「価値観」

イタリアの自転車メーカーの「ウィリエール」の日本代理店の営業担当のキタムラくんから連絡があり、いま家に居てますか…..これから自転車持って行きますから…..という。暫くして、家にやってきて、家の前で、ちょっとだけ、この自転車に乗ってください…..という。それで、この写真の自転車に乗って、家の周辺をぐるっと周回した。とってもエエ自転車で、色も独特で、欲しいけど、お幾ら…..と聞くと、いまインストールしてある変速機のシマノのデュラエースとウィリエールのオリジナルホィールといれて、200万円ちょっと…..という。エーっっっ!と驚いたら、興味本位で見に来た奥方が、エルメスのバーキンみたいなもんやねっ!と軽やかに宣う。バーキンは今欲しくても、品物がなく、購入できないけど、これはまだ購入できるやん…..という。世の中の「価値観」はどうなってるのだ…..。
おっさんが買う高級時計とか高級車とか、そんな感覚で高級自転車もあるとおもうが、若者のニーズはまた違うのだろう。日経新聞のWebサイトの記事に「パナソニック」というブランドを若者の半数の人が知らないというアンケート結果があっという。松下幸之助も松下電器も知らないらしい。先週、東京で宿泊した翌日、次男が、新しくできた銀座のソニーパークで待ち合わせしよう!というので、行ってみた。大阪では、心斎橋にあった黒川紀章のソニービルはかなり前に取り壊わされた。ワタシは好きだったけど。銀座ソニーパークに微妙な違和感を感じてしまったのは、もうすでに、若い世代の感覚からズレだしているからだな。
先ほどの日経新聞の記事には、栄養ドリンクのリゲインは苦戦しているが、レッドブルは若者にうけて売り上げが伸びている。日本の栄養ドリンクを参考にして造った海外製品がレッドブルらしい。「中⾼年向けの既存ビジネスは冒険する必要が少ない。若者に挑むことがイノベーション⼒も⾼める」と書かれてあって、なるほどなっとおもう。

銀座ソニーパークより銀座エルメスのほうがエエわっ!という大阪のおばちゃんの奥方に付き添って、真向かえのエルメスに入り、ブラブラ閲覧して、ソトに出た時、エルメスのガラスブロック越しに、ソニーパークを眺めたのがこの写真。ソニーパークでは、催し物やイベントをアクティビティーとよんでいて、全て予約でないと入れなかった。ソニーの機器も予約がないと見れなかった。ふらっと行く時代でなくなっているのは確か。最近、食事するにも予約するのがフツウな感覚になりだしているしね。公園も、ふらっと行く時代じゃなくなっていくのだろう。大阪万博も予約制だしね。そうそう、コンクリート打ち放し仕上げも特徴的で、安藤さんのような研ぎ澄まされたコンクリート打ち放しではない、わざと、荒い均一性のないコンクリート表面。Pコンも、わざと、うえから無造作に補修してある。そういうコスプレのようにもおもえてしまうが…..ソニーもパナソニックも若い世代にコミットするサムシングエルスを模索しているのだろう。
そうそう、先日のトランプゼレンスキー会談の記事が、全文掲載としてあちらこちらに出ているが、とってもオモロイ。大阪のおばちゃんが、無謀で勝ち気な若者に、諭しているみたい。「あんたなぁっ!わかってんのかっ!まずありがとうっていい!それからやっ!」大阪人ならどこかで聞いたようなコトバのやりとりのようにもおもう。横で聞いていた誰かが、「それはちょっと言い過ぎちゃう!」とか、ツッコミもはいったりして。
それにしても「価値観」はどんどん変化するのだな。