「地車」と「木村工務店」

夏祭りの季節。

地元の清見原神社の夏祭りは7月31日と8月1日で、住吉さんと同じ日程で、大阪の神社の夏祭りとしては、最後の夏祭りらしい…..知らんけど。会社の道路を挟んで自宅もあり、4台の地車が入れ替わり立ち替わりでやってきて、祭り囃子のワクワクするリズムを奏でながら、会社前の道路に停車する。その時間に会社に居てる社員は仕事をとめて、2階事務所から1階の道路にでる。自宅にいてるmagosたちもウキウキした気分で玄関前にでてくる。祝儀を渡し、地車の一番前に乗ってる世話人のひとが、地車から降りて、祭り囃子の音が止まり、ひとときの静寂が訪れる。その精悍な世話人が、木村工務店の事業の発展を祈願し…..と口上を述べて、皆で一緒に大阪締めをする。さぁ打ちましょ! パンパン、もひとつせっ! パンパン、祝って三度! パッパンパン。最後の手拍子は独特のリズム感なので、慣れないと拍子を外しそうになる。パンパンの手拍子に合わせて、鐘の音もチンチンとシンプルに鳴るが、大阪締めが終わったあと、静から動に転換し、祭り囃子が勢いよく活気づき、若い衆が一斉に掛け声を掛け合い、地車を押していく、その時の後ろ姿が好きだな。

地車が会社前にやってきたタイミングで、打ち合わせをしていた、不動産コンサルタントの中塚さんが、一緒に道路まででて、写真におさめてくれた、それを拝借(Thanks!)したのが上の写真。かつては、多くのひとが、家から道路にでて、地車を見送ったものだが、最近は、家に閉じこもったままの家々が多い。この猛暑のせいもあるだろうが、ピンポンと鳴らし、祝儀を取りにこられても、居留守を使うひとも多いのだとおもう。祝儀とか、寄付金とか、何にどう使われて、どんな御利益があるのか、「見える化」されるのが、求められている世の中なんだろう。

木村工務店の塗装工事を担当してくれている山本塗装の山本さんも半日だけは仕事辞めて、清見原神社境内に収納庫がある大友の地車を引いている。先日は清見原神社の稲荷社の玉垣の朱色の塗装を担当してくれたり。会社前で、一緒に大阪締めをし、一緒に自撮りにおさまったりして。

そういえば、7月30日は第五火曜日で、1年に何度かある第五火曜日には、社内勉強会を催している。今回は新建ハウジングに掲載されていた「住宅産業大予測フォーラム2024~三浦祐成講演」をビデオ視聴し、ちょっとした感想を述べあって、そのあと、わいわいがやがやと懇親会を催していたら、この扉の向こうには、前夜祭のために清見原神社に向かう腹見の地車が、コンチキチンコンチキチンと祭り囃子を奏でながら通過していった…..。

道路にでて、世話人のひとと挨拶をかわし、会話しながら、この地に、87年間所在する木村工務店としても、地元の地車に、もう一歩、踏み込んで、関わってみましょうかっ!と、話し合った夏祭りの夜だった。

夏の熱帯夜の電飾

パリ、オリンピックが始まって、心配で見てられない。なんて気分になるのが、オリンピックメンタリティーなんだろう。バレーのドイツ戦は第三セットのデュースになって、接戦の末に負けたところまでみたが、もぉ見るのをやめた。バスケットのドイツ戦も第三セットの途中まで見て、今日はシュート決まらん日やなっとおもって、心配で見るのをやめた。サッカーはマリに勝ったのを知って、再放送を、ビール飲みながら、家プールの監視員しながら、楽しんだ。柔道の男子が「おちた」シーンは、あ然としてみた。女子の巴投げって、あんなに決まるものかと驚いたが、国旗を見て涙するシーンにグッときた。柔道女子の、UTAコールのなかで、大声で泣き叫ぶシーンに「人生」という喜びと悲しみのドラマをプロデュースする神の悪戯を感じた。そのあと一二三の気合いの背負い投げにほっとした。

お洒落にライトアップされたエッフェル塔を背景にした開会式のシーンを録画でみたが、今日の夕方に、BSでエッフェル塔の歴史の放映があって、万博のための建設当時は、伝統的な石造りでない、鉄骨造で、パリの恥だと叩かれていたという。何度も解体される可能性を乗り越え、100年経過し、パリの象徴になっているのが凄いことだな。北斎の富嶽三十六景の富士山のように、エッフェル塔がパリのまちを見守っているというBSのテレビシーンがあって、日本人にとっての富士山のような存在を、建築として新たに創造されたのが、また凄いコトだな。これをきっかけにして、競技場を使わない、オリンピック開会式になっていくのだろうか…..

