高野山と。

台風が接近し、週末の連休の予定が、ガタガタしている、日曜日。

今週、京都で、ご夫婦で設計事務所をしている、アルファヴィルのヤマモトさんから連絡があり…..。

一昨日、きのくに建築賞の第二次公開審査が行われまして

おかげさまで最優秀県知事賞をいただくことができました。

この賞は「きのくに」らしさがテーマでしたが

木造の繊細な骨組みが実現されている上で

宿泊客の方、オーナーの高井さんに現在も大変大事にされており

高野山という秘境を世界に紹介する一助となったことを

評価頂けたようです。

また会場に来られた方の一般投票部門でも一位の

「きのくに県民賞」をいただくことができ、ダブルの受賞となりました。

施工者の方宛ての表彰状を預かっておりますので

おって郵送で送らせていただきます。

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それが、先日、録画をしていた、「ブラタモリ」を視ると、高野山の特集で、高野山は空海が造ったテーマパークである。というお題が面白く、なるほどなぁ~、そうか、テーマパークなのかっ。とおもいながら、視た。確か、小学校5年生だったとおもうが、林間学校があり、それが高野山で、宿坊に泊まった想い出と共に、その時に、肌で感じた、独特の空気感のようなものが、体の記憶に残っていて。大学生になると、ある時、曼荼羅の絵図を見て、密教や空海を知るようになって、再び、あの小学生の時に宿坊に宿泊して感じた高野山の空気感を想い出したりしたものだ。

結婚をし、長男が生まれ、まだ、次男が誕生するまでの、ある日、うちの奥方と子供連れのドライブで、高野山に行き、奥の院などを散策し、和歌山方面に向かって、湯ノ峰温泉に入って、あ~エエ湯だなぁ~。という旅の想い出もあるが、その時は、空海のコトも、あの時感じた高野山の空気感のコトも、すっかり忘れて、ドライブと散策と温泉を楽しむ家族旅行の通過点となっていた。

それが、何年か前に、次男と奥方と3人で、室戸にある、星野リゾートのウトコ オーベルジュ&スパに宿泊することになり、その時、部屋に置いてあった、空海の本と、その近くの、御厨人窟に訪れて、暫くぶりに、空海に遭遇した気分になった。ホテルの部屋から、ソファーにゴロッとして、海の景色と空の景色を眺めながら、本やウィキペディアに書いてある…..

室戸岬の御厨人窟で修行をしているとき、口に明星(虚空蔵菩薩の化身)が飛び込んできたと記されている。このとき空海は悟りを開いたといわれ、当時の御厨人窟は海岸線が今よりも上にあり、洞窟の中で空海が目にしていたのはだけであったため、空海と名乗ったと伝わっている。

なるほど、「空」と「海」か…..空海か…..。と、なんとなく、その心情を垣間見た気分になれたのが、新鮮な記憶として、残っていて、ブラタモリを見ながら、ウトコの宿泊施設と御厨人窟を想い出し、空と海のコトを、再び想い出させてくれた。

高野山ゲストハウス kokuu」を、大阪市内に拠点を持つ木村工務店が、高野山で施工することが出来たのは、施主のタカイさんのご厚意で、ご実家のお寺の宿泊施設をお借り出来たことや、当時、うちに在籍していた、和歌山県出身の現場監督のツジモトくんの、頑張りと才能によるところが、大きかったが、大工のセンさんも、遠いところにも関わらず、嫌がらずに仕事をしてくれたのも、大いに助けられた。もちろん、木村工務店の精親会の協力会社の方々が、大阪から、わざわざ足を運んでくれたお陰であって、竣工して5年ほど経つが、あらためて、この場をかりて、皆さんに感謝したいとおもう。

そういえば、大阪からロードバイクで、高野山のゲストハウスまで、泊まりに行く。という計画は、暫く、忘れていたが、これを機会に、いつか実現したいものだなぁ…..。

投稿者 木村貴一 0:15分

良い時間をワークショップする

タイルワークショップがある、ちょっと暑い、日曜日。

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ワークショップを続けて、6年目になるが、杉板のトレイに、タイルを貼るワークショップは、最近のワークショップでは、もっとも人気があるワークショップで、その20名ほどの参加申し込み者の全員が、女性で、もちろん、家族連れで参加されるので、ご主人と一緒の方も二組ほどいらっしゃったが、ものづくり大好き女子の、穏やかで、でも集中力のあるムードが、加工場に充満し、この雰囲気の中に、一緒に居るのが、楽しく感じる、そんなワークショップだった。

