渋さ しぶとさ

こんにちは、専務です。
師走とはよく言ったもので、まだ師匠でもないので、余計に走り回っております。
とはいえ今年の仕事も来週一杯、木村工務店は毎年12月28日は大掃除なので、本当にあと1週間です。今年の年末年始はほとんどの会社が28日から5日までのお休みなのではないでしょうか。休み中はどこも混み合いそうな予感、、

仕事納めに向けて各所奔走日誌。
和泉市K邸では大詰めの庭工事。
和泉市の造園屋さんのJIHEEさんが立派な渋い松を運んできました。最近、また和の庭の依頼が多くなってきているらしく、BACK TO JAPANESESTYLE感があって完成が楽しみ。たしかに、株立ちのシャラシャラっとした木が生えた庭っていうのも、飽和状態になってきた気もしますし、何か新たな時代に突入しているのでしょうか。

堺市T邸では小さな小屋がダイナミックなキャンチレバーの住まいの横にちょこんと鎮座したのを確認いたしました。
ここからは別物として敢えて黒く作った小屋に共通言語を持たせるのかどうかを、お施主さま、設計のハヤカワくん、現場監督のヒダカくんとあーでもないこーでもないと議論。建築の難しさって大きさではないですね。

昨日は箕面の地鎮祭へ。テントを建て、紅白幕を張り、真砂土を敷いて執り行うのが長年の地鎮祭スタイル。今回は東京出身のお施主さんや設計事務所さんの地鎮祭だったのですが、東京ではなかなか大きい工事でもない限り、しっかりテントを建てて地鎮祭を執り行うことはないらしく、たいそう喜んで頂いてこちらも嬉しくなりました。
今回の地鎮祭では神社さんが祭壇の両サイドに真榊(まさかき)という三種の神器をかけた神具が備えた設えにして頂き、紅白幕と青白幕で囲まれた空間の中で、緑の発色が渋く佇んでいて普段より盛り目に「ちゃんとしてる感」がありました。


簡略化することと続けて行くこと、特にこういった儀式的なことや形式的なことは時代の流れの中で何度も存亡の危機が訪れるんだと思いますが、例えば地鎮祭もお施主さんにとっては一生に一度あるかないかの出来事。やっぱり、始まりの合図がハッキリとしていることは大切で、それが関西弁でいう「きっしょ」というやつなんだろうなと。ちなみに「きっしょ」ってどんな漢字なん、と思って調べたら「吉書」で、期日を選んで天皇に読み上げる文書が転じて、大事な節目・機会という意味に変わったそう。「吉祥」という仏教用語のめでたいことを表す言葉の、方言略しVerだとなんとなく勘違いしていましたが、そう遠からずな意味なんで個人的ダブルミーニングとして処理します。

生野区K邸新築工事も完成の姿が見えてきました。
設計は組織設計に務める施主の義理の息子さんで、まだたたき台のプラン相談段階から約2年半程関わらせて頂き、先日の打ち合わせではSOLIDOを使った渋い外観と内部のスキップフロアの気持ちいい空間に仕上がって来たのをお施主さまも喜んでおられてほっと一安心しました。

建築を出来上がるまでには、コロナ以降の資材高騰の影響や、職人不足による工期の問題などなど、スムーズな決定や進行を妨げるネガティブ要素も多分にあり、近頃はトントン拍子に決まるなんてことは本当に少なくなってきました。それでも、時間を掛けてでも、微妙な調整を繰り返すことで建築は立ち上がってくる。そんな感じがします。今の時代にこそ、「しぶとさ」みないなものが求められているのかもしれません。

先週土曜日の午後はMOKスクールで六車誠二さんと竹原義二さんの講義を受けてきました。
特に竹原さんの黒板授業は初受講。ルイス・カーン、チャールズ・ムーア、中村家住宅を通じて語る建築の見方、図面との対話、そして自らの建築への落とし込み方。圧巻の迫力と建築に対する「しぶとさ」で気圧されました。なんか学生に戻った気持ちになり、心が少し若返った気がしました。

