木村家パッブリクビューイングとブルーノート・レコード

ラグビーワールドカップに熱中する今週。土曜日の日本対サモア戦は、うちの家のテレビの前に、長男家族がマゴ二人を連れて、4人でやってきて、それに、東京に下宿中の次男が、所用で数日前に大阪に帰っていたので、木村家パブリックビューイングに参戦し、そんなこんなで、始まる前からドキドキ感が高まってきて、それにしても、何はともあれ、ワタシの奥方と長男の奥方が、我が家のキッチンで、一緒に食事を作り、皆でテーブルに座って、一緒に食べ、もちろん、ビールを飲むのが、ラグビー観戦の所作らしいので、その作法に従い、ビールで乾杯し、お腹を満腹にして、皆で試合に臨む。

一喜一憂し、皆で、行けぇ!っと叫び、トライが決まると、ハイタッチをし、ワァァとか、エェェとか、大人達が叫ぶ姿を見ている、2歳と3歳の兄弟のマゴが、その勢いに乗せられて、ハイテンションで、ぐるぐると部屋のあちらこちらを走り回り、サッカーとラグビーの違いが判るはずもなく、サッカーボールを蹴ったり、クッションを持って走ったり、なんだかお祭り騒ぎな夜だった。何よりも、野球ともサッカーとも違う感覚で、女性達が熱中している姿が、エエなぁ…とおもうわけで、ガイジンとニホンジンが一体となって立ち向かう姿がエエのだろうか。奥方も長男奥方も、リーチマイケルが、果敢に立ち向かう姿に、カッコエエよねぇ…なんていう、愛情のこもったトーンが発せられるのが、この日本チームの良さなんだろう。

ジィー、と、試合の盛りあがっている時に、マゴの長男イッケイが、ワタシを呼び、オシッコでそうやから、便所に付き合って、という。攻める日本チームの映像に、後ろ髪を引かれながら、笑顔で一緒に便所に行き、ちょっと、待っといてぇ! というマゴの指示のもと、扉の外にいてると、ワァ!行けぇ!っという皆の叫び声があり、ヤッターァと拍手が響き渡り、サモア出身のラファエレがトライした瞬間だった。便所のマゴをほって、テレビのもとに走り、リプレイをみて、ワタシも歓声をあげる。サモア戦でサモア出身の選手が、先制トライをする、なんていうドラマのようなストーリーが、おもしろいし、試合後、サモアの選手が、ナイストライ!お前はサモアの誇りだ!と言ったそうな…。これからの日本の社会の在り様の、ひとつのモデルなのか…。

そうそう、普段は、施主との打ち合わせが、土曜日に集中するのだが、このサモア戦があった土曜日は、うちの社員の多くが、子供の行事ごとがあったりで、休みの社員が多く、打ち合わせが全くない、珍しい土曜日だった。なので、昼前後の時間帯が、ぽかっと空いて、それで、当日予約で、シネリーブル梅田で、「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」というドキュメンタリー映画を観る。木村工務店の社員紹介の「写真」は、ブルーノートのレコードアルバムから、それぞれひとつチョイスして、それぞれの顔写真を当てはめている。いかにも大阪人的ワルノリなんだけれど、それでも、ブルノートレコードのアートワークには、かなり敬意を持っているわけで、そのわりには、レコード会社の経緯は全く知らず、木村工務店との、勝手な関わりを考慮すると、観ないわけにはいかない。

映画終了後、若い4人ぐらいのグループの男子が、メッチャクチャエエ映画やったなぁ。観て良かったなぁ。なんていう感想を、その場で口にしたくなる、確かに、抑えきれないようなエエ気分になる、そんな映画だった。2週間ほど前に観た、三谷幸喜の映画終了後の気分とは、全く違う感覚で、どちらかといえば、ラグビーワールドカップでの日本チームの、これまでの3戦の後の気分に近い感覚だとおもう。

建築繋がりなネタとしてひとつ…。録音技師のルディヴァンゲルダーというひとがいて、昔からの、なちゃってファンなんだけど、どんな部屋で録音してたのかと、前々から、興味を抱いていたら、初期は、自分の家の居間で録音していたという、へぇーっとおもったが、後に、フランクロイド・ライトのファンで、その弟子に頼んで、11m(あってるかな)近くある、天井の高いスタジオを建て、方形的な屋根で、木組みの垂木の見える映像がでてきた。教会と間違えられることもあった…みたいな語りがあり、ほぉーっとちょっと唸り声がでそうだった。建築探訪として、そのスタジオに行ってみたい気分。それにしても、女性監督のソフィー・フーバーがエエよなぁ…。