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最近のワークショップの特徴のひとつに、孫さんを連れて、一緒に、ものづくりをされる、「ちゃーちゃん」の姿があり、「私」も孫を持つ身分になってみると、その気持ち、わかる、わかるわ~的、共感度があり、それに、ものづくりをしながら、孫さんとコミュニケーションする姿が、とってもエエ感じで、そのうえ、女性参加者の多くが、隣の参加者と、手を動かしながら、ちょっとした会話を、穏やかにする姿が、あちらこちらにあって、なんとなく、むかしむかしの映画で、共同の水場で、洗濯物をしながら会話をする母達の姿であるとか、皆で、協働作業をしながら、会話をかわす、笑顔の女性達の姿など、そんなのが、映像として、脳裏をかすめていき、そういう、ものを、造る、その時間が、楽しく感じるコトに、その時出来上がった「もの」以上の価値を、ワークショップのひと時に、見いだせたりできるのが、ワークショップの最大の魅力なのかもしれない。

そんなふうに、考えたりするのは、コペンハーゲン郊外の、ルイジアナ美術館での、4時間ほどの印象が、「私」の一部に深く刻まれて、残っていて、それは、素敵な美術作品が見られる素敵な美術館という、印象ではなく、美術作品を見て、その時間を楽しく感じて、良いひと時を過ごした、そんな「私」を実感できる、そんな美術館の建築であったことが、印象深く刻まれた原因なのだとおもう。

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それは、とってもエエ感じのミュージアムカフェで、美術館に訪れた多くのひとが、足を止め、海を眺められる景色を見ながら休憩し、オーガニックな食事をし、珈琲を飲み、ビールを飲み、談笑する姿を、皆で共有する雰囲気があって、そのミュージアムカフェの印象度が、美術館で良い時間を過ごした、印象深さへの、貢献度を、かなり大きくしているのだけれど、勿論、美術作品を、集中を途切れさせず、飽きさせず、魅せる、建築空間と、その移動空間の建築的作法が魅力的でもあったが、美術館の建築に、建築家的ヒロイズムが少なかったのが、美術館で過ごす心地良さに、繋がっていたのかも知れない。

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「良い時間を過ごす」コトの大切さを感じたり、良い時間を過ごすための建築空間としての在り方を考えさせられた、ルイジアナ美術館でのひと時であり、ワークショップを楽しむ女性の姿によって、ワークショップの在り方を、考えさせられた、日曜日のタイルワークショップでもあった。

投稿者 木村貴一 23:42分

テラスハウス と 編集

風に、秋の気配を感じる日曜日。

住宅相談会のある日曜日で、午前中のAさんご夫妻は、生野区で新築予定だが、大手ハウスメーカーと弊社で、迷っておられて、平面計画は、うちのプランが基本になっているものの、でも、奥さんは、ハウスメーカーの外観デザインが好きだそうで、それで、うちの計画案の外観を、ハウスメーカに似せたデザインにするために、あらためて、最近のハウスメーカーのデザインを勉強し、外観をリメイクして、提案した。

午後からのBさんご家族は、住吉区でリフォーム予定で、4軒長屋の真ん中の1軒に住んでおられたが、最近、隣の家を購入し、それで、その2軒をリフォームして住みたいというご相談。1歳ちょっとのお子さんと犬と猫がいる住まいで、いまの住まいの、古い床のフローリングの上に、自分たちで、コーナンで買ったツーバイフォー材を釘打ちして貼って、住んでいるという。そういうDIY好きなひとが増えているのは、確かで、そういう方々と家づくりを考えるのは、それはそれで、とっても楽しい打ち合わせでもある。

