敷地をこえて

設計部のハヤカワです。

今回は、現在進めている現場の報告です。

 

八尾市・T邸新築工事ですが、

かなり空間が見えてきました。

外観は、まだ隠れていますので、内部の紹介です。

リビング中央に吹抜けと階段があります。

1つの大きな空間ですが、階段と小上りで、細かく分節されて、

小さな居場所がたくさんできました。

1つの大きな空間に、小さな居場所が曖昧にたくさんある方が、

多様で、選択できて、楽しいような気がしています。

 

玄関の靴箱は、大工さんに作ってもらいました。

上から下まで、端から端まで。そういうの良いです。

靴箱という雰囲気ではなく、木の壁の中に靴が収納できるような。

〇〇風とか、〇〇っぽいではなく、

極力意味を感じさせないものが、モダンで素敵です。

 

2Fベランダです。

角地で景色が抜ける場所なので、気持ちが良いです。

 

閉じたプライベートな空間だけで、敷地内で完結するのは、もったいない気がします。

八尾市・T邸は、敷地内で完結せず、

意識的に敷地をこえて、

積極的に周辺環境やマチにまで広がっているような気がします。

住宅の社会性とでも言うのでしょうか。

 

小さな住宅でも、マチのスケールで暮らすこと、

ソトと関係性を持っていることで、

その場所での今後の暮らしに、

多様で彩っていく余白(楽しみ)を残しているのでは思います。

 

では。

byハヤカワ

関係ないようである、日常の風景

設計部のハヤカワです。

仕事とは関係ないようで実はあるかもしれない、

メモのようなブログになりそうです。

 

休日に大阪城公園内にあるカフェに行きました。

驚くことに、その日の少しズレた時間帯に社長も行っていたようで、

似たような行動をしているみたいです。

 

ものすごく、幸せな空間だと思います。

人が思い思いに過ごしていて、楽しそうな風景を見ると、

僕もそんな気持ちになります。

 

風が抜け、オープンで、他者を受け入れ、

常に人の気配がする空間は、

人を幸せにするのだと、改めて思いました。

 

ちなみに木村工務店にある

“まちのえんがわ”や”加工場”も似たような空間です。

↑加工場で行われたワークショップの様子

 

もう一つ強く思ったことは、

大阪城公園という”広場”の中に

カフェや小さなお店が点在していることです。

個人的に当たり前だと思うことが実現できているのは、

行政と民間が協働して、色んな壁を越え、

うまく連携しているからだと思いました。

 

↑大阪城とスタバと噴水とランニングの風景

 

公園は公園だけ、住宅街は住宅だけなんて

つまらないと思います。

混ざるから出会いがあり、化学反応が起きるはずです。

 

小さな個人住宅でも同じで、

多様で豊かな風景は、そういうことだと思っております。

 

では。

byハヤカワ

H鋼

こんにちは。

ハヤカワです。

↑H鋼を立てました。

 

そのH鋼に、外構工事の最後であるチェーンの取り付けをしました。

 

道路と駐車場の境界線をどうするか、

色々と現場で施主さんと監督と模索したのですが、

あまり大げさに既製品を使ってつくるのではなく、

簡易にH鋼と金物を組み合わせてみました。

 

↑簡易な感じ

 

住宅の外構は、建築と周辺環境を繋げる、

あるいは繋がる、とても重要で繊細な部分だと思っております。

 

内部の壁と壁の間が空間だとすると、

建物と建物の間も空間なので、

外部のファサードや外構も

内部の設計と等価に扱うべき部分だと、

日々マチを歩くたびに感じております。

 

プラスティックのようなツルっとしていて、

内部で完結したような閉じた箱が

同じように連なるマチナミを

歩いていて楽しくなるような豊かな風景にならないものか、

小さな住宅でも、やれることがあるのではと思っています。

 

では。

byハヤカワ

 

立場をこえて

車が入りました。

この写真は、生駒市・H邸リフォーム工事の外構部分で、

初めて車を入れてみた時の写真です。

 

勾配や高低差など、悩ましい問題が多々ありましたが、

設計、工事部長、監督や職人さん、施主さんと話し合って、

無事車を停めることができました。

 

車が入る瞬間、

奥に佇んでいるナンバさんはどんな気持ちだったのでしょうか。

 

 

タイルを埋め込みました。↓

建物内部で使ったタイルの余りを使って、

駐車場に向かうスロープに一工夫してみました。

施主さんのアイデアです。クリエイティブですね。

 

↑余ったタイルを埋め込んでいます。

 