ラグビーワールドカップとブルノートジャズから、エエ気分なギフトを頂戴した、そんな土曜日だった。

秋の夜長を庭で一緒に過ごす。

写真家多田ユウコさんによる、写真ワークショップがあった、日曜日。木村工務店の向かいにある、木村家を撮影場所として、建築写真を撮影するワークショップを開催してみたい!と提案されて、それぇ、ちょっと面白そう、オッケー!と、躊躇せず返答し、奥方にそのコトを伝えるのを忘れていると、数日して、「あんた!、なに、かんがえてんのぉ!」「自宅を撮影現場にしてどぉすんのぉ!」「だれが、かたづけと、そうじ、するのぉ!」と強くアピールされ、間髪を入れず、ゴメン!と謝って、確かに、そうやな! みたいな、間の抜けた返答をすると、寝室と洗面お風呂だけは、絶対アカンで!と、大阪のおばちゃん的突っ込みの、ま、しゃぁないわ!許しといたるわ!的同意を得たものの、9人の参加者があり、流石に、数日前になると、家の見学とは違う、緊張感のようなものが漂って、掃除だけでなく、家族写真とか、本の置き方とか、その他、なんだかんだ。整理整頓するだけで、精一杯なのに、そのうえに、ワークショップ終了後には、木村家のガーデンで、ビヤガーデンをしよう!という提案まで、快く受け入れてしまったものだから、庭の掃除と机と椅子の準備に、夜の照明計画とその設置作業に、追いたくられ、時間が差し迫ってきて、ワークショップ開始時刻の13時に少々遅れてしまう、てんやわんやな日曜日の午前中だった。

建築の設計の方が3名、木製建具屋さんが1名、吉野檜の製材所の方が1名と、建築のプロの参加者だけでなく、小学校3年生男子がお母さんと一緒に参加してくれて、シニア-な女性や、家を施工させて頂いた、ご主人、同じく施工させて頂いた別の家の奥さん、と、多様な年齢の男女が一緒にワークショップを体験出来るところに、建築写真撮影の面白さがあるのだろう。撮影後の講評会での、それぞれの個性の違いと、あらためて、プロの建築写真の、上手さを知った、そんな建築写真を撮影するワークショップだった。

「木村家ガーデンでビヤガーデン」なんていうタイトルで、その後の懇親会を開催したのだけれど、2010年から5年ほど続けた木村家本舗というイベントで、昼や夜のガーデンパーティーを何度か開催していたので、気軽に考えているところもあったが、いざ、その日が近づいてくると、雨が降るのか降らないのか、そんなコトが気になるだけでなく、庭を開放してみるコトに微妙な億劫感みたいな気分が増大し、やっぱり4年間のブランクというものが、ヒトに躊躇みたいな気分を増幅させるのだとおもう。

   ま、そんな感情と付き合いながら、ぐたぐた感を、なんとなくやり過ごし、いざ、開催してみると、おもいのほか沢山の方々に参加頂いて、その、赤ちゃんから子供からシニアまでの老若男女が、ゆるやかに動く姿と、それぞれの会話からうまれる話し声の響きが、コートハウスの草木と建築とビールと食事に、絡み合い、発散される、その波動が心地良く、秋の夜長を庭で一緒に過ごした皆さんに、とっても感謝したい気分。Thanks!

シニアな感覚

ラクビーワールドカップが始まって「行けぇ!」と思わず叫んでしまう興奮の夜。

そうそう、マゴの幼稚園の敬老の日の参観があって、夫婦で参加し、もちろん、マゴの振る舞いが気になるわけだが、それにしても、この、おじいちゃん、おばあちゃん、と呼ばれるなかに、ワタシたち夫婦がいて、周囲のおじいちゃんとワタシも同じ立ち位置にあるコトに、なんとなく、ショックをうけ、ワタシの息子達が通った幼稚園にマゴも通い、あの時どうだったのかと、運動会や学芸会の時のコトを想い出しながら、自分の息子たちの時より、マゴたちの時の方が、親の立ち位置の時とは全く違う心境で、マゴのコトが気になっているワタシが居て、同じように、ワタシの両親も祖父母もそんな心境で、ワタシや息子たちを見守っていたのだな…と、今さらに感謝する感情も湧いてきて、ワタシが親の立ち位置の時には、見守るというより、より直接的な心情だったが、マゴの立ち位置になると、見守り感がより強いよな…とおもうわけで、誰もが見守られて成長するのだな。なんて、全く予期せぬ感情と遭遇した敬老の日だった。

