長屋の建て替えと夏の断熱性能

こんにちは、設計のササオです。

やっと今晩あたりからエアコン無しで寝られそうで、ホッとしております。

この酷暑の中、新築を計画しておりますと、冬の断熱だけではなく、最上階の暑さ問題や、

エアコンの風を感じずに、心地良い温度を保つためにどうするかと、夏の断熱を重点的に考えてしまいます。

現在計画中の新築物件は、屋根の断熱材は、高性能硬質ウレタンフォームに遮熱性能の高いアルミ箔面材を合わせてキューワンボードを使用し、厚さも100mmにしました。

窓もアルミ樹脂複合でエアー部分はアルゴンガスです。

この酷暑になりますとエアコンに頼らないのは無理ですので、

緩い設定で心地良く、熱が入らない・逃げないということを考えるのが重要なのではないでしょうか。

 

また、現在計画中の新築工事は生野区の長屋の建て替えであるため、

間口が狭く、3方向の住宅が近接しているため、道路面である南面は大きな開口にし、両サイドは開口を小さく等々、模型でそのバランスを検討いたしました。

先日、現在住まわれている賃貸のメゾンタイプのご自宅を訪問し、

住まい方を確認いたしましたので、新築の計画にしっかり活かしていきたいと思います。

母・娘2人の女性の家です。細やかな趣味嗜好を汲み取り、お気に入りの空間になるよう、かつ冬は冷え込まないのはもちろん、夏もエアコンの風を感じなくても心地良い温度が保てる住宅を設計していきたいと思います。


sasaobyササオ

着色すること

こんにちは。

設計のハヤカワです。

 

今回はまだ計画段階の案件の紹介です。

古く立派な蔵と、その隣に接続している平屋のリフォームです。

 

プランの計画段階では、いくつか検討した案を作成し、

最後に“着色”します。

 

着色は、パソコンでも可能ですが、手書きでじっくり着色していきます。

この手書きで着色する作業が、僕は好きです。

↑着色の様子

 

着色すると、色ムラや濃淡が出て、

平面図という無機質で二次元の世界が、

有機的で立体的に平面図が動き出すような気がするからです。

難しい言い回しになりましたが、簡単に言うと

施主さんや僕自身、生活のイメージがしやすくなると思っているからです。

↑着色平面図

 

単純に、図面が図柄としてきれいなのもプレゼンテーションとしては重要だなと思います。。

 

まだまだ計画段階なので、

地道に進めて行きたいと思います。

 

 

 

では。

byハヤカワ

アプローチ工事

こんにちは。営業設計担当の田中です。
猛暑が続く中、お盆明けから2週間に渡って、東大阪市・Y邸新築工事の
外構工事を行いました。
その中で、杉板型枠で跳ね出しになっているアプローチ階段がかなりの
難工事となりました。
お施主さんは設計の仕事をされており、すべての外構プランをして頂きました。
下の写真が、今回の仕事の流れです。

◎跳ね出し部分の型枠

◎生コン打ち

◎左官屋さんによる杉板押さえ

◎仕上がり

思いの外、杉板型枠の加工に時間がかかってしまいましたが
持ち出しの部分にも何とかコンクリートが流れ込み
形状はうまく作れたのですが、杉の表情が、少しぼやけてしまいました。
少し粗い感じですがいい感じの表情です。
平板が浮いた感じの軽やかでかっこいいアプローチになりました。

現場は暑くて大変でしたが、いい経験をさせて頂きました。

この夏は、最強の猛暑だったと記憶に残りそうです。

この後、無事お引き渡しをさせて頂きました。
長らくの間、色々とお付き合い頂きましてありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。

tanaka

by.タナカ

再生

お盆シーズン真っ只中。とてつもない暑さですね。こんにちは設計部のタカノリです。
弊社は13日から完全休業になるので、明日まで暑さに負けず乗り切りたいと思います。
とは言っても手放しには浮かれられない昨今の世間の状況。1日でも良い方向に進んでいくことを願うばかりです。

先日トミマス部長の記事にも上がっておりました、小路の蔵改修工事の写真撮影してきました。
思い返せば、解体すると、土壁の厚みが30センチ以上あるずっしりとした蔵が10センチ以上傾いていることが発覚し、建物を持ち上げる、「揚げ屋」をするところから始まったリフォーム計画でした。