立場的には、設計、監督、施主さんですが、

一体だれが設計で、監督で施主さんなのか。

タイルをみんなで埋め込んでいる風景を見た時、ふと思いました。

おもしろいですね。

 

おそらく、協働という言葉をそのままカタチにしたら、こういう状態のことなのだろうか。

楽しいですね。

 

住宅というものは、つくってあげるものでもなく、

つくってもらうものでもなく、

一緒につくるもので、それが楽しみであり、喜びなのだと思いました。

 

生駒市・H邸はもう少しで竣工になりますが、これからが始まりですね。

ゆっくりと時間をかけて、

さらに継続して自分の家をつくりあげていきましょう。

 

 

では。

byハヤカワ

自分の暮らしとは

連休が訪れ、去っていきました。

みなさまは、今回の連休はどう過ごされたのでしょう?

 

コロナによって“人が集まる”という根源的な活動が制限されました。

皮肉にも、コロナによって動物たちの環境や地球環境は改善されていると聞きます。

 

普段、仕事や用事に忙殺されている私たちが、

住宅や家族という最小単位の集まりについて考える、

また、自分の暮らしを見直す、ある意味で良い時間でもある気がしました。

 

散歩中に見かけた、家族という幸せそうな最小限の空間

 

遠くから望遠鏡で自宅を眺めてみました。3層にズレた家が自宅です。

 

近くの公園。美しい風景の背景になるマンションはあれで良かったのか。。

と思いますが、こんなにも楽し気な風景が見れました。

 

自分の暮らしとはなんでしょうか。

自分の暮らし以外にも家族、人と人のつながりなど改めて考えさせられた連休でした。

 

では。

byハヤカワ

小さな変化/大きな変化

地震、津波、台風、ウイルスと、

次々と経験したことのないことが起きていますね。

これは、これまでの生き方の転換点に差し掛かっている気がします。

 

現場は慎重に進んでおります。

生駒市・H邸リフォームでは内装の仕上げで、

仕上げの色や素材によって、空間が一気に変容する瞬間です。

 

↑今回は、外壁はあまりさわらない計画ですが、

開口部と玄関廻りは少し素材を変えたりしています。

床は杉で、玄関の横の壁も同じ杉です。

ソトからウチへ、あるいは、ウチからソトへ連続していく壁です。

 

H邸の周辺環境は、場所が山手の方ということもあり、

気持ちの良い風が抜け、暖かい光が入り、美しい緑に囲まれた魅力的な環境です。

とても内部だけで完結するのはもったいない。

内部だけで完結するのではなく、

“ソトの延長にウチがある”ような空間が、施主さんにとっても、

周辺環境にとっても、良い関係性なのではないでしょうか。

 

↑玄関扉も新しいモノに変更しました。

玄関は、建物の顔といっても過言ではないと思っているので、

外壁をあまりさわらなくても、

新しい玄関扉によって新鮮な雰囲気になったような気がします。

 

今回は開き戸が多かったのですが、

レバーハンドルも一つ一つ部屋の雰囲気に合うように選びました。

玄関扉と同じように、手で触れる部分のカタチや素材の選択は重要で、

“小さくても影響力のある部分”だなと改めて思いました。

 

↑ダークグレーのタイルで、ビシッと空間を分節して、メリハリをつけます

 

↑キッチンの背面収納の奥に見えるピンク色の植物(綺麗だけど名前は知らない、、)

 

↑施主さん、協力業者さん、大工さん、監督と完成に向けて頑張ります!

 

では。

byハヤカワ

消炭色のシャッター

まちなかでよく見かける、シャッターってなかなかの存在感です。。

 

閉め切ったときの、生活感が全く感じられない、無機質な様相は、

いつ見ても何か良い方法は。。。と考えてしまいます(個人的感想です。。)

 

現在進めている小路東・M邸整骨院改修工事では、

公共的な空間である整骨院の一つの顔として、

既存の古いシャッターを塗装するという機会がありました。

 

整骨院という公共的な空間では、

閉めた時も周辺環境に対して少しでもポジティブに、

良い雰囲気であってほしいので、

とっても有意義で重要な塗装工事だと思いました。

 

↑塗装前のシャッター。

 

↑まず錆止めの塗料を塗っています。

シャッターを開けると木のハコが現れます。

 

↑山本塗装の山本さんが塗装中。

 

↑シャッター塗装完了。

 

↑正面から。

 

どうでしょうか。

個人的には、シャッターのあの何とも言えない

どんよりとした存在感がなくなって、

ビシッと引き締まった感じがします。

 