連休の日曜日。台風接近で、雨予報だったが、前日には曇り予報に変わっていたので、同級生を誘って、シニアな健康意識を衝動的エナジーにして、午前中だけ、自転車に乗る。八尾の葡萄坂を登って、のどか村で休憩し、朝護孫子寺を参拝する。聖徳太子とか物部守屋とか毘沙門天王とか、そんな名前が連なるところに、不思議さと力強さを感じるが、寅の置物と本堂からの大和盆地の眺めが、気分を爽快にしてくれるのが、「超いいね」でもある。

 

そうそう、何度も通っているうちに気付いたが、廊下に、ケースに入った生け花があり、信貴山真華流というらしいが、それが美しくカッコエエので、それを見るのも最近の楽しみになった。門前町の集落を抜けながら、空き家が売りに出ている話しを聞いて、十三峠に向かう。展望台を下り、水呑み地蔵で、大阪平野を眺めて休憩した。ハルカスが真っ正面に見えて、時として大阪平野も美しい。坂を下り、外環沿いのカフェで、モーニングランチを食べたが、休日の朝なので、子供連れの親子、おじいちゃんおばあちゃんとの子供連れ親子、母と娘カップル、おばあちゃんカップルなどなどで、満員。日曜日の朝に、マゴと親子とでモーニング。なんていうのが、最近のひとつのシニアな文化だな。

午後から、ゴロゴロとしていたら、急に、奥方が、映画を見にいこうと誘ってきた。布施のラインシネマで、三谷幸喜の「記憶にございません」を見るという。上映まで、あと20分。夕立の雨の中、リゲッタのサンダル履いて、ママチャリの「さすべえ」に傘をさして、映画館に向かって、5分ほど、席予約して、コーラとポップコーン買って、満員になることのない映画館で、リラックスして、観る。みたいな感覚が、下町映画館の良さで、小さい頃から布施の映画館で育っているので、大阪のおばちゃんやおっちゃんの独特のトーンの笑い声が響く館内が、とっても庶民的で、落ち着いて、好き。

上映時刻まで待合のベンチに座っていると、ひとりで映画を見に来た、そこそこ年配のおばちゃんが、隣に座っている、おなじくひとりで映画を見に来ている、やっぱりそこそこ年配のおばちゃんに、この映画館も来年の2月に閉館するらしいで、これでまたひとつの文化がなくなるわ。っていう話から、政治の話に移って、延々、いまの政治状況を語ってくれて、その情景が、まるで、これから始まる三谷映画の前説のようで、いとおかし…だった。

映画館代金が、シニア割引や、夫婦割が適用になって、嬉しいが、あらためて、いまの置かれている、年齢と立ち位置を意識してしまう、そんなシニアな感覚になってきたワタシ。

ものづくりセッションの土曜日。氷見での日曜日。

「ものづくりセッション」があった土曜日。始まった頃のぎこちなさが、11回も続けると、それなりに、ゆるやかな、まとまり感のようなものが出来てきて、プレゼンと、それに対する意見にも、ちょっとした愛情のようなものがあって、参加して良かったなぁ…ワタシもまた、頑張ってみよぉ。みたいな気分になる、ものづくりセッションだった。

連休の日曜日の今、何の因果か富山の氷見まで自転車に乗りに来ている。ウィリエールのキタムラくんのお誘いで、ワタシたち夫婦とキタムラくんとの3人の自転車旅行という奇妙な組み合わせで自転車旅を始めて4年4回目で、しまなみ、安曇野2回、で、今年は、富山となったのだが、富山の自転車店のウィリエールファンクラブのような集まりに唐突に参加させられた…ような感じ。明日は富山市内から立山駅を目指すらしい。

 

それにしても、ものづくりセッションで、ランドセルの生田さんのプレゼンがあって、同じように、生田のランドセルのファンを増やし、維持する取り組みの話を聴いたところだったので、ウィリエールのファンを増やし、次に、もう少し上等なウィリエールを買ってもらえるのが、お店にとっても、メーカーにとっても大切なコトなんだろうな…なんて、氷見のまちなかのお祭を眺めながら走ったり、氷見のドピーカンな海岸沿いを走ったり、そんなコトを考えながら、氷見の和風料理旅館に宿泊し、新鮮なお魚を食べた後、布団にゴロッとしながら、このブログを書く、連休日曜日の夜なのだった。

 

 

