2012年06月10日

おとなのだんたい旅

IMG_3307朝起きて、10kmのランニングをし、朝風呂に入る。暫くお湯に浸かって、オッサンらしく、あぁぁエエ気持ち。とため息つきながら、ふと横をみると、小さなヤモリが、ゆで上がって死んでいて、ということは、つまり、そのエキスが入浴剤となっていたわけで、げぇっと驚きながら、お風呂から飛び出て、ヤモリちゃんを外へ放り出す。それで、体と頭を洗って、すっきりさせて、最後に、もう一度、湯船に浸かりたいと思ったものの、流石に、躊躇した・・・。

が、お湯をもう一度入れ替えるのも、たいそうな気がして、試しに、ヤモリエキス入りの浴槽にもう一度、浸かってみた。なんて話を奥方にすると、いやぁ~、鳥肌立つわ。と。確かに。!?。 このお風呂、住宅風呂巡礼の第一回シーンのお風呂で、きっと、背後の外から紛れ込んだのだなぁ。そういえば「おとなのぶら旅」のp81に、うちのお風呂に気持ち良さげに浸かる温泉ソムリエぐっちのこんなシーンが掲載されていて・・・・。

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そうそう、先週の日曜日は、社員と大工と協力業者との旅行があって、皆生温泉の湯船に浸かっていて、それは、第56回精親会旅行という慰安旅行であり、研修旅行でもあり、58名の参加者がバス一台で旅をする、いわゆる「おとなのだんたい旅」。よくもまぁ56年間もこんな旅が続いているな。とおもうが、ここまでくれば、「伝統」でしょぉ?

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「ぶら旅」に比べると、分単位で予定を立て観光や体験をする、「びっしり旅」で、それ故に、ここ5年ほど、80ページほどの「旅のしおり」を自ら製作し、旅のムードを高めると共に、帰ってからの旅の思い出として、強制的かつ強引に、皆に配布する。朝の出欠点検もかねていて、ま、ほとんど、「私」的趣味。

それで、今年の旅はというと・・・・

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地下鉄小路駅近くにある、弊社で施工した小路会館前に集合し、その時、例のしおりが配布されるわけで、それと共に、軽トラックに乗った社員によって、大量の缶ビールや焼酎やマッコリやソフトドリンクがバスの中に持ち込まれるのでした。

DSC02896姫路城の大天守閣が修理中で、3班に分けれて、ガイドさん付きで見学する。事前に、施工会社の鹿島建設のホームページを見て、その資料が、今回の旅のしおりの半分以上を占めているのだけれど、建築に携わるものの立場になると、天DSC02972守閣を覆う仮設と構台の大きさとその技術には圧倒される。良い仕事をするためには良い仮設工事が必要で、完成してしまえば跡形もなく消えてしまう仮設なのだけれど、仮設の技術や美しさが、建築会社の力量をあらわすのかもしれない。

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今まで、何気なく見ていて、気付かなかったのだけれど、ガイドさんの説明で気付いたことは、唐破風の盛り上がりによってできる段差を普通は谷樋で処理するのだけれど、瓦桟葺きで、直線的に瓦を葺いているのところが、屋根の美しさの秘訣なのだと・・・

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お昼は、岡山で、バーベキュー。初日は、朝早く起きていることもあって、かなりの空腹状態で、いやぁ、皆の食欲の旺盛なこと旺盛なこと。 


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岡山の奈義現代美術館を見学する。磯崎新設計で、展示室「太陽」の荒川修作と展示室「大地」の宮脇愛子と展示室「月」の岡崎和郎の3つの展示室に分かれていて、そんなに期待していなかったのに、かなりエエ感じ、行って良かったな・・・。

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荒川修作という現代美術の芸術家と磯崎新という建築の芸術家が、相互作用によって、丁度良い抑制が効いた作品になっているのかもしれない。荒川修作の暴走を磯崎新が、建築的にきっちりとして、抑制を効かせていたのでは・・・・と。そんな現代美術以上に、併設してある、図書館のカッコ良さに、驚く。副館長にお聴きすると、図書館へのこだわりはかなりのものだったとか。
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図書館の閲覧席がカッコ良くて、その窓越しに、山を背景にするオブジェ的な展示室「太陽」と展示室「月」がカッコよく見えるのだけれど、その間に、共同住宅のようなものが、割って入いるように建っていて、それが、景観的美しさを少々台無しにしている。どうやら、町と建築家との間で、物議をかもしたらしい。町の観光資源としての現代美術館なら、あの場所に共同住宅は、なかった方が良さそうだ・・・・。

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鳥取県米子にある、皆生温泉に宿泊する。温泉に入ってゆっくり寛いだ後に、ごくごく簡単な総会をし、大宴会。「私」の席から見た、宴会前の雰囲気で、こんな古くさいスタイルの宴会なんて・・・と思った時期もあったが、この歳になって、いろいろ経験してみると、このスタイルでないと生まれないコミュニケーションというのがあって、まさしく、膝と膝を付き合わせてお酒を酌み交わすコトによってもたらされる、独特の親密感と仲間意識。

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翌朝、団体旅行につきものの、おきまりの大型土産店に立ち寄って、お土産を買う。.団体旅行の時は、こんなところで、気前よくお土産買うのが、気分なのだ。

その後、境港にある、水木しげる記念館を見学。その記念館の前で、集合写真を撮る。団体旅行で集合写真。というのもおきまりで、でも、それはそれなりの独特の写真としての良さがあって、何年かして見ると、やっぱり思い出として、楽しい。
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さてさて、今回の旅のメインイベントは、岡山国際サーキットのミニコースを貸し切って、ゴーカートのタイムトライアルと5チームに分かれての60分間耐久レース。

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まずは、スタッフの方から説明を聞いたあと、ひとり10周を走って、1周の最速ラップを争ったのですが、ゴーカート経験者の大工の鮫島さんが、流石に、ダントツに早くて、笑顔のバンザイ優勝シーン。

タイムトライアルの間にサーキットの本コースを見学し、管制塔の中を見せてもらう。「優勝」なんて経験が生涯訪れそうにもないので、現場監督のモリタくんと、「私」は、表彰台に登って、ガッツポーズをして、ありきたりのポーズですが、やっぱり気分はエエのです。 
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最後は、タイム順に5チームに分けて、60分間の耐久レースをする。いやぁ、実に楽しくて、今までに経験したことのない盛り上がりで、優勝チームは金メダルを付けて表彰台でガッツポーズ。「これで息子に自慢できるわ!」という大工の嬉しそうな姿もあって、表彰台での皆のくったくのない、おとなの笑顔は、それはそれで、羨ましい姿なのでした。

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3日日曜日の朝の7時45分に出発し、4日月曜日の午後8時30分に到着するという、ハードなスケジュールで、それが、到着前に20代の女性添乗員のミワさんによる最後の挨拶があって、木村工務店がどんな家を建てているのか知らないにもかかわらず、「皆さんのチームワークと仲の良さを見て、きっと、いい家を建てておられるのだなぁ。いつか、こういう人たちに、家を建ててもらえるよう、私も頑張りたいとおもいました。・・・。」という、嬉しいおコトバを頂戴したのが、きっと、社員や大工さんや、手伝いさんや、協力業者の皆さんにとっても、何よりの励みになった、旅の締めくくりだったとおもう。

「おとなのだんたい旅」もそれはそれなりに楽しい・・・・。

投稿者 木村貴一 : 2012年06月10日 23:59 « 段取り | メイン | 300年後の金環日食。 »


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