ものづくりセッションvol.30

台風サンサンが終息して、朝夕が涼しくなり、秋がやってくる気配を感じて、ちょっと嬉しい。それにしても、今年の夏の冷房に費やした電気代は、過去最高じゃぁないかなとおもう。

「ものづくりセッション」があった土曜日。

行政マンのタケダさんとワタシでやりくりしている「ものづくりセッション」なのだけれど、そもそもは生野区の行政の方々の指導のもとで始まった「空き家カフェ」という取り組みがあって、毎月19日に、ほそぼそと10年近く継続開催していて、ま、それの「ものづくり版」として、二人で始めたのが「ものづくりセッション」で、開催場所とファッシリテーターはワタシが勤め、参加者は「タケダフィルター」によって快諾を得た人が集まるプライベートコミュニティーで、2018年から2ヶ月に1度ほど開催して、今回が第30回になるという、

オープニングに際し、タケダさんの「ものづくりセッションとは」というプレゼンがあって、その資料が、これらで、メンバーオンリーのバーとかクラブみたいな感じの空間ともいえるわけで、行政という立ち位置のタケダさんだからこそ、これだけ様々な業種の方々が集い繋がるのだろうし、それを「プライベートな遊び」として、タケダさん自身が楽しんで開催している様子を垣間見るからこそ、継続できているのだとおもう。



タケダさんのこの資料によると、大阪市内では、かつては事業者数が最も多いのが生野区だったらしいが、現在は平野区の次になているそうで、1999年から62%もの製造業が減少し、ここ5年で341社が廃業しているという。それにしても、金属製品を中心にさまざまな業種があり、9人以下の企業が84.9%も占めている。と数字で見ると、あらためて「ものづくり」の置かれているその環境の面白さと厳しさを再認識させられるのだった。

そんな生野区の環境下で「ものづくり」に関わる人達が、さまざまな業種の参加者にむけて、自分の会社のコトや自分自身のコトを語り、コメンテーターや参加者が、感想やコメントで反応することで、コミュニケーションが繋がっていくのだけれど、その後のコミュニケーションの拡張は懇親会に委ね、仕事への広がりは、それぞれの自主性に委ねられている。このセッションでは、プロジェクトとして、特定の企業だけの企画の場にしないというのが、タケダポリシーでもあって、確かに、そのことによって、このセッションは軽やかに継続しているのだろうし、仕事へと広がる自由度も確保されているのだろう。

今回は、鋼板商事の菅谷さんと松井製作所の松井さんの女性二人のプレゼンに聞き惚れたセッションだった。女性の経営者の方々の、地に足がついた、その内容と、その語り口で、現状認識をしっかりとし、その弱みと、痛みを受け入れ、強みをしっかりと認識して現実的に可能な経営を歩む姿に、誰もが、特に男性陣は、自分自信のことを反省しながら聞き入る状況だったようにおもう。

今回の懇親会は、会社加工場で出来ず、小路駅前のたこ焼きジャンボで催し、その席で、面白かったことがあって、ある参加者の女性が、女性は出産を経験すると、痛みを受け入れる、体の経験があるけど、男性はその痛みを側で見ているだけやからね…..なんて云われて、あっ、確かに。痛みを受け入れることができる。という素養は、出産するしないに関係なく、女性が本来的に持っているDNAのようにもおもえて、経営者として痛みを受け入れる。という大切さを再認識させられる「ものづくりセッションvoi.30」だった。

ものづくりの方々と、こうして様々に関わってくると、木村工務店として、工場や事務所や店舗の施工経験はそれなりにあるものの、住宅の新築やリフォームでの、施主との細やかなコミュニケーションによる家づくりの経験を活かして、工場の経営者の方々や従業員の方々の、建築空間に対する悩みと一緒に向き合って、細やかなコミュニケーションをしながら、快適な工場や事務所や店舗を造るコトに関われたら嬉しいな…..なんていう気持ちが徐々に育まれたりするのだった。