さて、わたし恐らくこれが今年最後のブログ。
振り返るとこの年末は渋さとしぶとさに突き動かされている気がしました。渋い人間になるにはまだまだ修行が足りませんが、来年は少しでもしぶとさを身に着けることを目標にしようかと思います。
今年も1年ありがとうございました。よいお年をお迎えください!

takanori

byタカノリ

津々浦々

こんにちは、専務です。
いよいよ冬突入。季節の変わり目で少し風邪も引き、先週からだんだん忘年する機会も出始め、体調を見極めながら年末に突入しなければと思っている次第であります。

セオリー通り現場津々浦々
先日お引渡しした中央区I邸マンションに残工事でお伺いすると家具が入っていい感じに。

小部屋の鴨居上の隙間から二段ベッドに乗った子どもたちが覗ける絶妙なコミュニケーションスペースに。

和泉市K邸では外構が終盤戦。庭工事もこれからなので出来上がりが楽しみです。

小路の長屋は40年以上放置されていた長屋を生き返らせる為、奮闘しています。

まずはしっかりした基礎を。

土台を入れて、床を作り。普通ならこのまますいすい進んでいくのですが、腐った梁や柱を入れ替えていくここからが本番。焦らず徐々に進めて参りたいと思います。

勤労感謝の日で祝日だった土日は近場で冬キャンはじめに川西市の知明湖キャンプ場へ

朝方は4度になるとのことで寒さをしのいでホンマ製作所の時計型薪ストーブをインストールしてヌクヌクキャンプ。
テンマクデザインの薪ストーブとか、コンパクトでカッコいいやつが欲しいとは思うのですが、火も見れるし、料理の時も2口コンロの様に使えて何かと便利なんですよね。夜は外に出るとキリっと寒く星空もキレイで満喫しました。
翌朝は大阪でほぼ唯一の硫黄臭を感じられる山空海温泉へ。狭いですが、大阪では貴重な湯を皆で頑張って愛でて維持している感が好きです。

さて、前回のブログで次は年末かなと思ってたら以外とすぐ回ってきましたね。
次こそは本当に年末なるか!?

takanori

byタカノリ

整える

こんにちは、専務です。
今年も残すところ2ヶ月を切りました。
今年出来ることは今年中に、今月出来ることは今月中に、今日できることは今日中に
が実現できるように祈りながら、年末に向けて走っていきたいと思います。

先日、中央区I邸マンションリフォーム工事を無事お引渡しいたしました。

ビフォー↓

アフター↓

少し手狭だったLDKを隣接する個室と繋ぎ拡張。キッチンも少しずらすことで、マンションでよくある背面収納が少ない問題をダイニングと一体の背面収納を設けることで大きい収納力を確保しました。色は濃いグレーで空間に締まりを。

新築や大規模リフォームがメインではありますが、ここ数年はメインの一つと言えるくらいマンションリノベをやっています。世間的には土地の値段が高くなっていたり、マンション価値下がらない神話があったりと色々な理由はあるかと思いますが、マンションは戸建てよりは水回りの位置に制約があるものの、10~20年前の生活様式に合わした間取りを、条件に合わせて整理するだけで、一気に開放感が出たり、思いがけずいい空間になったり。

連休でふと思い立って一路、岡山の津山周辺で開催されていた森の芸術祭へ。
その際初めて真庭市の勝山町まちなみ保存地区という所を訪れたのですが、旧家が並ぶ出雲街道沿いの街並みもいい雰囲気なのですが、約30年前から初めたプロジェクトで、勝山町の草木染屋さんが手掛ける「暖簾」が街道沿いの沢山のお店や家に掛けられていて、その操作だけで古い町家だけではなくバイク屋さんも新しい家もどこか統一感が出て、「暖簾」によってまちなみが整っていくのが素敵でした。

