お彼岸

シルバーウィークというらしい。秋分の日で、お彼岸でもある。早朝に起きると、曇っていた。自転車に乗る予定もあったが、雨が降りそうな曇り空なので、家に居ることにする。明日も休みだし。明日は晴天のようだし。そんな連休感覚だった。

奥方に、今日どぉするのぉっと聞くと、久しぶりに和歌山の花山温泉に行こうという。あの、ま茶色で鉄分を含んだ源泉が気持ちいい。サウナに入って、水風呂入って、源泉25℃のま茶色の温泉に入ると、25℃の外気浴で寛ぐようなエエ気分になる。そんな感覚を思い浮かべながら、車に乗った。

阪神高速から阪和道路に入り、岸和田を通り過ぎる。奥方が、車のなかで、唐突に、お彼岸やから、お墓参りどうするぅっと聞くので、つい先日お盆のお墓参り行ったばかりやから、もういかなくてもエエんとちゃぅのぉっというと、それはどうかなぁ。って言いながら、携帯をググって、お彼岸というのは、ご先祖様を偲んで、正しい行いをするよう心がける日らしいから…..。

なんて話をしながら追い越し車線で車を運転していると、数十台先に、右車線を走る遅い車が一台あって、後続の車が、イライラしている感じ。我慢しきれず、左から追い越していく車が数台あって、この場の気が乱れているような感じだった。どんどん、前の車がその車を左から追い越して行き、もう数台前になってきたときに、トンネルに入った。

追従自動運転の機能が作動していて、別に急ぐ理由もないので、高速道路に入ってからずっと、その追従機能に任せて運転していた。トンネルに入って、ほんの数十メートル入った時に、前の車と数台前の車の急ブレーキのランプが光り、ディスプレーに警報音が鳴り、ブレーキ警告の赤いランプが表示される。あっっとおもいながら、ブレーキを踏む。前の車にググッと迫るが、まだ車間距離には少々の余裕があった。前の車に衝突する感覚は全くなかったが、バックミラーをみると、後の軽自動車が、スルスルっと迫ってきて、あっっという瞬間に、そのままワタシの車の後に衝突する。その瞬間、横の座席の奥方が、うわーぶつけられたぁっっと、とっても残念そうに呟いたのが印象的だった。

衝突安全機能があるのか、むち打ちなどのショックはまったくなく、バンパーがちょっと歪んだかなぁっていう衝突感覚で、車を停車する。前の車とその前の車は、無事で、ちょっと停止したあと、そのまま左車線から運転して去っていくと、右車線のワタシの車の前に、追突事故した車3台がハザードランプで停止している事故現場の姿が眼前に表れ、それなりの追突事故なのだと気付いた。幸い怪我人はなさそうだった。車を降りて、うしろの軽自動車に歩いて行くと、ボンネットがグシャっと潰れエアーバックがでていた。運転者は若い男の子で怪我もなく無事だったが、キョトンとした表情だった。少し車は動いたが、もうこれ以上は車は動かないという。ワタシの車のバンパーもそれなりにダメージを受けていた。

 

警察が到着するのに30分ほどかかり、それがとっても長く感じた。警察の現場検証のあと、前の車の人に状況を聞きにいく。数台前に走っていた遅い車の、そのすぐ後に走っていた車が急ブレーキを踏んで、それでその車のうしろの車がブレーキを踏み、その後の車2台が玉突きをしたそうだ。3台の車の運転者も同乗者も、しまったなぁ巻き込まれたなぁっていう表情だった。その後、軽自動車の方と連絡番号を交換しあい、警察の誘導で、左車線の車を止めてもらって、運転を再開した。

フツウに車は動いたので、そのまま温泉にいって、まさしく、気分転換をすることにした。帰りは、当然のように、お彼岸のお墓参りをすることになり、あらためて森羅万象に心がける日として、墓前に手を合わせた。