多死社会

突然の雷雨になったり、今週も、やっぱり不順な天候。ウイルス性の風邪で、咳き込む日々で、体調まで不順な今週だった。週末には、親戚の叔母さんの訃報まで飛び込んできて、102歳だという。大往生だな。お通夜、葬儀とも、吉野まで、車で行ったが、今や、1時間ちょっとでいける。昔、小さい頃は、親父の車に乗せられて、山道の峠越えばかりで、3時間ぐらいかかったのか、とぉーいなぁ、って子供心ながらおもっていたが、50年間の道路の整備とナビの発達はすごい。グーグルの案内とカーナビの案内では、20分ほど違う時もあり、今や、グーグル頼りだが、時々、超狭い道を案内する時があって、何度かひやひやさせられた経験があり、京急脱線事故の細い道に迷い混んだトラックの心境を想像してしまう、そんな妙な一週間だった。

20年もっと前に、その叔母さんが住む、吉野の大滝まで、リフォーム工事に行った時があって、その時の「たかちゃん、とぉーいとこまで、よぉきてくれたな」というコトバが、焼香の時に聞こえてきそうだった。その頃の写真が遺影だったようだ。娘さんが東京オリンピックに水泳選手として出場し、なので、オリンピックに対する想いが大きく、この東京オリンピックを見るまで、生きるで。と云ってたそうで、僅か、それはかなわなかったが、悲しみと共に祝福がある葬式だった。

どんな死を迎えるために、どう生きるのか。車窓を通過する吉野川と吉野の山を見ながら、そんなことが一瞬よぎったが、これまで、沢山の葬儀に出席して、昔の映画やドラマにあるような、家族に見守られながら、自宅の布団の中で、静かに息を引き取る。というのは、今や、全くフツウでない、とってもレアなケースだと、あらためて思う。病院か介護施設で死を迎えるのが多くの状況で、葬儀はセレモニーホールで。と、田舎でも、同じ状況のようだった。

考えてみれば、祖父母両親とも病院で最後を迎えたが、祖父が亡くなった時、父が、社葬として会社の加工場で執り行ったのは、当時としても、珍しいことだったのだろうが、なので、父が亡くなると、加工場で社葬をするっというのは、当然の成り行きだった。祖母が亡くなり、家から送り出すために、家の庭を使って葬儀をすることを考えたのが父なので、母が亡くなると、同じように、家の庭から送り出す家族葬を、兄弟姉妹で決めた。

インターネットで、こんなコトバと遭遇する。

かつて「在宅死」が一般的だった時代、多くの人が親や祖父母などの近しい人の最期を自宅で看取り、その経験から「死」の迎え方を学ぶことができた。今では「死」を病院に委ね、家族や自らの「死」について考える機会が乏しい時代になってしまった。

これからは「多死社会」になるそうだ。どこで死を迎えるか、どんな医療ケアを受けるのか、どんな葬儀にするのか、どこの墓に、どんな仏壇に。そんなことを、ライフスタイルとして、しっかりと考える時代なのだろう。それそれの考え方に応じた、建築的な解決案を考えるのが、私たちの立ち位置だな。

サステイナブルな国と会社と家

不順な天候が続く。天気予報がずーっと雨予報で、先週に木造住宅の上棟予定だったが、延び延びになって、1週間以上も上棟を延ばし、未だに上棟の日程が決定できない。こんな事おそらく初めて。さて今週の天気はどうなんだろう…。

住宅相談会があった日曜日。午前中のAさんは、大阪市内でリフォーム工事を計画中で、今日は、たたき台案をお見せしながら、相談する日だった。ご夫妻とお祖母さんの3人でお越しになって、木造2階建ての築60年以上の母屋に、ご夫妻4人家族が住み、隣接する木造3階建ての2×4住宅にお祖母さんがお一人で住んでいて、ちょっと変則的なライフスタイルだが、お互い裏庭を通じて行き来が出来る。

フツウなら、3階建ての2階に住むお祖母さんが、2階建ての母屋の1階に移り住み、3階建て住宅を、夫婦家族が快適に住めるように、リフォーム工事をする計画になるのだろうが、将来の相続など、いろいろな事を考えて、ゆくゆくは3階建て住宅を売却し、2階建ての入母屋造りの母屋をリフォーム工事して住み続けます!っという決断だった。耐震改修や断熱改修や、隣接する3階建て住宅との繋がり、主寝室の位置など、快適なLDKは当然の事としながら、全面改修と部分改修の2種類のたたき台案を説明し、意見をお聞きして、一緒に考えるうちに、古い建物が残る、良い計画案が生まれた。

お昼からのBさんご夫妻は、大阪市内の生まれ育った実家が空き家になっていて、お父さんの、この家は100年持つ家やから、誰か住み続けて欲しい!という、築50年以上の住宅への強い想いを受け継いで、息子さんご夫妻が、コンクリートのマンション生活から、木造戸建て住宅をリフォーム工事して、住み繋げようという想いでお越しになった。