magosの親たちが、東京に所用で出掛け、1泊2日のお預かりになった土日でもあった。滅多にないことなので、花火&ナイトプールを催すことにした。折角なので、Amazonで、わざわざ電飾を買って、気分を盛り上げることにしのは、小さい頃、祖父母に連れられて旅館に泊まった時、夜のプールにワクワクした想い出があるし、中学生の頃、当時の天王寺にあった、水中エアーステーションがある、あべのプールに、夜に連れてもらったことがあって、その時のワクワク感が残っているからだとおもう。それに、熱帯夜が続くここ数日、夜のプールには丁度エエ気温だし、あと、両親がいない寂しい夜を、疲れさせて、ぐっすり眠れる夜にする「作戦」でもあった。

パリオリンピックのエッフェル塔の電飾とは、雲泥の差だが、夏の熱帯夜の電飾は、案外、気分が盛りあがるのだ。

プール開き。

早朝からセミがミンミンミンミン鳴きだして、夏だ!夏だ!起きろ!起きろ!と叫ぶ朝。ついに梅雨も開けたよね。会社のクーラーが効いた部屋から一歩外へ出ると、ムッとする暑さに、暑つぅ!と口に出すのがフツウになってきた日々。木村工務店のある、生野区小路は、長屋が多く建ち並ぶ密集市街地で、かつては、路地から、心地良い西風が通り抜けたものだが、いまや、路地はクーラーの熱気で、ムンムン。密集市街地は、室外機も密集し、気象庁発表の外気温より、かなり高いのでは…..なんておもう。で、magosたちの夏休みが始まった日の朝でもあって、早朝からセミの鳴き声を聴きながら、奥方が、ついに夏休みがやってきてしまったわ!って呟くコトバに、magosの面倒をみる嬉しさと辛さがにじみ出た朝だった。

夏休みが始まって、GiGiとしてのワタシの仕事は、まずプールを設営することだった。magosの両親から頼まれたわけでもなく、奥方から命令されたわけでもないが、小さい頃に、空気で膨らます円形の小さいプールで、ピチャピチャ遊んだ想い出が、多くのひとにあるように、わたしにもその楽しかった気分が残っている。いま、空気で膨らまさずに、パイプで組み立てる簡易プールが、手に届く価格で販売されていて、そのプールが、わりと建築的だなとおもう。

デッキがあって、庭の幅が2.5mもあれば、というか駐車場の幅と長ささえあれば、プールとプールサイドを作れてしまうのが、面白い。その気になれば、たいがいの家で、プールのある家に変身できてしまうのが、楽しい。このプールを使い出して3年目になって、コツもつかめてきて、セッティング場所にも熟れてきた。早朝とか夕方にセッティングすれば良いのに、真っ昼間に汗だくでセッティングするのが、案外気分が盛りあがるし、その後のビールが美味いこと、美味いこと。

ホースで水を入れて、プール開きの一番乗りはワタシ。と楽しみにしていたら、設置の様子をどこからともなく嗅ぎつけたmagosが、夏休みの宿題を終えてから入れるはずだったのに、まだ水がたまらないうちから、水着に着替え、プールを占領されて、パシャパシャパシャパシャ、はしゃぐ水音。クーラーの効いた部屋からビールを飲みながらプールの監視員をするワタシ。日が陰ってきて、もうそろそろ、プールからあがって、お風呂に入りなさい!という、号令がでて、慌ててプールからかけあがるmagos。それで、夕方の誰もいなくなったプールに、浮かんで、空を見上げる、プール開き初日の日曜日だった。

ツールな夜。

雨模様の海の日の連休。毎年アウトドアーに出掛ける海の日の連休だったが、スマホで、天気予報を、それなりの正確さで把握出来るようになり、連休期間が雨だと知ると、一気にアウトドアー気分が下がる。いや、若い頃は、雨なんて全く気にせず、雨を楽しむ気分で、遊びに出掛けたが、天気予報を気にしすぎるのも、良くないね。なんておもいながら、家で、ツール・ド・フランスの見逃し配信を見る、雨パラパラの日曜日。

ツール・ド・フランスのロードレースの面白さが理解できるようになって3年ほど。この夏の夜の3週間が楽しい。そうそう、お昼の休憩時間のBSで放映されている、大リーグのオオタニさんの試合を見るのも楽しみだな。前にも書いたが、ロードレース界にもオオタニのようなスーパースターの、ポガチャル、ヴインゲゴーという二人がいて、同じ人間なのに、その肉体的可能性、そのメンタル的可能性を眺め、そのスーパーな姿に感嘆しながら、エネルギーをもらっているのだろう。

