花見な週。

花見の季節。庭で催す恒例のしだれ桜の宴は、例年より1週間早めて、28日の夜に花見をする。久しぶりに天候に恵まれた、社員と大工と手伝いさんの木村工務店の身内で開く花見だった。リフォーム中の母屋は、外部とデッキ部分は完成したが、キッチンなどの家具はまだで、来年こそは2次会を母屋で開きたいものだと、桜を眺めながら願う夜で、親父が生前に、苗から買って、育て、大きくなるにつれ花が咲き、社員と始めた花見だが、その父も母もここ数年の間に亡くなった。ところが、その後、長男夫婦と同居するようになり、今年は、新たに誕生した孫二人が花見に参加するようになって、その孫と一緒に焼き肉を食べながら、桜を見て、「唯一の真実は全てが変化することである」なんていう、どこかで聞いたコトバが、ふと浮かんできた月夜の花見だった。

土曜日の夜。その孫ひとりを預かることになり、それなら、奥方と3人で、電動ママチャリで、大阪城と大川の夜桜でも見に行こうということになったが、その孫が、朝からハイテンションで、昼寝をすることもなく、テンションが高いまま、遊び続け、ついには、夕食を食べながら寝落ちしてしまうという、きっと孫あるあるな出来事で、結局、孫との夜桜散歩は実現出来ず、中途半端な土曜日の夜になり、それで、なんとなく、Netflixのオリジナル作品を見ているうちに、私も寝落ちしてしまうという、そんな花見が出来なかった土曜日の夜だった。

住宅相談会のある日曜日の朝。前日の寝落ちで、ぐっすり寝たこともあり、早朝に目が覚めた。十三峠を往復し、途中で花見をし、仕事に臨むことにして、ビューポイントで自転車を留めると、アマチュアカメラマンのオジサンが、写真撮影を終えて、軽自動車に機材を片付けている最中で、桜とサンシュウ、綺麗ですね!。とこちらから話しかけると、もう何十年もここで撮影してるねん。と、撮影したデジタルカメラの映像を嬉しそうに見せてくれた。ここで撮影している時が、阿呆になれて、なにより気分エエねん!来年もまた会いましょう!気を付けて降りてや!という掛け声に送られた朝の花見だった。

住宅相談会の午前中のAさんご家族は、いろいろと迷いながら、門付き、庭付き、ガレージ付き、純和風の大きな中古住宅を購入されて、若い夫婦が、こういう和風住宅を好み、受け継いで残していこうというのが、なんとなく嬉しい出来事で、それにしても、外観の純和風と座敷は残し、リビングダイニングキッチンと洗面浴室トイレを「モダン」にするのは、当然のことなのだろうが、何よりも耐震と、特に温熱環境を改善することが、部品交換型ではない、本質改善型の暮らし向上リフォームなのだろう。

午後からのBさんご家族は、銀行融資の関連で、現在お住まいの家のリフォーム計画から、新築計画に変更予定だが、リフォームのプランは、理想的なプランだったが、新築になると面積が小さくなり、それに伴い収納も少なくなって、プランの迷いが沸々と湧いてきたとのこと。それを解消するために、アーダコーダとその場で図面を編集しながら、お互いが合意するプランに落ち着いたのは、打ち合わせ途中に、会社の真向かいにある母屋の、一部完成した寝室のクローゼットを実際に見てもらいながら、収納の問題が、なんとなく解決されたからだろう。

午後からのCさんは、アフリカ人のご主人を持つ4人家族の奥さんが、実家を建て替えて、母親と2世帯同居の新築の計画でお見えになった。うちでリフォーム工事をして頂いた男性が、その奥さんと同級生だというご紹介で、打ち合わせの四方山話として、アフリカ人のご主人は、東京より大阪の方が、人柄が面白く、住みやすいという。町で、うゎー、真っ黒ですね!と、フツウに声を掛けてくれる人がいて、日本語で、黒いでしょ!と応えるとビックリされて、そんなコミュニケーションが楽しいと、真っ白な歯が印象的なくったくのない笑顔で話す。銭湯が好きで、よく行くと、じろじろ見られながら、あれこれと声を掛けてくれるのが、嬉しいという…..。

相談会が終わり、その夜、アウトドアー薪ストーブで、ピザと肉と野菜を料理しながら家族だけの花見をする。土曜日のリベンジというべきか。それにしても、もう葉桜になってきて、今年の桜は、あっっという間に終わりそうだな。