さて、次のブログはいよいよ年末なんだろうな。

takanori

byタカノリ

TO FIND

こんにちは、専務です。
ただいまブログのサーバーの変更作業をしており、各blogの各所でリンクエラー等が発生中です。
迅速に修正していますので、
NOT FOUNDと表示されても、焦らず踊らず、ブラウザの戻るボタンをソッと押してください。

さて、和泉市K邸新築工事は足場が外れ、無事完了検査に合格しました。
写真は足場が取れた直後。

愛媛の共栄木材さん焼杉の外観、吉野の坂口製材さんの木組み、吉野の坂本林業さんの化粧材やフローリング。

完成まではもう少し、かなりパースに近づいてまいりました↓

完成までもう一踏ん張り!

takanori

byタカノリ

TAIKO

現場監督のナンバです。

やっと涼しくなってきましたね。

鼻歌混じりに小躍りしながら夜散歩したいです(した)

先日中央区にて在来風呂からユニットバスへの変更工事をご依頼いただきました。

3階にあって解体物や材料の上げ下ろしに苦労しましたが、2週間で何とか終了。

before

after

綺麗スッキリさっぱり。

小さめではありますが手摺を各所に設置し長く使って頂けるような作戦です。

在来→UBは本当に条件が難しくて刻一刻と判断して進めていくライブ感があります。

解体してみないと分からないですが、、、が口癖のようになっておりますが。

これはもっともっと経験を積めば嗅覚が鋭くなっていくものなのでしょうか。。見分色の覇気?

ありがとうございました。

解体中、水道屋さんに「散歩すんで!」と連れていかれたのがこちら。

小学校の敷地に食い込むように設けられた【太閤下水】ののぞき窓。

江戸時代に作られた下水道がいまだに現役らしいです。いまだに!すごすぎん?

僕は社会苦手なので豊臣秀吉がなにした人かも覚えていませんが。太閤は秀吉のことらしい。

明治時代にコンクリートを入れて、平成の時代に大阪市文化財に指定されているとのこと。そらそうなるわ。

農地の用水路なんか田舎では余裕で使われてそうですけどね。

こんな都会ど真ん中でビル群のなか守られながら使われているミスマッチがおもろいなと思いました。

大阪のこういう怪しいバランス感覚なんなんでしょうね。

10月は外部工事祭りになりそうです。しゃかりきです。

もうええでしょ!

ごあんぜんに!