空撮で、フランスやイタリアの国土が眺められるのも楽しい。建築人としては、ジロ・デ・イタリアでのイタリア国土の空撮に、より建築的魅力を感じるが、レースは圧倒的にツール・ド・フランスが、エキサイティングだ。キャンピングカーを借りて、キャンプしながらフランスの田舎町を巡り、田舎のフレンチを食べ、山岳ステージで応援する一員になり、最終日はパリ、シャンゼリゼを走る勇士を眺め、パリの夜を楽しむ。なんて、憧れだなぁ…..。そうそう今年はオリンピックがパリで開催されるため、最終日はニースになるそうだ。

そんなツール・ド・フランスが6月29日土曜日に開催されて、5日ほど経過した夜。夕食をすませ、Jsportsで夜9時から放映される日本語LIVE配信を眺めていると、生野区のバーソケットの大熊さんからSNSのメッセージが来て、ハリモトさんが、新らたに製作した「モノ」を持ってこられたので、時間あればどうですか…..というお誘いがあった。今日のツールはスプリンターステージで、ひょっとして、カヴェンディッシュがステージ優勝するかも…..なんて、ちょっと後ろ髪を引かれながら、ソケットへ。

数ヶ月前にも同じようなお誘いがあって、ソケットへいくと、そこには、15年以上前にリフォーム工事をした施主のハリモトさんがいて、なんでも、メーカーの革ジャンパーを縫製する仕事をしているが、自分の「モノ」を製作したいとおもって、ワインを革ジャンパースタイルで包み、保温性もある、革ケースを造ったので、見てもらえませんか…..というコトだった。意見するほどの立ち位置ではないが、とりあえず、胸ポケットも手ポケットもない、シンプルな次の試作を造ったらどうですか…..みたいなことを酔いながらワタシが語ったようだ。

で、オレンジの革ジャンスタイルのボトルケースの試作が出来たのが、その日で、ハリモトさんオオクマさんワタシの3人で、あーだこーだ、「モノ」をアテにして、夜な夜な楽しく飲んでいたが、夜11時を過ぎてくると、急にツールの様子が気になって、iphoneでJsportsを表示させる。カヴェンディッシュというのは、ベテラン選手で、新たにこのスプリンターステージで勝利すると、ツール通算35勝の最高記録を達成することになり、多くのファンが、3年越しに待ち望んでいた。それに、いまアスタナというチームに所属し、そのバイクが、ウィリエールで、ワタシもそのメーカーのバイクを乗っているのだけれど、もとはといえば、東成にあるウィリエール代理店の服部産業のウィリエール営業のキタムラくんが、「まちのえんがわ」に遊びに来たことから付き合いが始まり、その縁で、ロードバイクに乗るようになった。

午前0時前に、慌てて、ソケットをおいとまし、ゴール前の熾烈なせめぎ合いに、なんとか間に合い、家のテレビの前で、その勝利の瞬間を目撃した。とっても多くの選手や観客やスタッフや家族に祝福される感動的なシーンを眺める夜になった。ちなみにキタムラくんはSNS上で、その感動的シーンをリンクしまくっていたし、ハリモトさんは、ツールとは、全く関係性がないが、ワタシにとっては、この黒革スタイルのアードベックとオレンジ革スタイルのグレンモーレンジの姿が、カヴェンディッシュの姿と結びつく、印象的な夜になった。

で、先日開催した「まちのえんがわ」Gallery&Barに、ハリモトさんが、家族連れでおこしになって、例の「接続世界」を見学し、サヤカリーを食べながら生野区のものづくりの仲間達とつながり、「ものづくりの拡張」的な会話が弾んだ。こうやって、かつて家づくりに携わった方と、一緒に飲みながら、あれやこれやと話をする機会に感謝した一日だった。

まちのえんがわ Gallery&Bar 「接続世界」

「まちのえんがわ」Gallery&Barを催した土曜日日曜日。それにしても暑い!むっとした暑さの二日間のなか、「平地エリ」さんによる「接続世界」を開催した。スピーカーがあり音が鳴る物体。基板による配線でなく露出された空中配線。真空管を使っている。自ら撮影した360度写真を球体に、水圧転写の技術で貼り付けている。音に合わせてダイオードが光る。流木を使っている。そんなのが主な特徴の現代芸術で、海外での評価はあるが、日本ではまだまだ評価が薄いという。ワタシは好きだな。