午後からのCさんは、茨木市で、現在お母さまが住む、コンクリート造3階建ての一戸建て住宅に、ご夫妻で引っ越してきて、2世帯住宅として、住もうとする計画で、木の家を設計と施工が出来る工務店をお探しとのコト。よく考えて練られた手書きの、平面計画を持参されて、ご自宅をグーグルのストリートビューで見ながら、打ち合わせを始めてみると、あれやこれやと気付く事があって、それで、その場で、修正液とペンを使って、設計のタナカくんと一緒に、そのお客さんの平面計画を「編集作業」し、キッチンの位置関係とか、収納の寸法とか、開口部とかの、微調整を繰り返しつつ、お客さんの意見を聞きながら、即興で、プランを作成した。そんな「セッション」のような打ち合わせが楽しかったりする。

ところで、ここ最近、夜の時間に、Netflixのドラマを見ていて、お恥ずかしながら、テラスハウスのハワイ編を見始めると、それはそれで、年甲斐もなく、面白いとおもう「私」がいて、スポンサーがなく、視聴率がないのが、製作者や出演者に、良い環境を与えているのだろうか…..?。筋書きがないドラマを、視聴してもらえるドラマとして成立させるために、「ものづくり」する人たちは、さまざまなコトを考えているのだろうね。

まず、良い環境を提供するコトの大切さがあるのだろう。海とダイヤモンドヘッドが眺められる場所の選定が重要なのだろうし、なによりも、この家は、このドラマのために、少々のリフォームは、しているのだろう…..?。居心地の良いダイニングとキッチンがあり、リビングやプレールームやお洒落な2段ベットの男女寝室、それにプールまであって、それとエエ車。そんな、さまざまな、「居心地の良い場所」が、ドラマを産む土壌になるのだろうな…..。

リングに放り込まれた格闘家のごとく、もしくは、JAZZのセッションのごとく、選び抜かれたメンバーが、アドリブで、ドラマを生み出してるのを視ていると、製作者は、その人選と、その組み合わせに、あれやこれや、悩みながら、決定するのだろうし、なによりも、好意をもって視られるドラマとして、成立させるために、映像の撮り方とともに、ストーリー性を持たせる、編集作業が、何よりも大切なんだろうなぁ….と考えてみたりして。今となっては、むかしむかし、マイルスが、イン・ア・サイレントウエイで、アドリブのセッションを繰り返し、それを、プロデューサーのテオマセロが、音を繋ぎ合わせて、編集し、レコードアルバムとして発表した、当時としては画期的な、レコード製作の話を、おもいだしたりした。

観客のようでもあり、解説者のようでもある、芸能人のトークが、このドラマの中に組み込まれているのが、感じ方や考え方の、共感や反感を助長させて、面白く、音楽のライブ版の観客の声援のようなものだろうし、かつて、出演した、ビフォーアフターの製作現場や、その撮影過程から、編集作業を経て、出来上がった映像と、その映像を視て観客のごとくトークする所さんがいて、それらが、ひとつになって、番組として成立していたことを想いだし、その恋愛版のごとき、製作手法なのかと、おもいながら、そんな「ものづくり」の立ち位置としても、楽しんだ。

建築の計画も、機能性やデザイン性や居心地などなどを、パッションと共感と違和感を、アドリブとして、コミュニケートしながら、その場で、その編集作業をアドリブとして、繰り返し、計画していく時代なのかもしれず…..。なんてことを、きっと、この微妙に、秋を感じる風が、脳に刺激をあたえて、考えさせたのかも。

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コペンハーゲンで観た、公園の地下にある、かつての貯水池を、建築家の三分一さんが、インスターレションした場所があって、それが、素晴らしく。すでに、価値を失った、デンマークのモノに、日本的な建築手法を駆使して、あらたな価値を与え、表現された、闇と光が、とっても美しく、少し誇らしく感じた時間であり、価値を失った古いモノに、さまざまな編集作業を通じて、新しい価値を与えるコトの大切さと、その時代性を感じた時間でもあった。

投稿者 木村貴一 :23:26

ソーメン と ラーメン

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ワークショップとして、流しソーメンを催す日曜日で、ここ5年ほど、毎年やっているので、何~となく、今年もか…..的マンネリ感もあったが、いざ、始まって、ソーメンを、竹で流して、食べ始めると、やっぱり不思議に上手いし、楽しい。何でなんだろうかね…..。ソーメンが、ばらけて、さらさらになって、流れることで、ソーメン一本一本の味が引き立ってくるのだろうかね。やる前より、やって良かった、食べて良かったともうのが、流しソーメンだったりする。

