長屋の改修の行方
こんばんは。設計の田中です。
東淀川区・A邸リフォーム工事の現場確認に伺いました。
2軒長屋の屋根改修が主な工事です。
築70年以上の戦争前後の長屋ですが、親子2代約70年に渡って
住まわれてきた物件だと聞いています。
メンテナンスが行き届き、新建材での改修がほとんどされてない
ビンテージ住宅です。
非常に丁寧に暮らされてきたようで
補修の積み重ねで、ある程度復旧できそうです。
オーナーさんは、当初、住まいとして耐震改修を行った、全面改修
を計画されましたが、創作活動の場としての利用という目的に切り替え、
今回の改修となりました。
工務店の設計者としては言いにくいのですが、
現在の雰囲気を残したままですので、耐震改修は、ほぼできません。
耐震改修をすれば、
柱梁に、構造合板を貼り、耐震金物を取り付けることになるので
真壁から大壁に変わり、以前の面影は全くなくなってしまうからです。
しかしながら、これまでに何度も起こった大震災からの倒壊を
免れてきていることが実績として評価できると私は思いますし、
瓦屋根から、カラーベスト屋根に変わることで、建物への負担は
激減するかと思います。
◎長屋が残る現場の様子
◎レトロな建具 簡素できれい
◎中庭も変な部屋が増築されず、残ってる。
◎小屋裏の金物補強だけは、作業できる範囲で取り組んでおります。
明日も明後日も、近所の長屋の現地調査が続きます。
どう考えるかが、難しいところです。