どんな道具を使って、半田付けをし空中配線をしているのか気になるので、彼女の使う道具を展示してもらった。私たち工務店としての立ち位置は、ものづくりというのは、素材と道具があっての職人芸。水圧転写も自宅でどのような方法で製作しているのか気になるので、製作風景の写真でも欲しいね。というと、とうていお見せできるような格好でなく、自宅のお風呂で、裸に近いような状態で、ガスマスクを付けて製作しているという。美しい球体ができるための影の努力を垣間見た。

土曜日の夜に、展示とBarをやるのは、現代芸術をアテにして、お酒を飲みたいというのもあるが、このGalleryスペースは、主に大工さんが、鑿や鉋を使って木材を加工する加工場で、天窓があって自然光が入るようになっている。それが自然光による展示スペースとしての特徴にもなっているが、光を発する作品の良さを殺してしまう反作用もあって、今回のような光を発する作品には、夜の展示は必須だったようにおもう。

夜はオトナの世界でもあり、平地エリさん好みの、ウィスキーのラガヴーリンやアブサンとか、アーティスト好みを反映したお酒で、アーティストとコミュニケーションをする楽しさもあるが、お昼になると子供連れの家族も見学に来て、コドモ達にアートやものづくりに触れる機会になって欲しいともおもう。できれば中学生や高校生や大学生も気軽に見学に来られるアートスペースになれば嬉しい…。平地エリさんも小学校5年生の息子さんを連れてこられた。彼が、コドモ達やオトナにも、母親の作品の説明をしている姿には、微笑ましさがあったし、そのあと、テーブル席で、初対面の子供たち5人ほどで、ゲームを楽しむ姿を、傍目で見守る母親達の姿には「まちのえんがわ」としての役目があったようにもおもう。「まちのえんがわ」では、サヤカリーも同時開催していました。

アートプランナーとしての「おかけんた」さんが、ふらっとお越しになって、平地エリさんのアート作品と、このGalleryスペースに触れてもらった。ワタシは初対面だったが、Gallery&Barとしての木村工務店の加工場は、まだまだ認知度も低く、あくまで仕事場としての加工場でもあるので、開催日の制約を含めて、1年で開催できる日は数日だけだが、人と人の繋がり、美の拡張、ものづくりの拡張を、楽しむ機会とスペースになれば….とおもう。そうそう、日曜日の夕方5時30分に閉幕し、平地エリさんが、息子さんと二人で、作品を梱包して、カートを押しながら歩いて帰る姿があった。なんだかとってもエエ感じだったなぁ…..。


     


   


 

「薪焼き料理」と「キュビズム」

京都に行くことになった日曜日。

フレンチのシェフ上地くんとは、自宅に何人かの友人を招いた食事会で、フレンチの出張シェフとしてのお付き合い。6人以上のフレンチを手に届く価格で、それぞれの自宅にて提供してくれる。お店を持たず、出張料理をメインにしながらシェフとして生計が立てられるのは、SNSを中心とした現代的コミュニケーションツールが発達したお陰なのだろう。

で、京都二条上がるにある「CAMPOsuOVEST カンポスゥオーベスト」という薪焼き料理専門店で、14人ほどのお客さんによるコラボ企画をするので、予定が合えば如何ですか…..と、奥方にLINEを通じたお誘いがあった。料理人どうしが「コラボする」なんていうのが現代的在り様なのだろうし、ホームページには「キャンプ料理をプロの料理人が再構築。薪焼き特有の燻された香りや火入れをソムリエ厳選ワインや、フルーツカクテル、クラフトビールとのマリアージュで」とあるように、薪焼き料理とフレンチとカクテルのトリオで、料理を提供する企画だという。

厨房のなかを覗かせてもらうと、自分で造ったという薪焼き台で、火加減を調整しながら調理をしていた。最近は、ウィスキーでも、スモーキーだな。とか、ピート香(しゅう)がエエな。とか、そんなのを楽しめるようになってきた。そんな調理された素材のスモーキーな香ばしさを楽しみ、マリアージュされたカクテルでリフレッシュし、フレンチの上品なソースを楽しみ、新たなカクテルでリフレッシュし、またスモーキーを味わう。ピアノとベースとドラムのピアノトリオのようなコミュニケーションを、若い3人の料理人が格闘しながら楽しんでいる様子が伝わってきて、とってもエエ時間を過ごせた。そうそう、薪にはどんな種類の木を使ってますか?と聞くと、何より乾燥が大事なんですぅ!という。確かに。

   
       

午後3時頃に終了し、ポツポツ雨降るなか、京セラ美術館で開催されている「パリポンピドーセンター キュビズム展 美の革命」に向かう。どうしても会期中に行きたいと思っていたので、この食事会は願ってもない機会だった。この美術館は2度目だが、とってもエエリノベーションだな。とおもう。行列が出来ている様子もなく、当日券でスムーズに入館し、音声案内のヘッドホンを購入して、解説を聴きながら絵画を眺め、写真撮影が許可されていたので、時折iphoneでパシャリ。ピカソ、ブラックから始まって、コルビジェのキュビズム以降で終わった。