ソーメンを食べながら、ベルリンで食べたラーメンをなんとなく想い出した。ベルリンの3日目の夜の食事をどうしようかということになった。メンバーは、長男タカノリと次男タカヒロとベルリン在住ユウト。この二日間、ドイツ料理を食べたが、ソーセージの印象だけが強く、それ以外で、取り立てて、記憶に残るほどの料理を想い出せないし、そういえば、オオサカで、ドイツ料理の店をチョイスした経験がないほど、ドイツ人は、案外料理に、無頓着なのかもしれない。やっぱり、ビールが上手かったなぁ。が、ドイツでの食事の第一印象なんだろう。そんな理由もあって、ユウトが、イタリアンでもフレンチでもなく、ラーメン屋さんに、案内してくれた。

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お店が点在する道を散策しながら歩いて、右折れした、左角に小さな公園があり、その公園の前の右角のビルの1階に、ラーメン屋さんがあって、行列が出来ていたのには、少々、驚いた。日本でも、私は、ラーメンを並んで、食べたことが、あまりないが、30分は並ぶ気配だったので、一瞬、別の店の選択肢も考えたが、ドイツ料理のイメージが脳裏をよぎり、満場一致で、ラーメン。と決定し、並ぶコトになった。日本人な雰囲気のひとも数名いたが、西洋人ばかりが並んでいた。ほんとうに、ヨーロッパでも、ラーメンが、人気なのだと、実感する瞬間だったが、その時、タカノリの携帯に電話がかかり、それは、タカノリの奥さんからで、第二子が、産気づいて、大急ぎで、うちの奥方に送ってもらって、病院に向かう!!!という、一報だった。

IMG_487415分ほど店の外で並び、15分ほど店の中で並んで、中の席に通された。カウンターがあり、日本人の男性2名がカウンターの中で、日本語で、会話しながら、ラーメンを茹で、日本人の女性スタッフ2名が、テキパキと、そのコトバに反応しながら、給仕していた。日本のラーメン屋さんそのもので、奥に4人掛けの席が4つほどあったが、そのさらなる奥が、中庭になっていて、そこには、かなりの席に、かなりの、ウエスタンなお客さんがいた。中庭の席が、いかにも、ヨーロッパなラーメン屋さんのようにおもえて、なんとなく笑みがこぼれてきた。

 

沢山のお客さんがいて、ラーメンが出てくるのに、時間がかかりそうだったので、ビールと餃子を頼んで、時間を待つことにした。日本人の女性のカワイイ店員さんに、どのラーメンがお勧めかを尋ねてみたくなったのは、英語もドイツ語も、まともに話せないので、レストランで、お勧め料理は何かを聞けないフラストレーションが溜まっていたからだとおもう。それに、醤油も豚骨も味噌も、あらゆる種類のラーメンがあるのが、なんでもありね的ラーメン屋さんで、そんな店を開こうとしたことが、ベルリンで、ビジネスとしての成功を目指す、意気込みだと、解釈したい気分だった。ワタシは、トンコツがお勧めですね。と、日本人女性の柔らかい日本語で喋ってくれたので、二言三言の会話をはさんで、ほんだらぁ、それにするわぁ!と、柔らかめのベタなオオサカ弁で、応えることにした。

ラーメン屋さんの店前に到着してから、ほとんど1時間後に豚骨ラーメンと対面したが、丁度、その瞬間、タカノリの携帯電話が、バイブし、フェースタイムで応答しながら、産まれたわ!とタカノリが、喜びの声を発した。IMG_3629第二子男児誕生の瞬間で、フェースタイムの写真が送られてきて、それを4人で一緒に見て、ベルリンのラーメンを食べながら、「おめでとう!乾杯!」と、喜びのラーメンをすするという、とんでもなく、貴重なラーメン体験になった。

