暑中お見舞い申し上げます。

暑中お見舞い申し上げます。

ちょっとした、コスプレ姿で、気取ってみたが、お盆の暑い日に、あの、蒸し暑い京都に、わざわざ大阪から泊まりに行く。なんていう感覚は、とっても大阪人なワタシには、全く理解しがたい感覚で、ところが、奥方も生粋の大阪人で、なのに、ひと月ちょっと前に、ネットで見ていたら、偶然、お盆に、「俵屋旅館」が、ひと部屋だけ空いていたから、予約しておいたでぇ!っという。

お盆が近づくに連れて、確かに、一度は泊まってみたい旅館やけど、夏の京都はなぁ…。別の季節がエエなぁ…。涼しい場所行きたいなぁ…。うちの家で、冷房効かして、ゴロゴロでエエけどなぁ…。なんていう気分が、脳裏をかすめていたが、それが、有名アウトドアーメーカーの店舗として、京都三条の京町家を改装する工事が、急ピッチで進行していて、お盆の間に、うちの大工さんや、協力会社の大工さんなど、集まるだけ集まって、施工を進める事になっていた。丁度、宿泊する日の前後だったので、激励のために、現場に立ち寄れそうだと分かって、お盆の間際になって、俄然、宿泊する気分が高まった。時として、奥方は、そういう、「引きの強さ」みたいなものを発揮する。

台風警報が、少し大げさ過ぎるのでは…とおもえるほど、しっかり発令されていたので、宿泊当日の京都への高速道路はガラガラだった。なので、その日のお昼に、思い立って、三十三間堂の前にある、谷口吉生設計の京都国立博物館に立ち寄ることにした。NYの近代美術館も良かったが、ここも、端正で、シュッとして、静けさがあって、とってもエエ雰囲気。じつは、2018、2016年と、秋に、京都まで自転車で往復するライドを楽しんでいて、その時、必ず三十三間堂の南大門をくぐていた。左手に三十三間堂を見て、南大門からの軸線上の、向こうのほうに、近代的で端正な京都国立博物館の門があって、その向こうに、博物館の新館の姿が見え隠れして、なんだか格好良さそう…、一度行ってみたい…。そんな潜在意識のようなものがずっと潜んでいて、この台風の影響なのか、唐突に、衝動となって、吹き上げられた感じ。

午後3時過ぎに、車で、俵屋旅館に到着する。笑顔のおもてなしを受けて、いかにも京都的な、長屋門をくぐって、オープンエアーな前庭をクランク上に通過し、家のような、簡素で趣のある、玄関土間に入って、左向いて、靴脱ぎ石に上り、靴を脱いで、板と畳が敷き分けられた玄関の間に上がる。右手に向かって、中庭が見えて、風情のある京都の老舗旅館に泊まるのだ!という、気分が盛りあがってきて、右手に中庭を見ながら、左奥に進んでいくと、オーソドックスでエエ感じの階段があって、その向こうに穴蔵に入っていくような奥の廊下があり、その手前で、こちらです。っと左手方向を案内されて、扉を開けて入った部屋に、前室があった。その襖戸を開けると、目の前にデーンと掘り座卓があって、その前に坪庭がある光景が広がって、その右手の続き部屋の、数寄屋造りで、面皮柱の、シュッとした和室に通された。この、偶然空いていた部屋が、「竹泉の間」で、建築家の中村好文さんが本にスケッチしている部屋だった。

奥方が、備え付けの本、村松友視著の「俵屋の不思議」や、中村好文著の「意中の建築」のページをめくり、そのページのなかの、俵屋竹泉の間での中村好文さんの写真と同じポーズで、記念写真を撮っとこぉ!と宣う。お洒落な柄の浴衣に、ちゃんとした帯を、ぐっとハラに巻き付けて、掘りごたつに座ってポーズを取るワタシ。そうそう、本で読んだ憧れもあるが、ある日、堺の名家のお祖母さんが、俵屋旅館に宿泊し、その翌日にお会いする機会があって、建築とか料理とか、ま、それはそれで、エエんやけど、今まで、あんな、エエ布団で寝たことないわ。今まで泊まった旅館のなかで最高の布団やったわ!と、仰ったコトバが、深く印象に残っていた。そのちょっと固めで寝心地のエエ布団で寝られたことも、エエ体験だった。それより、なんといっても、吉村順三さんの本のなかで、内法が高く小壁が小さいプロポーションの和室の格好良さを語っているくだりがあって、立って、座って、寝て、そのプロポーションを体験できたのが、なによりもの建築的体験だった。

翌朝、朝食に出された、カワイくてカッコエエ木箱の湯豆腐セットを見て、この旅館の全てのモノに対する店主のコダワリとアイを感じながら、京都のあの薄味でコクのある湯豆腐で朝食を頂く。9時過ぎにチェックアウトして、歩いて、イノダ珈琲本店に向かう。コーヒー飲んで、大工さん達が休憩する10時過ぎを見計らって、ほんのちょっと歩いて、現場に着いた。丁度、近くの公園で、全員で休憩しているところだった。皆さん、暑い中、お盆の休みの中、ご苦労さまでした!