学生時代の建築学科の授業に、「キュビズム 美の革命」のような授業があれば、若い頃からもう一歩、ピカソやコルビジエに近づくことが出来ていたようにおもう。先日、生野区のものづくり企業の若い友人たちと食事をともにしたが、興味は、デザインというコトバより、民芸というコトバより、現代美術のゲイジュツというコトバのほうに、より魅力を感じ、そこから吸収し、ものづくりに活かしたいという。「美の革命」とか、「美の拡張」とか、そういう芸術理論を理解し、「ものづくりの拡張」を目指したいのだとおもう。

夕方になって、脳もお腹もいっぱいいっぱいだったので、四条の新京極スタンドで、軽く一杯飲んで、京阪電車のプレミアムカーに乗車し、大阪の生野区の小路に帰り着いた。たまに京都にいくと、やっぱりエエよね。

五月雨の「まちのえんがわ」

梅雨がやってきたかも…と感じさせられた週。

朝から激しい雨が降って、朝は、会社に対峙して建つ自邸の庭の掃除をするのが、ルーティンのようなものだが、流石に、この雨ではどうしようもなく、社屋の町角に面する路面店としての「まちのえんがわ」に避難して、しっとりとした気分で、激しく降る雨を眺める。時としてタープの下で過ごす雨のキャンプがエエ時があって、土の上に叩きつけられる雨の跳ね返り。タープの上に降る雨音。タープの縁から落ちる雨雫。雨の香り。そんなのを五感で感じながら、珈琲を飲んだり、本を読んだり、そんな何でも無い時間が記憶に残ったりする。

「まちのえんがわ」に座って、切り取られた、雨のまちを眺める。こんなに激しく雨が降るのに、ママチャリで行き交う人が、そこそこいる。ワタシ、ロードバイクが好きで、愛用しているが、雨の日のロードバイクは辛い。もちろん雨でも乗るぞぉ感の決心が強いときは、レインウエアで走るのが気持ち良い時もあるし、泥よけカバーのないタイヤから跳びはねる雨が、カッコ良く感じるときもある。とはいうものの雨の日のママチャリのほうが好だな。まち乗りで、こんな便利な自転車はないとおもうし、10kmぐらい走るのならママチャリのほうが、まちを眺めながら走れて、楽しい。それに、雨の日に「さすべえ」を付けたママチャリで、雨のなかを走るのは、案外楽しいが、道路交通法違反になるギリギリのようだ。大阪府の条例を調べてみると…..

自転車のハンドル等に傘スタンドを固定して傘をさして運転したらどうなるの?

傘スタンドを使用しての傘さし運転について

傘スタンドを使用しての傘さし運転について傘スタンドを使用しての運転は片手運転にはなりませんが、次のような違反になる可能性があります。

  • 道路交通法 第55条第2項
    (乗車又は積載の方法)
    運転者の視野を妨げ、あるいは車両の安定を害するような積載等をして車両を運転してはならない。
  • 道路交通法 第70条
    (安全運転の義務)
    通行人に傘が接触し、他人に危害を及ぼした場合(交通事故)等は、危険行為の対象となる可能性があります。
  • 大阪府道路交通規則 第11条第4号
    (軽車両の乗車又は積載の制限)
    「傘スタンド」に傘を積載した場合に、傘の幅及び高さの制限は、

    • 幅:0.3メートル
    • 高さ:2メートル

で、超えた場合は違反になります。

傘さし時の自転車運転者の正面視野

傘が妨げになり、周りの状況が見えません!

【参考】片手で傘をさして運転することについて

道路交通法 第71条第6号大阪府道路交通規則第13条第2号の違反になります。
傘スタンドを使用した自転車の運転は、風を受けた際に安定を失うおそれや周囲の状況が見えなくなりますので、危険です!
大阪府警察

激しく降る雨なのに、子供たちが、楽しそうに傘をさして、学校に通う姿を眺める。ワタシもそんな時があったのだな、と、なんだか懐かしく想う。ま、それはそれとして、いまここに座っている「まちのえんがわ」では、この6月から、金曜日と土曜日のお昼に、この場所で「サヤカリー」の営業を始めた。よろしければ、お気軽に食べにお越しください。そうそう、それと、7月6日と7日は隣の加工場で「まちのえんがわGallery&Bar」をやります。【電子工作球体写真家】「平地えり」さんによる「接続世界」です。

昨年の暮れに、清見原神社で、しめ縄造りのワークショップがあって、そこで、平地えりさんに出会う。なんでも、「電子工作女子」で、電子工作をアートにしているという。ウィスキーも好きだというので、後日、生野区にある「秘密基地ソケット」というBarにお誘いして、お話しを聞いて、Gallery&Barの開催が決まった。ウイスキーのボトルの上に載っけてあるのが、その時、持ってきてもらった作品のひとつ。「接続世界」という不思議なスピーカーで、iphoneを音源にして鳴らすと、音に合わせて、球体が光るし、電子部品とその配線が露出されて、今流の言い方では、「エモい」

平地さんによる自己紹介には…..

