2015年06月21日
愛人料理の縁と宴
住宅相談会の午前中のAさんご夫妻は、高野山に出来たゲストハウスkokuuに宿泊し、それで、帰ってからインターネットで検索すると、設計のアルファヴィルさんと施工の木村工務店にあたって、ちょうど、自分たちの家を枚方で、土地を探して新築するか、中古住宅を買ってリフォームするかを、物件をあれこれと見ながら思案中で、じゃぁ、とにかく、まずは、木村工務店に行って、相談してみようと、お越しになった。
今までの施工例の写真を何点かピックアップして、一緒に見ながらコミュニケーションをし、どんな家を望んでおられて、私たちがどんな家造りをしているのかをお互いに伝え合っているうちに打ち解けてきて、そんなのが住宅相談会の楽しさなのだろうし、お帰りの際には、「まちのえんがわ」で腰掛けてもらい、タイミングよく隣の加工場でササキ棟梁が手加工中の刻まれた木材を見学してもらって、こんなふうな、ゲストハウスkokuuから繋がる、ものづくりの「縁」というのは、面白い出来事で、それに有り難いコトでもある。
昼からのBさんご夫妻は、生駒市にある奥さんのご実家にリフォームして同居する計画で、リクルートの雑誌に掲載された東大阪H邸リフォーム工事の雰囲気が好みだというのが「縁」でお越しになって、奥さまが、実家から望む生駒山の美しさを笑みを交えてお話になり、その眺めが、両親と同居する大きな動機のひとつのようで、それにしても、打ち合わせ室に導入したプロジェクターで、グーグルマップのストリートビューに映し出された、ご実家と生駒山の姿を一緒に眺めながらコミュニケーション出来るインターネットの技術の進歩というのは凄い事だと、あらためておもうわけで、タイミング良く現地に行ける機会が少なくなった私の立ち位置にとっては、とっても有り難いストリートビューで、相談会でのコミュニケーションの質が飛躍的に向上した。
建築家のヤベさんが教えている学生たちと、長屋をリフォームして造る、ほたる食堂というプロジェクトを一緒にやっていて、そのオーナーのほたるちゃんが造る料理を皆で一緒に食べるという共有体験を通じて、プロジェクトをより良く推進していこうという宴が、うちの家で催すことになって、ほたるちゃんは午後2時頃から料理を作りにやってきて、午後4時前頃からは、学生やヤベさんや准教授のクツキさんもお越しになり、それにうちの現場監督のオオムラくんも加わって、学生の若い「音」が響く賑やかな時間を過ごした。
ほたるちゃんの料理は、気取った、これ見よがしの料理ではなく、フツウに美味しい料理で、それは、ま、いわば、愛人料理やな。と言い出したのはヤベさんで、確かに、そう言われてみれば、そんなふうにおもえててきて、いやべつに、私に愛人がいるわけではないんですけど、そんな料理をどんな呼び方がエエのやろ、とあれやこれやと話題にしたりするのが、こんな宴の面白さで、それで、その勢いに乗っかって、ヤベさんは、庭のクスノキとモミジの葉っぱの下のテーブルで繰り広げられる宴の、そのすぐ横に面している露天風呂感覚なうちのお風呂にドボンと浸かったりして、そんなコトを面白がるお遊びに、学生たちが一緒のようにバカになって悪のりしない冷静さに、少々の寂しさを感じたのだけれど、ま、こんなさまざまなコトを学ぶような「縁」と「宴」が、夜遅くまで続いた今日の日曜日だった。
投稿者 木村貴一 : 2015年06月21日 23:59 « フクロウと加工場 | メイン | パッシブとアクティブ »