「空き家カフェ」と「ものづくりセッション」

「空き家カフェ」と「ものづくりセッション」が、土曜日、日曜日と連続した週末。木村工務店的には、土曜日の「空き家カフェ」の準備を、そのまま流用し、日曜日の「ものづくりセッション」に使えたので、社員や職人さんの負担が少なく済んで、それはそれで、良かったが、なんというか、こういうイベント事をやり続けると、な~んとなく、会社としての、本業が、おろそかになるような感じがし、シャチョウとしての立ち位置を鑑みても、躊躇するところもあるのだが…

幸い、「手伝い」という、昔から、大工の手元として、大工仕事以外を手伝う、多能工としての職人さんが、何十年も存在しているのが、木村工務店の伝統で、毎朝7時前には、会社の加工場に出社してくれて、うちの社員よりも先に、「おはよう!」と、手伝いの職人さんや大工さんと挨拶しあうのが、日課というか、ルーティンで、その手伝いさんたちが、日曜日の、ワークショップやイベント事の、遊んだ雰囲気を、月曜日の朝7時頃に、綺麗に片付けて、まるで、何事もなかったように、「シゴト」の雰囲気に、スパッと、切り替えてくれる、そのお陰で、月曜日の朝は、「会社」が、シゴトモードになっているわけで、そうするコトが、会社として当然のコトなんだけれど、それでもやっぱり、この場をかりて、「手伝い」の皆さんに、感謝をしておきたい。

1月19日土曜日の「空き家カフェ」は、拡大版と名付けて、生野区の行政の呼びかけによって、参加者を募り、今まで完成した4件の実例に関わった関係者が、プレゼンターとして登壇し、動画を交えて、実例をプレゼンするトークイベントで、ケンチク系のプレゼンとの大きな違いは、空き家をリフォームした家に住む、「住人」4人自らが、プレゼンターとして、マイクを持って語ったコトで、それぞれが、「まち」と関わりを持ちながら生きていく「居場所」として、「空き家」をリノベーションしたことが、特徴的な出来事で、そんな体験を、参加者の方々とシェアーするイベントだった。

2016年の12月19日から毎月19日に継続して、この3年間ほどの間に25回開催し、実例が4件で、多いのか少ないのかは別にして、「空き家」という、「まち」のお荷物のような存在を、何か新しいものを受け入れる可能性がある「オープンスペース」として、まちの「資源」として、その活用方法を模索する取り組みが、空き家カフェという「コミュニティー」となったわけで、空き家のオーナーと、空き家を活用したい人と、様々な分野のプロフェッショナルのひとたちが、ひとつのテーブルを囲んで、コミュニケーションをすることの、その連続性と継続性が、コミュニティーの核となっているのだろうし、なによりも、空き家をリノベーションした住人が、まちと関わり、持続可能なまちづくりとして参加していこうという事例が生まれたコトが、とっても面白い出来事だったとおもう。

日曜日の「ものづくりセッション」は、おもに生野区に拠点を置く、ものづくりの企業が中心となり、学生も交えながら、それぞれの会社のコトをプレゼンするプレゼンターが、その日の主役で、それに対して、参加者皆で、あーだコーダとファッシリテートし、意見を述べ、学びあいながら、ゆるやかな関係性を築いていくわけで、それは、音楽のセッションのように、ものづくりを語るセッションであり、ちょっと遊びのような、ゆるーい雰囲気が特徴的で。こちらも、生野区の行政の方の関わりが、その扇の要になっていて、夜の懇親会も交えて、ものづくりの好きな、職人気質な人達と、一緒に過ごす時間が楽しい。

「空き家カフェ」と「ものづくりセッション」は、どちらも、生野区の行政の方々が、大きく関わっていて、行政と、いわゆる私たち民間が、補助金なしで、どんな関係性で、どんな協力関係を築いていくかを体験しながら、「空き家」や「ものづくり」を通じて、「良いまち」になっていく可能性を模索しているところが、オモシロイコトで、そんな、ちょっと、怒濤のような週末だった。