木村工務店では、8月19日月曜日から通常営業です。

気化熱

木村工務店では、本日8月11日日曜日から18日日曜日までが、お盆休暇で、昨年と全く同じスケジュールなのだと、いま、あらためて、気付いた。昨年、久しぶりに、家で過ごすお盆休暇を体験してみると、それはそれで、良かったわけで、おそらく、リフォーム工事の時に設置した、除湿型放射冷暖房 PS HR-C が、おもいのほか快適で、室温こそ、27℃28℃ぐらいだが、ラジエターの表面に湿った空気が結露水となって除湿するので、55%前後の丁度良い湿度が維持されて、ゴロゴロっとしながら部屋で過ごす日々だった。

そんなこんなで、今年も、大阪の自宅で過ごすお盆休暇なのだが、初日の今日は、日曜日だということで、早朝から、近所に住む、同級生のイトウくんと一緒に、自転車で、モーニングを食べに、富田林の米夢までライドした。この猛暑、確かに、暑いといえば、暑いのだが、朝の川沿いを走る道は、それなりに快適で、それに、自転車を漕ぐ風によって、服と体の間の汗が、気化されて、走っている間は、意外と涼しい。確かに、止まった途端に、猛烈に暑っ!暑っ!なんだけどね。

石川沿いのサイクリングロードは、この猛暑の影響で、流石に自転車で走る人が少なかったので、お互いの近況など、四方山話をしながら、ゆっくり走って、そんなのが、のんびりしたお盆にちょうど良かったが、走りながら、ウエアーの首元のチャックを少し空けて、そこから風が入り込んで、汗が気化される様子を感じながら、最近、現場で、着用する空調服を思い浮かべた。

 

ここ最近の猛暑で、うちの大工さんたちも、ベストになっている空調服を着るようになって、とっても快適だという。長袖のタイプだと、鋸やインパクトなど、作業がやりづらく、大工さん達は躊躇していたが、ベストのタイプが台頭し、ファンに木くずなどの埃の吸い込みもそんなに心配がいらないらしく、一気に多くの大工さんたちが着用するようになった。現場で、空調服のファンの音が響く中、若いモリ大工が、着用していないので、理由を聞くと、ほんの数日、購入が遅れて、欲しいメーカーのベストは、あまりの売れ行きで、売り切れになったらしい。

タンクにためた水にファンをあてるタイプの冷風機のような製品があって、使ったこともあるが、すぐ近くは涼しいが、部屋を冷やすほどではないので、全く使わなくなった。そんな原理を、服の汗を利用して、ファンを備えた空調服を考えたのだから、面白いアイデアだよなぁ。体と汗とファンの距離が近いので、冷風機と違って、快適なようだ。猛暑の街で、アンドロイドのように、ファンの音を、ブワーンブワーンと鳴らしながら、快適に歩く日本人の姿を想像すると、なんか、ちょっと、ヘンでオモロイ。

そうそう、そんな製品の様子を眺めているうちに、うちの家で使用中の、除湿型放射冷暖房 PS HR-Cも、夏は、ラジエターの表面に水滴がついて、それは、部屋の汗なわけで、そこにファンの風をあてると、気化熱とパネルの冷水によって、涼しいそよ風が、部屋に流れることを知って、今年は、扇風機を買い、積極的に、気化熱を利用している。いまや空調服的部屋とでもいうのかね。

打ち水こそ気化熱を利用した、古人の知恵だが、最近復活した、うちの庭の芝生も、土のままより、随分涼しいようにおもうが、水撒きという労働がタイヘン。今年のお盆休暇は、夕方に、芝生に打ち水をして、芝生の養生と大地の気化熱と体の気化熱を楽しんで過ごそうかとおもう。皆さん、素敵なお盆休暇を!

暑っ暑っの8月がやってきた。

ちょっと外にいるだけで、汗が流れる、暑っ暑っの日々。なぜか、庭の常緑樹の楠木が、ものすごく大量に落葉し、ウミヒラさんに見てもらうと、古い葉っぱが、一斉に落ち、新芽に変わる、何年かに一度のタイミングらしい。世の中も、木村工務店も、そんな時期なのか…。

一ヶ月半程前の6月中頃に参加したスイス・フランス建築視察旅行の報告会のような飲み会を開いたのが、今週の火曜日7月30日夜の出来事。フェースブックで、そんな事をシエアーしてみた。8月1日は、地元清見原神社のお祭りがあって、大友の地車が、会社の前で、停止し、その地車の引き手には、うちの山本塗装のヤマモトさんが、カッコエエ半被姿で挨拶してくれて、皆で、一緒に、大阪締めで、祝ったのが、暑さも吹っ飛ぶ、とっても気持ちの良い、夏の想い出になった。

そうそう、本日は、住宅相談会があった日曜日で、午前中のAさんは、女性で、祖父の鉄工所跡の建物をリノベーションして、米パンを作って販売するお店を開業したいということでお見えになった。そういえば、日曜日の朝に、自転車で、富田林の丘の上にある、米パンのお店、米夢に、モーニングを食べに行くことがあって、最近、麦アレルギーのひとが、多いらしいが、車でしか行けない、辺鄙な場所だけど、人気がある。植物を育てるサンルームをリノベーションした喫茶室は、丘の上の眺望も良く、なによりも、バラック的な素朴さが良いのだろう。そんな話をしながら、液晶テレビに映し出された、グーグルのストリートビューで敷地を眺め、鉄工所のバラック的な良さを活かし、隣接する公園の眺望を取り込む開口部を新設し…。なんていう、アイデアを、コミュニケーションしながら、現地調査の日程を決めた。

