大工のゆく年くる年
昨年暮れの加工場では、タバタ大工が棟梁として、小屋組丸太の手加工をしていて、それを空いてきた大工が皆で応援し、鑿と金槌と鋸の音が加工場に響く、ものづくり感が充満する年末の加工場でした。
で、その手加工が終わって、材木を搬出した12月28日は、事務所と加工場の大掃除を皆でした後、その加工場に大テーブルを並べて、社員と大工さんや手伝いさんとで納会をして、これが、一年で一番和めて、ほっとする時間だったのかもしれません。
2006年の新年は、1月6日に、協力会社も含めた50人ほどで、清見原神社に参拝した後、75名ほどで、木曽路で新年会をするのが恒例で、あちらこちらに車座が出来て、大笑いしながら明日からの仕事に向けてのエネルギーを発散しあうのですが、今年は、清見原神社の棟梁を務めた沖棟梁が,ベレー帽に着物姿で参加してくれて、宴会後半には、その沖棟梁の周りに新人大工も含めた大工の車座が出来て、それがとっても印象的な一年の幕開けでした。
新年あけましておもでとうございます。
本年もこの現場ブログをご愛顧賜りますようよろしくお願い致します。
by シャチョウ
ほたる食堂オープン!
11月11日にヤベさん設計でハルモト大工と木村工務店でコラボレーションして造ったほたる食堂がオープンしたので、食事に行ってきました。
↑ ロゴは山崎晋太郎くんデザインです。
↑ 現場監督はオオムラくんです。
12月12日土曜日は設計のヤベさんによるCARAVANE de 出座何酒店「ほたる食堂」編が15時からオープンするそうなので、ご興味のあるかたは是非お越しを…。
by シャチョウ
外付けブラインドと木製建具
石川さん設計による(石川友博建築設計事務所)茨木・Y邸の社内検査に行くと、外付けブラインドが設置されていて、今まで、何度か外付けブラインドの見積をしてきたのですが、一度も取り付けたことがなく、公園が見える、その大きな窓は、西日をまともに受けるので、外付けブラインドは最適で、そのうえ、タミヤ製の木製特注引き違い窓がついていて、気密性が素晴らしく、窓が持ち上がってスゥーっと引き違いになり、クレッセントを回すとプッシューっと下に降りて閉まる様子はカッコエエですけど…、金額もかなり…。
断熱気密や遮熱を考えると、性能の良い木製窓や外付けブラインドが、ちょっとしたステータスな時代ですよね…。
by シャチョウ
住吉さん
住吉大社の前で工事をしている、acorn studioさん設計による住吉ハウス改修工事の現場に行くと、台所になる予定の場所に図面が貼り付けてあって、ちょっとエエ雰囲気だった…
帰りにちょっと住吉さんにお参りしてみた。久しぶりだなぁ…。
大学生の頃は、大晦日になると、夜の11時ぐらいに、高校の同級生男女数名で、帝塚山の喫茶店nobで待ち合わせをし、お正月の午前0時ぐらいになると、そこから歩いて皆で住吉さんに初詣をして、それからミナミへ遊びに行くのが、年末年始の楽しみで、数年続いた…。
ちなみに、高校生の頃は、帝塚山のnobの最新の輸入盤で、イーグルスやドゥービーやネットドヒニーやピーターフランプトンやディブメイソンやニールヤングやボブマレーが流れて感化されたものだった。
元旦の夜に押し合いへし合いしながら太鼓橋を渡って参拝して以来で、昼間の住吉さんは初めて。あっ、住吉造って、こんな造りだったのか…とか、4ヶ所も参拝するとこがあったっけ…なんて感覚で、なんとなく新鮮だったなぁ…。
by シャチョウ
初々しく体験し学ぶ
F設計による吹田・K邸新築工事の地鎮祭があって、神主さんが、お施主さんの息子さんに、二礼二拍手一礼の作法を教えて、その作法通りにやってみるお子さんの姿がとっても初々しくて、カワイらしくて、立派な作法だったので、式場にとっても穏やかなムードが流れて、なんだかとってもハッピーな出来事だった。
式典を終えた後、神主さんが施主の息子さんに、「よーぉし、よう頑張った。特別に、これを砂の上に撒き…」と言って、地鎮の儀の砂の上に御神酒などを蒔いている微笑ましい姿があって、「私」も、小さな頃は、こんなふうに、素直に物事を体験して、学んでいたのだろうか…と、自分の事を振り返ってみた。
by シャチョウ
ブルーシートな上棟式
