残暑お見舞い申し上げます。朝はいくぶん涼しく感じられるようになりましたね。先々週の日曜日、夏真っ盛りの加工場で建築家 林敬一さんによるワークショップを開催させていただきました。去年の「スズメの巣箱」に続く生きもののイエシリーズ第2弾です。林さんが子どもの頃になりたかった職業は獣医さんというだけあって、人と生きものがお互いに心地よく過ごせる空間作りを大切にされています。
そんな”建築家が考えるスズムシの虫かごとは?”参加者はいつものように家族連れや、林さんのデザインに興味をもつ方の姿も目立ちました。
林さんスライドショー資料より
陰の立役者ワダ大工(通称ワンダー)が作業のコツや注意点を細かくアドバイスしてくれたおかげで、初心者の方もきれいに仕上ることができました。みなさん暑い中本当にお疲れさまでした!
そして今回は林さんの意向でスズムシもプレゼント!実は林さん自身が幼虫から大切に育てた子たちなんです。鳴くのは雄ですが雌がいると鳴きやすいのでバランスよく配らなければなりません。まだ雄雌の区別がつきにくい段階でしたが、まるでひよこを仕分ける職人のように林さんのお友だちが手際よく分けてくださいました。
さらにもうひとつオプションが!自然塗料で有名なオスモ&エーデルさんから参加者全員にミニ缶をいただきました。人だけでなくスズムシにもやさしい塗料なので、これを塗れば虫かごはさらに長持ちします。オスモさん、ありがとうございました。
数日後、実はこんなことがありました。虫かごにウチワで風を送っている参加者の投稿写真を見た林さんから湿気対策の緊急連絡が入ったのです。
この虫かごは湿気がたまりやすい構造になっていますので、もしケース内にカビが生えた場合は以下のように対処してください。
01 虫かご内の風通しをよくするために、図のようにアクリル箱を引き出して換気スリットをつくってください。このとき、スリットはスズムシが逃げ出さない程度の大きさとしてください。
02 土は霧吹きせず、乾燥させてください。特にエサやスズムシの糞に霧吹きの水がかかってしまうと即座にカビが生えてしまします。スズムシへの水分補給はミズゴケの一部を湿らせるだけで十分ですので、高温多湿の夏の間は乾燥気味に育ててください。
03 エサは少量ずつ、毎日取り替えるようにしてください。カビが生えているのに気付かずにいると、スズムシがエサを食べれなくて共食いを始めてしまいます。 「湿気対策」より一部抜粋
あわてて参加者のみなさんに連絡しましたが、自分でいろいろと工夫をされていて、みんな生きものを大切にされてるなぁとうれしくなりました。中にはすでに鳴き始めたお家もあるそうです。
調べてみるとこんなことが書いてありました。
虫の声を楽しむ習俗を持つ人種は世界でもほとんど日本人と中国人だけのようです。日本のある脳生理学者の研究によると、 日本人の場合は虫の声を、言葉や音楽と同様に左脳で聞いているのに対し、欧米人は雑音を聞くのと同様に右脳で聞いているのだそうです。欧米にもたくさんの鳴く虫がいるのですが、 このため、欧米人はその声にまったく関心を示しません。(昆虫科学館/JATAFFより)
ある文献では中国人も欧米人と同じであると記載がありました。日本人特有の自然観なのかもしれませんね。