簡単な手書きの平面図と現況写真とリフォーム工事への要望書を持参されてお越しになったので、初対面ではあったが、そうそう、それに、グーグルのストリートビューで、現地の様子や、屋根の現状など、大型モニターで共有出来ることもあって、現況をそれなりのレベルで把握出来たので、さまざまな意見交換をしながら、お互いの感覚を調整することになった。後日、現地調査にお伺いした後、計画案を提出予定。

珍しく、古い木造住宅の2軒が残り、再生する計画の日になった。

お昼からのCさんご家族は、マンション住まいで、新しいマンションに買い換えて、その時にLDKのキッチンを中心にリフォーム工事する予定で、その見積書を提出する日だった。マンションのリフォーム工事の年間着工数は毎年2~4件程度だが、それなりに古くからやっているので、床に無垢材を貼る方法や、オープンキッチンに改修する方法など、いろいろと試行錯誤しながら施工してきたが、木造のように、躯体といわれる構造体を、耐震補強する工事が必要でない分、大工さんにとっては、やりやすいところもあって、その反面、施工時間が午前9時から午後5時までと限定されていたり、資材の搬入と養生がタイヘンだったりと、マンションリフォーム故のタイヘンさも多い。

Cさんの奥さんは、5年ほど前に開催した、木村家本舗に参加頂いたようで、うちの家の新たにリフォーム工事をしたキッチンを参照にしたいということで、ご案内しながら、あれやこれやと話が弾んだが、そうそう、うちの奥方が、夏休みのマゴの面倒疲れと、マゴがかかったウイルス性Rなんちゃら?という風邪をもらい、天候不順もあるのだろう、体調不良で、キッチンの案内を出来ない状況だった。ワタシも、そのウイルスを頂戴し、咳き込み鼻水をずるずるする夏風邪な日曜日となった。

天候不順な日々。アジア周辺もなんだか不順な日々。想いを受けて、古い家を受け継いで、今のライフスタイルに適合するように改修し、住み繋いでいく方々も存在し、国も会社も同じなんだろうが、サステイナブルな国や会社や家の在り様が求められている時なんだ…と、ふと考えさせられた、住宅相談会だった。

流しソーメンの土曜日。結婚式の日曜日。

流しソーメンの土曜日。

とんちゃんが、発起人だった、流しソーメンが、すっかり会社の行事のように定着してきて、今年からは、土曜日に開催するようになって、子供連れの方々を中心に、多くの人達に参加頂いた。「冬のお餅つき」と「夏の流しソーメン」というのは、皆さんに喜んで頂けるイベントで、多くの方々の笑顔のエネルギーを浴びて、こちらもテンションが上がってくる。社員にとっては、こういうイベントこそが、学ぶ場でもあるのだろう。道具の準備、食材の準備、セッティング、運営、お客様対応、あと片付け、などなど、ものづくりの基本だったり、お客さま対応の基本だったり、こんな遊びを通じて、学ぶことも大切なんだとおもう。そんな意味でも、参加して頂いた皆さんに感謝です。そうそう、来年は、もっとフェスっぽい雰囲気に飾り付けしたいものだなぁ…。

  
  

結婚式の日曜日。

うちで施工をさせて頂いた、ほたる食堂のほたるちゃんの結婚式があって、なぜか、ワタシが、新婦の主賓の挨拶を承り、以前のブログにも書いたが、披露宴の挨拶は、独特の緊張感があって、ちと辛いが、結婚式前日の、少々面倒な気分が、参加してみると、会場に満ちあふれる喜びと笑いと涙の祝福のエネルギーを浴びて、とっても、気分がハッピーになるのは、毎度の事で、前日と当日の気分のギャップこそが、結婚式の魅力なんだろう。

私たちのテーブルは、建築家のヤベさん夫妻と、建築家のヨシナガさん夫妻と、ワタシたち夫婦という、とっても珍しい夫婦参加の建築テーブルで、なんだかんだと会話が盛りあがり、式終了後は、うちの家に集合して、歓談が続いた。そうそう、建築家のヨシナガさんの奥さんが、女性ひとりで、工務店をしていて、凄いなぁ…とおもうのだけれど、工務店ゆえの共有体験で、なんだかんだと話が盛り上がり、午前0時を回る時刻になってしまった。なので、今日のブログは、このあたりで、終えておこうとおもう。新郎新婦、建築テーブルの皆さん、本日は、ありがとうございました。

 

 

