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2008年11月30日

不思議な味

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DSC03787いっぱいの偶然が何重にも折り重なって、ニホンミツバチの蜂蜜を食べる。 いや、飲む。いや、舐める。それは、濃厚で不思議な甘さだった。その味をどう表現したら良いのか・・・・。

ニホンミツバチ」 と「ハチミツ」 という言葉と遭遇する事自体が、いわゆる想定外だった。とにかく、山の中に置かれた不思議な木箱と遭遇した。

そのニホンミツバチが入った木箱に遭遇したのは、息子の友達数人が、若さゆえに悪のりをしすぎて、少々の器物破損をやらかした。 それを確認するために、朝早くに起きて、目的地に向かう。もちろん突然そうする事になった。息子も一緒だった。 掃除や片付けを息子と二人でする。

その場所の敷地に、その木箱があって、偶然その木箱の持ち主が、ミツバチの様子をうかがいに現れる。初めてお会いして、 そのハチミツの希少価値を教わる。一度はその味を味わって欲しいと・・・・・。

一昨日、ある設計事務所にお伺いするために、会社の階段を下りて、道路に出た。その時、うちの会社を探している車が、 私の目の前に止まり、窓が開き、先日はどうも・・・と、挨拶される。

一瞬、誰なのかと、おもっているうちに、あの時の、ニホンミツバチの人だと気付く。奈良から車に乗って、わざわざ大阪まで、 それも何の連絡もなしに、突然、届けに来てくれる。

だいたい、普段は車に乗って、設計事務所にお伺いするのに、その時に限って、地下鉄で行こうと、突如、思い、 これからお伺いしますと電話連絡して、会社の階段を降りた。その一瞬のタイミングだった。車に乗るために駐車場に行く、 反対方向の階段を降りていたら・・・・・。

誰にもある事だとおもうけれど、いつもいつも、タイミングがずれて、すれ違ってばかりする人もいれば、偶然が重なり合って、 タイミング良く、出会う人がいる。そんな訳で、その偶然に感謝して、うち合わせの時間に遅れるのは承知で、事務所に引き返し、しばし、 そのお話しをお聴きする。

ニホンミツバチ純度100%のハチミツの味はそんな味なのだぁ・・・と、こじつけてみる事にする。かなり甘いのだけれど、 元気がでそうな、不思議な味なのだ。あの伊達公子さんも蜂蜜を食べているらしい・・・・

 

そうそう「味」で、思いだした。先日、心斎橋のらーめん餃子専門店 「まんねん」で、らーめんダイニングというものを食す。うまい!。実は、 オーナの家のリフォーム工事をH設計の設計でさせていただいた、その完成慰労会だった。現場監督と大工さんも招待してもらう。

その帰り道、A大工が、行きたい店があるから行こう!というので、我が社の近くの布施まで、戻る。クラブというかキャパクラというか、 まぁ、めったに行かないが、そういう店に入る。A棟梁と飲みに行くのも久しぶりだ。

そうそう、今週の久米宏さんのテレビ番組で、キャパクラ嬢があこがれの人気の職業で、そのことを話題にしながら、世相を魅せた。 そういえば、仕事が終わって、テレビをつけても、筑紫さんとはもう会えなくなったし・・・、ニュースステーションの番組は見たいけど、 あの方のコメントは聞きたくないし・・・、久しぶりに、久米さんの話を聞いていると、やっぱりエエなぁ・・・・。

それで、そのキャパクラ嬢とそのお父さんがテレビに出て、コメントを言ってるのを聞いて、へぇーと、他人事のように視ていた。 うちの子供は男の子が二人だし。と、あまり実感がわかず、眺めていた。

それが、何と、何と、A大工に連れられて入ったそのお店に、A大工の娘さんが働いていて、その様子を見に、 初めてその店に入ったのだと言うではないか・・・。しかも、うちの息子と同い年。私は、小学生の頃にその娘さんに会って以来のこと。まるで、 テレビ番組みたい・・・。

娘の前で、カラオケをいつも以上に熱唱するA棟梁。確かに、歌がうまい。おれの娘をいじめたらアカンでぇ・・・と、 チーママに明るくプレッシャーをかけるA。店に、店の子のお父さんが来たのは初めてヤワ。でもエエ感じヤワ。と暖かく見守る店の子たち・・・ 。