午後からのお見えになったBさんご夫妻は、以前に、大きな民家の、1階部分の、LDKと寝室をリフォーム工事させて頂いたが、その当時、まだ、小さかったお子さん達が、成長し、個室が必要になってきて、リフォームの時には、そのままだった2階部分を、今回、子供部屋を3つ、書斎のようなご主人の部屋を一つ、納戸とお便所を、新設しようと、計画中で、土壁の家なので、窓を新設したりするのは、コストパフォーマンスが悪く、なるべくそのまま利用する計画だが、それゆえに、中途半端な部屋割りの計画になっていた。

1階をリフォームした当時と比べて、BIMといわれる、3D画像を使って、リフォーム後の雰囲気を、共有出来るようになったのが、ちょっとした木村工務店の進化で、その中途半端な、部屋の大きさと窓の位置関係を3D画像で見てもらうと、やはり、なんとなく、納得がいかないご様子で、どの子供部屋も、同じような大きさの窓があり、不公平感がない部屋になって欲しいという、ご両親の思いが伝わってきた。それで、ご夫妻と、設計のタナカくんと、ワタシで、あれやこれやと、コミュニケーションしながら、間取りを、いじくっているうちに、お互いに、あっ、これぇ、エエね!なんていうプランが生まれて、そんなのが、嬉しい瞬間でもある。

帰りがけに、会社の前にある、うちのリフォームした家に立ち寄つて頂いて、ダイニングのテーブルに腰掛けながら、当時のリフォームの話も含めて、あれやこれやと、会話できたのが、心地良い時間でもあった。

午後からのCさんご夫妻は、奥さんの実家がある、生野区で、予算3000万円ちょっとで、新築をご希望で、最近、生野区でも、土地の値段は、上昇気味なので、1000万円ちょっとの土地と2000万円の新築で、購入できる土地をみつける事は、かなり難易度が高いといえる状況で、それに、平屋をご希望だとお聞きして、確かに、最近、平屋をご希望される方が、増えてきたが、購入出来る土地の大きさと建坪率の状況によっては、子供部屋だけが2階にあり、LDKと寝室と洗面浴室は1階にある、一部2階建てというのを、考慮に入れても良いのではないか…なんていうコミュニケーションになった。

そんな話をしながら、液晶大画面で、SUMOの土地情報から、生野区のある地域の情報をピックアップし、それを、グーグルのストリートビューで眺め、この土地にどんな建築ができるのか、あれやこれやと、シュミュレーションして、土地と建物と予算のバランスをどのようにとり、それに伴う、車やライフスタイルがどのようになっていくのか、皆で一緒に考えるのが、楽しい時間でもある。

住宅相談会が終わって、スーパー銭湯にある、ジムで、自転車とランニングを小一時間ほどして、お風呂で寛いだ。最近、暑っ過ぎるので、クーラーの効いたジムで、体を動かし、その後、お風呂とサウナと水風呂をさっと入って体をほぐす心地良さを知って、この夏は、こんな方法で、運動不足を解消してみようかとおもう…。

 

立ち居振る舞いというか所作というか

庭のクマゼミの、大合唱はじまって、ついに夏がやってきたムード。昨年の夏前に竣工した木村家のリフォーム工事では、庭はほとんど、そのままだったが、芝生だけは、工事中に痛んだので、新たに張り替えた。ところが、その芝生がうまく育たず、1年たって、10分の1程度しか残らなかた。なので、今度は、おもいきって、人工芝に張り替えてみようかと、思案していた。最近の人工芝はとっても良く出来ているらしい。それに、芝生の手入れから解放されるのも、なんとなくちょっと嬉しいし…。今年は、この状態で我慢して、来年には人工芝にしようっ!と、密かに企んでいたら、うちの庭園管理をしてくれている海平造園のウミヒラ親父が、もういちど、ほんまもんの芝生を挑戦しましょぉっ!と電話を掛けてきた。

70代になっても、植木の手入れに毎年来てくれる海平造園の親父さんは、イサムノグチアトリエの和泉さんと懇意なこともあって、20年以上前から、イサムノグチアトリエに連れていってくれて、いろいろなコトを学ぶきっかけを提供してくれた。当時のうちの家の楠木は、盆栽のような剪定のやり方だったので、ちょっと気味が悪い感じだったが、ウミヒラの親父さんが剪定してくれるようになって、とっても自然な樹形の楠木になって、家の神木のような風格さえ漂うようになった。何十年もかけてコツコツと手入れをすることで、自然な樹形になった。なんていう言い方は、不思議なコトバ使いだが、自然な感じにするためには、そのまま、ほっておいてもダメだし、外観だけ整えるような剪定、それは街路樹の剪定がそんな感じだが、それも不自然な感じになってしまうので、手間をかけて、一枚一枚コツコツ丁寧に剪定することが、自然な樹形のために、必要なのだ。と、ウミヒラさんから教わった。