暑中お見舞い申し上げます。

暑中お見舞い申し上げます。

ちょっとした、コスプレ姿で、気取ってみたが、お盆の暑い日に、あの、蒸し暑い京都に、わざわざ大阪から泊まりに行く。なんていう感覚は、とっても大阪人なワタシには、全く理解しがたい感覚で、ところが、奥方も生粋の大阪人で、なのに、ひと月ちょっと前に、ネットで見ていたら、偶然、お盆に、「俵屋旅館」が、ひと部屋だけ空いていたから、予約しておいたでぇ!っという。

お盆が近づくに連れて、確かに、一度は泊まってみたい旅館やけど、夏の京都はなぁ…。別の季節がエエなぁ…。涼しい場所行きたいなぁ…。うちの家で、冷房効かして、ゴロゴロでエエけどなぁ…。なんていう気分が、脳裏をかすめていたが、それが、有名アウトドアーメーカーの店舗として、京都三条の京町家を改装する工事が、急ピッチで進行していて、お盆の間に、うちの大工さんや、協力会社の大工さんなど、集まるだけ集まって、施工を進める事になっていた。丁度、宿泊する日の前後だったので、激励のために、現場に立ち寄れそうだと分かって、お盆の間際になって、俄然、宿泊する気分が高まった。時として、奥方は、そういう、「引きの強さ」みたいなものを発揮する。

台風警報が、少し大げさ過ぎるのでは…とおもえるほど、しっかり発令されていたので、宿泊当日の京都への高速道路はガラガラだった。なので、その日のお昼に、思い立って、三十三間堂の前にある、谷口吉生設計の京都国立博物館に立ち寄ることにした。NYの近代美術館も良かったが、ここも、端正で、シュッとして、静けさがあって、とってもエエ雰囲気。じつは、2018、2016年と、秋に、京都まで自転車で往復するライドを楽しんでいて、その時、必ず三十三間堂の南大門をくぐていた。左手に三十三間堂を見て、南大門からの軸線上の、向こうのほうに、近代的で端正な京都国立博物館の門があって、その向こうに、博物館の新館の姿が見え隠れして、なんだか格好良さそう…、一度行ってみたい…。そんな潜在意識のようなものがずっと潜んでいて、この台風の影響なのか、唐突に、衝動となって、吹き上げられた感じ。

午後3時過ぎに、車で、俵屋旅館に到着する。笑顔のおもてなしを受けて、いかにも京都的な、長屋門をくぐって、オープンエアーな前庭をクランク上に通過し、家のような、簡素で趣のある、玄関土間に入って、左向いて、靴脱ぎ石に上り、靴を脱いで、板と畳が敷き分けられた玄関の間に上がる。右手に向かって、中庭が見えて、風情のある京都の老舗旅館に泊まるのだ!という、気分が盛りあがってきて、右手に中庭を見ながら、左奥に進んでいくと、オーソドックスでエエ感じの階段があって、その向こうに穴蔵に入っていくような奥の廊下があり、その手前で、こちらです。っと左手方向を案内されて、扉を開けて入った部屋に、前室があった。その襖戸を開けると、目の前にデーンと掘り座卓があって、その前に坪庭がある光景が広がって、その右手の続き部屋の、数寄屋造りで、面皮柱の、シュッとした和室に通された。この、偶然空いていた部屋が、「竹泉の間」で、建築家の中村好文さんが本にスケッチしている部屋だった。

奥方が、備え付けの本、村松友視著の「俵屋の不思議」や、中村好文著の「意中の建築」のページをめくり、そのページのなかの、俵屋竹泉の間での中村好文さんの写真と同じポーズで、記念写真を撮っとこぉ!と宣う。お洒落な柄の浴衣に、ちゃんとした帯を、ぐっとハラに巻き付けて、掘りごたつに座ってポーズを取るワタシ。そうそう、本で読んだ憧れもあるが、ある日、堺の名家のお祖母さんが、俵屋旅館に宿泊し、その翌日にお会いする機会があって、建築とか料理とか、ま、それはそれで、エエんやけど、今まで、あんな、エエ布団で寝たことないわ。今まで泊まった旅館のなかで最高の布団やったわ!と、仰ったコトバが、深く印象に残っていた。そのちょっと固めで寝心地のエエ布団で寝られたことも、エエ体験だった。それより、なんといっても、吉村順三さんの本のなかで、内法が高く小壁が小さいプロポーションの和室の格好良さを語っているくだりがあって、立って、座って、寝て、そのプロポーションを体験できたのが、なによりもの建築的体験だった。

翌朝、朝食に出された、カワイくてカッコエエ木箱の湯豆腐セットを見て、この旅館の全てのモノに対する店主のコダワリとアイを感じながら、京都のあの薄味でコクのある湯豆腐で朝食を頂く。9時過ぎにチェックアウトして、歩いて、イノダ珈琲本店に向かう。コーヒー飲んで、大工さん達が休憩する10時過ぎを見計らって、ほんのちょっと歩いて、現場に着いた。丁度、近くの公園で、全員で休憩しているところだった。皆さん、暑い中、お盆の休みの中、ご苦労さまでした!

