2017年06月18日
ポリリズム
唐突に、マイルスの「BITCHES BREW(ビッチェズ・ブリュー)」を聴きたくなる時があって、おそらく7年に1度ぐらいの割合なのだろうが、この歳になっても、聴く度に、新たな発見のようなものがあるのが、マイルスの面白さなのだろう。そんなコトより、そういう時の「私」の精神状態というものが、いったいどういう時なのか.....というコトで。いわゆる、ぶっ飛びたい気持ちになりたい時なのか.....。どうしても何かを革新したい時なのか.....。とにかく変化を求めている時なのだろうが、聴きながら、こんな、多彩で個性的なメンバーで、複合的なリズムを奏でる工務店として、マイルスが吹いているように、活動してみたい.....、建築を造ってみたい.....と、おもっていたのかもしれない。そうそう、時折、ミンガスグループのような工務店になりたいと、想うときもある。ついでに、2枚組のCDを、通しで、聴いている間、時折、同居する孫が、乱入してきて、腰を振って、そして、どこかに立ち去っていくのが、3度ほど続いた。
今日の日曜日は、左官ワークショップがあり、版築という手法で造る傘立てで、想定以上に時間がかかって、皆で、粘り強く、土を突く、トントンという、複合的なリズムが響くなかで、時間をかけて作り上げた甲斐があり、それなりに素敵な傘立てが出来たワークショップだった。参加してくださったお客さんが、多彩なメンバーで、最近の「ものづくりが好きな層」というのは、職業も年齢も性別も多彩で、個性的なのが、特徴だとおもう。そんな、ものづくり好きな方々と、家づくりが出来るコトが何よりのコトなのかもしれない。
この木曜日の夜、Ms建築設計事務所の「三澤康彦さんお別れの会」があり、おそらく、日本中の工務店が、「木の家」を、いま建築出来るのは、三澤さんご夫妻の、木造建築に対する、木取りと伏せ図を含めた丁寧な木の家の設計と、「木」を山から製材所を通じて町へ供給するシステムをトータルにオーガナイズした、そのパイオニア的な努力があってのコトで、「私」も、かつて、三澤さんと一緒に仕事をする機会を得て、「木の家」の造り方を学んだひとりであり、その恩恵を受けた、「工務店」といえるわけで、三澤康彦さんへの感謝とともに、ご冥福をお祈りしたい。
投稿者 木村貴一 : 2017年06月18日 23:44 « まちに参加する | メイン | 熊野詣 »