店の子が私に質問をする。もし娘さんがいて、この店で働いていたら、A大工のように、店に来るぅ?どうなのぉ!・・・・と。確かに、 悩むところだ。そういう事に対する、ちょっとした、条件付けされた脳内の反応もあるし・・・・。

 まぁ、しかし、この親子関係を見ていると、意外に、さわやかだった。どうせ行くのなら一番の店に行って、 勉強してこい。 こうなったら、オレがうちの娘に店を持たしたるでぇ・・・・と、「現場! love&peace」というよりオレは「現場!love&battle」やでぇ・・・・・と。 P1170114大阪のおっちゃん丸出しで、酔いながら豪語する、気持ちのエエ酔っぱらいのA。 店の前で二人の記念写真を撮る。

やっぱり、この日のお酒は不思議な味がしたような気が・・・・。

 

 

 

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2008年11月23日

現場!LOVE&PEACE

こんなタイトルは、確かに気恥ずかしい・・・。love&peace って言葉自体がどうも胡散臭いじゃぁないか。 ともおもう。グーグルで検索すると、 そんなタイトルの井筒監督の映画があったらしい・・・。ドラマもあったらしい・・・。どちらも見ていない・・・。

てっきり、「ウッドストック 愛と平和と音楽の祭典」 や「ジョンレノン」などが上位に来るのかとおもったら、全く違った。いつまでクリックしてもなかなかそれらが出てこなかったので、 途中で止めた。かなり、時代感覚を取り違えていたのだなぁ・・・・・。

こんな話になったのは、そうそう、社内で、ウダウダと話をしている時の事だった。いやぁ、べつに、 大きな規模の世界平和を訴えたいわけでもなく、ただ、工務店という職業の、その目の前にある、現場が、 love&peace であればエエんとちゃぅのぉ・・・・と、もちろん、前後の文脈があってのことだけれど、ふと、言ってみた。

次の日、大工さんにも、冗談ぽく言うと、「うん、エエなぁ」なんて、真顔で頷かれたのには、正直、こちらが驚いた。とは言っても、 平和ボケしたようなダラーとした現場もイヤだし、キビキビとした現場がエエのだけれど、戦場のように殺伐とした現場も、 ギスギスした雰囲気の現場も辛い・・・と。

まぁ、そんな現場をディレクトする現場監督は確かに、たいへんな職業なのだ。職人さんと、設計士さんと、施主さんと、それに、 そこの会社の方針という 4者の間に入って love&peace を唱えるわけだから、これは確かに、たいへんだな・・・・。

そうだ、これには、伏線があった事に気が付いた。先日、ある木構造の講習会で、「名古屋大学名誉教授平嶋義彦先生」 の特別講義があった。話は、いろいろ面白かった。縄文ファンの「私」としては、桜町遺跡木組みの話など、 もっと突っ込んだ話を聞きたかった・・・・。「都市は農村の反映である」なんて言われて、へぇ、そんなふうに考えたことなかった・・・・ と少々驚いた。

その懇親会での事。テーブルを囲んだ人との会話で、ある設計士の方が、分離発注を2回ほどしたが、 やっぱり、たいへんしんどくて、もう、二度としません。やっぱり、現場監督はたいへんな職業ですわ・・・・と。

別のある人が、先日まで、現場監督をしていたのですが、全ての責任を現場監督が背負うので、そうそう耐えられなくて・・・・、 辞めました。今は・・・・・。やっぱり、現場監督はしんどい職業ですわ・・・・・と。そんなこんなで、「現場監督はたいへんな職業だ」と、 事前に脳のどこかにすり込まれていたのだ。

それと、なぜか、縄文のものづくりが結びついた。その講義に出てきた縄文のものづくり。それと、偶然、先日、京都のM設計を訪れた時に、 縄文遺跡の平和なムードと、そのものづくりが話題になった。そして、その会話が、脳の別な部分に、しばらく、停泊していた。

その京都での会話は、20代30代の頃に、私たち家族がキャンプする場所は、必ず縄文遺跡のある周辺に、決まっていて、 その遺跡のある周辺は、山の幸、海の幸、に恵まれた、平和なムードの場所で・・・・。そして、それは、奥方にとっては、 全くもって迷惑な旅で・・・。とにかく、最終日には、エエホテルに泊まるという条約がきっちりと締結されていて・・・・ という会話が発端だった。