確か、人工芝って言い出したのは、ウミヒラ親父だったはずだが、そのウミヒラさんが、ほんまもんの芝で、もう一度リベンジしましょぉっ!と言い出したのには、少々、驚いたが、ここは、経験豊かで、職人気質で、ちょっと頑固な、ウミヒラさんの、コトバに乗っかるのが、礼儀というもの。っというコトは、ワタシも、芝生を育てる日々の鍛錬のようなものが、また始まる訳で、いや、やっぱり、人工芝で!って、一瞬、喉元まで、コトバが込み上げてきたが、ま、なんというか、そういう職人気質なヒトの、流れに乗っかって、また新たな経験を積み重ねてみるのも、面白そうなので、素直に、ウミヒラさんにお任せしますわ!と電話で返事をした。

週末の3日間ほど、庭木の手入れもしながら、芝生を植える土の下地を丁寧に整える作業をするのだけれど、その時、庭の下草が、芝生に覆い被さっているところが何カ所かあって、芝生を貼るのに邪魔になるので、その草花を切らずに、うちの会社にあった、木杭とバラ板を使って、草が芝生側に垂れないように、養生的な作業をした。べつに、なんでもない作業だが、こんなコトにひと手間かけるのが、良い仕事をする、コツのようなもので、うちの若い現場監督や若い大工も学んで欲しい、職人としての所作でもある。

今日の日曜日の午後8時頃まで、「きり」のエエところまで、どうしてもやりきりたいので。ということで、ライトで照らしながらの最終作業となったが、うちのマゴたちが、ウミヒラさんの、植木を剪定する、その立ち居振る舞いが、ことのほか好きらしく、しばしば、その作業をじっと見つめたり、話しかけたりしていた。エエ職人さんが持つ、立ち居振る舞いというのか所作というのか、誰が見ても、魅力的なんだろうな…。

シンソウな土曜日とシンケンな日曜日

庭で、クマゼミが鳴きはじめた、今週。建築家のウエノくんから電話があり、仕事の話の後、JAZZピアニストのビル・エヴァンスの映画見ましたぁ…?! 夫婦で見たんですけど、良かったですよぉ!っていうので、へぇー、エヴァンスの映画を上映しているなんて、全く知らんかったわ…っと応えて、電話を切ったあと、ネットで検索してたら、偶然にも、土曜日の今日の夜から、大阪の九条のシネ・ヌーヴォで、19時から1回だけ、1週間の上映スケジュールとあった。オンラインチケット販売で夫婦50割を使えば、二人で2200円だったし、ちょうど、昼からと夜の予定がなかったので、今日の土曜日分を、ちょっとしたウエノくんの勢いに乗っかる「のり」で購入した。

ビル・エヴァンスのNYのビレッジバンガードで演奏された時の、あのトリオによるレコードは、愛聴盤のひとつで、マイルスとかコルトレーンより、家で聞く回数は、最も多いとおもうのだけれど、バックミュージックとしても聞けるが、対峙して聞くと、その当時の、ピアノのビル・エバンスとベースのスコット・ラファロとドラムのポール・モチアンの、楽器によるコミュニケーションのようなものが、なんともいえない良さがあって、カッコエエなぁ…とおもうわけで、なので、ウエノくんのコトバによって、ビル・エヴァンスの当時の私生活やエピソードのようなもの、その当時の真相みたいなものを知ってみたい気分に、唐突に襲われた。

そうそう、この土曜日の15時、芸人の宮迫がAbemaTVに出てるでぇ!っと奥方が教えてくれて、家に戻って、テレビを付けて、初めてAbemaTVとやらをテレビで視聴した。見応えのある記者会見で、最後の30分間は、会社に戻ったので、見逃したが、2時間近く見入ってしまった。その時の真相を知りたい…なんていう、多くの視聴者の気持ちを、ドキュメンタリー映画のような雰囲気で、生放送として、時間無制限で放映できる、こういうメディアの存在って、面白いし、うまく活用したものだなぁ…。

で、その2時間後のミニシアターで見た、ビル・エヴァンスのドキュメンタリーな映画も、その当時の真相が、淡々と語られる、どちらかといえば重苦しい映画だったので、「その心情に涙する土曜日の昼と夜」となった。映画終了後、九条駅近くで、お好み焼き食べて、満腹な気分で、地下鉄で帰宅すると、夜のタケシの生放送のテレビでは、あの記者会見の話題でもちきりだった。そんな、さまざまな真相と遭遇した土曜日になった。

日曜日の朝。建築家林敬一さんによる、組み立てシェルフのワークショップがある日曜日だったが、その助っ人に、元社員の大村くんが来てくれて、集合時間より、かなり早く着いたというので、うちの家で、一緒に珈琲を飲みながら、テレビを見たのが、ダウンタウン松本がやっているワイドナショーの特別番組としての生放送だった。それにしても、個人として、企業として、誠実さとか真摯な態度とか、そんなさまざまなコトを考えさせられる一連の出来事だ。

ワークショップでは、なかなか、個性的なシェルフができて、真剣なエエ雰囲気のワークショップだったが、幼稚園の年少に通う、マゴイッケイが、夏休みで、簡単な夏の工作の宿題のようなものがあるらしく、お昼からワタシと一緒にワークショップを見学していると、イッケイ母が、このシェルフを真似て、それに、このワークショップの勢いに乗っかって、なんとか夏休みの宿題を片付けたい気持ちがあったのだろう、会社の余った材料で、小さなミニカー置きのシェルフを製作しだした。真剣な親子二人の様子に、心動かされて、ちょっと手伝ったりしながら、棚の位置のデザインは、マゴの意見を反映し、こんなのができて、なんというか、一緒にものづくりができた、そんなコトが、ちょっと、嬉しかった日曜日の昼だった。そうそう、ワークショップの合間に選挙の投票に出掛けた日曜日でもあった。

