2009年03月08日

相談会

 

奥さんの実家の近くで、土地を探しているAさんご夫婦は、長屋の住宅を見つける。ご主人は、自営業で、 家には車庫と小さな倉庫が欲しい。オープンキッチンも。子供さんは3人で5人家族。

間口が2間、約4mほどで、奥行きが7間ほどの2階建て木造住宅。築年数は不明。ひょっとすれば、戦前の長屋かも。 戦前の長屋と言っても、基礎には不安があるものの、木組みは以外としっかりしていて、質のいい木が使われている事が多い。

土地の値段の問題があって、新築するには予算が厳しい。自営業者にはローンの審査も厳しいようだ・・・。リフォームでは、 車庫をとると、LDKがとれない・・・・。それに、間口2間の建物で、車庫をとると、地震に大丈夫かと心配にもなる。それに、南西の角地で、 道路巾は4m。仮に新築しても、道路の斜線制限で、ほとんど、3階は斜めにカットされ、ほんの小さなスペースしかとれそうにない。

いっそのこと、車庫を諦めると、解決するかも・・・・。と思う。確かに都会の駐車場代金は高い。 このあたりだと月に2万円以上はするとおもう。ただ、3階建て車庫付き住宅を新築しても、おそらく、その家のローン代金のうち、 2万円以上が、車庫部分のスペースの建築代金に費やされているだろう・・・・・。車のために、間取りにも制約がうまれそう・・・・。

都市で生活するにあたって、「車」の事をどう考えるのか。「車」というものが、家の計画に与える影響は大きい・・・・・。なんて事を、 ベビーカーにのせた赤ちゃんを、横においた若いご夫婦と、楽しく会話をする・・・・・。

 

Bさんはひとりで来社された。3日ほど前にその時間のキャンセルが出て、偶然電話をかけてこられて、タイミングがうまくあった。今度、 結婚する予定で、その新居も兼ねて、両親から土地を譲り受け、両親からお金を借りて、新居を建てようと計画中。

両親は、娘さんの将来を考えて、1階を貸し店舗とし、その2階に住宅を造るようにアドバイスをする。ところが、 鉄骨造2階建店舗付き住宅として、ある会社で計画すると、大幅な予算オーバーに。

何か、他に良い、方法はないのでしょうか・・・と。現在工事中のお施主さんのご紹介で、尋ねて来られる。その工事中の方も、そして、 この方も、「トラックの家具」の大ファンで、その家具が似合う家にしたいのだ・・・・・と。

うちで、やれば、半分の予算で出来るわけもなく。大それた、起死回生の奇策があるわけもなく。ただ、家の建てる大きさを半分にして、 小さくても、豊かに暮らせる家が出来ないものかねぇ・・・・。残った半分の土地は売るとか、貸すとか・・・・。

そうそう、都会の線路の直ぐそばの土地だけれど、小さなスペースでもいいから、家庭菜園をしたい・・・・。 気持ちの良い素材に囲まれて生活したい・・・・。今は買えないけど、徐々に、トラックの家具を買っていきたい・・・・。 ステンレスのキッチン。パントリー。ご主人の書斎。暖炉。

と、いうような事が話題にのぼり、あれやこれやと、話をしているうちに時間がたつ・・・・・・。そういえば、最近打ち合わせしている、 別の家でも、都会の中の家庭菜園の話があったっけ・・・・・。また別の打ち合わせ中の家でも、娘さんの父親は、娘さんのために、 おおきなお金を出し、そして、あれこれと心配し、様々なアドバイス?を・・・。

自分自身のライフスタイル、両親との関係、土地の問題、お金の問題、夫婦の問題、子供の問題、車の問題、素材の問題、断熱の問題、 耐震の問題、エコの問題、・・・・・・、様々な事が、微妙に絡み合いながら、家づくりが進行したり、停滞したり、中断したり、再開したり・・ ・・・・。昨今の経済のように、昨今の土地探しと家づくりは、予測不能な進路を進むのだ・・・・・。

 

Cさんはご夫婦でお見えになる。子供は1才。土地を探して、新築をしたいのだと・・・。具体的に、どうやって土地を探し、 どんな土地を見つければ良いのか・・・・・。と。

もちろん、予算の問題があり・・・・、自分たちのライフスタイルというものがあり・・・・、 それを実現するための住みたい家が何となくあり・・・・、それに、子供の学校の事があり・・・・・、 住みたい場所と住みたくない場所がやっぱり何となくあり・・・・、実家に近い方向という潜在的な気持ちもあり・・・・・、そうそう、 どうしても家に車を置きたい・・・・と。(あぁ、ここにも車の問題が・・・)

そんな話題を、不動産会社のN田さんを交えて、話しながら、何となく、お互いにイメージを共有しようと、模索するのだった。 それにしても、土地探しに携わると、確かに「縁」という言葉の持つ不思議さに、度々遭遇するのだ。

 

Dさんは、以前に中古住宅を購入してリフォームをさせていただいた方で、かれこれ、6年ほど前になり、うちで、一番最初に、 購入前の中古住宅を一緒に見に行って、リフォームを手がけさせていただいた方だ。

いろいろな事情で、そのリフォームした住宅を売って、あらたに、新築をする事になり、その計画と予算の相談にお見えになる。 それにしても、Dさんほど、土地と家づくりの「縁」とか「予測不能性」というものを実体験で、生きておられる方も少ないだろうなぁ・・・・。 いつもながら楽しい打ち合わせをすごす。

 

本日は、そんな、日曜日の住宅相談会を弊社T中くんと、一緒に携わった。感謝。

 

 

投稿者 木村貴一 : 2009年03月08日 22:49 « ゴロゴロ | メイン | 何となく気になるなぁ・・・・。 »


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