現場監督、縄文、平和なものづくり、、そうそう、巷のテレビで話題の大学生大麻・・・・が、なぜか、ウッドストックを呼び起こし、 愛と平和が結びついたのかもしれない。まぁ、そんな、こんなで、木村工務店の現場にニコニコマークと共に 

     

と、貼り付けたらどぉ!と大工に聞くと、それは、ちょっと怪しいシュウキョウダンタイと間違われるのとちゃいまっか・・・・ と、 なだめられた。

 

 

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2008年11月16日

ぼやくぼやく

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行ったことがなかった、京都・大徳寺の紅葉を尋ねに行くのが目的だったのか。大徳寺の近くで職住を共にする森田建築設計事務所を尋ねに行くのが目的だったのか。奥方が、 子供のお受験とやらで、ギスギスしそうになっていたからなのか。私の中の何かが、新鮮な「印象」を食したいぃ・・・ と渇望していたからだけなのか。まぁ、兎に角、エエ加減な理由が重なって、ちょこっと京都へ行った。

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きっと紅葉の京都は混んでいるから敬遠し続けて来たのかなぁ・・・・・、それとも、別な、潜在的理由があったからなのか・・・・ と、 下を向いては変化に富んだ石畳を眺め、上を向いては、もっと紅葉は、あと1~2週間かな。などと呟やきながら、大徳寺の境内を歩いていた。 大阪人は、いや、私は、知っているようで、まったく知らない京都なのだ。

それにしても、人の手によって維持管理されている手自然な自然が、何とも美しい。やっぱり世界レベルだな。石畳だって、どれも、 これも変化に富んでいて、今更ながらだけれど、綺麗だ。

ほんの一時間ほど散策してから、森田建築設計事務所を尋ねる予定だったのが、高桐院の美しさとその人混みにも圧倒されて、 時間が大きくずれこんだ。

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大徳寺のはずれの長屋が建ち並ぶ一角に、のれんが掛かった玄関があって、その、元西陣織りの工房だったという、 戦前からの長屋の中に一歩はいると、犬が愛想いっぱいに迎え入れてくれた。そこは、何ともエエ感じの雰囲気が充満する空間が広がっていた。

DSC04156暖炉の側で、古い足場板で出来た床の上に、犬が気持ちよさそうに寝っ転がっていた。

高い天井には、太い丸太があらわしになって、しっかりと屋根を支えていた。いつの時かに取り付けられていたアルミサッシュを再び、 木製建具に入れ替えたそうな。古きものを活かしながら生活しているそのセンスが何とも心地良かった。

森田さん設計で、南船場のアーバンリサーチ南船場のドアーズダイニングなんばパークスのアーバンリサーチなどを木村工務店で施工した。 ドアーズダイニングのような住宅を提供できればエエのになぁ・・・・なんて語り合いながら。話がはずむ。

DSC04152(1) 奥さんは、この素敵な場所で、オーガニックな野菜中心の「料理教室森田」を主催していて、 「料理教室森田の菜食ごはん」 という本を最近出版したのだと。どれも、美味しそで、なんでも、全国から料理を習いにくるらしい・・・・。

そんでもって、四方山話がはずむ。

実は、このあと、一乗寺のSさんのお宅に、突然、、おしかけようかとおもっていたのだけれど、気付いたときには、 すっかり日が暮れていて、慌てて、大阪に戻った。

京都の町を車で走りながら、奥方は、京都はエエなぁ・・・・。なんで、私は、大阪の、それも、生野の、小路に住んでるんやろ・・・・。 おかしいなぁ・・・・。やっぱりおかしい・・・・。それにしてもおかしい・・・・・。と、ぼやくぼやく。

 

 

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2008年11月09日

格闘

澤野工房のコンサートに行く。 新世界にある履き物屋さんがジャズのレーベルを立ち上げてCDを販売している。そんなユニークな会社だ。

同級生からのお誘いがあって、全く、聞いたことないアーティストだったのだけれど、取り敢えず予定がうまく合ったので、 行ってみることにする。コンサート会場の西宮北口に出来た兵庫県立芸術文化センターが、綺麗な建築であった事に、かなりビックリした。

ヨーロッパのジャズは、軽やかだなぁ・・・。マイルスのコンサートのように、会場内に張り詰めた緊張感が漂うのとは、全く違って、 終始リラックスしたムードで、カップルやオバチャンも多い。コンサート前に澤野さん自ら登場して、MCをするのが、 何ともいえない味があって、それが、会場内に澤野工房の空気を造りだしていたのには、見習うべきものがあった・・・・・。

