2010年04月04日

お花見

地下鉄 小路駅に、午後11時過ぎに着いて、地上に上がる。すぐ前に、たこ焼き屋さんがあって、そのたこ焼き屋さんのおばちゃんが、店じまいの片付けをしていた。

「お帰り」「只今」「こんな遅くまでどこ行ってたん」「お花見」「そうそうおかあちゃんは(うちの奥方のことだけれど)さっき東京から帰ってきて、たこ焼き買って帰ったでぇ」「そうなん、今日は、別行動やったから」と、ちょっとした、うちの関所。そんな会話を残像のごとく、声だけを残して、通り過ぎると、後から声が聞こえてきて、「○○○○おめでとう!」と声が飛んでくる。それを聞いて、後を振り返り、「どうなるかわかれへんけど、ありがとう!」と片手をあげて応え、その暖かい言葉に、ニコニコしながら、小走りに家へ急ぐ。

そんな訳で、今日は、目神山で、お花見をする。そのお花見と2次会が、あまりにも居心地が良かったので、ついつい長居をしてしまい、ブログを書く事を忘れる。いやいや、正確には、心の中で葛藤はあって、「はやく帰ったほうがエエでぇ・・・」と、「私」はつぶやいていたが、もうひとりの「私」は、「その居心地の良さと、はずむ会話に身を任せようよ!」と、つぶやいていた。まぁ、そんな訳で、日曜日に更新するという、ゲームのような勝手な決まりは、超法規的措置で、ここらで更新・・・・。

続く・・・・午前0時をまわり・・・

印象的なお花見の宴は何度かあって、学生の頃だったか、東京の友人宅に遊びに行って、国立駅前の広い道路の歩道の様なところでしたお花見の宴。堺の兒山家という文化財の広いお庭でしたお花見の宴。25年前に買ったほんの小さなしだれ桜がようやく、しだれ桜らしくなって、社員や職人さんと一緒に、会長宅の庭でした最初のお花見の宴。そして、今日の目神山のお花見の宴。

DSC00922今年は、冷たくて、雨の多い、とっても不順な天候。その合間をぬって、満開少し前だったけれど、会社の花見を催す。もちろん、「宴会」が社員や職人さん達の潤滑剤のような役目をしてくれることや、桜という自然を愛する気持ちを持つことなども大切だけれど、そのための段取りとか、片付けを体験する事は、現場監督として、しっかりと学ぶべき事だ。とおもう・・・・・。

そうそう、それで、今日のお花見。目神山の住人の建築家のI井さん夫婦からのお誘いで、建築家のヤベッチさん夫婦、K藤設計ご夫婦とスタッフ、S倉事務所の面々。それにうちで、施工した、二組のお施主さんが集合し、目神山の「回帰草庵」から歩いて、グランドの土手沿いの「大御所」がお気に入りだったという場所で花見の宴をする。

満開で、そのうえとっても良い日和りであって、気分がうきうき。それに、出発前に、メールをチエックすると、昨年リフォームしたお施主さんから、リフォームをしたばかりなのに転勤の指令が出てというメールがあり、「大好きなこの家としばらくお別れですが、また三年後帰ってこれるように頑張ってきます! 素敵な家を作って頂き本当にありがとうございました。」なんていう、リフォームをした家の窓から見える、桜の写真が添付された携帯メールを送って頂いた。それが、嬉しかった事も、今日のお花見に影響していたのだろう・・・・。

宴もひとしきり盛り上がり、廻りの花見の宴を楽しむ姿もなくなり、太陽も沈みそうになって、桜や眼下に見える街や海を眺めて歩きながら、二次会の「回帰草庵」へ向かう。何度か拝見しているのだけれど、行く度に、建築的な何かを発見する。丸太による力強くて、どことなくモダンな木組み。「ちり」の処理。高さ関係。外部の納まり。何よりも、「外」との関わり方。などなど。やっぱり、名建築だ。とあらためておもう。

暖炉の火の側で、長々と話をしているうちに気が付いたら午後10時を回っていた。それほど、居心地が良かった。建築的な話も大いにあり、建築家の設計による家づくりという話題もあり、施主さんからのメンテ依頼の件に関する柔らかいお言葉による反省事項もあり、それに、設計のヤベッチさんによる、「119番に電話をするのを間違って、1192番に電話をすると、鎌倉幕府に電話がかかるでぇ・・・」なんていう、たわいもない話で盛り上がったのも、きっと、お酒と、この何とも言えない空間の御陰。

そうそう、何よりも、共感したのは、帰り際の、「贅沢な時間だったなぁ・・・」という何人かの人たちのつぶやき。とにもかくにも感謝です。

追伸ながら、帰りの電車で、K藤事務所の若いスタッフが横に座り、彼が、「30半ばですか?」「いやいや50越えてます。」「えぇぇぇ」と、つぶやいたその事実を、家で熱いお茶を飲みながら、奥方に伝えると、「そんなアホなぁ・・・」「冗談もはなはだしい・・・・」「ちゃんちゃらおかしい・・・・」と大笑いしながら吉本新喜劇ばりに、何度も突っ込んでくれた事は、記録として残しておこうとおもう。

投稿者 木村貴一 : 2010年04月04日 23:53 « 山笑う | メイン | LED »


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