私は大阪で生まれ育ち、突然の出会いでアート作品を作ることになり現在に至る。
平地 エリ(ヒラチ エリ) 「電子工作球体写真家」という現代アーティストとして活動しております。

 

どんな作品を作っているのか? 写真と電子工作の融合作品を制作しています。
しかし近年の電子工作は、プログラミングで制御したりなどの世界になってきましたので。
私はプログラミングなしでの電子工作なので、電気工作のほうが伝わるかと思います。

 

写真は一眼カメラではなく360度カメラメインで撮り、写真を球体に水圧転写という転写技法。
電気工作では基板の上だけに拘らず空中配線という電気部品とリード線を繋げ、電気回路を構成する配線技法。
それらを合体させた不思議な物体が私の作品です。

 

主に国内外のアートフェアに作品を出展していますが、主にイタリアやスペインといったヨーロッパ諸国。
写真展示は国内、東京のみでしかありません。
なので今回大好きで住み慣れた大阪! そして生野区で展示ができるということが何よりも嬉しいことです。

 

テーマは「接続世界」
電気を通さないと動作しない作品を制作しているなかで感じる「接続、繋がり」とは?
機械は電気を断つと動きません。

人、環境、社会、あらゆるものとの繋がりや接続を断ってしまうとどうなるでしょうか?
この世界に溢れてるものは、人も含め儚くもとても脆い。
私が空中配線にこだわる理由は、脆さにもあります。
どこか人に似ているという点で制作しながら考えることが多いです。
目に見えないものも含め色々なものと繋がり、接続され、そして世界は機能し、此処に私たちが存在している。

 

面白いですよね。 アートには正解も不正解もありません。
私は古典アートではなく現代アートという、理解しにくく、よくわからないところに属しています。

 

皆様が私の作品を見て どんな感覚になるのか?
ゆったりした時間の中、色々なお話をし、作品に触れてみてください!
アートは気難しいものではありません。
気軽なものだと考えてもらえると嬉しいです!

ワタシ、中学2年生の時にアマチュア無線の免許を取得して、それ以来、電子部品が好きになって、日本橋の、無線機屋さん、オーディオショップ、ジャンクショップに通うようになった。大学生になると、すっかりその熱が冷めたが、働くようになって、パソコンブームになりだし、息子を連れて日本橋に遊びにいくようになった。また電子部品熱がでてきて、共立電子とか、部品やキットを買ったりしながら半田付けをして、電子工作したり、無線機を造ったり、スピーカーを造ったりして、楽しんだ。なので、「電子部品」による「接続世界」に興味あり。なのだ。ちなみに「球体」は、かつてワークショップでやった水圧転写という技術を使っています。

よろしければ、7月6日と7日の「まちのえんがわGallery&Bar【接続世界】」に遊びにお越しください。

 

Apple Watch

紫陽花の季節になって、梅雨が似合う花なのに、今年は梅雨がやってくるのかどうか。ここ二三日は気温が30度を超える日々で、半袖で歩いても暑いと感じる夏日。家に帰ると、ヒンヤリしていたので、リフォームの時の断熱材の効果か…とおもったら、「もう我慢せず、ゆるーく冷房入れたわ!」と奥方が云う。

そうそう時計を Apple Watch Series4 にして、5年以上が経過し、バッテリーが急激に減るようになって、省電力モードにしないと、夕方には使えなくなってきた。新しいのを買うか、バッテリーを交換しようかと迷って、とりあえず、先週の日曜日のお昼に、ミナミをブラブラするぐらいのつもりで、心斎橋のアップルストアーに行こうとすると、いまや予約がいるらしく、なので調べると、丁度、夕方の6時30分なら空いているという。ついでに、ミナミで軽く食事しようと奥方を誘って、夕方6時前に地下鉄に乗る。