お誘いの主は、堺の鰻や竹うちのご主人で、 30周年の改装工事のお手伝いなどもし、その時には、店舗内の座敷で、30周年記念のジャズコンサートを開いたジャズ好きだ。 東京の修行時代にはDUGというJazz喫茶でも働いていたらしい。 そんな事もあってだろう、コンサートが終わったあとに、駅の近くに、コーナーポケットというジャズ喫茶があるらしいので、寄ろうよ。 と誘われる。

JAZZ喫茶なんて、長い間行った事ないなぁ・・・・。今、突然、そういえば、私も、昔、東京に遊びに行った時に、 新宿の雑居ビルの急峻な階段を上がったところにあったDIGというJazz喫茶に行った記憶が蘇る。 あの独特のムードと空気感は、体に残っているのだ・・・・・。

20数年ほど前、予定のない日曜日には、よく、近場の天王寺にあった、無限やトップシンバルというJazz喫茶に行ったなぁ・・・・。

その西宮北口にあるお店に入ると、私のブログにも何度か登場したパラゴンという美しいデザインのスピーカーが置いてあった。 カッコエエデザインだけでなく、しっかりした音が流れているのに驚いた。エエ音を鳴らすために、日夜、たいへんな格闘をしたのだろうなぁ・・ ・・。いわゆるオタクな世界だ・・・・・。

ところで、それはそうと、私は、エエ家を造るための格闘をしているのだろうか・・・・・と、自問してみる。

そういえば、ひょんな事から、今日、奈良に行く所用が出来て、30数年以上昔、祖父が造った家を見てきた。 丸太を組んで造った、 ちょっとレトロでちょっとモダンな居間。きっと祖父は祖父なりの、エエ家をつくるための格闘をしたのだろう・・・・・。

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そこには、小さな物置があって、私がまだ、19才だった頃、祖父の墨付けに従って、自分で木を刻んで造った物置小屋だった。 祖父と一緒に小さな小さな棟上げをした記憶が蘇る。ちょっとした格闘。

その居間には、その昔、弟が造るのに手伝った、バックロードホーンという手作りのスピーカーが置いてあった。 大音響で鳴らした時の感動が蘇る。弟は、それなりに、ものづくりの格闘をしたのだなぁ・・・・。弟との懐かしい思い出。

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周辺では、紅葉が始まっていた。1階の屋根ほどの高さだった木々が、2階の屋根を遙かに超える高さに成長していた。 月日の流れを感じる・・・・。その間、私は、どうしてきたのだろう・・・・・と、自問を促された。

 

 

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2008年11月02日

再生

「葬儀副委員長」なんていう立場で、葬儀を経験する。あっけなく「灰」になってしまう姿をみてしまうと、どのように「死」を迎え、 どのように「生」を生きるのか。と、静かにおもう。じわり、じわりと、「何か」が忍び寄ってくるのだ・・・・・。

灰を取り囲んだまわりに、抱きかかえられながら見守っていた孫さんが、その灰を見て、「じいじいはどこへいったのぉ。 このしたにかくれているのぉ・・・」と、無邪気に喋る姿が、とても印象的だった。確かに、どこに行ってしまったのだろう・・・・・・・・と、 その傍らで、「無言」が続く。それにしても、こういう、経験を最後まで、与えてくれた故人に、深く感謝したい。

まぁ、でも、そんな事が、有ろうが無かろうが、生は淡々と流れていく。ちょっと頼まれたこともあって、ミナミ、 心斎橋のカンディハウスという店に家具を見に行く。ほー、なるほど・・・・。それならついでに、御堂筋沿いをちょっと歩いて、 カッシーナに行こうよ。と奥方に促される。

茶色の革のコルビジェLC2ソファが置いてあって、綺麗な店員さんが、 この茶色の革とカラーフレームがコルビジェが最初に発表した色合いで・・・・という。カラーフレームはブルーだと言っていたかなと、 いたってあやふや。とにかく値段を見ると100万円を越していた・・・・。

リプロダクト家具」 というのが巷で流行っているらしい。インターネット上で、ある会社のLC2徹底比較とやらを見ると、同じ 「ような」ソファーでも165,00円~840,00円 もの開きがあって、微妙に、サイズや造りが違う。いやぁ、こういうのって、 どれを選択するのか、迷うよなぁ・・・・。

