秋雨。

しとしと小雨降る日曜日の朝。ぽたぽた落ちる雨音聴いて。葉っぱの滴眺めて。珈琲飲んで。雨の静かな日曜日の朝も悪くない。同級生が副社長と専務を務める、株式会社せいき、キタバ薬局の60周年の式典に招かれて、朝から難波のスイスホテルに出向く。ここ5年ほど、富田林や狭山にある、サービス付き介護住宅やメディカルセンターや薬局の基本設計と現場監理だけを依頼されていて、工務店なので、本来的には、施工するのががメインなのだけれど、高校時代の同級生の依頼ということもあって、富田林にあるミトハウジングさんが実施設計と施工を担当し、弊社木村工務店が、計画と基本設計と現場監理を担当するという、ちょっと変則的な組み合わせで仕事をしている。

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専務を務める高校時代の同級生のイコマくんが、勤めだした30年前は、社員5人だったドラッグストアーが、今は、調剤や介護までトータルなサービスを提供する社員400人の会社に成長し、60周年を迎えたという。とってもエエ雰囲気の祝賀会だったが、うちは、創業数年後から、社員15人ほどの、ほぼ同じぐらいの規模のまま、今年、80周年を迎えたわけで。「過去は過去、未来に向けて、今頑張ります」と語る、87歳になる元気なキタバ会長のオーラに触れながら、会社規模のコト、社員のコト、経営理念のコト、などなど。木村工務店の、「いまとこれから」を考えさせられた、昼の祝賀会だった。

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先週、まちのえんがわワークショップの打ち合わせに、建築家のイシイリョウヘイさんがお見えになって、あれやこれやとお話をする。先月、建築家仲間で、コルビュジエを見るフランス旅行をしたそうで、その新鮮な印象のあるうちに、ドミノハウスへのオマージュということになるのかどうか、「ドミノワゴン01」という、ランバーコアーによる、ワゴン製作のワークショップを開催するコトになった。

ちなみに、ドミノシステムというのは、コルビジェが提唱した、鉄筋コンクリート造の床(水平スラブ)を支える柱、そして上下階を結ぶ階段という最小限の要素で構成された部材によって、住宅を大量生産するために考案されたシステムのこと。

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串カツを食べながら、リョウヘイさんが、お父さんでもある建築家のイシイオサムさんのコトに関して、「土」というキーワードを話題にだして、それは、左官屋さんの素材として使う「土」という感覚より、「大地」の、「土地」の、「土」という感覚で。「緑」ではなく「土」なのだとい話題だったが、それが、とっても面白く、「土」のコトを、改めて考えさせられる夜となった。
そうそう、その時、なぜか、今月号の新建築に掲載されていた、「空間には外部と内部の差は存在しない」「空間が人間に喜びを与える」という、槇文彦さんのカッコエエ、コトバを想い出し。同じく今月号のモダンリビングに掲載されていた、「外観は精神に、内部は感覚に。建築はそれぞれ人間の別の面に働きかける」という、ほぉー、なるほど…..と、五感を呼び覚まされる、藤森照信さんのコトバを想い出した。

まちのえんがわワークショップも、今年も残り、2ヶ月半ほどになり、木村工務店の建築写真を撮影してくれている、建築カメラマンの多田ユウコさんによる、日光写真のワークショップが10月22日にある。11月5日は、ランドセルを製作している生田工房さんとのコラボレーションによる、ランドセルを掛けるランドセルスツールを製作するワークショップがあり、11月19日には、生野の日空き家プロジェクトの、ちょっと大きいめのイベント事があって、11月26日は、毎年恒例の建築家のヤベさんによるケンチクイスのワークショップがあり、12月10日も毎年開催している田中共子さんによるステンドグラスワークショップ。12月17日は、これまた恒例のあそび菜さんによるピザのワークショップがあって、今年が終わる。来年になると1月にお餅つきがあるので、建築家イシイリョウヘイさんによるドミノワゴンとレクチャーは、来年の2月開催予定となってしまった。

梅雨のように降り続く秋雨。10月15日16日は、地元、清見原神社のお祭りだが、雨だな。年末に向かっている、微妙な気配が、なんとなく押し寄せてきて、来年の予定も、ちらほら入りだした。会社のコトを考えさせられた祝賀会。建築のコトを考えさせられた縁側噺。そんなこんなで、じょじょに秋が深まっていくのだなぁ…..。

投稿者 木村貴一 23:59分

ベルリン混浴サウナ

連休初日の朝。
土曜日の夜に、自転車のアルテグラのリヤーギヤーを11-34に変えてみた。「子供ギヤー」と呼ばれる14-28を使っていて、だいたい11など使って、早く走ることなど、ほとんどなく、自転車を新調した1年前、ウィリエールのキタムラくんの勧めもあり、14-28を使うことになったが、年齢を考慮すると、それはそれで、満足するギヤーだった。が、人間というものは、「欲」が、勃発してくるわけで、登りでは、やっぱりもうひとつ軽いギヤーの32ぐらいは欲しくなり、それに、下りでは、14は辛く、11や12があればエエのにと、それとなく、欲してくるのだった。

自転車の雑誌で、14-28と11-32を組み合わせて14-32にする記事があり、いかにも、「おっさんギアー」的で、私に合いそうだなぁ。とおもっていたが、先日、安曇野で一緒にライドした、やまめの学校のタカギさんは、スラムの34を使っていて、アウターで34を使って、クルクル回しながら、緩い登りを軽快にライドしていた。何度かコーチングしてもらいながら、回すコツを伝授してくれたが、そうそう、面白かったのは、手の指の使い方で、武道を参考にして、指の握りと、足の回転と呼吸の説明が、とっても面白かった。格好つけずに、大きいギヤーを使ったら良いのですよ。と勧めてくれていた。