ワタシにとっては、電車に乗る時に、アップルウォッチをかざして改札を通り抜けられるのが好みなのと、電話がかかった時に手首の振動で知らせてくれるのも好みで、それに少し前にVISAのタッチ決済ができるようになって、コンビニで、アップルウォッチをかざして買えるのも好みだな。それが、バッテリー切れになったり、アップルマークのままフリーズになって、地下鉄の改札でピコピコと音がなって制止されたり、電話に気付かなかったり、コンビニで決済出来なかったり、ここ数ヶ月に頻発している状況。

結婚式の時などに、アナログ時計を腕にしようかと迷う時もあって、ロレックスのエクスプローラーⅡを愛用していたが、年齢とともにになんとなく似合わなくなって、アップルウォッチにしてからは全く使わなくなった。もちろんアナログ時計の、モノとしてや作動の仕組みとしてのカッコ良さには憧れるし、いまでも欲しいなぁとおもうアナログ時計も二三あるが…..。それより、数年前のある日、奥方が、それやったら、息子にあげろっ!と号令がでて、数ヶ月躊躇し、次男に譲渡した。

アップルストアにいって、いつも建築的に気になるのは、こんなスタイルの商品の閲覧と接客の雰囲気がうまれる、テーブルの幅と長さと高さで、できた時に見た時は、流石、PC、iphone、Watchだけでなく、Shopもイノベーションだな…とおもった。ちなみに、ChatGPTで「アップルストアのテーブルの幅と長さと高さは何センチですか」と聞くと…..

と答えてくれた。

でも、ほんとかな?もう少し低い気もするけど….と、ググると、ITmedia NEWS  というサイトに、アップル新宿に関する2018年の記事があって…..

展示およびフリースペース用の机は、バージョンアップしたApple 名古屋栄でも採用されているオーク材で作られた、長さ250cm、幅120cm、高さ85cmで、14個設置されている。アメリカのApple Storeと比べて少し低く作られている。

それで、もう一度 ChatGPTに「日本のアップルストアのテーブルの高さと幅と長さは何センチですか」と聞く。

日本のアップルストアのテーブルも、他の国のストアと同様に、製品を見やすく、触りやすくするために標準化された寸法が採用されています。一般的な寸法は以下の通りです。
  • 高さ: 約92センチメートル
  • : 約105センチメートル
  • 長さ: 約210センチメートル

ただし、これらの寸法は標準的なものであり、店舗のレイアウトやデザインに応じて若干の違いがあるかもしれません。特定の店舗の詳細な寸法を確認するには、直接店舗に問い合わせることをおすすめします。

 

若い頃は、常にコンベックスとデジタル計測器を持ち歩いて、宿泊施設とか、店舗とか、トイレとか、カウンターの高さとか、あちらこちらで計測しては、スケッチしていたが、ここ数年は持たなくなった。デジタル計測器がとってもコンパクトになったので、また携帯しようかなぁ。というわけで、実際の寸法は、計測していないのでわからないが、店員さんに案内され、広いテーブルのハイスツールに腰掛け、腕のApple Watchを調べてもらい、結果、工場に配送されて一週間待つことになった。

テーブルの高さ850mmは昔のキッチンの高さで、最近は900mmが多くなってきたようにおもう。ちなみに、うちのキッチンはシンク側が高さ900mmでガスレンジ側は800mm。キッチンの立ち作業のような気分で商品を眺めたり、ハイスツールにちょっと腰掛けながらの接客が新しい感覚で、高さ700mmのテーブルとその椅子に、ゆったり座りながらの接客でないのが、エエのだろう。食事をする時などは、テーブルの幅が900mmを超えてくると、鍋を食べたりする時に、遠いように感じるが、見ず知らずの方々と一緒になる大きなテーブルでの閲覧や接客は、1200mmあると、対面の人との距離感が近すぎず遠すぎずで、その日、ワタシが接客されていた時に、対面に新しいお客さんが座って、その方の接客が始まったが、気になるようで気にならない距離感だった。

で、その検査等に同意するために、iPad上のサインを求められた。それが、「指」を使って、名前を書けという…..。あれほど、「アップルペンシル」という、凄い製品があるのに、店舗でのサインには、アップルペンシルが配布されていないのだという。Appleらしくないというか、いや、ビジネスとしての厳しい原価管理で、流石の組織だなと考えるのが良いのか。時価総額が世界第一位になったりする企業なのに…そこにはお金を使わへんのかい!と柔らかい大阪弁で突っ込んでみましたわ。

五月雨

中尊寺金色堂に行ったのは初めて。30年ほど前に、家族と車中泊をしながら東北旅行を企画した時に、その旅程に組み込もうと考えた時もあったが、私の中では、「夏草やつはものどもが夢の跡」という、寂しい俳句がこびりついていて、その当時は、もっとパワーを感じる場所を欲していたようにおもう。どちらかといえば「しづかさや岩にしみいる蝉の声」のような立石寺に行って、芭蕉が感じたような静寂を体験し、同じ「いまとここ」を共有してみたという気持ちの方が強かった。

