2006年09月03日

木に囲まれて過ごす(北海道の旅その4)

RIMG0042久しぶりに茨木のN邸に訪問する機会があった。 新しく家を建ていただくお客さまと一緒だった。竣工時に比べて、物がいっぱい溢れていて、混沌としていたのだけれど、 何だか凄く、居心地が良かった。

RIMG0031子供部屋には梁からブランコがぶら下が っていた。お父さんの手作りらしい・・・・。 3人の子供達が取り合いをしながらブランコに乗っていた。ロープをくくり付けた梁には傷が付かないようにと養生してあった。 そんな心遣いが嬉しかった。まぁ、でも、ちょっとぐらい傷ついてもええじゃぁないですかぁ・・・・。

RIMG0022RIMG0023RIMG0019デッキには大きなビニ ールのプールが置いてあっ た。子供達で水浴びをして、 そのままデッキ続きのお風呂にザブンと入るらしい・・・・・。

RIMG0046和室は奥様が英語教室を開かれていて、一瞬、原型がどんなんやったかなぁ・・・・と、 戸惑いそうになったが、 それはそれで、楽しく飾り付けされてあった。「こんな和室で英語を習う」 というのもええじゃないかと思った。ご近所の方、興味があったら、習ってみては。
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机とか椅子とか家具は、今まであったものを普通に使っていた。そりゃぁ 、建築雑誌には掲載さ れないかもしれないけれど、 家の中で生活を楽しんでいる様子が随所に伺えて、家が生きているようで、嬉しかったなぁ・・・・・。

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この夏はクーラーをほとんど使っていないらしい。決して、高気密高断熱の家ではないのだけれど、屋根の野地板に杉板30mmを張って、 それを天井の化粧材とし、その上に断熱材を載っけて、屋根通気層を設けている。 オーソドックスに外壁に通気層を設けているのも効いているのかな・・・・・。あと、あちこちの窓から風が通り抜けるのが、やっぱり、 基本的な事かもしれないよなぁ・・・・・。

RIMG0198風の心地よさは、 今回の北海道旅行でのカヌーの出発点だった塘路湖のキャンプ場を思い起こさせた。 湖のそばという恵まれた環境だけでなく、「木」 が良かった。RIMG0211大きな木がつくり出す木陰が実に、心地よかった。

早起きしてカヌーに乗った疲れもあって、outdoor用のベットの上にゴロリとなった。空を見上げると、 枝と葉っぱと青空がコントラストをなして、ええ感じやなぁ・・・と、眺めた。そしたら、心地よい風が、すーっと、通り抜けて、 いっそう気持ちよさを演出してくれた。あー、やっぱり気持ちええなぁ・・・と、再び五官で感じながら、意識が薄れてきて、 「眠りに落ちていく・・・・」と思っていたら、いつの間にか寝ていた。暫くして、息子が奥方とキャッチボールする歓声で、 寝ていたことに気付いた。目が覚めてすぐ、キャッチボールの順番が回ってきた。ぇーえーと、うめき声をあげながら、 父親家業も辛いものだなぁ・・・と、ぼやいてみるものの、まぁ、それはそれで、案外、楽しんだのだ。

15年ほど前の北海道の旅では、武田泰淳の「森と湖のまつり」を読んでから旅行した。そんなわけで、その時は、 本のシーンを思い浮かべながら、塘路湖を眺めた。今回の旅行も久しぶりにその本を読んでから行こうと、本棚を探してみると、 なぜか見あたらなかった。代わりに「富士」という、読まずにおいてある本があった。先日の富士登山とイメージが重なって、 フェリーの中で読んでみるかと、鞄に入れ込んだ。そして、船室でページをめくると、それは富士山麓の精神病棟での物語であった。 なんと場違いなチョイスではないかぁ・・・・・と、苦笑しながら、2~3ページ後には、2段ベットの下段で、ぐっすりと寝てしまった。

今回の塘路湖では「木陰と湖とそよ風」を感じた。ちょっと大げさに言えば、「木」というものに「神聖」が宿っているなぁ・・・ とさえ思えた。神社のような、ちょっとした重苦しさとはまた違う、「軽やかな神聖」を感じた。「木の葉」って、心地いいなぁ・・・「木陰」 っていいなぁ・・・「木陰」は「風」を呼び込むよなぁ・・・・・「木」って精気を与えてくれるよなぁ・・・・・「木」って好きだなぁ・・・・ ・。そんな感覚だった。

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投稿者 木村貴一 : 2006年09月03日 21:09 « ソトメシ(北海道の旅その5) | メイン | 地下足袋(北海道の旅その3) »


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