「伴走」

秋だな。ちょっと寒いと感じた日曜日。ようやく紅葉と落ち葉の季節感になってきたが、そうそう、レクリエーションデーのゴルフで、庭の手入れをしてくれている海平造園の職人さんのササダくんに会った。うちの桜が9月の終わりから落葉したコトを尋ねると、早々に桜が落葉する現象があちらこちらで起こっているらしく、毛虫も大量に発生していたらしい。狂い咲きをした桜もあるという。イスラエルの問題とか。物価高とか。株価とか。不安定な世の中の象徴のような現象におもえてきた。

ものづくりセッション」があった土曜日。コロナ禍が終わったことで、ここ3回ほどセッション終了後に懇親会を催している。プレゼンの後に、そのことを話題にしながら、あれやこれやウダウダ語り合えるのは楽しい。今回は、ほたる食堂からのプレートと専務奥方とワタシ奥方のおでんと餃子とビールという簡単なものだが、その段取りをするために2週間ほど前からちょっとした緊張感を抱えながら食事を提供してくれている、お3方のお陰に、この場を借りて感謝申し上げたい。

今回のプレゼンターお二人のうちのひとり、ソワップという会社のシオミさんは、女性で、クリエイティブディレクターで、企業の販促、おもに化粧品のお仕事を手かげているらしい。それで、さまざまな業種の社内でやっている販促会議に参加し、客観的な意見で貢献できるかどうか自分達の実力を試してみたいという。工務店の私には「販促」というコトバはピンとこないが、それでも自社の施工例を紹介し、お客様に木村工務店の建築と家づくりに興味をもってもらい、木村工務店に頼んでみたいという気持ちになってもられるようなホームページは、確かに販促なわけで、そんな会社の販促ミーティングに参加してもらって客観的意見を伺いたい…。そんなことを想っている、うちのような小さな会社の需要は沢山あるとおもう。

プレゼンに対する4人のコメンテーターのひとりとして参加の経営学が専門のハットリさんのコメントに、そういうのが、いわゆるコンサルの仕事だが、コンサル業界もいま、変化してきて、上から目線の「指導」という立ち位置から、企業の「伴走」としての立ち位置に変化しているらしい。コンサルタントが、クライアントの話を聞いて「見立て」をし、持っている知識と経験から「見解」を述べるという「指導的」な手法から、質問をし疑問形で終わり、クライアント自らが考え新たな答えを導きだせるような「伴走的」手法への変化。と、ワタシは解釈したが…。

木村工務店の立ち位置で考えてみると、今までの施工例を元にした、工務店が持つひとつの型のようなものから、その家の周辺環境と家族構成とライフスタイルを「見立て」たたき台のようなプランを提案し、それは疑問形のようなもので、それをお客さん自らの「好み」を反映できるように「伴走」して、自分のライフスタイルにあった家づくりを完成させていく、お客さんと一緒に「伴走」しながら「お客さん好み」の設計と施工をするのが、木村工務店の仕事。と、解釈してみた…..。

コミュニケーションとその手法というのは、「ものづくり」において、ますます重要になっているとおもうし、お客さんに喜んでもらえるというのは、ムツカシイコトだなと、つくづくおもう、今週だった。