木村工務店では、8月19日月曜日から通常営業です。

気化熱

木村工務店では、本日8月11日日曜日から18日日曜日までが、お盆休暇で、昨年と全く同じスケジュールなのだと、いま、あらためて、気付いた。昨年、久しぶりに、家で過ごすお盆休暇を体験してみると、それはそれで、良かったわけで、おそらく、リフォーム工事の時に設置した、除湿型放射冷暖房 PS HR-C が、おもいのほか快適で、室温こそ、27℃28℃ぐらいだが、ラジエターの表面に湿った空気が結露水となって除湿するので、55%前後の丁度良い湿度が維持されて、ゴロゴロっとしながら部屋で過ごす日々だった。

そんなこんなで、今年も、大阪の自宅で過ごすお盆休暇なのだが、初日の今日は、日曜日だということで、早朝から、近所に住む、同級生のイトウくんと一緒に、自転車で、モーニングを食べに、富田林の米夢までライドした。この猛暑、確かに、暑いといえば、暑いのだが、朝の川沿いを走る道は、それなりに快適で、それに、自転車を漕ぐ風によって、服と体の間の汗が、気化されて、走っている間は、意外と涼しい。確かに、止まった途端に、猛烈に暑っ!暑っ!なんだけどね。

石川沿いのサイクリングロードは、この猛暑の影響で、流石に自転車で走る人が少なかったので、お互いの近況など、四方山話をしながら、ゆっくり走って、そんなのが、のんびりしたお盆にちょうど良かったが、走りながら、ウエアーの首元のチャックを少し空けて、そこから風が入り込んで、汗が気化される様子を感じながら、最近、現場で、着用する空調服を思い浮かべた。

 

ここ最近の猛暑で、うちの大工さんたちも、ベストになっている空調服を着るようになって、とっても快適だという。長袖のタイプだと、鋸やインパクトなど、作業がやりづらく、大工さん達は躊躇していたが、ベストのタイプが台頭し、ファンに木くずなどの埃の吸い込みもそんなに心配がいらないらしく、一気に多くの大工さんたちが着用するようになった。現場で、空調服のファンの音が響く中、若いモリ大工が、着用していないので、理由を聞くと、ほんの数日、購入が遅れて、欲しいメーカーのベストは、あまりの売れ行きで、売り切れになったらしい。

タンクにためた水にファンをあてるタイプの冷風機のような製品があって、使ったこともあるが、すぐ近くは涼しいが、部屋を冷やすほどではないので、全く使わなくなった。そんな原理を、服の汗を利用して、ファンを備えた空調服を考えたのだから、面白いアイデアだよなぁ。体と汗とファンの距離が近いので、冷風機と違って、快適なようだ。猛暑の街で、アンドロイドのように、ファンの音を、ブワーンブワーンと鳴らしながら、快適に歩く日本人の姿を想像すると、なんか、ちょっと、ヘンでオモロイ。

そうそう、そんな製品の様子を眺めているうちに、うちの家で使用中の、除湿型放射冷暖房 PS HR-Cも、夏は、ラジエターの表面に水滴がついて、それは、部屋の汗なわけで、そこにファンの風をあてると、気化熱とパネルの冷水によって、涼しいそよ風が、部屋に流れることを知って、今年は、扇風機を買い、積極的に、気化熱を利用している。いまや空調服的部屋とでもいうのかね。

打ち水こそ気化熱を利用した、古人の知恵だが、最近復活した、うちの庭の芝生も、土のままより、随分涼しいようにおもうが、水撒きという労働がタイヘン。今年のお盆休暇は、夕方に、芝生に打ち水をして、芝生の養生と大地の気化熱と体の気化熱を楽しんで過ごそうかとおもう。皆さん、素敵なお盆休暇を!