namba

by地面師の瀧さんが頭から離れないナンバ

飛び跳ねる子どもたち

こんにちは。

設計部のハヤカワです。

最近は、あまり自由時間がないのですが、

移動のついでの寄り道程度で、

最近できた広場を見てきました。

僕の地元の川西市にできた広場です。

バブルの頃に計画し、建てられた施設あるあるなのかもしれませんが、

大きな吹き抜けにガラス屋根が覆う広場がありました。

結構オフィス街や地方の商業施設、街中で見かけるのですが、

使い方がイマイチ見えてこない余白のような空間が多い気がします。

ここを子どもたちを中心とした、あそび場を併設した

芝生の広場になりました。

中央に常設のトランポリンのような遊具がドーンと設置されていて、

子どもたちが飛び跳ねています。

良いですね。

大人たちが商業的に使いこなせず、悩んでいた余白を

ちょっとした設えで、

子どもたちが簡単に楽しそうに使いこなしていますね。

飛び跳ねる子どもたち

この大きな余白で、閑散としていた施設の雰囲気が、

子どもたちのエネルギーでガラッと変わりましたね。

この広場を囲うお店にも賑やかな雰囲気が伝わり、

お客さんの購買意欲が高まりそう。

このバブリーな施設の今後を支えるための、

エンジンのオーバーホールというのか、

そういうイメージが浮かびました。

かっこよさや、スタイリッシュさ、都会的だけではない、

郊外や地方都市の商業施設の未来を垣間見た感じです。

新しくできたウメキタの広場です。

こちらは、先ほどの広場とは対照的な、

かっこよさや、スタイリッシュさ、都会的なモノを追求した感じです。

人が多すぎて全貌が見えなかったですが。。

ただ、僕の好きなスカイビルへの敬愛が感じられて、良かったです。

また落ち着いたら見に行こうと思います。

↑こちらは、内藤廣さんの富山県立美術館の屋上広場

ウメキタの広場には、おそらく無い遊具が、

こちらには、たくさん設置されています。

遊具があるか、無いかは、

人口減少が進む地方と、人口が増え続ける都会の

未来への切実な問題意識やスタンスが見え隠れしているように思いますね。

では。

byハヤカワ

大工工事

こんばんは現場監督のヤマモトです。

↑写真は中央区・I邸改修工事の様子です。↑解体は終わって木工場が本格に大工工事が進行中です。

↑マンションの改修工事なので、梁型やパイプダクトのスペースなど制約が多いですが、設計と現場で打合せしながら、天井の形状を決めていきます。

特に彫り上げの天井部分はシナ合板張り仕上げなので、割付けや照明との位置関係が重要になってきます。

ここまで大きな事故もなく順調に進んでいますので、引き続き頑張っていきたいと思います。

byヤマモト

システムキッチン

設計のササオです。

先日、TOTO大阪ショールーム内のクッキングスタジオにて、

システムキッチン「ザ・クラッソ」を体験するため

辻村さんと調理体験に参加しました。

チンジャオロースともやしの中華和えを作りながら、食洗機や、水栓機器、カウンターの仕様の違いを感じ、日常と同じようにキッチンを使用できるため、便利な機能、または自分自身には不必要な機能などが良く理解できます。

特に新発売のパナソニック製フロントオープン幅60cmの食洗機の迫力はすごく、その分設置する前に是非みて計画するべきだなと思いました。

ステンレスカウンターより、人工大理石やクリスタルカウンターの方が耐熱温度が高いという驚きの情報をもとに、火から下ろしたフライパンを直接カウンターに置いてみたり。

予洗いせずにどこまでギトギトフライパンや、ご飯粒たっぷりのへらが取れるのか等、

実験的なこともでき、貴重な体験となりました。

調理しながらでほとんど写真が撮れていないのが残念。

最後はTOTOの方とできあがった料理で楽しいランチ時間を過ごさせていただきました。

sasao byササオ

偏愛と承継

こんばんは現場監督のシノダです。

最近の家について考えることがアリ、リル感銘というか若しくはなるなると云うかコレ。

ダメじゃん、サピエンス… も少し頑張ろ。(おいらも

さて本日、(おうちソムリエ一級建築士事務所)瓜破母屋プロジェクトでは塗装工事の後半戦を実施しておりました。

今回のおうちソムリエさんの空間への印象としましてはマテリアルへの偏愛が凄め45°と云う感じでしょうか、写真右手の壁には英国製の塗料「Farrow&Ball」が指定され私は初めて知る材料ですが色目激渋です。

(質感もモチモチな気がします←あくまで個人的見解です。)

【足場完了且つ秋晴れの図】

そして遂に足場を落としました。

ハイブリッド瓦の「ROOGA」で葺き替えとてもすっきりしました、軽量・耐久・割れにくいなど新しい時代に対応した製品で躯体も肩の荷が下りたりしてるのですかね。

個人的には屋根の起りが無くなってしまい少し淋しい気持ちが否めませんが…

外装は漆喰の塗り替えや焼き杉材(素焼き)が使われとてもBASICな改修になっております。

(離れも漆喰塗装でお召し替えでございます。)

春先はこんなお姿でした。

【清めの儀時の着工前の姿】

承継されるものとの折中作業がもう少し続きます。

ここからずいずいとおうちソムリエさんの真骨頂が顕わになってまいります。

こちらもかまけずきぃしめてまいりますわ(町田康風

【TVが設置された公園で夕涼みの図】

私、良くも悪くも連休が続くとなぜだかリズムが乱れる未だ未だザ昭和なひとです。

皆さんはもう小さい秋をみつけましたか?

今宵はこの辺りで

ではでは又又

 byシノダ

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