2009年06月21日

スペシャルな体験

中部国際空港スペシャルツアーというのがあり、要するに、自分たちが乗ってきたバスで、滑走路の中に入って、飛行機を間近で見るというのが、スペシャルなツアーだというのだ。それは、先日の会社の研修旅行での事で、INAXの工場を見学した後の、午後からのひとつのイベントだった。

ところが、まぁ、いえば、たかだか、飛行機を見るために、一週間前から、免許書などの身分証明書の提出をひとりずつ求められ、当日、提出者と違う人がいると、ダメです。と、プレッシャーまでたっぷりとかけられて、それにしても、考えてみれば、私たちは、何というのか、工務店の集まりで、どちらかと言えば、家を見学すべきなわけで、飛行機に興味を持っているわけでもないのに、きっと、旅行社と打ち合わせした日の私の脳の調子が可笑しかったに違いない、成り行きもあって、こんな企画になってしまった。

とにかく、ひとつひとつが、大層で、いやいや、何だか、ちょっと、滑稽な訳で、それで、定刻の時刻に、軍隊のように整列をさせられ、人数のチエックを受け、空港内の、会議室のようなところに通され、ひとりずつ、事前提出の身分証明書と持参の身分証明書との照合をさせられる。そこそこの時間を費やしたあと、今度は、会議室の扉の外で、ボディーチエックをひとりずつ、受けるのだった。

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両手両足を開けて、入念なチエック。正直、その光景は、可笑しい・・・。その、長い待ち時間を費やしたチエックを終えて、ほっとして、そのまま、お便所に行くと、係員が来て、もう一度、列に戻って、ボディーチエックを受け直して下さいと、窘められる。

要するに、お便所で、また、不審物を持ち込むかもしれないというのだ。それを知りながらも、わざと、便所に行って、もう一度検査を受ける、反逆者もいて、それはそれで、頼もしいではないか。

バスの中に乗り込むと、今度は、わざわざ係員がバスの中に乗り込んで来て、全ての手荷物の検査まであって、いやぁ、何だか、映画のよう・・・・・、いや、いや、落語の話なのかも・・・・。ここまで、されると、このまま、バス一台を飛行機に乗せて、海外まで行って、戻ってくれば、きっとスペシャルな気分。

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先導車に誘導されながら、2重のゲートをくぐり抜けていくのは、まさしく、映画のようだけれど、もう少し、「遊び心」があっても。ボディーチエックの記念写真を撮ってくれるとか・・・・・、滑走路の飛行機の前で記念写真とか・・・・、飛行機を誘導する体験をさせてくれるとか・・・・。

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DSC08552伊丹空港に着陸する飛行機を阪神高速道路の下から見るほうが凄いでぇ・・・・、川の側から夜に見るほうが、もっと迫力あるでぇ・・・という人もいて、それよりも、バスの中での飲酒をお断りしますというのが、大層なぁ・・・・、そこまでする必要があるのぉ・・・という人が、多々。バスの中で、「隔離」されている訳でもあって、ビール片手に、大らかな気分で、見るぐらいのほうが、良いのかも・・・。

そんな訳で、滑走路の間近で見る飛行機がスペシャルツアーだといえるのかどうだかは疑問だけれど、この一連の、体験は、確かに、どこにもない、スペシャルな体験であるような気がする・・・・・。

それにしても、世の中の、セキュリティーとか、チエックとか、コンプライアンスとか、何だか、そういうものが、厳しくなってきて、少々、窮屈になってきたのは、事実。いやいや、確かに、必要不可欠で、守るべき事柄も沢山たくさんあって、心しなければならない事が山ほどあるのも理解できる。のだけれど、少々のことは、笑い飛ばすぐらいの大らかさは、必要なの、必要でないの・・・・・。

なんて事を、突然思いだしたのは、今日の、この、蒸し暑い天候のせいだなぁ・・・・・。

投稿者 木村貴一 : 2009年06月21日 12:40 « 偶然か悪戯か | メイン | 場所性(北斎と富士とB級グルメの旅その6) »


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