本日は、豊中・F邸新築工事の上棟式があって、そういえば、30年ほど前の上棟式は、前日に土台を設置し、ほとんどの上棟は大安の日で、それも一日で構造材を建て、その日の夕方に上棟式をするのが習わしで、それ故に大工もとび職も現場監督もその日の夕方に間に合うように必死で建前をして、その木組みの下で、自分たちが組み立てた木組みとその間に見える夕刻の空を見上げながら宴をするのが、何よりもの喜びで、ほんとうに一大イベントだった。
最近は、大安に拘らない上棟式が増えてきて、構造材が雨に濡れないようにブルーシートで養生し、屋根仕舞や床仕舞が終わった頃で、お施主さんの仕事の都合が良い日をチョイスする事が増えてきて、それ故に、大安の下から木組みと空を見上げる気分爽快な上棟式は、ほとんどなくなってしまったが、ま、でも、それはそれで、ゆったりとした落ち着いたブルーシートな上棟式になって、やっぱり上棟式は嬉しい。「感謝」
by シャチョウ
左右非対称
石川さん設計による茨木・Y邸新築工事の上棟式があって、構造家の下山さんが左隣に座って、構造の話を交えながらの上棟の宴が楽しかったのだけれど、その話題の中に缶ビールの蓋の構造の話になって、その話を食い入るように聞く、向かい席右からササキ棟梁とタバタ大工と材木屋さんの岡房商店シンちゃんの姿。その隣にMK電気のカヤくんが、隣のKobe stayleの女子に言い寄る(笑)姿もあり…。
こんな缶の蓋を「イージオープン」開閉機構というらしいんだけれど、それで、「ステイオンタブ」といって、プルタブが缶本体から離れてしまわない構造になっていて、そういえば、昔のヤツはプルタブが離れて、ゴミとして捨てられていたのを思い出した。
「リベット」といわれる丸い部分を支点として、「タブ」といわれる穴に指を入れて引っ張ることで、てこの原理を利用して開けるのは、まぁ、解るとして、「スコア」と呼ばれる、オープンになる部分が、「左右非対称」になっているのが、構造的な「ミソ」なのだという…。
もし「左右対称」だと均等に力が掛かって開けにくくなるか、一気にガバッと開いて危険な状態になるのだけれど、「非対称」だと、力が分散されて、上棟式で飲んでいた写真のサントリープレミアモルツは、中心から左側の曲線より右側の曲線の方が大きく膨らんでていて、タブを引っ張ると、まず蓋の左側から力が掛かって時計回りに力が伝わり蓋が右端に残った状態でオープンする…。
これが「構造」なんだ!という下山さんの説明が楽しいのだなぁ…。
by シャチョウ
無事竣工を願う棟梁
吹田・T邸新築工事の上棟式の現場では…。
上棟式に参加したトミマス部長を中心に設計のタナカ部長と設計担当のカワモトくんと現場担当のモリタくんとタニオカ棟梁が集まって、現場での注意点をレクチャー中でした。
タニオカ棟梁は、2階からの大阪平野の眺望を眺めながら、無事に上棟が出来た喜びと、これからの工事の安全無事竣工を願っていたのでしょうか…。
by シャチョウ
リフォームの独立柱の納まり
天王寺・S邸リフォーム工事の現場に行くと、間取り変更で、壁の中に入ってた柱が一本だけニョキッと出てきて、その独立柱の幅木をどうするかの意見を聞かれて、幅木がニョキニョキッと回ってクロス貼りになるよりは、シナ合板でぐるっと貼り廻ってバテしてペンキ仕上げの方が良いのでは…っと、現場監督のトクモトくんと、大工のタニオカさんとジュースを飲みながら一緒にあれやこれやと話をしました。
by シャチョウ
手鉋
(石川友博建築設計事務所)茨木・Y邸工事の構造材を手加工でする事になり、ササキ棟梁が墨付けをし、タバタ大工が化粧材を手鉋で削っています。
↑ 墨付けをするササキ大工。構造の設計図を見て、通称カンバンイタ(図板)といわれる合板の板に、墨で柱や梁を書き、図面をカンバンイタに書き直すのが棟梁の習わしで、設計図と見比べながら、墨壺に墨差しと差し金を使って木材に墨で印を付けていきます。電卓もありますね。
↑ タバタ大工。鉋の調整をしてます。
↑ 鉋がけをする姿は、まるでスポーツ選手のようでもあります。
by シャチョウ
現場の休息
堺市西区・H邸新築工事の現場チェックに行くと、丁度、休息中でした。ベッショ棟梁の合図で、ベテランのノブヤマ大工、ヒラボシ大工、岡本電気のオカモトくん、手伝いのタナカさん、それに現場監督のタツタくんが、和やかに休憩中でした。なんだか凄くエエムード…。
↑ ベッショ棟梁から図面の指示を受ける2年目のヒラボシ大工。その立ち居振る舞いが大工らしくなってきて、嬉しかったですわ!
by シャチョウ
大工は刻め!
