「2025 初午祭」と「換気」

木村工務店には、昔から3階会議室に、お稲荷さんがお祀りしてあり、初午祭といって、現場の安全無事と商売繁盛を祈願して、そのお稲荷さんを、社員と協力会社の職人さんとで、一緒に参拝する神事と直会が、2月初旬のルーティンで、おそらく60年以上は続いているようにおもう。昨日の2月8日土曜日、80人ほどの参加者と一緒に、玉串を奉納し、二礼二拍手一礼で参拝して、加工場に降りて、清見原神社宮司のイヤサカ!の発声とともに御神酒で乾杯したあと直会を催した。

直会として、飲んだり食べたりする前に、私が40分ほどのレクチャーをするようになって十年ほどになる。25年ほど前に加工場から木工機器を撤去し、手加工ができるスペースになって、作業をしない時は、加工場が初午祭の会場として利用できるようになった。またコンピュータとパワポとプロジェクターという新しい道具の発達でレクチャーが出来る環境になって、木村工務店のミッション・ビジョン・バリューを、多くの職人さんたちに、直接伝えることができる唯一の機会になっているようにおもう。この加工場が、良心を持った次世代の社員と職人さん達を育む場になれば、なお嬉しい。

工務店的楽しみのひとつは、会場設営で、すこしずつバージョンアップを繰り返しながら、現在のカタチになってきたが、「換気」というのが稚拙だった。かつては初午祭の直会は、おでんと日本酒と缶ビールだけだったが、加工場で開催できるようになってから、文化祭的に社員が職人さん達をおもてなしすることになって、焼き鳥や焼きそばやフランクフルト、餃子、おにぎり等々、それぞれがアイデアをだして提供するようになった。

昔ながらの木造の加工場ゆえに、かつては、スキマ風があちらこちらから侵入してくる状態で、特に足元が寒く、私の話を聞きながら、ブルブルソワソワしながら話を聞くような状況だった。それで、作業時の近隣の騒音問題もあったので、防音工事も兼ねて、防音シートと断熱材とブラスターボード2重貼りの工事をしたことで、この日の寒波が押し寄せ、手がかじかむほどの寒い土曜日の夜にもかかわらず、ストーブ3台で、快適な温度になる加工場に変身し、「断熱気密」という工法の必要性を、社員と職人さん達とで共有できる場にもなった。

ところが、気密が充実してくると、焼き鳥や焼きそばなどを焼き出すと、煙がモンモンと立ちこめて、目が痛く、とっても煙ったい加工場で、かつての写真を見るとその状況がよくわかる。一応、天井の屋根に工業用の換気扇が一機だけあるが、それでは全く容量が足らなかった。なので、屋根に穴を空けて、もう一機換気扇を増設する方法も考えたが、とっても大変な作業だし費用もかかる。それで、MK電気のカヤくんに相談すると、Amazonで2万円台の中間取り付け型のダクトファンを見つけてくれて、実験的にそれを既存の換気扇の下部に取り付け、上昇気流を誘発して、一部をこのダクトで排煙し、残りを天井換気扇で排煙する計画をたて、開催日の前日に、その作業をすることになった。

結果的には、この仕組みが上手く機能し、開始直後は目が少し痛くなる時もあったが、煙が立ちこめる状況にはならなかった。ただ時間の関係で、吸気口を取り付けることができず、次回は吸気口を最適な場所と高さに取り付ければ、もっと機能するよねっ!と、直会の席でカヤくんと一緒に飲みながら、ものづくり談議を楽しんだ。

そうそう初午祭翌日の今日の日曜日の朝。深夜まで加工Barで呑んでいたらしい、二日酔いの長男夫婦とmagosと私たち夫婦で、一緒に平野に出来た、おおみね湯に行くことになった。自動機械式の熱風オートローリュータイムがあって、赤い照明が点灯し音楽がガンガンかかるモダンなサウナだった。あちらこちらにサウナが沢山出来て、とはいうものの、そんなに、あっちこっちのいろんなサウナに行きたいっ!というワタシでもなく「縁」次第の状況待ちだが、それなりに体験してみると「換気」というのがとっても気になってくる。最近は換気のシステムが良いサウナは快適なのだと感じるようになってきた。

そんなこんなで「断熱気密」には最適な「換気システム」が必要なのだ。と体感した「2025 初午祭」だった。