方だったと思います。・・・・」「・・・現場に着いて、中田さんの顔を見ると、なぜかとてもあったかい気持ちになりました。仕事が終わると、いつも1時間くらいいろんな話を聞かせてもらいました。子供さんのこと、お孫さんのこと、中田さんの仕事の歴史。 とくにお孫さんのことをお話しされていたときの、少しはにかんだ笑顔がとても印象に残っています。
とにかく私は中田さんのことが大好きでした。
きっと誰もが中田さんのことを忘れないと思います。
あっちでも、中田さんらしく、みんなをあったかくしてください・・・」
「ステイ」のようなコトバが、ナカタさんへ届いただろうか・・・。
とは言っても、時間というのは、無慈悲なもので、待ってくれる事もなく、まさしく、刻々と過ぎていくのだった。その週は、月1回の大工さんと手伝いさんのミィーティングがあって、その機会を利用して、ホームページに載せるための写真を会社の加工場で撮影した。気分は、サッカー日本代表。いや、坂本竜馬。ちょっと、はにかみながら、笑う職人さん達が、それなりの雰囲気になっているような・・・・。高熱や所要で欠席した大工さんもいて、もう1回撮影するかね? 次は、社員の撮影かね・・・・。と欲が出る。
左がレギュラーメンバーの大工さん達で、平均年齢は30代のヤングダイクス。他に3組の準レギュラーの大工さんがいる。腕の善し悪しでレギュラーとなっているのではなく、それは、単に、大工さんとの関係性だけの問題で、例えば、私たちにとっての大棟梁のオキさんとか、キナミさんタニオカさんタバタさんは都合で参加していない・・・。右はレギュラーの手伝いさんで、平均年齢は50代。解体からちょっとした基礎工事や鳶や左官やその他、何でもこなせて、人柄も良い手伝いさんの御陰で、大きなリフォーム工事の仕事が出来ているようなものだなぁ。と、あらためて感謝。
そんな、大工さんや手伝いさんが仕事をしてくれたリフォーム工事で、2年前にお引き渡しをした、阿倍野のT邸が、リクルートのリフォーム雑誌の2011年冬号の表紙に掲載される事になって、これはこれで、嬉しい。本文にも木村工務店のリフォームを4ページに渡って紹介していますので、宜しければ、購入して、内容をご覧下さい。
年始から、おもいもよらない出来事があって、一旦、歩みを止め、見つめ直した上で、それでも、たゆまぬ歩みを続けていきたいと思いますので、今後とも木村工務店をよろしくお願い致します。
投稿者 木村貴一 : 2011年01月23日 20:05 « サッカーと相談会と音宴の日曜日24時間 | メイン | 運命 »