34を使いそうな、劇坂をアタックするつもりもないので、11と34は、私には必要なさそうで、14-28と11-32を組み合わせて14-32にする方に魅力を感じていたが、キタムラくんやタカギさんの勧めに引っ張られて、11-34を試してみることになった。それで、今朝、早速、十三峠で、試乗をしてみることにしたが、なぜか、ショップではうまく入っていたギヤーが、入りにくい状態で、カシャカシャカシャカシャ騒がしい状態になっていた。それに登り始めると34には入らず30と27と25で登ることになり、ギヤーを変えたからといって、早く登れるはずがないことを、ひしひしと実感しながら、峠の駐車場に到着した。そんなこんなで、なんとなく、そのまま乗り続ける気分でもなく、ギヤーを調整するために、家に戻ったのは、午前8時すぎだった。

で。連休初日の朝だし、自転車に乗る気分が、そがれたこともあり、久しぶりに、夫婦で、スーパー銭湯の朝風呂に行くことにした。内風呂に入り、天然温泉の露天風呂に入り、サウナに入り、水風呂に入っている時に、ベルリンで入った混浴サウナの事を想い出した。

ベルリン在住のユウトが、ベルリンの vabali spa という混浴サウナが、とっても雰囲気が良く、頻繁に利用しているし、こんなのが、日本にもあれば、エエのに…..。という強い勧めもあって、日本人の50代30代20代男性4人が、ドイツの混浴サウナに紛れ込んでいるという、妙な絵面だったかもしれないが、貴重な体験として、またチャンスがあれば、訪れてみたい気分が、残像を伴いながら、旅の良き想い出として残った、ベルリンの混浴サウナだった。

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アジアンテイストな雰囲気のサウナだったが、日本のスーパー銭湯に、いろいろなタイプの、入浴できる温泉が、内風呂や露天風呂として造ってあるように、ベルリンの vabali spa は、いろいろな雰囲気のサウナが、何カ所もあり、中庭のプールを囲うように配置されていて、小屋風呂的サウナや2階の展望風呂的サウナなどなど、様々な嗜好で、何カ所もあった。リゾート的に寛げるベンチベットがあちらこちらにあり、暖炉のあるリラックスルームもあって、食事の出来るレストランは、プールサイドの屋外も含めて、リゾート感とリラックス感が充満していた。

サウナの中では、男女全員が、フルオープン状態で、なので、プールもフルオープン状態だが、プールサイドやリラックスルーム、食事では、白いガウンを着用して、皆が寛いでた。イヤラシい雰囲気は全く感じられず、ヌーディスト村的ヒッピー感も皆無だった。「私」は、すぐに馴染んだが、20歳の次男タカヒロは、どんな印象をもったのだろうか。最初はドキドキしたらしいが、暫くすると、どーってことなくなった。とは語っていたが…..。

サウナのロウリュウタイムを隣り合わせの男女が、フルオープン状態で、ギュウギュウ詰めになりながら、一大イベント的に、皆で一緒に楽しみ、何も身に付けていない開放感を味わいながらプールで泳ぎ、白いガウンを着て、プールサイドで、寛ぎ、ビールを飲み、オーガニックな食事を食べて、静かで、寛いだ、とっても良い時間を過ごした。男女混浴風呂が、フツウに存在する日本では、こんなベルリン混浴サウナのような、リラックス感のある施設は、受け入れられるのだろうか。建築的にも、日本で造ってみたい気分にさせられた、サウナと混浴の体験だった。

投稿者 木村貴一 23:05分

授業。

関西大学の木造設計製図という授業があり、それを手伝うようになって、9年ほどになる。ここ数年は、後期の前期という2ヶ月半ほどの短い期間だが、週一回の授業があり、その3回生の履修する生徒に対して、最初の授業で、建築家で構造家のシモヤマさんによる、構造的な考え方をレクチャーする授業がある。それが、うちの社員にも聞かせてあげたいような、面白い内容で、日常の生活のなかにある構造的センスを養うための「構造的な見立て」を教えてくれるレクチャーで、そのレクチャーが今週の火曜日にあった。

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以前にも、現場ブログにお書いたこともあるが、缶のスコアーといわれる、丸い部分が、左右非対称になっていて、もし左右対称なら、プルタブを引き上げた時に、左右均等に力が入って、スコアーといわれる、丸い部分の蓋が、そのまま缶の中に落ちてしまう。それを、左に対して右の円弧を大きくすることで、プルタブを引き上げた時に、左から順次に力がかかり、円に沿って右に力が移動していくので、丸い部分の右端にスコアーといわれる蓋がくっついて残ったままになり、蓋の落下をふせぐ。なんていう、日常にあるモノに、構造的な考え方が潜んでいることを学ぶ。

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ピザの食べ方では、左は構造的なセンスがある食べ方で、右は構造的センスがない食べ方だという解説があって、構造的な視点だけの問題で、どの食べ方が良いとか悪いとかではなく…..、という断りもありながらの解説だったが、紙の端を手で持って、そのまま人に渡そうとすると、ペラッと下に垂れ下がって、渡せないが、少し湾曲させることで、構造的に強度が出て、垂れ下がりが少なくなり、手渡し出来たりするわけで、ピザも、食べるときに、左の写真のように無意識的に湾曲させて食べていたりするのも、ペラッと下に垂れ下がらないようにするための知恵だったりする。

