こんばんは、設計の田中です。
連休明けで、現場もあるのですが、休みの間に、ふと思ったことを書きます。
一応、創造的な仕事をしている為
半期に一度、思い悩むことがあるのです。
最後まで読んでください。
設計をする際に、よくオシャレにしてくださいとよく
言われるのですが、オシャレってすごく漠然とした言い方ですけど
でも、最近何となく、オシャレの意味が整理されてきた様に思うのです
ゴールデンウィークに、瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。
今年で2回目になります。4,5年目に直島と犬島に行って面白かったのでまた、行きました。
今回は、小豆島と豊島に姫路からフェリーで渡って1泊2日の旅となりました。
越後妻有(大地の芸術祭)にも2,3年前に行ってまして、
こちらも、かなり面白かったし十日町の蕎麦がうまかった。
私は41歳ですが、学生時代は90年代の建築や芸術の時代に触れていて
安藤忠雄さん、高松伸さんの建築の全盛期でいわゆるポストモダンといわれる
手法で形だけを追いかける建築の時代で、奇抜な形の建物がたくさん建った時代です。
当時は、そういった建築家の打ち放しのオシャレなカフェでデートをするのが憧れの時代でした。
というのも、東京ラブストーリーなどに代表される
トレンディードラマが人気を集め、必ず、そういう空間シーンが舞台となったからです。
いかに憧れのトレンディードラマのモデルに近づけるかが
当時のオシャレの定義だったのです。
そんな我々、団塊Jr世代と違って、今の大学生含めた20代前後の若者は
どんな子もオシャレに見えます。
憧れのライフスタイルというものを地で行ってる感じです。
トレンディードラマの影響を受けていません。
島に行きまして(前回もそうでしたが)
どうしてこんな僻地の島に、こんなに若いオシャレな男女がいるの?
洗練された豊島美術館と棚田の風景
近未来空間から見上げる田舎の空は新鮮でした。
芸術と建築がこれほどまでに、融合された空間を体験したのは初めてでした。
我々の時代は、パッケージされた空間(箱)を楽しんで
オシャレと言える期間だけ利用して、賞味期限が過ぎたら
また違う箱に乗り換える、そんな風な楽しみ方しかなかったのに
今は、瀬戸内海の島々全体が、オシャレスポットとして年々、進化して
地域の人々ともつながって、若いオシャレな都会の男女もいっぱい
集まってきて、いろんな営みが生み出されている感じがしました。
継続して訪れるのが本当に楽しみです。
小豆島在の地の農家のお父さんらと普通にしゃべる機会なんて
まず、ないですからね。
逆に、成長の止まったポストモダン建築物(大半が京都)がどんどん取り壊され
なくなってしまっているのです。悲しい・・・。
弊社の【まちのえんがわ】についても
おそらく、そういうポジション(瀬戸内海の芸術村の様)になって
いけたらいいという想いが社長の頭にはあるのではないかと
一従業員の私は思うのです・・・。
地元→まちのえんがわ←遠くの人=生まれ続ける
オシャレ認識の変化のまとめ
団塊Jr世代→形、見た目、トレンディードラマの世界
今の若い子→オシャレは形ではない!
地でいくライフスタイル(個性と編集)だ。
弊社設計部としましても
こちらから答えを出すのでなく、お施主さんのライフスタイルを
いかに受け入れて、オシャレなものにするかに情熱を注ぐ様に
したいと思っているのです。
トレンディードラマの世界を決して作ってはいけないのです。
これでオシャレの話は終わりです。
補足として、
ライフスタイルを語り出すと、編集の時代という流れを感じざる得ません。
編集については、今に始まったわけではなく
TUTAYAを運営されるカルチャーコンビニエンスクラブの増田宗昭社長が本で書いてられたのですが
70年代のLPレコードは、アーチストがA面の1曲目はこれ、B面の1曲目は・・・とアルバム1枚を作品として
世に出して、リスナーはアーチストの選曲通りに視聴して楽しんでいた。
ところが、カセットテープができてリスナーが自ら編集して自分好みの一枚を作ることが出来るようになった
このあたりが、編集の始まりではないかと書いてはりました。
すごく分かりやすい話だと思いました。
住宅でも、どちらかと言うと選曲(間取りや空間構成)までしてもらった家に住みたい
いやいや、選曲(プランや素材や設備器機のチョイス)も自分でやった家に住みたい
弊社では、圧倒的に後者のお施主さんが多くなっているのです。
建築の場合はIT情報技術が、そうさせてきている様に思います。
前者のお施主様は、建築家の先生にお願いしまして
私ども社内設計者は、後者の方を、応援する形で、まとめあげていくことが重要な役割になっているのです。
それにしても、トレンディードラマの世界がいかにすごかったか、今になって思います。
ありがとうございました。悩みは解けました
明日から、がんばります!
By タナカ