2011年12月18日
男宴昼宴女宴
金曜日の夜、社員と大工と手伝いさんの30人ほどで忘年会をする。がんこ寿司の上層部の方のお宅をリフォームをした御縁があって、がんこ平野郷の倉造りの部屋を貸し切って、それに、マイクロバスで会社から送迎してもらえる事も幸いして、皆が会社に集合し、バス一台に乗り込んで、平野郷に向かい、食べて飲んで語って、また、マイクロバスに乗り込んで、会社に帰り着くという、忘年会のパターンが、ここ3年ほど続く。
「男の中に女が二人」という、「男宴」で、職人と現場監督と設計士が、時には、けっこう真面目に熱く語り合い、時には、どちらかと言えば、悪ふざけな事をしながら、心底笑い合う。毎年の事だが、行きのバスはシーンとして静かなのに、帰りのバスでは、皆が酔っていて、賑やかなんていうのは、遙かに通り越して、怒号が飛び交う状態で、内輪では、オモロイが、外から見れば、かなりの馬鹿。なのだ。とおもう。お作りとお寿司と天ぷらと鍋と飲み放題という、味も量も場所も含めて、コストパフォーマンスがかなり高い「男宴」だった。「感謝」
二次会は、社員の全員というわけではないが、かなりの社員と大工さん数人とで、布施のスナックに行って、カラオケをする。これも、毎年のようなパターンなのだけれど、夜の世界に、めっぽう強いS大工が、毎年のようにスナックを予約してくれて、そういう意味でも、大工さんと社員は、ひとつのチームのような感じなのだろう。
それにしても、二十歳ぐらいの、女の子と会話する機会など、めったにないのは、うちの子供達が、男二人だという事が原因なのかもしれないが、若い女の子と、なんともぎくしゃくした、歯切れの悪い会話をする50を過ぎた、おっちゃんなのだと、自覚したね・・・。
この週の土曜日のお昼には石川友博建築設計事務所設計による、木造2階建て住宅の上棟式があって、土曜日にしか休みを取れないお施主さんの事情や、その日に、設計のイシカワさんが、夕方前から、結婚式に出席するという所用があり、また、弊社の工程としても、もう一週間、上棟を早める事がムツカシイ状況だという、様々な要因が重なっての、お昼の上棟式となった。
そんな事情もあって、ほとんど、お酒が飲めない状況でもあるので、宴としては、盛り上がりには少々欠けるのかもしれないが、大工二人が「鉋対決」をして、「光る柱」が、建物の角に、ひっそりと養生されて、佇んでいるというエピソードもあり、冬の晴天に恵まれて、上棟式用として簡易に作る合板のテーブルの上に、冬の柔らかな日差しが差し込んで、かなり高級な、なだ万のお弁当を照らし、その柔らかな日差しを感じながら、大工や鳶や現場監督と共に、設計のイシカワさんやお施主さんと一緒に喜びを分かち合い、一緒に食べる「昼宴」は、印象に残る、お昼の上棟式になった。「感謝」
その日の夜、産婦人科医院の忘年会に夫婦でお誘いを頂戴し、最近、ミュシュランの二つ星に認定されたという、奈良の「無窓庵」に向かう。偶然にも無窓庵さんとは、不思議な御縁があって、女将の息子さんが、奈良にあるうちの祖母の土地で、日本蜜蜂の蜂蜜を採取されていて、そんなご縁で、うちの会社まで、わざわざその蜂蜜を届けに来て頂いたりし、また一度だけ、食事をした経験もあって、工務店の私たち夫婦が、唐突にも、お医者さんと看護婦さんの忘年会に現れたのには、たいそう驚かれていた。
その女将の驚きより、きっと「私」のほうが、驚いた顔をしていたのかもしれない。それは、突然、いや、唐突に、30人中男4人の「女宴」に迷い込んで、しかも、いつもいつも、職人や現場監督や設計士という、かなりむさ苦しい男どもと「男宴」ばかりを経験しているわけで、その上、前日、いや、ほとんど当日の超早朝まで続く男宴の余韻が残っていた直後のこの状況で、しかもしかも、座敷に車座状態のお膳が並んでいて、その上座に座らされると、ほんとうに、つい先ほどまで、上座から、野郎達の顔と風体を眺めていた私の「目」は、お膳の前に座る看護婦さん達の姿に、少々ドギマギしながらも、かなり、キラキラとして、喜んでいたはずなのだ。
料理もお酒も、大変美味しくて、しかも、この人数でするには、丁度良い座敷の大きさで、こんなエエ場所で、「女宴」を催すと、他の場所では二度と出来ないだろうなぁ・・・と、羨ましい限り。
ところで、この宴で、もっとも盛り上がったのは、豪華景品付きのビンゴゲームで、唐突な参加者でもあるという、妙な気遣いも発露し、綺麗どころの看護婦さん達と、右手を高らかに挙げて、レッツビンゴーと一緒にかけ声をあわせる、とってもベタな司会をさせていただいた・・・・。
その上、二次会は、10人ほどで、なんと、奈良から大阪のミナミまでタクシーで出かけて、ノリノリのエレキギターの生演奏の元でのカラオケライブバーを深夜まで楽しんで、こんな忘年会を経験できるなんて、めったにない事で、ほんとうに「感謝感激雨あられ」という、まったくもって、おじさん的な喜び表現しか、思い当たらない。
「男宴」「昼宴」「女宴」いずれにしても、様々な「縁」のおかげであって、感謝の大安売りも感謝の値打ちが下がるので、なんと表現すれば良いのか、コトバが見あたらないが、この三つの宴で縁をもった皆々様に、深々と一礼を拝しておきたい・・・・。
投稿者 木村貴一 : 2011年12月18日 23:58 « ワークショップ | メイン | 心が最も強く動かされたもの »