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折板屋根なんていうのは、金属の薄い板を、折り曲げるコトで、強度が増し、長いスパン、垂れるコトなく、施工できる、金属屋根のコトで、ピザを折り曲げて食べる、構造的な考えと基本的には同じだという、なるほどなぁっ…..という説明。

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シャープペンの芯を仕舞う時に、左の写真のように真っ直ぐ立てて、慎重に仕舞うのが通常で、右の写真のように仕舞おうとすると、いくら慎重にしても、すぐに芯が折れてしまう訳で、シャープペンの芯は細いので、長さが長くなると、すぐに、「座屈」といわれる現象を起こす。真上から小さな力で、ゆっくりと力がかかると、大丈夫だが、右の写真のように斜めから力がかかると、小さな力でも、あっという間に折れる。私の解釈だが、大地震の時に1階の柱が座屈したりするのは、地震力の横からの力で、1階の柱が傾いて、その時に、2階の重い加重が上からのし掛かると、右のシャープペンのような状態になって、ポキッと折れたりする。そんな現象をイメージしながら授業を聴いた。

日常の中で、なんとなく、無意識的に、構造的な感覚に、触れていたりするのを、シモヤマさんの、こんなシャープペンのレクチャーで、喚起されたりし、そんなネタが、まだまだ、あれやこれやとあって、学生と一緒に、真剣に聞き込んだ、レクチャーだった。それにしても、構造がほんとに好きなひとが語った話を聴いた、その数日は、日常に潜む構造好きになっているのだけれど、数日したら、忘れてるね….。自分のコトを、日常的に、想起するって、いつまでたっても、ムツカシイもんだなぁ。

そういえば、関西大学の木造設計製図で、最初の年に教えた男子生徒が、設計事務所に勤め、その後、独立し、木造住宅を自ら設計した建築を、木村工務店で施工することになって、この9月に上棟式があった。そのうえ、施主の奥さんは、同じく、最初の年に教えた、女生徒で、設計事務所に勤めたが、結婚し、専業主婦として子供も授かった。設計が教え子の男子生徒。施主が教え子の女生徒。その施工。とっても嬉しい、上棟式だった。thanks!

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投稿者 木村貴一 23:59分

台風と成り行き任せ

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先週の日曜日の朝、日本列島に台風が接近するという、その情報が、日本列島中を駆け巡り、丁度その日曜日と月曜日の連休を利用して、以前から、長野県安曇野に、自転車を乗りに行こうと、ウィリエールのキタムラくんに、誘われていた。それも私たち夫婦との3人で、行こう!という計画だったが、折しも、一週間前から、台風接近の予報が、ガンガン報道されているので、キャンセルするのか、決行するのか、計画を練ってくれているキタムラくんは、やきもきしながら、時折、メッセージを送ってきて、私たちの意向を聞いてくれていた。

台風情報は、誠に有り難い情報で、特に、工務店を生業とする私たちにとっては、現場の足場養生を、台風接近に合わせて、業界で、「台風養生」という、シートを足場に巻き付けて、風の勢いを逃がす方法をとるのが、一般的で、そんな意味では、その台風が、直撃するかしないかに関わらず、現場がある地域に影響を受ける可能性の報道がなされると、有無を言わず、台風養生をするのが、当たり前のコトなのだろう。

ところが、プライベートな旅となると、これが、微妙で。宿泊予定の旅館では、1週間前からキャンセルフィーが、発生しますよと、云われていて、台風接近という事情があるのなら、別の日程に変更して頂いてもよろしいですよ。という、親切な提案もあったが、生憎、お互いの予定が合う日が全くなかった。なので、選択肢は、台風接近で、自転車も乗ることが出来ないので、キャンセルフィーを支払うか、台風などお構いなしに、決行する!と決断するのか、どちらかに迫られていた。わをかけて、テレビは、連休中のレジャーは控えて下さい。とまで、警告している状況だったので、世の中全体が、中止等の控え目なムードが充満していた。

「成り行き任せ」というのが、旅を楽しむ、ひとつのスタイルとしてあるわけで、キャンセルフィーがおもいのほか、高額だったので、それが、もったいない、と思えてくると、可能な選択肢は、十二分に安全に配慮して、台風は台風なりに、雨は雨なりに、その状況を楽しみながら、旅をすることしかなく、また、そんな経験は、いままでに、何度もあったので、そんなに躊躇することもなく、成り行き任せと状況判断という旅として、予定通りの時間、午前5時に、家を出発することに決定したのは、前日の夕方の出来事だった。

台風接近の日曜日の朝5時の大阪は、ほんのちょっとした、いわゆるパラッとした雨が降っているか、降っていないかの曇天の空模様で、台風の風も穏やかだった。そんな状況だったので、フツウに、車をドライブすることになったのだけれど、事前の台風情報というのが、人間の心理に与える影響は絶大で、名神も東名も中央道もガラガラで、それゆえに、皮肉なことに、とっても快適なドライブとなっているのが、不思議な気分でもあった。

流石に、安曇野に到着すると、しっかりと雨が降っていた。もちろん、自転車に乗ろうとする気分など、まったくなく、なので、安曇野インター手前の、サービスエリアで休憩をしながら、スマホを見て、計画を考え、わさび農園に見学に行こう!と提案した。黒澤明の夢という映画があり、世間的な評価は、芳しくないのかもしれないが、「私」は、好きな映画のひとつで、以前より、そのラストシーンに出てくる、清らかな川と、水車と、山々と、緑豊かな日本的な景色の、その場所に、機会があれば、訪れてみたかったので、丁度良い、「ご縁」となった。