こんな、シンソウな土曜日と、シンケンな日曜日だった。

ものつながり

梅雨のような梅雨でないような。そんな気候に影響されたのか、今週初め、風邪のような風邪でないような。アレルギーのようなアレルギーでないような。喉が腫れて、痰が流れ込んで咳き込む状況。微熱も出たりして。

土曜日に「ものづくりセッション」があり、海の記念日の連休は、7年連続の、しまなみ海道の宿、輪空で宿泊し、自転車に乗る、もはやコミュニティーのような内輪のイベントがあって、ま、山小屋で泊まって知り合うようなものだが、一年に一度そこで友達になった友人たちと、一緒に自転車に乗る楽しみ事があって。そんなこんなを考慮して、火曜日の武田会という飲み会を辞退して、体調を整えようとしたが、全く、回復せず、水曜も優れず。木曜も昼から調子が崩れ、夕方に、満を持して、近くの内科医院にいくと、注射も点滴もなく、薬だけを何種類か処方され、そのなかの「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」とやらが、プロテインのような感じで、容器の中に水を入れてグッと飲み込む、ちょっと変わったタイプだけど、それを飲んだら、不思議に、回復してきて、な~んだ、もっと早く、病院に行っておけば良かった….なんて、ヒトのメンタリティーとは、相変わらず、勝手なもんだな。

土曜日の「ものづくりセッション」も10回目になって、毎回、30人以上の参加者があり、いつものメンバーが中心となりながら、ちょっとしたエネルギッシュさとリズム感のようなものが生まれてきて、毎回、司会進行役を担っているものの、こちらが参加して、元気をもらう感じ。そういえば、先々週のG20大阪サミットの時に、議論の場を「第1セッション」「第2セッション」「閉会セッション」などと呼んでいて、「セッション」という呼び方が、案外、今風なんだなぁ….なんて。そうそう、電子版の日経ビジネスを見ていたら、

日本勢とアップルの違いは、「ものづくり」と「ものつながり」の違いで、機器の開発「入れ物作り」のままと、「入れ物同士」の壁をいかに取り払いつなげていくかに移行するかの違いで、

これからのイノベーションでは「ものづくり」ではなく「ものつながり」が大事

というような記事の内容で、なので、「ものづくりセッション」も「ものつながりセッション」へ改名しようかな….なんて、ちょっと感化されてしまいそうな、なるほどな内容。

そうそう、先日の海外研修旅行で、ヴィトラキャンパスを見学したのだけれど、ヴィトラ社は、家具メーカーで、イームズとかジョージネルソンとか、パントンなんていう有名デザイナーの椅子など、家具を作っているメーカーなんだけど、そこの工場が、建築の博物館のようになっていて、ヘルツォーク&ド・ムーロンのヴイトラハウスをはじめ、安藤忠雄のセミナーハウスや、ザハの消防署や、アルヴァロ・シザの工場施設(連結通路の屋根)、ジャン・プルーヴェのガソリン・スタンド、バックミンスター・フラーのドームテントやゲーリーのデザインミュージアムや妹島和世の倉庫などなど、世界の建築家の建物博物館のようなもので、圧倒されるが、ただ、その日の午前中に、コルビジェのロンシャンの教会を見たあとだったので、その圧倒的存在感の余韻が残っていて、なんか、デパートで、買い物するぐらいのイメージで、ちょっと長し気味の見学になった。

で、そういう建築そのものより、ヴィトラ社の会社としての存在感が凄い。こういう建築を目当てに、世界各国から、大勢の、ほんとに沢山の見学者が、訪れていて、工場には、あまりお金を掛けないのがフツウなのに、お金をかけ、多くの人が集まる場にして、プロモーションに繋げている、その姿勢が凄いと感心した。これも「ものつながり」なんだろうな….。

 

そんなこんなで、「ものつながり」をより意識してみようかな…なんて気分の土曜日の夜だった。

FtoFでModernな打ち合わせStyle

久しぶりに青空を見たような気がする日曜日の朝。ここ60日間に、一度しか自転車に乗っておらず、会社研修旅行や海外研修旅行、ワークショップや相談会、雨など、日曜日と重なって、全く運動をしていなかったので、いまいちな体調管理が続いて、それで、平日の夜にスパー銭湯にあるジムに行って、自転車を漕いでみたら、それなりに、とっても爽快! なので、この勢いで、こんなエエ天気の日曜日の朝は、体を動かしたくなって、早朝に目が、パッと覚めるかとおもいきや、なんだか、ぐっすり寝入ってしまった。微妙な疲れが蓄積したままなんだろうな。いや歳なのか。

