テラスハウス的ものづくりセッション
「ものづくりセッション」があった土曜日。おもに生野区で工場を持ち、ものづくりをする若い世代が、2ヶ月に一度、午後4時頃から、木村工務店の加工場に集まって、その参会者の4人ほどで、自分たちの会社の技術や商品やプロセスをプレゼンし、それを見聞きして、そのテーマに対して、その場の参加者それぞれが、アーダコーダと、共感や違和感や提案をコメントしながら、2時間ほどの時間を共有するワークショップで、その後の懇親会によって、お互いの距離感を縮めつつ、コミュニケーションを保つことで、持続可能なものづくり企業としての存続を、それぞれが模索しているのが、このセッションとしての面白さなのだろう。
Netflixの「テラスハウス」を視聴すると、 毎回、「番組が用意したのは素敵な家と素敵な車だけです。台本は一切ございません」というナレーションが流れて、シェアハウスに住む男女6人のドラマが起こるのだけれど、そのシーンに対して、YOUや徳井や山里など男女6人の芸能人がコメントを入れるシーンがあって、そんなのが、視聴者の共感や違和感や反感を助長させて、もちろん出演者にもエエ緊張感を与えているのだろうし、あんなファシリテーターが、いなければ、継続する番組として、視聴者を獲得できないのだろうな…..とおもうわけで。
「ものづくりセッション」も、なんとなく、「テラスハウス」と似通ったところがあって、ものづくりの雰囲気がある、できるだけ素敵な集まる場所と、設えが必要なのだろうし、素敵な車が、気分を盛り上げながら、人が、空間を移動する手段として、必要なのだとしたら、それぞれの企業の、ものづくりの情報が、その、ものづくりの工場から、いまここにいる参加者に届けられるためには、情報が空間を移動する手段として、プロジェクター上で、分かりやすくパワポや動画や写真でプレゼンしたり、整理整頓されたデータベースや、インターネットが、ものづくり情報の空間移動手段として、必要とされるのだろう。
そんな、素敵な家と車に替わるのような、共有できる空間と情報が用意されたうえで、台本のない、ものづくりの、セッションによって、人と人が出合い、技術と技術が出合い、技術とデザインが出合い、新たな、ものを、生み出す可能性を、参加者のそれぞれが、模索していて。それにしても、ナレーションというのか、コメンテーターというのか、ファシリテーターというのか、そういう立ち位置の役割が、そんな出合いの、触媒となって、その反応を引き起こしたり、促進したり、それに、プレゼンテーターや、視聴者に、エエ緊張感とリラックスを与たりする役目としても、その必要性を感じる昨今で。
テラスハウス的に、複数人で、多様な意見を述べるのが、面白そうで、そういう意味では、参加者のそれぞれが、必要に応じて、そういうファシリテーターの役割を認識し、自らが手を挙げて、その役目を演じることを求められているのが、セッションたる由縁なのかもしれない…..。それに、そのまま、その場所で、懇親会に移行できるのも、案外重要なことかもしれず、セッション後の空気感のまま、飲んだり食べたりすることで、その時、言えなかったコトや、言い過ぎたコトが、消化されていくようなイメージ。
そんなこんなで、今回は、このセッションを通じて、できた、タツミ化成工業の固城さんとシューズミニッシュの高本さんとの製品紹介の話題で盛り上がり、江原製作所の江原さんが、プレゼン用として、レーザーカットした、キャンプ用のネームプレートが共感を呼び、glass tailor 吉田さんが持ち込んだ、見た事も無いオモロイ眼鏡の話題が、これからのプレゼンのための、たたき台になったりし、20歳のデザイナー masisi designの赤松くんが、へら絞りの吉持さんに依頼して造った製品のプレゼンが、その製品に対する、さまざまなコメントやファッシリテートによって、参加者のそれぞれに、これからの、ものづくりのメンタリティーとして、起爆剤のようになりながら、その時のそれぞれの印象が、懇親会で、食物のように、消化されていくさまが、妙に印象的な土曜日の夜だった。