ギアチェンジ
風が肌にあたると夏の終わりと秋の始まりを予感させられて「おどろかれぬる」という俳句のコトバが浮かんできた日曜日。土曜日の夜はマゴ達が花火に興じて閃光とともに夏を静かに見送る姿に、8月が終わるあのなんともいえない寂しさが襲ってくる小学生の頃の気分を想い出した。夏休みのあいだ庭に置いてあったプールを奥方と長男妻が二人で片付けて、女性たちの秋へのギアチェンジだなとおもった。ワタシは夏休みの「旅」で出会った「縄文ランドスケープ」を振り返って秋へのギアチェンジにしようとおもう。
↑ 北海道・北東北縄文遺跡群の岩手県側にある御所野遺跡は山の幸に恵まれた気持ちの良い場所で草屋根に覆われた縦穴住居が特徴的。草屋根って縄文時代からあったのだとあらためて感じ入った。こんなところでキャンプできれば最高だなとおもう。一番最初に穴を掘って住む場所を決めた住居は何れなのか。最初にテント張る場所って迷うよね。
↑ 秋田県側にある伊勢堂岱遺跡に行くと環状列石だった。とっても気持ちの良いランドスケープのなかにある石の円環に佇むと、盆踊りのような祭りの踊りと歌声が聞こえてきそうな気分になった。先祖とか繋がりとか祭りを大切にしたのだろうか。生憎天気が悪く白神山地を望むコトはできなかったが、定住したくなるほど眺めが良いエエキャンプ場なのだろう。
↑青森県側の大湯ストーンサークルは30年以上前に訪れて以来だったが驚くほど整備されていた。二つの大きなストーンサークルの中心に建つ石柱は夏至だったか冬至だったかその日没に一直線上に並ぶという。雑誌ムーのオカルト的な話題性のある場所で神々のピラミッドと表現される黒又山がこの黄色の矢印の方角に見えるはずなのだが生憎の天気だった。そういうオカルト的な話は時として旅のアクセントになって楽しめる。
↑ 北海道函館の大船遺跡は太平洋を見下ろす高台にあるとっても居心地の良い敷地だった。こんな敷地で3軒の家をこんな感じで計画できたら面白いなとおもうが、それにしても現代的な住まいとして、この写真のそれぞれの家族のように、庭を共有したり入り口のアプローチを共有したり、いわゆるフリーサイトのキャンプ場のように敷地境界の塀もなく家のなかだけでプライバシーを確保できれば良しとして土地を購入し隣人と敷地を共有しながらゆったり暮らす現代人が増えていく可能性ってあるのだろうか。
そうそうスノーピークのキャンプ場はゴルフ場だったところに本社とミュージアムを建て広大なフリーサイトのキャンプ場になっていた。縄文遺跡と同じような雰囲気がある。というより全国のゴルフ場をキャンプ場にすれば芝生で景色も良く池もあり最高なんだろう。そんなところをフリーサイトのような住宅地として家を建て庭を共有しながらゆったりと暮らす新しい住宅地を想像してみた。↓
夏が過ぎ 風あざみ
だれのあこがれにさまよう
青空に残された 私の心は夏模様
なんて井上陽水の歌詞が唐突に浮かんできたが、木村工務店でも夏模様から秋模様にギアチェンジして精進していこうとおもう。