生野区巽東・T邸リフォーム工事では、設計のカワモトくんのレポートがあったように、コンクリートの陸屋根に木造の屋根をかけて、陸屋根による漏水をカバーし、メンテナンス性も向上させながら断熱性能も上げようとする屋根工事で、フミノ棟梁の墨付けによる木組みをワダ大工が加工し、見習いのモリ大工が初めて刻みを体験する姿が初々しくて、それなりに「さま」になっていました。
↓ 見習いのモリ大工
↓ もうそろそろベテランになってきたサウスポーのワダ大工
大工は、刻んでいる時が、一番、生き生きしているよなぁ…。
by シャチョウ
残工事リスト
京都の森田さん設計によるアーバンリサーチドアーズの京都三条店を改装中で、突貫工事のため、ササキ棟梁とタバタ大工が応援に駆けつけて、古材のレジカウンターを加工中でした。
↑ ササキ大工と現場監督のシノダくんとタバタ大工が、あーだこーだと打ち合わせ中。
↑ 職人さんと残工事を確認するため、段ボールやシナベニヤに残工事リストを書いて表示してあり、そんなのが随所にあって、引き渡しに向けて、現場に緊張感が漂っていました…。
by シャチョウ
建築の神様が降りて来た
お笑いのテレビを見ていると、メチャクチャ面白い出来事が、偶然のハプニングとして起こることがあって、それを「笑いの神様が降りて来たぁ!」と云って叫んでいるシーンがあったりするのだけれど、建築でも「建築の神様が降りてくる」時があって、石川さん設計による(石川友博建築設計事務所)西宮・R邸新築工事では、リビングの窓の開口部の前の樹木は隣地の樹木なのだけれど、それが、見事な枝振りで、それにメインの葉の位置が窓の上の方で、枝振りと隙間具合と窓との位置関係が見事で、窓からの枝越しに西宮の海が見えて素晴らしく、勿論、石川さんが、創造的にキッチリと設計しているのだけれど、窓の位置に対する枝振りまでは、なんとなく…であって、それが、必然性と偶然性が、建築の神様をハプニングさせて、「建築の神様が降りて来たぁ!」そんな感じ。
↑ 洗面浴室の硝子の前には見事な形の「石」があって、雰囲気抜群で、石川さんは、計算したと仰ってるのだけれど、もちろん、そのとおりだとおもうものの、それでもやっぱり「建築の神様が降りて来たぁ!」とおもうのだ…。
by シャチョウ
上棟の宴
昨日のこの現場ブログで現場監督のタツタくんが報告したように東大阪市俊徳町・H邸の上棟式がありました。
↑ 図面で確認する設計のタナカくんとヤマガタくん
↑ 炭火をおこして焼き肉の準備をする現場監督のタツタくんとシノダくんと手伝いのマツモトさんとドウニシさん
↑ 中庭でお施主さんが焼き肉を焼いてくれて、ひたすら食べました。こんなに沢山の量の焼き肉を食べたのは久しぶりで、ほんとに美味しくて、感謝です。
↑ご飯を大盛り3杯おかわりをしたササキ棟梁がコミュニケーションをする姿。
↑ 手伝いさんたちは、ひたすら焼き肉を食べ、ひたすら日本酒を飲んで、ひたすら大声で笑い合いながら、上棟の宴を祝福しました。
いろいろな「宴」があるなかで、上棟式の「宴」が、職業上の都合もあるけれど、最も好きな「宴」だなぁ・・・。
by シャチョウ
喜びとか嬉しかったりとか
↑ 石川友博建築設計事務所による西宮・A邸新築工事のお引き渡しがあって無垢の床材に座って、お施主さんと設計者と現場監督が車座になって保証書の説明をしている光景です。お引き渡しの「喜び」のようなものがなんとなく沸いてきます。
↑ 石川友博建築設計事務所による西宮・M邸新築工事の現場に行くと別處大工と平星大工が断熱材を座布団にして休憩中でした。こんな時はいろいろと和やかな話が出来るのです。現場の「喜び」のようなものがなんとなく沸いてきます。
↑左は新人大工のヒラボシくんです。このあとケトルでお湯を沸かして珈琲をいれてくれました。そんなのが「嬉し」かったりするのです。↑右は大工になってもうすぐ丸3年になるフクダ大工です。大工らしい面構えになってきました。そんな姿を見るのが「嬉し」かったりするのです。
byシャチョウ
未年になって未だ・・・
「未年」になって、未だに現場に行けてないシャチョウです。それで、昨年の暮れの最終週に伺った現場の数々を・・・。
↓ (株)生田さんの工房改修工事のお引き渡しがありました。手造りランドセルで有名で「生野ものづくり百景」のものづくりの会社でもあります。