それに「五月雨を集めて早し最上川」の俳句の印象も強く、私にとっては、五月雨は、最上川と結びついて、断続的な雨が降り続いた、ちょっとコワイぐらいの勢いがある最上川を見てみたいという気持ちも強かった。なので「五月雨」がしとしと降る「優しい雨」のイメージをすっかり忘れていた。

この6月2日と3日の二日間の第67回精親会総会と研修旅行「三陸震災遺構と平泉の旅」としての東北旅行は、ほとんどが大阪人で、その46名の半分以上が、東北に行くのが初めてなのに、この二日間が雨予報で、残念だなぁ…という気持ちが強かったが、一日目の三陸震災遺構と三陸鉄道の旅は、奇跡的に雨が降らず曇り空で、晴れ間と太陽は拝めずとも、この曇り空だけで満足度が高かった。2日の夜は、花巻温泉で、オーソドックスな宴会を催した。浴衣を着て、お膳が並べてあって、それぞれがお酒を注ぎに回る、昭和なスタイルは、いまや、こういうスタイルのコミュニケーションを体験する、ひとつの「体験イベント」のようなものだとおもう。

夜中にはそれなりの雨が降っていたらしいが、それなりのお酒を飲んで、全く気付かなかった。朝からは、どんよりした曇り空で、何時雨が降ってもおかしくない天候のなかで、バス移動をし、平泉の中尊寺に着いた時は、霧雨のように、しとしと雨が降って、傘をさして歩く天候。バスから降りる参加者には、微妙な空気感が漂っていたが、雨に濡れた石畳の階段越しに、金色堂の覆屋を眺めると、なんだかとっても「趣」を感じて、五月雨で良かったかも…..と、誰もが感じたとおもう。

五月雨さみだれふり残してや光堂」 この句碑の前に立ち、芭蕉が、この場所で俳句とした、その時の「印象」を、この五月雨のなかの金色堂を見学したことで、まるで「解った」ような気分にまでさせてくれた、そんな「五月雨」だった。

ちなみに「覆屋」に覆われた中の美しい「金色堂」を体験したあとに、もう一度石段越しの中尊寺金色堂の覆屋を眺めると、中の「光堂」の姿を想像できるようになって、この覆屋がなかった時は、美しかっただろうな…と想像するとともに、その盛衰の姿も想像できるようになった。現代的には、ガラスキューブの覆屋でもエエんとちゃぅ。なんていう建築的な想像もして、五月雨のなかを傘をさしながら中尊寺の坂道を下った。

総会な週

向かいのマンションとの目隠しのために植えられた、庭の、杉の枝が、伸び放題の状態が続いて、ここ数年、そのことに気に掛けてくれていた海平造園さんが、剪定をしてくれた今週。まるで伸びきって、「ぼったっ」とした髪を透かすようなイメージ。そういえば、二日間ほど雨が続いて、もうすぐ梅雨がやってきそうな気配が漂いだした今週。

コロナ以来中止になっていた、生野区の様々な団体の決算と総会と懇親会が続く5月と6月。生野区暴力団対策協議会という団体があり、右に生野区の警察署の方々が6名座り、左に生野区の建設会社の社長さんが7名座って、食事を共にしながら、情報交換をするわけで、長年、大坂城を見事に眺められるこの部屋で催されてきた。こうやって写真で振り返ると、戦国時代の「評定」のような気分だな。

生野産業会の定時総会が開催された今週。第79回とあるように、私も、先代先々代と三代にわたって引き継がれ参加している。今回は立食形式で、たまには立食パーティもエエなとおもう。いま飲食店でも、立ち飲み屋さんがちょっと流行っているらしいが、あちらこちらのシマを歩いて、コミュニケーションがとれ、移動をを楽しめるのがエエとおもう。最後は万歳三唱という昭和なスタイルで終えるのが定例で、これからの若い世代に受け入れられるスタイルなのかどうか。なんて考えてしまう、ちょっと高齢な立ち位置になりだしたが、2次会は、若い経営者5人と居酒屋で飲んで、楽しい時間を過ごした、その帰りのタクシーに乗り込むと、3人に笑顔とピースで見送られたのが、嬉しいような、年寄りを感じたような。

そして、今日の日曜日6月2日と明日6月3日月曜日は、木村工務店の社員と協力会社の精親会のメンバーとで、第67回精親会総会と研修旅行として「三陸震災遺構と平泉の旅」の真っ只中。その様子は社員それぞれが、ブログで伝えてくれるとおもう…..。

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