本日は、住宅相談会があった日曜日。午前中の若いAさんご夫妻は、SUUMOのWebに掲載された、木村工務店の新築事例を見て、土地探しから相談にお見えになった。最近は、不動産屋さんだけが閲覧できるレインズという土地案件のサイトよりも、スーモの不動産ポータルサイトの方が、エエのではないのか….と不動産屋さんの担当者が、笑いながら語るように、スーモのホームページで、様々な条件を設定し、土地情報を検索して、その場所をグーグル上で探し出し、ストリートビューで表示し、大画面のモニターを、フェースtoフェースで一緒に眺めながらコミュニケーションをすると、お客様の望んでいる地域や土地や家やライフスタイルが、少しずつ理解出来て、それに、土地の見方や、その土地でどんな家や、どんな予算がかかるかも、なんとなく、お話し出来るので、次第にお互いの感覚が調整されていくのが面白く、そんなのを1時間30分ほど続けると、お客さん自身で、そういう土地探しの検索ができるようになるので、家で、探してもらいながら、また後日、会社にお越し頂いて、フェースtoフェースでバーチャルな土地探しをする予定。

午後からのBさんは、鉄骨ALC3階建て住宅のリフォーム工事をする予定で、先月のプラン打ち合わせ後の、概算見積を提示する日となっていた。概算といっても、50ページほどある、それなりに詳細な見積書になっているので、その見積内容をもとに、総予算をふまえながら、減額案を検討するために、現況のまま残す部分を考えたり、平面プランの変更を検討したり、仕様を見直したり、外壁や屋根の工事内容を再検討したりと、フェースtoフェースで、予算とプランのバランスを、3Dモデルを液晶大画面で眺めたりしながら検討することが、エエ家造りのためには、とっても大切な作業なんだとおもう。

午後からの若いCさんカップルは、先月の相談会で、今日のAさんと全く同じように、土地探しのレクチャーをし、それから、奥さんが、家で、かなりの時間を費やして、バーチャル上の土地探しを繰り返し、気になる案件を、実際に、現地で、リアルな土地や中古住宅を見たそうで、その結果をふまえて、相談にお越しになった。最初は、大阪の南部方面だったのに、いろいろ検索し、総予算と土地の大きさや周辺環境の雰囲気とのバランスを検討して、気にいった場所が、兵庫県の宝塚近辺になっていたのには、少々驚いたが、確かにその土地を、グーグール上で確認すると、良い土地で、私たちが、エエ土地ですね。っと云うと、Cさんにとっては、比較対象の経験値が少ないために、きょとんとされていたが、その土地を購入し、望むような家を建てるためには、総予算を大きく上げる必要性があって、自分達の身の丈にあったものなのか、そんな予算を費やしても、これからのライフスタイルは大丈夫なのか。そんなのを、フェースtoフェースで、悩みを共有することが、問題解決の糸口になることがあって、こういう過程を経て、この案件を購入するのか、他の案件を検討するのか、家造りの決断力が育まれていくように思う。

夜には、建築家のヤベさんの事務所で、以前、ヤベさんが設計し、木村工務店でリフォーム工事の施工した、Dさんの店舗を、結婚を機に建て替える計画があって、その計画案のプレゼンを兼ねた打ち合わせに、Dさん夫妻と共に、参加した。ちょっと大きい丸いテーブルで、食事をしながらの打ち合わせは、ヤベさん独特のスタイルで、テーブルには、模型も置かれ、食事は、ヤベさんの奥さんも手伝いながら、おもにヤベさんがサーブするわけで、そんなプランの打ち合わせと食事を、フェースtoフェースで、緩やかに時間を共有つつ、お互いの感覚を調整していくスタイルは、とってもユニークで、面白かった。

土地探しのスタイル。プラン検討のスタイル。予算検討のスタイル。バーチャルというか、仮想化された土地やプランや3Dや模型や見積書を、大きな液晶テレビで表示し、フェースtoフェースで、珈琲を飲みながら、時には食事でもしながら、感覚を共有しつつ検討を重ねる、そういうちょっと、F to FでModernな打ち合わせStyleが、エエ家造りに繋がる時代なのかもしれない…。

 

空気感

急に蒸し暑くなって、ようやく梅雨らしい日々。6月26日から、除湿型放射冷暖房 PS HR-C の冷房を入れだした。「Forward to 1985 energy life アクションナビ」で、室内温度のデータを取得し始めたのが昨年2018年の6月で、ようやく一年が経過し、居間の一年間の平均室内温度は、

  7月27.5℃・  8月27.7℃・9月25.9℃・10月23.6℃・
11月21.5℃・12月21.5℃・1月21.2℃・  2月21.2℃・
   3月21.3℃・  4月22.8℃・5月23.2℃・   6月26.2℃・

冷暖房は電気のヒートポンプを利用しているので、調べると、夏と冬は標準家庭の1.5倍ぐらい電気を消費しているらしい。冬の暖房は、ガスや灯油でとっている家庭も多いので、全体のエネルギー消費としては、標準家庭の1.1倍ぐらいのようだ。きっと、冬の室内平均温度を18℃ぐらいにすれば、標準家庭以下になるのかもしれないが、冬は20℃を超え21℃ぐらいの平均室内温度が心地良い家のような気がして、省エネと心地良い家のせめぎ合いだなぁ…。

この夏の7月8月は、どんな平均室温で推移するのだろうか。30℃越えの日々が続いても一日の平均室温は28℃台であって欲しいような気がする。「遮熱」をどうするか。なんだろうが、昔の家のように、夏になると窓に「葦簀」を下げるっていうのが、とってもシンプルな方法のひとつで….。なんて、猛暑の夏のコトを考える季節になってきた。

