2017年05月07日
巡礼のような。
しまなみ海道を自転車で走るゴールデンウィーク。昨年、一昨年に引き続き、今年もまた、生口島の「LINK輪空」に、幼稚園からの同級生3人で1泊し、ロードバイクで島々を巡る。ここ5年ほど、年に1、2回は、しまなみ海道に、自転車を乗りに行っているが、未だに、縦断した経験がなく、それは、宿が、中間地点の生口島にあるからだろうが、それ以上に、島々を「巡る」という感覚が、とっても楽しいからに違いない。
2日目は、大三島を一周した。そういえば、初めて、しまなみ海道を訪れた最初に、伊東豊雄のシルバーハットを見たいと伝えると、宿のイチムラさんと、ウィリエールのキタムラくんの二人が、大三島一周を案内してくれた。アップダウンが、それなりにキツく、初心者ゆえに、二人に待ってもらいながら、ハッハッ云って、上がったり下ったりした。今回は、その大三島を、同級生3人で巡るが、初回とは違って、格段に、アップダウンできるようになり、5年も自転車に乗ると、この歳になっても、それなりに成長する「私」が、嬉しかったりする。
シルバーハットは、もともと、東京の住宅地のど真ん中に建築された住宅で、それを、大三島の海が見渡せる崖の上に再建築した、ドーム状の屋根付きのオープンスペースがある住宅。もとの建築を知るひとにとっては、この場所に建つ姿に、賛否両論あるらいしいが、島と穏やかな海が見渡せ、心地良い風が吹く、ドーム状の屋根の下のオープンスペースに、初めて座った、ウィリエールのキタムラくんは、こんなペンション作りたいなぁ....って呟いた姿が、印象的だった。
58歳になると、「第二の人生」を、より一層、真剣に考える歳になってくるわけで、「私」は、責任のようなものもあり、可能な限り、働き続けるつもりだが、同級生2人は、会社勤めをしていて、さて、どのように身を処するのか、時々、そんな話題が、ふとした瞬間、随所に、折り挟まるように、登場し、あれやこれやと談義する。
しまなみ海道の、海と島と気候が持つ、独特に穏やかな雰囲気。自転車で、フゥフゥ云って、アップダウンをしながら辿り着いた、ちょっとした満足感。シルバーで無機質な鉄骨のドーム屋根と無機質なコンクリートの土間。そのなかに立って、心地良い海風を感じ、スチールの手摺越しに眺める、超晴天を背景にした、穏やかな海と島々。そして静けさ。それぞれが、これからの人生を、ふと考えた、一瞬だった。
二日間で、150kmほど走り、それが、多いのか少ないのかは別にして、宿の料理だけでなく、美味しい食べ物が、島のあちらこちらにあるのが、しまなみ海道のもうひとつの魅力で、自転車での消費カロリー以上に、美味しい昼メシ、あっちこっちの甘いもん、で、結局は痩せることもなく、巡礼のような旅を楽しんだ、ゴールデンウィークだった。
投稿者 木村貴一 : 2017年05月07日 22:27 « 検便。 | メイン | 富士山 »