普通の住宅より難しい部分は多々ありましたが、完成しほっと一息です。

約100年前の大工技術で作られた木組みの力強さがこの蔵の良さの大部分を占めており、振り返って考えるとそれを如何に良く魅せるかということだけに一生懸命でした。古い寺社仏閣もそうですが、しっかりとした材料と技術に裏付けられた建築は、一度ボロボロになってしまっても、また力を入れれば息を吹き返すんだなと染み染み感じます。

新築でもリフォームでも、何度でも再生出来るような家造りを心がけていきたいですね。

takanori

by タカノリ

敷地をこえて

設計部のハヤカワです。

今回は、現在進めている現場の報告です。

 

八尾市・T邸新築工事ですが、

かなり空間が見えてきました。

外観は、まだ隠れていますので、内部の紹介です。

リビング中央に吹抜けと階段があります。

1つの大きな空間ですが、階段と小上りで、細かく分節されて、

小さな居場所がたくさんできました。

1つの大きな空間に、小さな居場所が曖昧にたくさんある方が、

多様で、選択できて、楽しいような気がしています。

 

玄関の靴箱は、大工さんに作ってもらいました。

上から下まで、端から端まで。そういうの良いです。

靴箱という雰囲気ではなく、木の壁の中に靴が収納できるような。

〇〇風とか、〇〇っぽいではなく、

極力意味を感じさせないものが、モダンで素敵です。

 

2Fベランダです。

角地で景色が抜ける場所なので、気持ちが良いです。

 

閉じたプライベートな空間だけで、敷地内で完結するのは、もったいない気がします。

八尾市・T邸は、敷地内で完結せず、

意識的に敷地をこえて、

積極的に周辺環境やマチにまで広がっているような気がします。

住宅の社会性とでも言うのでしょうか。

 

小さな住宅でも、マチのスケールで暮らすこと、

ソトと関係性を持っていることで、

その場所での今後の暮らしに、

多様で彩っていく余白(楽しみ)を残しているのでは思います。

 

では。

byハヤカワ

加工場にて

こんばんは。設計営業担当の田中です。
ようやく梅雨もあけそうで良かったです。
今年は、長らく雨の日が続きましたので
防水や屋根工事など、外装関係の仕事が遅れに遅れたいへんです。

そんな中、弊社加工場では天候に関係なく造作物や下地材などの加工
を行っています。
他に、建具の塗装なども、個々の現場でなく加工場で行います。

 

現場製作が基本ですが、作業スペースやホコリ、養生などの問題で
加工場で作業を行うことがあります。
搬出入の手間はかかってもその方がスムーズに行く場合も多いのです。

tanaka

by.タナカ

 

関係ないようである、日常の風景

設計部のハヤカワです。

仕事とは関係ないようで実はあるかもしれない、

メモのようなブログになりそうです。

 

休日に大阪城公園内にあるカフェに行きました。

驚くことに、その日の少しズレた時間帯に社長も行っていたようで、

似たような行動をしているみたいです。

 

ものすごく、幸せな空間だと思います。

人が思い思いに過ごしていて、楽しそうな風景を見ると、

僕もそんな気持ちになります。

 

風が抜け、オープンで、他者を受け入れ、

常に人の気配がする空間は、

人を幸せにするのだと、改めて思いました。

 

ちなみに木村工務店にある

“まちのえんがわ”や”加工場”も似たような空間です。

↑加工場で行われたワークショップの様子

 

もう一つ強く思ったことは、

大阪城公園という”広場”の中に

カフェや小さなお店が点在していることです。

個人的に当たり前だと思うことが実現できているのは、

行政と民間が協働して、色んな壁を越え、

うまく連携しているからだと思いました。

 

↑大阪城とスタバと噴水とランニングの風景

 

公園は公園だけ、住宅街は住宅だけなんて

つまらないと思います。

混ざるから出会いがあり、化学反応が起きるはずです。

 

小さな個人住宅でも同じで、

多様で豊かな風景は、そういうことだと思っております。

 

では。

byハヤカワ

H鋼

こんにちは。

ハヤカワです。

↑H鋼を立てました。

 

そのH鋼に、外構工事の最後であるチェーンの取り付けをしました。

 