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しっかりと雨が降っていて、傘をささないといけない状況なのに、開園すぐにも関わらず、おもいのほか、観光客が沢山いるのには、それなりに驚いたが、多くのひとが、傘をさしてまで、見学している姿と、その勢いに、素直に便乗することにし、私たちも、傘をさして、園内を見学し、お土産として、わさびの入った、さまざまな食べ物をゲットするコトになった。

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それでも、まだ、午前11時前で、お昼までには、まだ、時間があり、雨は止みそうになかったので、ちひろ美術館に行くことを、成り行き的提案としてみた。内藤廣設計で、建築として、一度は、行ったみたい美術館だった。岩崎ちひろのコトは、ほとんど知識がなかったが、皆の、この雨だし、そうしよう!という、成り行き的共感のもと、小雨のなか、訪問してみると、想像以上に、沢山の人で、賑わっていた。そんな賑わいによって、気分も盛り上がったのだろう、建築も庭も展示も見学者の寛いでいる雰囲気も、どれもがエエ感じに見えた美術館だった。孫イッケイの絵本をゲットし、キタムラくんが、事前に計画してくれていた、坂本屋さんという古民家を改修した鰻屋さんで、食事をすることになった。こんな状況下では、雨のエエ美術館と、雨の美味しい食事と、エエお土産というのが、気分を盛り上げてくれる、大切な要素なんだろうな…..。

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鰻で満腹になった昼下がり、キタムラくんが、マウンテンバイクのプロとして、アメリカで、転戦していた時の知り合いだという、カイジョウさんが、代表をつとめる、クロマグジャパンの、蔵を改修したショールームが、安曇野インター近くにオープンしたばかりだということで、訪問することになった。これも、雨のお陰なんだろう。マウンテンバイクのコトは、全く無知で、初めて、クロマグというカナダの自転車メーカーとその製品を知ることになったが、製品もカッコ良かったが、なによりも、サドルやフレームの展示の仕方が、カッコ良く、珈琲を頂きつつ、カイジョウさんを含めて、皆で、あれやこれえやと、コミュニケーションをし、超太いタイヤのマウンテンバイクにも、試乗させてもらえて、なんか、エエもん、見たなぁ…..。なんて気分になった。

時間つぶしだったのか、成り行きだったのか、それはともかく、雨故の安曇野になり、なんだかんだで、午後4時になっていた。なごみ野というお宿に到着し、早速、温泉に入って、湯上がり気分で、ロビーを通過すると、キタムラくんの、アメリカ転戦時代の、友人だという、現在もプロライダーの、やまめの学校のタカギさんが、キタムラくんを尋ねて、宿まできてくれていて、四方山話をしている、真っ最中だった。なんでも、台風で、スクールの予定が中止になって、明日も、時間が空いているらしく、明日が、天気なら、安曇野の裏道を案内しながら、うちの奥方のために、スクールをしますよ!という、コトだった。

翌日は、台風一過の秋晴れになり、前日の夕食が、とっても美味しく、まったく、期待していなかっただけに、とっても、特した気分の、朝になった。安曇野の、収穫前の稲穂が揺れる秋晴れの景色と、地元の裏道案内と、ロードバイクの乗り方スクール付きという、予定外の幸運に恵まれた奥方は、坂道では、プロライダー2人に、交互に背中を押してもらうという、オマケまで頂戴しながら、一年ぶりのライドにも関わらず、なんとか60kmを走破した。成り行き任せの連休が、さまざまな印象をもたらす旅となり、妙に記憶に残る台風となってしまった、なんだか不思議な連休になった…..。

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投稿者 木村貴一 23:59分

高野山と。

台風が接近し、週末の連休の予定が、ガタガタしている、日曜日。

今週、京都で、ご夫婦で設計事務所をしている、アルファヴィルのヤマモトさんから連絡があり…..。

一昨日、きのくに建築賞の第二次公開審査が行われまして

おかげさまで最優秀県知事賞をいただくことができました。

この賞は「きのくに」らしさがテーマでしたが

木造の繊細な骨組みが実現されている上で

宿泊客の方、オーナーの高井さんに現在も大変大事にされており

高野山という秘境を世界に紹介する一助となったことを

評価頂けたようです。

また会場に来られた方の一般投票部門でも一位の

「きのくに県民賞」をいただくことができ、ダブルの受賞となりました。

施工者の方宛ての表彰状を預かっておりますので

おって郵送で送らせていただきます。

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それが、先日、録画をしていた、「ブラタモリ」を視ると、高野山の特集で、高野山は空海が造ったテーマパークである。というお題が面白く、なるほどなぁ~、そうか、テーマパークなのかっ。とおもいながら、視た。確か、小学校5年生だったとおもうが、林間学校があり、それが高野山で、宿坊に泊まった想い出と共に、その時に、肌で感じた、独特の空気感のようなものが、体の記憶に残っていて。大学生になると、ある時、曼荼羅の絵図を見て、密教や空海を知るようになって、再び、あの小学生の時に宿坊に宿泊して感じた高野山の空気感を想い出したりしたものだ。

結婚をし、長男が生まれ、まだ、次男が誕生するまでの、ある日、うちの奥方と子供連れのドライブで、高野山に行き、奥の院などを散策し、和歌山方面に向かって、湯ノ峰温泉に入って、あ~エエ湯だなぁ~。という旅の想い出もあるが、その時は、空海のコトも、あの時感じた高野山の空気感のコトも、すっかり忘れて、ドライブと散策と温泉を楽しむ家族旅行の通過点となっていた。

それが、何年か前に、次男と奥方と3人で、室戸にある、星野リゾートのウトコ オーベルジュ&スパに宿泊することになり、その時、部屋に置いてあった、空海の本と、その近くの、御厨人窟に訪れて、暫くぶりに、空海に遭遇した気分になった。ホテルの部屋から、ソファーにゴロッとして、海の景色と空の景色を眺めながら、本やウィキペディアに書いてある…..