暑っ暑っの8月がやってきた。

ちょっと外にいるだけで、汗が流れる、暑っ暑っの日々。なぜか、庭の常緑樹の楠木が、ものすごく大量に落葉し、ウミヒラさんに見てもらうと、古い葉っぱが、一斉に落ち、新芽に変わる、何年かに一度のタイミングらしい。世の中も、木村工務店も、そんな時期なのか…。

一ヶ月半程前の6月中頃に参加したスイス・フランス建築視察旅行の報告会のような飲み会を開いたのが、今週の火曜日7月30日夜の出来事。フェースブックで、そんな事をシエアーしてみた。8月1日は、地元清見原神社のお祭りがあって、大友の地車が、会社の前で、停止し、その地車の引き手には、うちの山本塗装のヤマモトさんが、カッコエエ半被姿で挨拶してくれて、皆で、一緒に、大阪締めで、祝ったのが、暑さも吹っ飛ぶ、とっても気持ちの良い、夏の想い出になった。

そうそう、本日は、住宅相談会があった日曜日で、午前中のAさんは、女性で、祖父の鉄工所跡の建物をリノベーションして、米パンを作って販売するお店を開業したいということでお見えになった。そういえば、日曜日の朝に、自転車で、富田林の丘の上にある、米パンのお店、米夢に、モーニングを食べに行くことがあって、最近、麦アレルギーのひとが、多いらしいが、車でしか行けない、辺鄙な場所だけど、人気がある。植物を育てるサンルームをリノベーションした喫茶室は、丘の上の眺望も良く、なによりも、バラック的な素朴さが良いのだろう。そんな話をしながら、液晶テレビに映し出された、グーグルのストリートビューで敷地を眺め、鉄工所のバラック的な良さを活かし、隣接する公園の眺望を取り込む開口部を新設し…。なんていう、アイデアを、コミュニケーションしながら、現地調査の日程を決めた。

午後からのお見えになったBさんご夫妻は、以前に、大きな民家の、1階部分の、LDKと寝室をリフォーム工事させて頂いたが、その当時、まだ、小さかったお子さん達が、成長し、個室が必要になってきて、リフォームの時には、そのままだった2階部分を、今回、子供部屋を3つ、書斎のようなご主人の部屋を一つ、納戸とお便所を、新設しようと、計画中で、土壁の家なので、窓を新設したりするのは、コストパフォーマンスが悪く、なるべくそのまま利用する計画だが、それゆえに、中途半端な部屋割りの計画になっていた。

1階をリフォームした当時と比べて、BIMといわれる、3D画像を使って、リフォーム後の雰囲気を、共有出来るようになったのが、ちょっとした木村工務店の進化で、その中途半端な、部屋の大きさと窓の位置関係を3D画像で見てもらうと、やはり、なんとなく、納得がいかないご様子で、どの子供部屋も、同じような大きさの窓があり、不公平感がない部屋になって欲しいという、ご両親の思いが伝わってきた。それで、ご夫妻と、設計のタナカくんと、ワタシで、あれやこれやと、コミュニケーションしながら、間取りを、いじくっているうちに、お互いに、あっ、これぇ、エエね!なんていうプランが生まれて、そんなのが、嬉しい瞬間でもある。

帰りがけに、会社の前にある、うちのリフォームした家に立ち寄つて頂いて、ダイニングのテーブルに腰掛けながら、当時のリフォームの話も含めて、あれやこれやと、会話できたのが、心地良い時間でもあった。

午後からのCさんご夫妻は、奥さんの実家がある、生野区で、予算3000万円ちょっとで、新築をご希望で、最近、生野区でも、土地の値段は、上昇気味なので、1000万円ちょっとの土地と2000万円の新築で、購入できる土地をみつける事は、かなり難易度が高いといえる状況で、それに、平屋をご希望だとお聞きして、確かに、最近、平屋をご希望される方が、増えてきたが、購入出来る土地の大きさと建坪率の状況によっては、子供部屋だけが2階にあり、LDKと寝室と洗面浴室は1階にある、一部2階建てというのを、考慮に入れても良いのではないか…なんていうコミュニケーションになった。

そんな話をしながら、液晶大画面で、SUMOの土地情報から、生野区のある地域の情報をピックアップし、それを、グーグルのストリートビューで眺め、この土地にどんな建築ができるのか、あれやこれやと、シュミュレーションして、土地と建物と予算のバランスをどのようにとり、それに伴う、車やライフスタイルがどのようになっていくのか、皆で一緒に考えるのが、楽しい時間でもある。

住宅相談会が終わって、スーパー銭湯にある、ジムで、自転車とランニングを小一時間ほどして、お風呂で寛いだ。最近、暑っ過ぎるので、クーラーの効いたジムで、体を動かし、その後、お風呂とサウナと水風呂をさっと入って体をほぐす心地良さを知って、この夏は、こんな方法で、運動不足を解消してみようかとおもう…。

 

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