色は、日本の伝統色の“消炭色”という色の3分艶を使っています。

真っ黒でもなくグレーでもない色で、

この場所や周辺環境、施主さんの今後の暮らしの背景として

しっかりと馴染むと思いました。

 

完成が楽しみですね。

 

 

では。

byハヤカワ

トーメイガラス

ガラスには、透明や半透明などいくつか種類があります。

僕は、個人的に透明ガラスが好きです。

理由はいろいろとあるのですが、

ひとことで言うと半透明は“もったいない”と思っています。

 

ソトとナカ、あるいは空間と空間の関係の可能性を残しておくことができるのが、

透明ガラスだと思っています。

 

難しい言い回しになりましたが、

半透明のガラスは、ガラスを取り換えない限り

ずっとその後も永遠に半透明です。(大げさですが、)

 

透明ガラスだと、自分好みのカーテンを付けたり、

後でフィルムを貼ったり、

意外に何もつけない方が、常に景色が見えて、開放的で気持ちよかったり。

 

“連続してつながっていく関係性”を残しておくことが、

時間の経過とともに、多様な出会いがあるかもしれない。と思うからです。

 

生駒市・H邸リフォーム工事では、美しい周辺環境に後押しされて、

積極的に透明ガラスを使いました。

お施主さんも勇気のいる選択だったと思います。

もともとすりガラスだったところも透明ガラスに交換していきました。

今後生活していく中で、遠くの景色が見えたり、

手入れされたお庭の植栽が見えたり、

透明ガラスによる連続してつながっていく関係性の中で、

四季折々いろんな発見を楽しみながら生活してもらえたら嬉しいです。

 

では。

byハヤカワ

“混在”する空間は、楽しいのだ

暖かくなったり、寒くなったりですね。

 

現在、会社から歩いて3分ぐらいの距離に

3階建て住宅1階部分の車庫/倉庫を

仕事場 兼 整骨院にするリフォーム工事を進めております。

↑大きな木のハコが作業場。その横の小さな通路が整骨院のアプローチ。

奥にある、隠れ家的整骨院を演出します。

ペンダント照明が、道路から整骨院に向かって連続していく予定です。

 

小路というマチは、大きなビルが少なく、低層で細く小さな住宅がひしめき合って、

生活感がミチにはみでるようなカタチで建ち並んでいてます。

僕がそんな風景で一番良いと思っているのが、”混在”しているということです。

 

何が混在しているかというと、

ニュータウンのような寝るだけの住宅が並んだ風景ではなく、

住宅兼喫茶店、小さな床屋さん、昔ながらの長屋、

油の跡がミチに残っている工場、何屋さんか分からないようなお店。。。

思ってもいない機能を持った空間に突然出会うので、

歩いていてとても楽しいです。

 

そんな風景の一部として参加できる今回のリフォーム工事。

施主さんが気持ちの良い空間で楽しみながら仕事を行い、

繁盛してくれたらうれしいです。

 

マチナミとしても、また一つ”混在”を創り出し、

歩いていて楽しい風景になっていけば良いですね。

 

では。

byハヤカワ

ごはんを囲む場所

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします!

 

現在は、奈良県 生駒市・H邸リフォーム工事を進めております。

僕自身、兵庫県の出身で、奈良へはなかなか行く機会がないので、

奈良に向かっている時は、いつもちょっとした旅行に行くような新鮮な気分になります。

(もちろん現場に着いたら、緊張感を持って進めておりますが。。)

 

場所は、生駒山の山手の方で、急な坂を上っていかなくてはならないのですが、

その苦労の分、各住戸間の高さが違うので距離感も良く、

南側に可愛らしい庭があって、その向こうに美しい景色が眺めれたり、

風通しも日当たりも良さそうに感じました。

 

↑リビング・ダイニングのイメージパースです。

みんなでご飯を囲む”ダイニング”という場所は、

住宅の中でとても重要な場所だと思っております。

 

何が重要なのか、うまく説明できないのですが、

“みんなでおいしいごはんを食べる”という行動が、

人間らしく生きていくなかで、欠かせない要素な気がするのです。。

みなさんはどう思いますか?

 

話が大げさな感じに逸れてしまいましたが笑

パースの右側に見える窓からは、先ほどの写真のような景色が広がる予定です。

内部だけの豊かさで完結するのではなく、

外部環境も積極的に、ポジティブに取り入れた、美しく、豊かな空間に

施主さん、職人さん、現場監督と協働しながら進めて行けたらと思います。

 

これからいろんな問題も出てくるかと思いますが、

頑張っていきましょう。

 

では!

byハヤカワ

1 5 6 7 8 9 10