もちろん、タカノリも笑顔。「私」も笑顔。だが、でも、出産に立ち会わなかった、こんな、お父さんで、エエのだろうか。こんな、お祖父さんで、エエのだろうか。と、少々、後ろめたいキモチが、瞬間風速のように、襲ってきたが、それは、それはそれで、奥方が、勧めたからで…..、と、曖昧なコトバを駆使して、その風速を打ち消しながら、ラーメンを食べる、親子の姿が、ベルリンのラーメン屋さんだったというのが、ちょっと笑える光景だったのかもしれない。それにしても、タカノリ奥方と、うちの奥方には、感謝しておこうとおもう。

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流しソーメンそのもの以上に、流しソーメンを通じた、いろいろなひととの、コミュニケーションが、楽しかったりするわけで、ベルリンラーメンも、フツウに美味しかったが、それ以上に、その時、交わした、あれやこれやのコミュニケーションが、とっても印象深い出来事となった。

投稿者 木村貴一 :23:59

ベルリン と コペンハーゲン と オオサカ

お盆休暇が17日で終わり、流石に、18日金曜日と19日土曜日は、打ち合わせでバタバタlし、それで、土曜日、唐突に、「日曜日日帰りしまなみ自転車」のお誘いがあったが、流石の流石に、体が気怠く、早朝に目が覚めることもなく、ぐっすり寝入ってしまった。旅行中の食事と、飛行機は、エミレーツのドバイ経由での、食べて、寝て、ビデオ見ての飛行で、帰ると、2kgほど、体重が増えていた。なので、自転車で消費したい気持ち、満々だったが、体と心と考えは、相反し合いながら、三方向に引っ張り合って、ベットの上で、ピタリと静止した状態の、今日の日曜日の早朝だった。

朝、久しぶりに、孫のイッケイの顔を見ると、いきなり、リックを背負い、帽子を被り、手を繋いで、外に行こう!とアクションを起こしだすので、そのカワイさにちょっとクラクラし、そうそう、自転車に乗りたかったこともあったので、イッケイママの電動ママチャリを借りて、2人で、大阪城と難波宮まで、サイクリング散歩に出かけた。ベルリンでも、コペンハーゲンでも、自転車を借りて、街を移動した印象が、体の一部に、記憶として、残っていたので、きっと、オオサカの下町とベルリンとコペンハーゲンの街を、自転車で移動した感覚の違いを、記憶に留めておきたかったのに違いない。

ベルリンに3日間滞在したあと、デンマークのコペンハーゲンに移動し、2日間滞在した。コペンハーゲンは、とっても美しい街並で、観光客も多く、古い街並みの歩行者天国の繁華街ストロイエ通りは、大阪的に云えば、心斎橋や道頓堀のようなもので、その感覚で例えると、ベルリンは、アメリカ村初期のような、街のありようなのかもしれない。女性と一緒に観光するのなら、圧倒的にコペンハーゲンだが、暫く住むとしたら、ベルリンで、いろいろな、面白そうなひとたちと、会って、何かを創造してみたいとおもう。

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コペンハーゲンの伝統的でカラフルな運河と港町のニューハウンにあるホテルで宿泊したが、今回の私たちの旅の大きな目的のひとつは、ヨーロッパの近代建築や現代建築で、人魚姫造やチボリ公園や城や宮殿や教会は、放棄した。ブラックダイアモンドと云われる王立図書館とその周辺にある現代建築やクリスチャニアと呼ばれるコミューンを自転車で廻ったが、新しい建築と、古い街並みが、うまく共存しているのが、エエ感じなわけで、そういう周辺環境に配慮した現代建築に、より魅力を感じた、コペンハーゲンでもあった。

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そうそう、コペンハーゲンから1時間ほど電車に乗り、海洋博物館とルイジアナ美術館を見るのが、楽しみのひとつだった。どちらのカフェレストランでも、素敵な時間を過ごしたが、特に、ルイジアナ美術館のレストランが、素晴らしく、あんなに大勢のひとが、美術館で、笑顔を交えて、エエ雰囲気で、食事をしている光景をみたことがなく、環境と建築と美術の融合による力を感じたひと時だった。