室戸岬の御厨人窟で修行をしているとき、口に明星(虚空蔵菩薩の化身)が飛び込んできたと記されている。このとき空海は悟りを開いたといわれ、当時の御厨人窟は海岸線が今よりも上にあり、洞窟の中で空海が目にしていたのはだけであったため、空海と名乗ったと伝わっている。

なるほど、「空」と「海」か…..空海か…..。と、なんとなく、その心情を垣間見た気分になれたのが、新鮮な記憶として、残っていて、ブラタモリを見ながら、ウトコの宿泊施設と御厨人窟を想い出し、空と海のコトを、再び想い出させてくれた。

高野山ゲストハウス kokuu」を、大阪市内に拠点を持つ木村工務店が、高野山で施工することが出来たのは、施主のタカイさんのご厚意で、ご実家のお寺の宿泊施設をお借り出来たことや、当時、うちに在籍していた、和歌山県出身の現場監督のツジモトくんの、頑張りと才能によるところが、大きかったが、大工のセンさんも、遠いところにも関わらず、嫌がらずに仕事をしてくれたのも、大いに助けられた。もちろん、木村工務店の精親会の協力会社の方々が、大阪から、わざわざ足を運んでくれたお陰であって、竣工して5年ほど経つが、あらためて、この場をかりて、皆さんに感謝したいとおもう。

そういえば、大阪からロードバイクで、高野山のゲストハウスまで、泊まりに行く。という計画は、暫く、忘れていたが、これを機会に、いつか実現したいものだなぁ…..。

投稿者 木村貴一 0:15分

良い時間をワークショップする

タイルワークショップがある、ちょっと暑い、日曜日。

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ワークショップを続けて、6年目になるが、杉板のトレイに、タイルを貼るワークショップは、最近のワークショップでは、もっとも人気があるワークショップで、その20名ほどの参加申し込み者の全員が、女性で、もちろん、家族連れで参加されるので、ご主人と一緒の方も二組ほどいらっしゃったが、ものづくり大好き女子の、穏やかで、でも集中力のあるムードが、加工場に充満し、この雰囲気の中に、一緒に居るのが、楽しく感じる、そんなワークショップだった。

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最近のワークショップの特徴のひとつに、孫さんを連れて、一緒に、ものづくりをされる、「ちゃーちゃん」の姿があり、「私」も孫を持つ身分になってみると、その気持ち、わかる、わかるわ~的、共感度があり、それに、ものづくりをしながら、孫さんとコミュニケーションする姿が、とってもエエ感じで、そのうえ、女性参加者の多くが、隣の参加者と、手を動かしながら、ちょっとした会話を、穏やかにする姿が、あちらこちらにあって、なんとなく、むかしむかしの映画で、共同の水場で、洗濯物をしながら会話をする母達の姿であるとか、皆で、協働作業をしながら、会話をかわす、笑顔の女性達の姿など、そんなのが、映像として、脳裏をかすめていき、そういう、ものを、造る、その時間が、楽しく感じるコトに、その時出来上がった「もの」以上の価値を、ワークショップのひと時に、見いだせたりできるのが、ワークショップの最大の魅力なのかもしれない。

そんなふうに、考えたりするのは、コペンハーゲン郊外の、ルイジアナ美術館での、4時間ほどの印象が、「私」の一部に深く刻まれて、残っていて、それは、素敵な美術作品が見られる素敵な美術館という、印象ではなく、美術作品を見て、その時間を楽しく感じて、良いひと時を過ごした、そんな「私」を実感できる、そんな美術館の建築であったことが、印象深く刻まれた原因なのだとおもう。

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それは、とってもエエ感じのミュージアムカフェで、美術館に訪れた多くのひとが、足を止め、海を眺められる景色を見ながら休憩し、オーガニックな食事をし、珈琲を飲み、ビールを飲み、談笑する姿を、皆で共有する雰囲気があって、そのミュージアムカフェの印象度が、美術館で良い時間を過ごした、印象深さへの、貢献度を、かなり大きくしているのだけれど、勿論、美術作品を、集中を途切れさせず、飽きさせず、魅せる、建築空間と、その移動空間の建築的作法が魅力的でもあったが、美術館の建築に、建築家的ヒロイズムが少なかったのが、美術館で過ごす心地良さに、繋がっていたのかも知れない。

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「良い時間を過ごす」コトの大切さを感じたり、良い時間を過ごすための建築空間としての在り方を考えさせられた、ルイジアナ美術館でのひと時であり、ワークショップを楽しむ女性の姿によって、ワークショップの在り方を、考えさせられた、日曜日のタイルワークショップでもあった。

投稿者 木村貴一 23:42分

テラスハウス と 編集

風に、秋の気配を感じる日曜日。

住宅相談会のある日曜日で、午前中のAさんご夫妻は、生野区で新築予定だが、大手ハウスメーカーと弊社で、迷っておられて、平面計画は、うちのプランが基本になっているものの、でも、奥さんは、ハウスメーカーの外観デザインが好きだそうで、それで、うちの計画案の外観を、ハウスメーカに似せたデザインにするために、あらためて、最近のハウスメーカーのデザインを勉強し、外観をリメイクして、提案した。

