2011年12月25日
ワークショップ
「ワークショップ」というコトバの意味をウィッキペディアで調べると
ワークショップは、学びや創造、問題解決やトレーニングの手法である。参加者が自発的に作業や発言をおこなえる環境が整った場において、ファシリテーターと呼ばれる司会進行役を中心に、参加者全員が体験するものとして運営される形態がポピュラー。・・・・
完成された作品を見る。という形式ではなく、一緒に、ものづくりの過程を体験することによって、何かを学んだり、理解していこうとする、ひとつの手法の事なのだろう。12月1日に正式にオープンした「まちのえんがわ」では、その「ワークショップ」を企画していて、あれやこれやと、話し合っている。
「家」を完成されたプロダクト商品のひとつとして「買う」というのも、素敵な行為のひとつで、物を買うという行為に潜む独特の楽しさと高揚感には、いかんともしがたい魅力があって、特に、高額の商品としての「家」では、インターネットであらゆる情報をくまなく取得し、モデルハウスで慎重に確かめながら、家を比較して買うというのが今の主流なのだろう。
「家を商品として買う」という考え方が、ひとつのタイプとすれば、家を「ものづくり」のひとつと捉えて「家づくり」をするという考え方もあって、木村工務店はそちらのタイプ。家づくりの過程をお客さんと一緒に共有しながら、お客様のライフスタイルが活かされる家を志向する。出来たときの商品価値が最も高いプロダクト商品に対して、そこに住む住まい手にとっての住んでからの商品価値が高まっていく家を志向する。
ところが、それが、そうすんなりとは行かい場合があって、「ものづくり」の過程に潜在的に潜む「不完全さ」が立ちはだかる。その上、工事現場での職人さんによるものづくりのプロセスがブラックボックス化されていて、見えなくなっている昨今、木村家本舗にお見えになった二十代の女性グループは「左官」というのを見たことがないし、知らない!と軽やかに言い切った。
そんなこんなで、「職人さんによるワークショップ」を通じて、建築というものづくりの職種と過程、ものづくりの「面白さ」と「面倒くささ」「不完全さ」を知り、学んでもらいながら、「家づくり」の「過程」を「お施主さんと設計士と現場監督と職人さん」とで「共有」し、住まい手の「ライフスタイル」が活かされる家を造っていこう。というのが、「まちのえんがわ」で催す木村工務店ワークショップで、それが木村工務店スタイルだともいえる。
建築の工事に「板金」という工種があって、木村工務店では松倉商店さんと山口板金さんがその仕事をしてくれているのだけれど、「ブリキの鉛筆立て造りと板金工事」というワークショップを企画中で、その試作品を銅板で造って持ってきてくれた。ついでに、板金で折った折り鶴。へぇー、板金で折り鶴が造れるのだと、「私」も初めて知った。
長男の縁で、下北沢で「cafe スロコメ@下北沢」 、経堂で、お湯かふぇ「さばのゆ@経堂」を経営するコメディライター&プロデューサー 須田泰成さんが、ふらりと「まちのえんがわ」へお越しになって、「初めての「まちのえんがわ」体験、とても良い時間を過ごさせていただきました。 このようにブログに書かせていただきました。 」とメールまで頂戴し、
そして、こんな路地の縁側が、
様々な人たちが行き交う広場であり、
街の劇場であり、産地と街をつなぐ交易の場(市)であり、
あるいは、知恵や情報を交換したり、教えたり、学んだり、
新しいアイディアが熟成したりする大学や研究所のような空間になったり、
無限の可能性が秘めているのです。
というメッセージをもらった。大阪の福島でお店をオープンしたとの事で、楽しいワークショップを一緒に企画できるのかもしれない・・・・。
23日の祝日、コトバノイエの造園を手がけた家谷さんが、ふらりと「まちのえんがわ」にやって来て、あれこれと話をするうちに、「路地裏植栽学」というのを教えてもらう。それで、早速、「まちのえんがわ」の近くの何本かの路地裏通りを一緒に歩き回りながら、長屋の家々の前にある植木鉢の植栽を眺め、それなりの素朴な面白さを体感する。そこに、プロとしてのちょっとしたアドバイスとか、隠し味的エッセンスをさりげなく加味したりして、町並みを形成するための手助けが出来ないものかと話し合う。来年の春頃には、「路地裏植栽学ワークショップ」を開催する予定。
「まちのえんがわ」の土日祝は、スタッフの青木さんが常駐してくれているのだけれど、そのアオキさんの縁で、絵本作家の谷口智則さんが、今日のお昼にお見えになる。絵本作家の方とお話をするのは初体験。話をしているうちに、絵本の事も少しずつ理解できてきて、なるほどなるほど。子供達と一緒にするワークショップで、住まいの中に飾れるモビールのようなものづくりのワークショップとか、紙芝居などなど・・・。3月頃に開催する予定。
ワークショップといコトバを聞くと、ジャズファンとしての「私」は、「ミンガス・ジャズ・ワークショップ」というのが、いつも浮かんできて、「プレゼンツミンガス」を筆頭に、「ブラックセイントアンドシニアーレディー」とか「ブルースアンドルーツ」とか「oh yeah」「道化師」「直立猿人」などなど、好きなアルバムがいっぱいあって、若い時は、音楽を創造する過程を表現するようなその手法に心が強く惹かれた。そんな意味では、「木村工務店・建築・ワークショップ」なのかもしれない・・・。
さてさて、気付いてみると、これが、今年最後の「Voice of 木村工務店」で、今年お読み頂いた皆様には心からお礼を申し上げると共に、来年は、「まちのえんがわ」を通じての「ワークショップ」など、新たな展開を考えておりますので、来年もご愛顧くださいますよう、よろしくお願い致します。
それでは、良いお年を!
投稿者 木村貴一 : 2011年12月25日 23:59 « 縁側で年始。 | メイン | 男宴昼宴女宴 »