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小路から暗峠街道を大阪城に向かって、イッケイを前に載せた電動ママチャリで移動すると、ベルリンやコペンハーゲンの街との美しさの違いに、数分間、違和感を感じるが、そんなの、すぐに、慣れ親しんだ、街に、戻る。そんな感覚で良いのかどうか、どんな街になるのが、良いのどうか、まったく、わからないが、取り敢えず、誰もが、「街を気遣う」キモチを持つことが、必要コトかな。と、そんなふうにおもえた、日曜の朝の、オオサカの街の、自転車散策だった。

投稿者 木村貴一 :23:59

ベルリン と 自由

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一ヶ月ほど前に、突然、ベルリンに、行こう!ということになった。そもそも、ベルリンに、さほどの興味を持っていたわけでもないが、長男タカノリの友人のユウトが、政府関係の仕事を、ベルリンでしていて、大阪に一時帰国した時に、ベルリンの話を聴いて、興味が湧いてきたのは確かだが、現実感がないまま、それはそれで、通りすぎていった。

それが、このお盆休暇の一ヶ月ほど前に、奥方が、唐突に、ベルリンに行けば!という。それも、長男タカノリ、次男タカヒロ、「私」の親子3人で行っておいでぇ!!!、と強く進めるのだった。そもそも、長男タカノリの第二子の出産予定日が8月10日で、私にとっては、二人目の孫になるわけで、おそらく、その日より早く出産するのだろうし、お盆に、子供の出産と二歳にならない孫の第一子イッケイと、それに、あんたたち、3人の面倒まで、見るのは、辛いわ!という。なので、「その3人」が旅に出てくれれば、わたしの負担は少なくなるのよねぇ! それに、ユウトがベルリンに暫く居てる、この時が、チャンスだし、その3人で、建築のお勉強でもしておいでぇ!と男前なことを言うわけだった。

それにしても、飛行機は?、お金は?、どうするのぉ!という問いには、それは、自分で、段取りしたらエエのよぉ!と、そこは、素早く、女性に戻る奥方だった。タカノリが、関空から、ドイツ、ハンブルク行きの便を、満席になる、なんとか、ぎりぎり前に、手配し、ベルリンまでは、電車で行くことになったのが、1ヶ月前の、ちょっと慌ただしい、出来事だった。ただ、出発時の、大きな誤算は、出発日までには、誕生しているはずの、第二子が、予定日になっても誕生していない。という、予想外の展開のまま、10日の夜に、その3人で、関空を出発することになった。

ベルリンの面白さは、ヨーロッパの古い街並みが、繰り返し続く、伝統的な街の良さ。ではなく、第二次世界大戦による建物の破壊と、ベルリンの壁による経済的発展の遅れで、1989年11月9日の、ベルリンの壁崩壊後に、新しい建築が、どんどん作られ始めた、ちょっと新しい街並で、現代的な建築としての、集合住宅や、オフィスビルや、ショッピングセンターや美術館が、世界の有名な建築家の設計で、建てられている街で…..。なんていうことを、「私」も、ほんの数日前に、知るようになった程度で、そんな知識と興味で、ベルリンの街に到着した。

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ブランデンブルク門やイーストサイドギャラリーでの観光的記念写真は定番としても、「建築」として、楽しかったのは、「バウハウスアーカイブ」で、日本語の解説付きイヤホンで、作品を見ながら、バウハウスによるデザインの勉強が出来たこと。それに、なんと言っても、ダニエル・リベスキンドによるユダヤ博物館が、建築として素晴らしかったコト。

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なんていう、そんな建築のコトよりも、一番のベルリンの面白さは、さまざまな建築を通じて、「自由」というコトバとカンカクに、あらためて気付かされるコトで、「自由」って、大切だなぁ…..と。ベルリンのホテルにておもう。

投稿者 木村貴一 :23:59

花火 と 火花

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猛暑!!!。地元の清見原神社の夏祭りが、毎年、7月31日と8月1日にあり、地車4台が、地域をぐるぐる巡る。まちに活気を振る舞うかのように、太鼓と鐘のリズムが鳴り響き、そのリズムに、子供の頃からワクワクしたものだが、この歳になっても、やっぱりワクワクする。御祝儀を渡し、地車が停車し、大阪締めのリズムで、皆で一緒に柏手をたたき、心を通わす。そんなのが、嬉し楽し、真夏の行事。奥方の実家が富田林にあり、8月1日のPLの花火を見るか、地元のお祭りに行くのか、子供が小さい頃は、迷いながら、毎年、選択したものだが、夫婦2人の生活になると、地元の祭り一択になって、懐かしいような寂しいような。