↓ 都島で設計施工で改修工事をしたギャラリー&コミュニティースペースの「KATCHI」で、街屋集団によるクリスマスパーティがあり、NY話などを交えながら楽しい時間を過ごしました。
↓ 箕面市K邸リフォーム工事のお引き渡しがあり、まだ残工事が少しありますが、お正月前にキッチンを使えるようにしました。ご両親の家のリフォームから始まって、今回のお施主さんの店舗改修工事やご姉妹のリフォーム工事など、縁が続くのは、ほんとに嬉しい事です。
↓ 年末の現場納めと大掃除の午前中にアルファヴィルさん設計による京都のH邸新築工事のお引き渡しがあって、いつもながらシンプルだけれど斬新な設計でした。
そんなこんなで、本年も現場ブログでのシャチョウもよろしくお願い致します。
by シャチョウ
12月のダブルダブル
12月5日の大安。木村工務店の設計と施工による東大阪市俊徳町・H邸の新築工事は2世帯住宅で、冬の快晴の地鎮の儀では、男性二人が仲良く鍬入れの儀を行って、力強くてとってもエエ雰囲気。
12月11日の大安。木村工務店の設計と施工による吹田市・T邸新築工事も二世帯住宅で、雨降って地固まるの冬の雨の中の地鎮祭で、女性二人が仲良く鍬入れの儀を行う姿があって、今まで一度も見たことがなかった光景で、これはこれでとってもエエ感じ。
↑ そうそう、今日の宮司さんのお供え物の野菜と果物、それに鯛の姿形も含めて、飾り方がとっても美しかったなぁ・・・。
by シャチョウ
職人さんの居場所
石川友博建築設計事務所による西宮桜町・T邸新築工事の上棟があって、手加工をした垂木の上に立つ大工さんはカッコエエですね。大工職人の居場所だと感じて、その大工が佇む木組みの下の居心地のエエこと。まるで森林浴だなぁ・・・。
先日、「まちのえんがわ」の主催する生野区「ものづくり百景」見学ツアーがあって、鶴橋の長屋の中にある濱口鋏製作所にお邪魔すると、理美容鋏の名工として黄綬褒章を受章している職人さんで、長屋が建ち並ぶ外観からは、そんな工場があるなど全く解らないのだけれど、中に入ると職人さんの世界がブワーっと広がっていて、98%は機械でするけれど残りの2%に職人の手作業でないと出来ない仕上げと切れ味があって、それを探求するのだと云う・・・。
濱口さんがその2%の手作業をする「居場所」がとってもカッコ良くて、手作りの照明器具、手の形に馴染んだ金槌の柄、「The職人さん」を感じる居場所で、そのエネルギーを浴びる森林浴ならぬ「手加工場浴」がとっても居心地が良かったのでした・・・。
by シャチョウ
なかなかの手仕事、ご苦労さま
グランフロント南館4階に、京都の森田建築設計事務所のモリタさん設計による、グランフロント アーバンリサーチ ドアーズの145坪ある店舗を新設する工事が、約1ヶ月の工期で、どうにかこうにか無事竣工しました。それで、オープン前の開店準備作業の真っ最中にお邪魔しました。
↑ 大谷石と古材カウンターと漆喰壁とスチールの骨組み
↑ 防煙垂れ壁を意匠化したスチールの骨組みと硝子と古材骨組みの組み合わせと薄いスチール棚
↑ 古材で製作した什器の棚や陳列棚がいろいろ・・・
↑ スチールのなぐり風仕上げと古材と大谷石と漆喰壁と床の大谷石
↑ 大工さんで製作した本棚と大谷石のテーブルと古材の扉
↑ スチールのフレームと集成材の組み合わせが新鮮!
↑ 左官が塗った角が大きなRの漆喰壁と古材の棚の組み合わせ床は土佐栂
↑ 左官が塗った土壁と看板文字と大谷石と古材のテレビフレームとスチール棚などなど
↑ 左の写真はフィッティングルーム前の細やかなディテール。真ん中の写真は古材の製作テーブル。右の写真はフィティングルームの中に自然光が入る窓があって、漆喰で塗り廻してます。
↑ 左は名札台付き収納棚と右はスチールの薄い棚
↑ 超ベテラン監督のムラカミさんが最後の指示をする。右の写真は照明の調整作業をする設計のモリタさん
店舗とはいえ、無垢の床材、古材の棚やフレームやテーブル、スチールの架構、大谷石の床やカウンター、漆喰の壁、などなど、なかなかの手仕事で、そのうえ工期が1ヶ月と、うちの社員とものづくりの仲間達、よう頑張ったと褒めてやりたいです!
by シャチョウ