そうそう、本日は、久しぶりに、「まちのえんがわワークショップ」があった日曜日で、左官山本組の若い左官職人達による、「珪藻土マット」の製作だった。前回は、シンプルに、板の上に珪藻土を塗るシンプルなマットを作ったが、今回は、珪藻土のチップをあらかじめ左官屋さんの加工場で製作しておいて、それをタイルのように並べるデザインになって、お陰で、デザインを考える面白さと、珪藻土の上に珪藻土チップを埋め込んでいく、ものづくり的な面白さが加わって、午前と午後の2部制になる盛況だった。

2012年から8年連続の左官ワークショップとなって、当初は、左官のヤマモト社長とワタシの二人で、あれこれ考えて、引っ張ってきたが、最近は、左官山本組の若いひとたちと、まちのえんがわスタッフのアオキさん、木村工務店のトンちゃんとタカノリが、それぞれ下準備をしてくれるようになり、ワタシの役目は、最初の挨拶と終了後のお見送り程度になって、工務店のワークショップが、ものづくりが好きなヒトが集まる場として、ものづくりを伝えるプロモーション活動の場として、ものづくりの空気感を伝えるワークショップとして定着すれば嬉しい。

  

そういえば、80歳になる女性が、同居する息子さんの奥さんと参加されて、お風呂がひとつなのに、二つも珪藻土マットはいらないとおもうのですが、どうするのですか?みたいのことを質問すると、壁に飾るのです。記念に。私が死んでも残しといてくれるのかなぁ。すぐ捨てられるのかなぁ。なんて、和やかで活気と元気に満ちた笑顔で、呟かれた。参加者のほとんどが女性で、お帰りの際に、楽しかったぁ!と伝えていただく方々がいて、そんなのが、ワークショップを続ける原動力になっているのだけれど、そんなことより、女性が快活に生きる姿勢が世の中を引っ張っていく、そんな時代の空気感なんだろうなぁ….。

なんて、考えながら、ムシムシする気候のなか、このブログを書いていると、アルプスの山々が見える清清しい気候のなかで見た、ピーターズントーのベネディクト教会を想いだした。ズントーの本に「空気感」という本があって、あの日、教会を見下ろす小高い丘の上のベンチに座って、谷の精霊に、吸い込まれていく感覚を味わいながら、ベネディクト教会を見下ろした時の、空気感。一緒に旅をしたひとたちが、教会の前で記念写真を撮り、見学を終えて帰ろうと坂道を下る姿。それが、村のひとたちが、教会のミサを終えて、心穏やかに家路に帰る光景を想像させた。なんて、あの研修旅行の余韻が、まだ残っていて、少々の旅の疲れも残存し、時々消化不良を伴いながら想い出す。

「空気感」のある、家とか、ワークショップとか、工務店とか、時代とか、ま、そんな、ちょっとしたこじつけ。

なんじゃぁこりゃぁ

朝起きると、iphoneのロックが解除できなくなっていた。なんじゃぁこりゃぁ。なので、朝早くからアップルサポートにアクセスし、サポート予約したら、電話が掛かってきて、iphoneのロック解除する呪文と、林檎ちゃんマークでフリーズしたままを解除する呪文を教えてもらう。ituneに繋いで初期化する方法を丁寧に指導してもらい、icloudのバックアップで元通りになって、ひと安心。でも午前中が潰れてしまった。icloudの容量オーバーの月額追加料金を支払っておいて良かったなぁ….。

そうそう、海外研修旅行の帰り、伊丹空港に到着したら、マゴ達が迎えてくれるサプライズがあって、走り寄ってきたマゴを抱え上げて、ドラマみたい。とおもいながら、喜んだが、到着出口の丸福珈琲店で、ちょっとしたマゴ達の食事と珈琲飲んだら、これぇ、タクシーで帰る金額と同じか、それ以上やな…..と呟いたものの、いやいや、タクシー代金より遙かに価値がある支払いだった。

そんなマゴ達に、小さなおもちゃとか、ミニカーとか、絵本とか、飛び出す紙模型の葉書とか、プレゼントしたが、なんというか、奥方とか、息子とか、息子の奥さんとか、全く、お土産物のアイデアが思いつかなかったし、えっ!こんなん買ってきたん…..なんて云われそうなものしか、買えないワタシなので、マゴ達も、そんなに喜んでいなかったようだが、唯一、自分のために買ってきた、パリの街を案内した、ポップアップする絵本を気にいってくれて、これぇどこぉ?っと凱旋門やエッフェル塔をさして、説明を求められ、ノートルダム寺院の尖塔が無くなったコトを奥方から教えられると、そのページを開けては、どうして無くなったのぉ?と聞かれ、火災で無くなっちゃったのぉ。と応えるくだりを、3、4度繰り返した。

確かに、尖塔の無い、ノートルダムは、権威ももぎ取られたような感じがした。「垂直性」を象徴する建築的な意匠は、大切なんだなぁ…..と、セーヌ川クルーズから眺めたのだ。

そういえば、バスの車窓から、飛び込んできた、丘の上に建つロンシャン教会の、白い巨根のような塔が、真っ青な青空の中で、「爽やかさと、なんじゃぁこりゃぁ」が同居した、ワクワクする姿だったのが印象的だった。きっとコルビジェは、尖端を持った尖った古いタイプの塔を作りたくなく、丸い塔にしたかったのだろうなぁ….。新しいノートルダムはどんなデザインになるのだろう。伝統を革新して欲しい。