別に、私も、奥方もこのソファーが欲しい訳でもなく、唐突に、「目利き」という言葉が脳裏をかすめていく・・・・・。もし、 買うのであれば、どちらの製品を買うのかな。と考えてみると、意外に面白い。メーカー保証という安心を買うのか、微妙な違いにこだわるのか、 よぉーく、よぉーく見比べて、集中して、目利きして、選び選び抜いて、粗悪品でないのかどうか、など心配をしながら、結局はどれにするのか・ ・・・。

カッシーナの高級家具は、車ほどの値段がして、でも、車を買うよりはエエかなぁとおもうものの、でも、やっぱり、 そう簡単に買えそうにもなく、買いたいわけでもなく、ここは、やっぱり、珈琲でも飲もう。と、心斎橋を歩く。

それにしても、心斎橋をブラブラする気にもなれない・・・。何往復かしても、何だか楽しかった昔を想えば、個性的な老舗はなくなり、 個性的な新しい店も見あたらず、あの当時の店の「文化」って、いったい何だったのかねぇ・・・・とおもう。

道すがら、ソニータワーのあとに出来たビルに、奥方の背後から、おそるおそる、くっついて入る。が、ほとんど素通りで、我慢できず、 退散する。あの黒川紀章のソニータワーが、 そのまま残っていた方が良かったのでは・・・・・。

新しいビルが悪いわけでもなく。ただ、あの当時のソニータワーの白い物体に、1階のエレベータで一気に最上階まで上がり、 真っ黒な内装に、当時のウオークマンや、ラジオなど、カッコイイソニー製品を眺め。下に降りようとすると、突然、長堀通りを見下ろす、 光溢れるシースルーのエスカレーターが現れ、独特の気分で、車の流れとビルを眺めながら巾の狭いエスカレーターを下る。 それを何回か繰り返して、再び1階に戻る。

ソニープラザは当時の若者のデートコースのひとつでもあったとおもう。デートでなくても、女の子に付き合って、ソニープラザに行き、 外国製の化粧品か何かを見ている間に、ソニー製品を眺めたりしたものだ。いろんな女の子とエスカレーターを下ったような記憶。そこには、 ちょっとした「文化」があったのだろう・・・・。

ここで、珈琲を飲もうよ。と、奥方の後に続いて、階段を上がると、磨りガラスの天窓で、昔、入った記憶がある建物。それは、 コンクリート打ち放しではないけれど、どうも安藤風の建物で。そうそう、BIGIが何かアパレルの店が入っていた安藤さん設計の建物だった。 何というのか、コンクリート打ち放しのすっぴんから、コストを掛けずにお化粧直しされた。そんな状態だった。

建物の構成は安藤さん、内装は、大阪らしくコテコテのお好きなように・・・。それはそれでエエのかも・・・。リフォーム、 リニューアル、リプロダクト、再生、再構築、etc。政治、経済から文化まで、「死」と「再生」が彷徨っている・・・・・。

帰りがてら、セールとい言葉に誘われて、アクタスなども覗く。エッグチェアーの80万円台が現品特価40万円台。 それでも、簡単に買える金額でもなく。これは、リプロダクト家具はあるの?ないの?と、すっかり影響されている私。

ついでに、アップルのお店に立ち寄る。店の中の雰囲気も良いのだけれど、御堂筋と周防町とアメリカ村がぶつかる、 ミナミのエエ場所に店舗があって、その事が流石だなぁ・・・・とおもう。ソニーは心斎橋のソニータワーを取り壊し、その拠点をキタへ。 確かに、心斎橋のお店が失っている、なんだか文化のようなものが、アップルのあの店にはあるようで・・・・・。

DSC03655帰りがけの車から、ソニータワーの後に出来た、光り輝く綺麗な建物を眺めていると、 「死」 とか「再生」とか「生きる」という出来事の複雑さがよぎり、その建物が、まるで、黒川紀章の墓標にさえ思えてきたのは、きっと、 今週の葬儀の影響があったからだとおもう・・・・・・。

家までのの帰り道、TRUCK という家具屋さんの前を通るので、 ほんのちょっと立ち寄る。木村工務店で建てたお客さんで、TRUCKの家具を置いている人が非常に多い。 先ほどまで見た数件の家具屋さんと比べると、リラックスした感じかとてもエエ。そうそう、今週は忘れがちだったなぁ・・・・「Relax」  

 

 

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