2007年01月07日
一年の始まり
「新年明けましておめでとうございます」と、あらたまって、お辞儀をする時、なんで、照れくさいと思うのだろう・・・・。 そんな去来する微妙なエゴを脇に追いやって、「礼」をすると、何だかすがすがしい。人と人の間に潤滑剤のようなものがすーっと流れて、 エネルギーも、じわーっと流れ出す。
木村工務店の一年の始まりは、1時間ほど、全員で、新年の抱負を語り合った後、地元の清見原神社に参拝する。社員と業者の方々でお払いを承け、 御神酒を頂戴する。教会の葡萄酒も同じだそうだが、神の気が触れたものが「酒」だというのが、面白いよなぁ・・・。そんな「気」 を頂戴するのだった。
今年の宮司さんからのお言葉は、
「糸が合わさって紐になり紐が合わさって縄になるように皆の力が合わさって、しっかりとしたものが造られていく・・・・」
というような内容だった。確かに、お客様の家造りを実現させるべく、多くの職人さんや現場監督、設計者がひとつになって、
家が造られていくものだなぁ・・・・・。安心できる家造りと家であるべく、皆で力を合わせたいものだ。既に家を建てさせていただいた皆さん、
工事中の皆さん、そして設計中の皆さん、また、これから家造りをお考えの皆さん、家造りとは全く関係ないけれど、
ブログを読んでいただいている皆さん、本年も宜しくお願いします。
神の気を頂戴した後に宴がある。なんでそんな習慣が生まれたのか、不思議だが、そんな伝統はしっかりと受け継ぎたいものだ。なにはなくとも、
新年のはじまりに「笑い」は必要だよなぁ・・・・・。ともすれば、このまま休みが続いて欲しい・・・・。仕事するの、ちょびっと、イヤかも・
・・。ていうような、欲深い気持ちと内向きにたまったエネルギーにお別れできるのも、「宴と笑い」のおかげかもしれない。社員、大工、
手伝い、協力業者、皆のエネルギーが渦になって、いっきょに外に向かって流れ出すのだった・・・・・・。
親子兄弟姉妹が全員集まるのは、お正月ぐらいのものかなぁ・・・。 親兄弟を含めた家族での一年のはじまりは、座敷での「おとそ」だ。確か、以前にも書いたっけ。一年に一度だけ座敷に座ると、 日本建築ってええなぁ・・・と思う。造った大工と左官、それに木、それらに、ひとの息づかいのようなものがあって、 身が引き締まる。日本の伝統建築も素直に受け継いでいきたいなぁ・・・と、おもうひとときでもある。
最近、「おせち」が面白い。何十万円もする高級店のおせちはすぐに売り切れるらしい。勿論、 奥方が家で作ったおせちも素晴らしいのだが(ブログを書く時もそれなりに、気を使うのだなぁ・・・)、それぞれの店によって、 素材と味付けに、かなりの個性の違いがあって、来年はあそこの、おせち買ってみるかぁ・・・て、 皆で意見しあいながら食べるのもひとつの楽しみだなぁ・・・。
もうひとつのお正月の行事は、ほとんど毎年のように行くスキーだ。もう20歳にもなる長男が唯一、 一緒に旅行する可能性があるとすれば、スキー旅行の時だけだ。きっと、ただで、スキーできるなら、まぁ、 付いていってもソンないかぁ・・・っていう事なんだろうなぁ。私にとっては、自分の体力(耐力)を確認し、 エネルギーを外に向けて発散させる一年のきっかけなのかもしれない。自然の空気をいっぱい吸って、 呼吸量が倍増するのもこの時ぐらいかな。年間滑走日数は多くても5日ほどだろうなぁ・・・。
いつまでたっても、上達はしないけれど、年齢差を超えて、家族が一緒に楽しめるスポーツって、 スキーぐらいかなぁ・・・?。まぁ、そんなわけで、結構、年を重ねている奥方も一緒に滑る。といってもだ。今回など、 ゴンドラリフトに乗ろうとしたその時だった。5分間ほど並んでようやく、ゴンドラに乗ろうとしたその時だ。 ゴンドラのドアーにスキーの板をさそうとしたその時だった。あれぇ、スキーの板がない・・・と言い出すのだ。 両手にストックだけをもっていて、スキーの板を持ってこずに、ずーっと並んでいたのだぁ・・・。スキーの板がなぁいーーだって、 ふざけんじゃぁねえよぉー・・・・と、お笑いのマチャマチャのフレーズが思わず浮かんだ。あげくのはてはだぁ、何でぇ、 板持ってないのを注意してくれへんのよー!!っと、怒られる始末だぁ・・・。まぁ、お互い、 その程度のスキーヤーなのだと理解して欲しい。コンドラの中でその可笑しさに笑いまくった・・・・・・。
そんな、ええ加減スキーヤーの私たちが、いろいろな人との繋がりと縁で、1日だけ、スキーを習う事になった。もと、 デモンストレーターで、デモ選の選考員もしていたという、指導員の指導ををしているというK藤さんという人だった。家族で教わった。 といっても、厳しい指導を受けたのではなかった。楽しく一緒にスキーを滑ったのだ。何本も何本も一緒にその人の後に続いて滑った。一瞬、 自分が巧くなったのでわーと、錯覚してしまうほどだった。
ムダな力がいっぱい入っているらしい・・・。力が逃げているらいし・・・・。力が逃げないように耐えなければいけないらしい・・・・。 板の性能に頼って、自然に曲がるのを待って許さなければいけないらしい・・・・。センターにのっていること・・・・・。 足の裏全体を感じること・・・・・。美しいものにはムダな力がない・・・・と。一緒にご飯を食べたりしながら楽しいひと時を過ごした。
そうそう、そう言えば、コンドラの頂上から弘前平野を眺めた時、あそこに、レーダーが設置され、パトリオットミサイルが配備され・・・ ・と。例の北朝鮮の問題があって、ほんの数週間で建物が建ち、米軍が来て・・・・と、教えてもらった。
地球温暖化。暖冬。スキー客の減少。外資系の経営者によるホテルの再建。地方の町には若者の就職先がない・・・と。 どの地方に行っても同じような町並みとおもちゃのような家・・・。大阪も含めて、どの地方にも活気がないのかね・・・・。まるで、東京が、 夢を食べて育つ強大なバクのような都市に思えてきた。普通の農家の人。普通の漁民じゃぁやっぱダメなのかね。やっぱり、 大きな夢が必要なのかね。流れにまかせて生きるのはダメなのかね。普通の家造り。普通の工務店。普通の現場監督。 それでは生きていけない時代なのかね。何だかちょっと寂しいなぁ・・・・。なんて、ホテルの部屋の椅子に座って外の景色を眺めながら考えた・ ・・・・・。
あらためまして、本年もよろしくお願い致します。
投稿者 木村貴一 : 2007年01月07日 10:54 « この一週間 | メイン | 大掃除 »