午後からのBさんご家族は、住吉区でリフォーム予定で、4軒長屋の真ん中の1軒に住んでおられたが、最近、隣の家を購入し、それで、その2軒をリフォームして住みたいというご相談。1歳ちょっとのお子さんと犬と猫がいる住まいで、いまの住まいの、古い床のフローリングの上に、自分たちで、コーナンで買ったツーバイフォー材を釘打ちして貼って、住んでいるという。そういうDIY好きなひとが増えているのは、確かで、そういう方々と家づくりを考えるのは、それはそれで、とっても楽しい打ち合わせでもある。

午後からのCさんは、茨木市で、現在お母さまが住む、コンクリート造3階建ての一戸建て住宅に、ご夫妻で引っ越してきて、2世帯住宅として、住もうとする計画で、木の家を設計と施工が出来る工務店をお探しとのコト。よく考えて練られた手書きの、平面計画を持参されて、ご自宅をグーグルのストリートビューで見ながら、打ち合わせを始めてみると、あれやこれやと気付く事があって、それで、その場で、修正液とペンを使って、設計のタナカくんと一緒に、そのお客さんの平面計画を「編集作業」し、キッチンの位置関係とか、収納の寸法とか、開口部とかの、微調整を繰り返しつつ、お客さんの意見を聞きながら、即興で、プランを作成した。そんな「セッション」のような打ち合わせが楽しかったりする。

ところで、ここ最近、夜の時間に、Netflixのドラマを見ていて、お恥ずかしながら、テラスハウスのハワイ編を見始めると、それはそれで、年甲斐もなく、面白いとおもう「私」がいて、スポンサーがなく、視聴率がないのが、製作者や出演者に、良い環境を与えているのだろうか…..?。筋書きがないドラマを、視聴してもらえるドラマとして成立させるために、「ものづくり」する人たちは、さまざまなコトを考えているのだろうね。

まず、良い環境を提供するコトの大切さがあるのだろう。海とダイヤモンドヘッドが眺められる場所の選定が重要なのだろうし、なによりも、この家は、このドラマのために、少々のリフォームは、しているのだろう…..?。居心地の良いダイニングとキッチンがあり、リビングやプレールームやお洒落な2段ベットの男女寝室、それにプールまであって、それとエエ車。そんな、さまざまな、「居心地の良い場所」が、ドラマを産む土壌になるのだろうな…..。

リングに放り込まれた格闘家のごとく、もしくは、JAZZのセッションのごとく、選び抜かれたメンバーが、アドリブで、ドラマを生み出してるのを視ていると、製作者は、その人選と、その組み合わせに、あれやこれや、悩みながら、決定するのだろうし、なによりも、好意をもって視られるドラマとして、成立させるために、映像の撮り方とともに、ストーリー性を持たせる、編集作業が、何よりも大切なんだろうなぁ….と考えてみたりして。今となっては、むかしむかし、マイルスが、イン・ア・サイレントウエイで、アドリブのセッションを繰り返し、それを、プロデューサーのテオマセロが、音を繋ぎ合わせて、編集し、レコードアルバムとして発表した、当時としては画期的な、レコード製作の話を、おもいだしたりした。

観客のようでもあり、解説者のようでもある、芸能人のトークが、このドラマの中に組み込まれているのが、感じ方や考え方の、共感や反感を助長させて、面白く、音楽のライブ版の観客の声援のようなものだろうし、かつて、出演した、ビフォーアフターの製作現場や、その撮影過程から、編集作業を経て、出来上がった映像と、その映像を視て観客のごとくトークする所さんがいて、それらが、ひとつになって、番組として成立していたことを想いだし、その恋愛版のごとき、製作手法なのかと、おもいながら、そんな「ものづくり」の立ち位置としても、楽しんだ。

建築の計画も、機能性やデザイン性や居心地などなどを、パッションと共感と違和感を、アドリブとして、コミュニケートしながら、その場で、その編集作業をアドリブとして、繰り返し、計画していく時代なのかもしれず…..。なんてことを、きっと、この微妙に、秋を感じる風が、脳に刺激をあたえて、考えさせたのかも。

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コペンハーゲンで観た、公園の地下にある、かつての貯水池を、建築家の三分一さんが、インスターレションした場所があって、それが、素晴らしく。すでに、価値を失った、デンマークのモノに、日本的な建築手法を駆使して、あらたな価値を与え、表現された、闇と光が、とっても美しく、少し誇らしく感じた時間であり、価値を失った古いモノに、さまざまな編集作業を通じて、新しい価値を与えるコトの大切さと、その時代性を感じた時間でもあった。

投稿者 木村貴一 :23:26

ソーメン と ラーメン

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ワークショップとして、流しソーメンを催す日曜日で、ここ5年ほど、毎年やっているので、何~となく、今年もか…..的マンネリ感もあったが、いざ、始まって、ソーメンを、竹で流して、食べ始めると、やっぱり不思議に上手いし、楽しい。何でなんだろうかね…..。ソーメンが、ばらけて、さらさらになって、流れることで、ソーメン一本一本の味が引き立ってくるのだろうかね。やる前より、やって良かった、食べて良かったともうのが、流しソーメンだったりする。

ソーメンを食べながら、ベルリンで食べたラーメンをなんとなく想い出した。ベルリンの3日目の夜の食事をどうしようかということになった。メンバーは、長男タカノリと次男タカヒロとベルリン在住ユウト。この二日間、ドイツ料理を食べたが、ソーセージの印象だけが強く、それ以外で、取り立てて、記憶に残るほどの料理を想い出せないし、そういえば、オオサカで、ドイツ料理の店をチョイスした経験がないほど、ドイツ人は、案外料理に、無頓着なのかもしれない。やっぱり、ビールが上手かったなぁ。が、ドイツでの食事の第一印象なんだろう。そんな理由もあって、ユウトが、イタリアンでもフレンチでもなく、ラーメン屋さんに、案内してくれた。

