「ここにちょっとええもん置きましょうよ」
きっかけはコトバノイエ店主カトウさんのひと言でした。とは言ってもデザインがよくて手頃な値段のものならセレクトショップに置いてるし、かと言って作家さんの一点ものを置けばふらっとは立ち寄りにくくなってしまうだろうし..どうしたものかと悩みつつ時が過ぎて行きました。そんなとき、コトバノイエを設計したヤベさんがおもしろそうなイベントをされることを知り、店を早仕舞いして参加させてもらいました。
「デザインと古い物」をテーマに、厳選された品をリーズナブルな価格で提供するウェブショップ「ovest design」の二日間だけのリアルショップ。そこで初めて店主のカサイさんと出会いました。
ひとつひとつ、ゆっくり丁寧に説明をしてくれるカサイさんから、作品に対する想いが伝わってきました。そして「あぁ、この人が選んだものをえんがわに置きたいな」と。まちのえんがわは小売店ではないし、いい条件は何も出せないことを承知でカサイさんは快く引き受けてくれました。そしていよいよ納品日が近づき、わくわくしているところにこんなメールとロゴが届いたのです。
(前略)もし、ovest designの名前を出しても問題ないようでしたら、まちのえんがわさん向けのネーミングを考えました。
「ovest design_離れ」です。
私が運営しているサイトが母屋だとすれば、まちのえんがわさんは「離れ」のようなものかな、と考えました。
母屋とは別だけれども、廊下で繋がっていて、母屋と離れとがひとつで「ovest design」という家が成り立っている、または、そうありたいという思いを込めました。
そして月曜日の夕方、カサイさんが納品に来てくれました。「本当は売りたくないものばかりなんです」としみじみと話す姿は、嫁に出す父親のようでした。カサイさんや作家さんの想いを心をこめて伝えていければいいなぁと思います。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいね。