自宅宿泊お盆休暇
11日の祝日からお盆休暇が始まり、毎年のように、大阪を脱出し、どこか旅に出るのが、習慣のようになっていたが、それが、振り返ってみると、木村工務店に入社して以来、お盆に、大阪の自宅に居た記憶がなく、35年間、どこかに出掛けていたことになり、生まれてこの方、ここ大阪生野区の小路から離れたのは、21歳の時に最長で1ヶ月半ほど旅をした時で、それぐらいここに居着いてしまっているわけで、ま、そんな至極小さな反動が、毎年、お盆にやってきて、申し訳程度の禁断症状が発症し、大阪生野区小路を脱出する。なので、芭蕉の奥の細道の出だしの文章に憧れたりするわけで、
月日は百代の過客にして、行き交ふ年もまた旅人なり。船の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅を栖(すみか)とす。古人も多く旅に死せるあり。
予もいづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂白の思ひやまず、…..
きっと、「漂い」たかったのだろう。長男が生まれハイハイすらできない時に、当時飼っていたミニチュアシュナウザーも連れだって、レンタカーを借りて北海道を漂ったのが始まりで、数年後には、ハイエースのキャンピングカーを手に入れて、お盆はどこかに漂うコトが、ライフスタイルの一部になっていた。次男が大学生になると、そのキャンピングカーを手放し、ようやく海外に目を向けて、海外の建築を見る楽しさを知るようになったが、そうそう、イタリアの街並や広場や山岳都市など、若い間に見ておけば良かった…っと、少々後悔してみたりしたが、そんなこんなで、とにかくお盆はどこかで、漂っていた。
で、今年のお盆。どこにも出掛けず、というか、どこかに出掛けるだろうが、お盆休暇中、大阪生野区小路の自宅に「宿泊」するコトになった。ほぼ2ヶ月ほど前に、木村家がリフォームされた事もあり、なんというか、木村家仏壇が移設されて迎える初盆のようなもので、今年のお盆は自宅泊を楽しんでみようということになったが、いちばん心配したのは、奥方で、きっと、「私」が、旅の禁断症状が発症し、だんだん不機嫌になっていくのに違いない…と一ヶ月ほど前から、ほんとうに大丈夫、ほんとうに大丈夫と、ことあるごとに念を押されていた。
還暦近くなると、自分を楽しませる旅的コツのようなものも身についてくるわけで、まず「体」をちょっとしんどくおもえる程度に動かすことから始めるのが良さそうで、旅の場合は、「移動」というのが、その役目を担ったりし、知らず知らずに溜まったストレスが、身体のどこかにくっついていたりするわけで、それが、移動という運動とともに解放されたりし、そういう流儀に従うなら、最近の私のライフスタイルからすれば、自転車に乗ることが、良さそうで、11日初日は、なにがなんでも早朝から起きて、猛暑のなか、ひとりで十三峠から信貴山に向かい、のどか村から大和川をぐるっと回った。
もうひとつの旅的は、食事で、とくに、旅の楽しみは夜の食事であったりし、それが、うまくいかず、ストレスになることも、あるあるな出来事で、それで、自宅宿泊旅的には、普段なかなか行けない大阪のレストランやお寿司屋さんなど、数件を奥方が予約してくれて、家で料理を作らない休暇というのが、奥方のストレスを解放するのだろうし、こうなったら旅的に、毎晩、どこかで、食事をしようかとおもう。
あと、日本人の旅的満足のひとつは温泉なのだろう。ま、それに従うのなら、できるだけ近場の温泉や銭湯を利用するのが良さそうで、知り合いの温泉ソムリエぐっちが勧める「関西近郊のおすすめ温泉」にでも行こうかとおもう。そうそう、夏の旅のもうひとつは、宿やキャンプ場などの、涼しい宿、冷房がよく効いた宿、涼しい木陰のキャンプ場など、温熱環境で、そういう意味では、今回の木村家のリフォーム工事では、断熱気密など、それなりのレベルで仕事をし、除湿型放射冷暖房PSを導入したこともあり、24時間作動をさせながら、光熱費も含めて、どんな感じなものか、試してみようかとおもう。
そんなこんなで、木村工務店では、18日より通常営業です。皆さん、素敵なお盆休暇を!