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お店が点在する道を散策しながら歩いて、右折れした、左角に小さな公園があり、その公園の前の右角のビルの1階に、ラーメン屋さんがあって、行列が出来ていたのには、少々、驚いた。日本でも、私は、ラーメンを並んで、食べたことが、あまりないが、30分は並ぶ気配だったので、一瞬、別の店の選択肢も考えたが、ドイツ料理のイメージが脳裏をよぎり、満場一致で、ラーメン。と決定し、並ぶコトになった。日本人な雰囲気のひとも数名いたが、西洋人ばかりが並んでいた。ほんとうに、ヨーロッパでも、ラーメンが、人気なのだと、実感する瞬間だったが、その時、タカノリの携帯に電話がかかり、それは、タカノリの奥さんからで、第二子が、産気づいて、大急ぎで、うちの奥方に送ってもらって、病院に向かう!!!という、一報だった。

IMG_487415分ほど店の外で並び、15分ほど店の中で並んで、中の席に通された。カウンターがあり、日本人の男性2名がカウンターの中で、日本語で、会話しながら、ラーメンを茹で、日本人の女性スタッフ2名が、テキパキと、そのコトバに反応しながら、給仕していた。日本のラーメン屋さんそのもので、奥に4人掛けの席が4つほどあったが、そのさらなる奥が、中庭になっていて、そこには、かなりの席に、かなりの、ウエスタンなお客さんがいた。中庭の席が、いかにも、ヨーロッパなラーメン屋さんのようにおもえて、なんとなく笑みがこぼれてきた。

 

沢山のお客さんがいて、ラーメンが出てくるのに、時間がかかりそうだったので、ビールと餃子を頼んで、時間を待つことにした。日本人の女性のカワイイ店員さんに、どのラーメンがお勧めかを尋ねてみたくなったのは、英語もドイツ語も、まともに話せないので、レストランで、お勧め料理は何かを聞けないフラストレーションが溜まっていたからだとおもう。それに、醤油も豚骨も味噌も、あらゆる種類のラーメンがあるのが、なんでもありね的ラーメン屋さんで、そんな店を開こうとしたことが、ベルリンで、ビジネスとしての成功を目指す、意気込みだと、解釈したい気分だった。ワタシは、トンコツがお勧めですね。と、日本人女性の柔らかい日本語で喋ってくれたので、二言三言の会話をはさんで、ほんだらぁ、それにするわぁ!と、柔らかめのベタなオオサカ弁で、応えることにした。

ラーメン屋さんの店前に到着してから、ほとんど1時間後に豚骨ラーメンと対面したが、丁度、その瞬間、タカノリの携帯電話が、バイブし、フェースタイムで応答しながら、産まれたわ!とタカノリが、喜びの声を発した。IMG_3629第二子男児誕生の瞬間で、フェースタイムの写真が送られてきて、それを4人で一緒に見て、ベルリンのラーメンを食べながら、「おめでとう!乾杯!」と、喜びのラーメンをすするという、とんでもなく、貴重なラーメン体験になった。

もちろん、タカノリも笑顔。「私」も笑顔。だが、でも、出産に立ち会わなかった、こんな、お父さんで、エエのだろうか。こんな、お祖父さんで、エエのだろうか。と、少々、後ろめたいキモチが、瞬間風速のように、襲ってきたが、それは、それはそれで、奥方が、勧めたからで…..、と、曖昧なコトバを駆使して、その風速を打ち消しながら、ラーメンを食べる、親子の姿が、ベルリンのラーメン屋さんだったというのが、ちょっと笑える光景だったのかもしれない。それにしても、タカノリ奥方と、うちの奥方には、感謝しておこうとおもう。

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流しソーメンそのもの以上に、流しソーメンを通じた、いろいろなひととの、コミュニケーションが、楽しかったりするわけで、ベルリンラーメンも、フツウに美味しかったが、それ以上に、その時、交わした、あれやこれやのコミュニケーションが、とっても印象深い出来事となった。

投稿者 木村貴一 :23:59

ベルリン と コペンハーゲン と オオサカ

お盆休暇が17日で終わり、流石に、18日金曜日と19日土曜日は、打ち合わせでバタバタlし、それで、土曜日、唐突に、「日曜日日帰りしまなみ自転車」のお誘いがあったが、流石の流石に、体が気怠く、早朝に目が覚めることもなく、ぐっすり寝入ってしまった。旅行中の食事と、飛行機は、エミレーツのドバイ経由での、食べて、寝て、ビデオ見ての飛行で、帰ると、2kgほど、体重が増えていた。なので、自転車で消費したい気持ち、満々だったが、体と心と考えは、相反し合いながら、三方向に引っ張り合って、ベットの上で、ピタリと静止した状態の、今日の日曜日の早朝だった。

朝、久しぶりに、孫のイッケイの顔を見ると、いきなり、リックを背負い、帽子を被り、手を繋いで、外に行こう!とアクションを起こしだすので、そのカワイさにちょっとクラクラし、そうそう、自転車に乗りたかったこともあったので、イッケイママの電動ママチャリを借りて、2人で、大阪城と難波宮まで、サイクリング散歩に出かけた。ベルリンでも、コペンハーゲンでも、自転車を借りて、街を移動した印象が、体の一部に、記憶として、残っていたので、きっと、オオサカの下町とベルリンとコペンハーゲンの街を、自転車で移動した感覚の違いを、記憶に留めておきたかったのに違いない。

