2016年10月23日

モノのインターネットの時代。

日曜日の早朝に目覚めて、布団の中でぐずぐずしながらNHKのラジオを聴いていた。そういえば、毎朝、目覚まし代わりにNHKのラジオが鳴り、ニュースやら、天気やら、経済の話やら、健康の話やら、社会の出来事やら。布団の中で寝ながらの時もあり、洗面をしながら聴く時もあり、朝一番にパソコンを起動してメールやスケジュールを確認している時もあり、朝食をとりながらの時もある。何かをしながら耳で情報を得る感覚が、ラジオ的情報感覚なんだろう。

携帯電話やパソコンは、目で文字や写真や動画の情報を得るのが主流で、最近は音声もしっかりと流れて、テレビ的になってきた。テレビは、音と映像による目と耳の両方からの情報なんだろうし、ラジオは耳だけの情報ということになり、最近、皆さんは、ラジオをどんな状況で聞くのでしょうかね。車?。いや、なんで、こんなことを考えたのかというと、今日のお昼から、枚方に出来たTSUTAYAのTサイトに行って、本を見ているうちに、最近の私の購買マインドとリアルなモノとの関係性にインターネット的情報感覚が強く入り込んできているコトに気付かされたのだ。

最近は、インターネット上のAmazon で、本を買うことが多くなってきて、手軽にポチッとしてしまうわけで、先日、行政の方と一緒に講演を聞いた、村松秀一さんの本を講演終了後にインターネットで確認すると、発売前の予約で、『ひらかれる建築: 「民主化」の作法¥842円 』となっていて、何となく、安いし、手頃な価格。とおもい、「中身も見ていないのに」、気軽に、ワンクリックで購入してしまった。それで、当然のように、後日、配送されて、奥方が、テーブルの上に、置いてくれていて、先々週の雨の日曜日のお昼から開封して読んだ。

枚方のTサイトは、エエ建築だし、本だけでなく、地下の食品売り場や雑貨や食事スペースもそれなりにエエ感じで、遅い昼食を8階のイタリアンで食べ、奥方は、マゴちゃんのための服や雑貨や本を物色したり、帰りには食品売り場で、なんだかんだ買って、気付いたら私の財布からそのお金が流失していたりした。そうそう、知らなかったが、偶然、金子眼鏡店が入っていて、グランフロント店で買った眼鏡を掛けたまま寝てしまって、寝返りかなんかで、眼鏡を踏んづけたまま寝ていたらしく、耳掛けが、かなり曲がっていた。梅田まで、それだけのために直しに行くのを躊躇していたところ、偶然の出会いで、枚方のこの場で丁寧に修理してもらった。

ところが、本をいろいろ見て、買いたい本が、何冊もあったが、な~んとなく、本の値段が高いと感じてしまうのだ。リアルな本というモノをその場で見て、中身を見て、購買意欲が増幅されているのだろうが、700円ほどの雑誌でも躊躇し、1000円代の雑誌は、尚更躊躇し、文庫本売り場には力が注がれていないようなので、見る気もせず、2000円を超えることが多い単行本は、これとあれとそれ、まとめ買いしたい気分になるのだが、実際、手に本をとって、中身を見ても、それをカウンターまで持って行く勇気を持てず、建築関係の写真集なんて、3000円を超えるに決まっているので、見るだけで、その場で買う気すら起こらない始末だった。

それぞれの「情報源」が持つ固有の「情報感覚」というのがあるのだろが、テレビ的情報感覚とかラジオ的情報感覚とか。インターネット的情報感覚なら、1000円とか2000円とか3000円は安いと感じて、迷いながらも気軽にポチッとするのに、リアルなモノをその場で見て、現金とかカード払いとする時の方が、躊躇して、買わない選択をする場合が、最近多い気がする「私」。本の場合は特にそうで、いや、「私」は本好きで、かつては、それなりに本を買っていたが、最近はめっきり減って、特に本屋さんで買った雑誌が、家に山積みされている状況は、全くなくなった。

リアルなモノが商品として展示している、商品棚が持つ、実物的情報感覚というのが、きっとあるのだろう。そういうモノたちが、『モノのインターネットといわれる「IoT」』が進んでくると、本屋さんの棚にある本に貼られたICチップによって、自分が手に取って、中身をパラパラ見ていた本が、自分のスマートホンにその場で記録されて、それを本屋さんのソファーに座って、珈琲でも飲みながら、買うかどうかを迷いつつ、購入ボタンをポチッとすると、その本が、クレジット決済と共に家に配送されてくるとか。その場で手渡しを選択出来るとか。いや、それよりも、家に帰ってから、手に取った本の履歴をパソコンで見ながら、買うかどうかの迷いを楽しみつつ、意を決して、まとめ買いをポチッとするとか。そんな、「IoT」な時代の、本や雑貨や服の売り場を想像してみた、枚方TSUTAYAの午後だった。

投稿者 木村貴一 : 2016年10月23日 23:52 « ガラスの茶室の縁。 | メイン | トークという戦場 »


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