そうそう、マゴが指さすのは、ポンピドーセンターで、これぇ、なに?って聞くので、ジィが、パリで一番好きな建物。って応えた。へぇー。ふぅーん。そうなのかぁー。って相槌をうってくれたが、石造りの建築が並ぶなかに、鉄の塊のエッフェル塔が、芝生から見る姿と、反対側の、石の床材の舞台のようなところから眺めるシュッとした姿とが、それぞれに趣があって、美しかったが、なによりもあのシックな色がお洒落なんだろうけど、現代的な鉄の塊のポンピドーセンターは、ポップな色合いの配管とともに、あの街並の中にある「鉄の塊としての、なんじゃぁこりゃぁ」がカッコエエのだろう。入り口に向かって下り坂になっていく広場に、皆が腰掛けて、寛ぐ姿は、イタリアのカンポ広場が、同じように、下っていて、そこに腰掛けて寛ぐひとたちの姿とダブった。

マゴが、ルーブル美術館のピラミッドを指さして、これぇ、どこぉ?と聞くので、ルーブル美術館。って応えると、あまり魅力的ではなさそうな表情だったが、ルーブルの本屋さんで、一緒に旅行をした建築家の秋山東一さんに、良い本を見つけたと、教えていただいて、一緒にその本の場所まで戻って、その本をゲットしたのが、「Building the Louvre」で、ルーブルの成り立ちをひもといた本なのだけれど、1190年の小さなお城が、年代ごと、権力ごとに、さまざまな建築として拡張され、積み重ねられた時間と歴史の建築を、受け継いだり、壊したり、改修したりしながら、現在のガラスのピラミッドがあるルーブル美術館になったようで、「積層された時間の建築」ともいえそうで、そういえば、見学した、モンサンミッシェルも「積層された時間の建築」だった。

ま、そういう、建築を創っていける工務店でありたいものだなぁ…..。

海外研修旅行

ひょんことから、建築の海外研修旅行に行くことになった。
きっかけは、秋山設計道場という工務店の社長さんたちが集まって、設計の研修をする道場のようなものが、弊社で開催されたのが、4月のコトで、その主催者の名古屋のコスモホームさんからお誘いを受けた。6月の10日から17日の一週間、全国の工務店の社長さんたちと一緒に、ピーターズントーとコルビジェの建築見学の旅をする!というのだった。

確かに魅力的だが、お盆とお正月とゴールデンウィーク以外で、長期の休暇を取った事は、入社してから一度もなかった。また、それなりに高いお金を払ってでも、社員や職人さんたちと一緒に、暦どおりの休暇をとるコトを良しとしていたので、世間と一斉に休みを取るなかで、混雑を、計画と予約と移動を工夫して、旅をするのが楽しみでもあった。

なので、魅力的だが全く行くつもりはなかったが、即答のように、後押しをしてくれたのが、奥方だった。秋山設計道場のメンバーの人柄と雰囲気を先日の設計道場で、知ってくれていたからだろうが、ワタシの躊躇する気持ちをプッシュし、ポーンと前に押し出してくれた。それで、スケジュールを調べてみると、少し調整をすれば、参加できる可能性があり、なによりも還暦を過ぎて60代となったコトで、私と会社と社員との関係性をバージョンアップする必要性も感じていたわけで、こんな機会をきっかけにするのも、良さそうに思えた。

そんな気分を察してか、長男タカノリが、行ってきたらぁ…と、後押しをしてくれたのにも少々驚いたが、ま、そんなこんなで、今、フランスで、モンサンミッシェルを見学し、パリへ戻るバスの道中で、このブログを書くワタシ。

初めての団体海外旅行なので、ゆったりした気分でいたが、旅は想定以上にハードで、早朝から起きて、バスやTVGで移動し、個人の旅では簡単に行けそうにない場所へ、積極的な移動を繰り返す。時間厳守は勿論だが、メンバー全員の自覚もあって、スムーズに進むのだが、それよりも、旅行社の方がしっかりしていて、それに建築好き方なので、雰囲気良く行程が進むのには、旅行のプロとして学ぶべきものがあった。そうそう、何よりも、現地のガイドを担当する方々が、どなたも優秀な方々だったので、個人旅行では聞けないようなスイス人やフランス人のメンタリティーのようなものも知れ、途切れることのない名調子な解説と共に、こんなのが、研修旅行としての、団体旅行ならではの魅力なんだろう。

ドイツ、スイス、フランスと旅をし、ピーターズントーのベネディクト教会と、コルビジェのロンシャン教会を見学した。ビトラ社にある超有名建築家の建物とスイスの住宅展示場も視察し、スイスのザンクト・ガレン、シュタイン・アム・ライン、ミュールーズの町を歩き、TVGで、パリに辿り着いた。ルーブル、コルビジェのサボワ邸、ベルサイユ宮殿を解説付きで見学した翌日の今日、パリとモンサンミシェルを往復する長距離バスの道中で、男女二人の運転手が交わすフランス語の会話が、囁くような心地良いメロディーとして聴こえる、いまとここ。

明日パリの街を見学し、帰国予定だが、それにしても、こんなちょっとハードで内容の濃いツアーを企画したコスモホームの社長に感謝したい。

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