会社の前にある、実家の母屋のリフォーム工事を進めているが、おもうように進捗しない。うちの大工が空いてきた時をめがけて、施工が進むものの、1ヶ月ほどで、他のお客さまの現場に行くことが、多発し、そんなこんなで、もう、終盤にさしかかってきたものの、最後の一歩で、またも停滞状況になっていて、さてどうなることやら…..。それでも、寝室と寝室に付属する洗面洗濯浴室便所は完成していて、2週間前に、そちらに移り住んで、生活を開始した。

祖父母が住み、私たち兄弟の勉強部屋があった、木造2階建て住宅を、私が小学生だった45年ほど前に、曳家をし、移動させた記憶は、鮮明で、その住宅を、耐震補強し、断熱気密改修を施して、「住み継ぐ」というのが、最大のテーマで、もうひとつのテーマに、その当時の古い木製建具を活かしながら、断熱性と気密性の高い住宅になるのかどうか?で、古い蔵に入った時に、感じた、夏の「ひんやりした感じ」や、北海道で学んだ、冬の「心地良い暖かさ」を、現代住宅として、リフォームで再現したい。という想いがあった。

それには、断熱の強化、特に、大阪の暑い夏を考慮すると、屋根の断熱材を強化することが必須なのだろうし、隙間風を少なくする努力も必要で、その気密性の向上に伴って、第三種の24時間換気で、風速を感じないような、緩やかな風が、部屋中を循環していることが、大事だ。と言われていることが、ほんとうなのかどうか、住みながら体験してみようというのも、テーマだった。

それに、「ひんやり感」や「心地良い暖かさ」をだすには、壁を左官で仕上げ、冷感や暖感を、壁で感じることができる、左官壁が、必要なのだろうと、そんな、寝室とウオークインクローゼットのリフォームで、そうそう、服を着替える時に、暑かったり寒かったりするのもイヤで、寝室とクローゼットが、一体になっている部屋が、温熱環境的にも、良さそうにおもえた。そんな寝室で、この夏の大阪市内の猛暑のなか、暮らし始めてみると、2階の10畳用クーラー一台で、1階まで、ヒンヤリ感があり、第三種換気によって、部屋に、ひんやりした空気が、そよぐように循環して、部屋の温度ムラを少なくしているのだろう。それなりに居心地が良い夏の温熱環境になった。

それはさておき、ついでに、寝室に、液晶テレビを付けたので、「Netflix」のオリジナルドラマを見てみた。「火花」をなんとなく、クリックし、その気もないまま、鑑賞しだす。今まで、ちょっと、斜に構えて、漫才師の、直木賞作家の、火花ね。みたいに、微妙な興味だったが、本は読んでいないものの、意外に引き込まれていく「私」。これが、あの又吉の、火花。ほー。なかなか、エエドラマね。撮影も編集もエエ感じなのだ。俳優と演技だって、好演なのだ。画面の観客と一緒になって、見ている私も涙がこぼれるシーンだってあるのだ。1話から10話まで、4日ほどで見てしまった。

この、「Netflixオリジナルドラマ」というのは、新しい感じする。映画でもなく。スポンサーの宣伝が入り込むテレビドラマでもなく。なんとなく自由度を感じたりする。まだまだ、世の中には、いろいろな可能性があるものだなぁ…..と。

木村工務店では、8月11日祝日から8月17日木曜日まで、夏休み休暇を頂戴いたします。皆さん、素敵な夏休み休暇を!

投稿者 木村貴一 :23:59

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ホームページをアップしている、サーバーが、8月2日にバージョンアップされ、それに伴う不具合で、「Voice of 木村工務店」が、アップ出来ない問題に直面し、それで、しばらくの間、このブログに、「Voice of 木村工務店 Ⅱ」として、アップすることにしました。

過去の社長ブログの記事はこちら → 「Voice of 木村工務店」

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