ベルリンに3日間滞在したあと、デンマークのコペンハーゲンに移動し、2日間滞在した。コペンハーゲンは、とっても美しい街並で、観光客も多く、古い街並みの歩行者天国の繁華街ストロイエ通りは、大阪的に云えば、心斎橋や道頓堀のようなもので、その感覚で例えると、ベルリンは、アメリカ村初期のような、街のありようなのかもしれない。女性と一緒に観光するのなら、圧倒的にコペンハーゲンだが、暫く住むとしたら、ベルリンで、いろいろな、面白そうなひとたちと、会って、何かを創造してみたいとおもう。

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コペンハーゲンの伝統的でカラフルな運河と港町のニューハウンにあるホテルで宿泊したが、今回の私たちの旅の大きな目的のひとつは、ヨーロッパの近代建築や現代建築で、人魚姫造やチボリ公園や城や宮殿や教会は、放棄した。ブラックダイアモンドと云われる王立図書館とその周辺にある現代建築やクリスチャニアと呼ばれるコミューンを自転車で廻ったが、新しい建築と、古い街並みが、うまく共存しているのが、エエ感じなわけで、そういう周辺環境に配慮した現代建築に、より魅力を感じた、コペンハーゲンでもあった。

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そうそう、コペンハーゲンから1時間ほど電車に乗り、海洋博物館とルイジアナ美術館を見るのが、楽しみのひとつだった。どちらのカフェレストランでも、素敵な時間を過ごしたが、特に、ルイジアナ美術館のレストランが、素晴らしく、あんなに大勢のひとが、美術館で、笑顔を交えて、エエ雰囲気で、食事をしている光景をみたことがなく、環境と建築と美術の融合による力を感じたひと時だった。

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小路から暗峠街道を大阪城に向かって、イッケイを前に載せた電動ママチャリで移動すると、ベルリンやコペンハーゲンの街との美しさの違いに、数分間、違和感を感じるが、そんなの、すぐに、慣れ親しんだ、街に、戻る。そんな感覚で良いのかどうか、どんな街になるのが、良いのどうか、まったく、わからないが、取り敢えず、誰もが、「街を気遣う」キモチを持つことが、必要コトかな。と、そんなふうにおもえた、日曜の朝の、オオサカの街の、自転車散策だった。

投稿者 木村貴一 :23:59

ベルリン と 自由

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一ヶ月ほど前に、突然、ベルリンに、行こう!ということになった。そもそも、ベルリンに、さほどの興味を持っていたわけでもないが、長男タカノリの友人のユウトが、政府関係の仕事を、ベルリンでしていて、大阪に一時帰国した時に、ベルリンの話を聴いて、興味が湧いてきたのは確かだが、現実感がないまま、それはそれで、通りすぎていった。

それが、このお盆休暇の一ヶ月ほど前に、奥方が、唐突に、ベルリンに行けば!という。それも、長男タカノリ、次男タカヒロ、「私」の親子3人で行っておいでぇ!!!、と強く進めるのだった。そもそも、長男タカノリの第二子の出産予定日が8月10日で、私にとっては、二人目の孫になるわけで、おそらく、その日より早く出産するのだろうし、お盆に、子供の出産と二歳にならない孫の第一子イッケイと、それに、あんたたち、3人の面倒まで、見るのは、辛いわ!という。なので、「その3人」が旅に出てくれれば、わたしの負担は少なくなるのよねぇ! それに、ユウトがベルリンに暫く居てる、この時が、チャンスだし、その3人で、建築のお勉強でもしておいでぇ!と男前なことを言うわけだった。

それにしても、飛行機は?、お金は?、どうするのぉ!という問いには、それは、自分で、段取りしたらエエのよぉ!と、そこは、素早く、女性に戻る奥方だった。タカノリが、関空から、ドイツ、ハンブルク行きの便を、満席になる、なんとか、ぎりぎり前に、手配し、ベルリンまでは、電車で行くことになったのが、1ヶ月前の、ちょっと慌ただしい、出来事だった。ただ、出発時の、大きな誤算は、出発日までには、誕生しているはずの、第二子が、予定日になっても誕生していない。という、予想外の展開のまま、10日の夜に、その3人で、関空を出発することになった。

ベルリンの面白さは、ヨーロッパの古い街並みが、繰り返し続く、伝統的な街の良さ。ではなく、第二次世界大戦による建物の破壊と、ベルリンの壁による経済的発展の遅れで、1989年11月9日の、ベルリンの壁崩壊後に、新しい建築が、どんどん作られ始めた、ちょっと新しい街並で、現代的な建築としての、集合住宅や、オフィスビルや、ショッピングセンターや美術館が、世界の有名な建築家の設計で、建てられている街で…..。なんていうことを、「私」も、ほんの数日前に、知るようになった程度で、そんな知識と興味で、ベルリンの街に到着した。

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ブランデンブルク門やイーストサイドギャラリーでの観光的記念写真は定番としても、「建築」として、楽しかったのは、「バウハウスアーカイブ」で、日本語の解説付きイヤホンで、作品を見ながら、バウハウスによるデザインの勉強が出来たこと。それに、なんと言っても、ダニエル・リベスキンドによるユダヤ博物館が、建築として素晴らしかったコト。

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なんていう、そんな建築のコトよりも、一番のベルリンの面白さは、さまざまな建築を通じて、「自由」というコトバとカンカクに、あらためて気付かされるコトで、「自由」って、大切だなぁ…..と。ベルリンのホテルにておもう。

投稿者 木村貴一 :23:59

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