道路と駐車場の境界線をどうするか、

色々と現場で施主さんと監督と模索したのですが、

あまり大げさに既製品を使ってつくるのではなく、

簡易にH鋼と金物を組み合わせてみました。

 

↑簡易な感じ

 

住宅の外構は、建築と周辺環境を繋げる、

あるいは繋がる、とても重要で繊細な部分だと思っております。

 

内部の壁と壁の間が空間だとすると、

建物と建物の間も空間なので、

外部のファサードや外構も

内部の設計と等価に扱うべき部分だと、

日々マチを歩くたびに感じております。

 

プラスティックのようなツルっとしていて、

内部で完結したような閉じた箱が

同じように連なるマチナミを

歩いていて楽しくなるような豊かな風景にならないものか、

小さな住宅でも、やれることがあるのではと思っています。

 

では。

byハヤカワ

 

伝統建築と対話

こんばんは、タカノリです。

今日から6月、緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ浮かれてはいられないムード。
気を抜かずに節度を守った生活はまだまだ続きそうですね。

今、設計を担当している蔵と現場監督をしている稲荷社の2つの伝統建築が
引き渡しに向けてラストスパートです。

生野区の蔵改修工事は遂に足場が外れました。厚み30センチもある頑丈な土壁の上に漆喰と焼杉板が貼られ、
白と黒のコントラストと瓦が眩しく美しいです。
思えば、10センチ程も傾いていた蔵を、揚げ屋さんと呼ばれる建物を持ち上げるプロフェッショナルを呼び、持ち上げ、傾きを修正するところから始まったこの工事。
普通の建物に比べると一筋縄ではいかない部分が多く、元々の建物の力強さを如何に見せれるかというところで、悩み、時間もかかりましたが、もうすぐ着地できそうです。

玄関の壁は左官屋さんと相談し、少し特殊な掻き落とし壁にしました。

2階まで続く本棚。ロの字型に組まれた梁の上はガラスの床になる予定です。

 

清見原神社では、いよいよ美装工事。
まずはお湯を使って全体を洗浄し、一度数日乾かしたあと、再度洗いをかけます。お稲荷様に良い状態でお引越しして頂けるよう、最後まで気が抜けません。

伝統建築の改修に関わらせてもらうと、日本の職人さんの凄みがひしひしと伝わってきます。
大工、左官、板金、洗い、etc,,それぞれのエキスパートがその建築、そして材料と向き合いながら進めていく様は、文字通り「対話」しているようで、日々感動を覚えます。それは建築そのものとの対話でもあり、またかつてそれ建築に携わった職人さんとの会話でもあります。
伝統建築を前にすると、まだまだ知識不足でなかなか職人さんが動く先々を考え巡らせることは難しいですが、この経験を活かし、設計や監督として対話できる様になりたいと思う今日この頃です。

 

takanori

by タカノリ

 

立場をこえて

車が入りました。

この写真は、生駒市・H邸リフォーム工事の外構部分で、

初めて車を入れてみた時の写真です。

 

勾配や高低差など、悩ましい問題が多々ありましたが、

設計、工事部長、監督や職人さん、施主さんと話し合って、

無事車を停めることができました。

 

車が入る瞬間、

奥に佇んでいるナンバさんはどんな気持ちだったのでしょうか。

 

 

タイルを埋め込みました。↓

建物内部で使ったタイルの余りを使って、

駐車場に向かうスロープに一工夫してみました。

施主さんのアイデアです。クリエイティブですね。

 

↑余ったタイルを埋め込んでいます。

 

立場的には、設計、監督、施主さんですが、

一体だれが設計で、監督で施主さんなのか。

タイルをみんなで埋め込んでいる風景を見た時、ふと思いました。

おもしろいですね。

 

おそらく、協働という言葉をそのままカタチにしたら、こういう状態のことなのだろうか。

楽しいですね。

 

住宅というものは、つくってあげるものでもなく、

つくってもらうものでもなく、

一緒につくるもので、それが楽しみであり、喜びなのだと思いました。

 

生駒市・H邸はもう少しで竣工になりますが、これからが始まりですね。

ゆっくりと時間をかけて、

さらに継続して自分の家をつくりあげていきましょう。

 

 

では。

byハヤカワ

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