「オープンハウス」と「地車」
秋だな…..。
建築家の矢部さん設計で、木村工務店で施工した「フルハウス」という住宅のオープンハウスがあった日曜日。大阪の生野区から現地まで、自転車でトロトロ走りながら向かう。9km35分也。昨日まで、昼間は暑く、長袖を脱いで、Tシャツで過ごせたのに、今日は、走り始めると、Tシャツでは肌寒く感じて、そそくさとバックから長袖を取り出して、上着を羽織って走る。昨日との気温差が7度もあったそうだ。ゴチャゴチャした街並のなかに、時折出現する商店街が好きだな。ガラガラの商店街をゆっくり自転車で通り抜ける時の感覚が好きだな。目が、映画カメラになったように感じるのだな。到着したら、秋晴れの青空のもとで、連続するサッシュ窓から、矢部さんが出現した。で、挨拶を交わす。
コンクリート打ち放しの壁と天井が、構造体として、内装材として、その存在感がしっかりあって、それを包むように、断熱材がしっかり充填された、木造軸組構造の柔らな外壁がある。コンクリートの構造体に取り付く木造の外壁というハイブリット的な構造。3mの天井高。空中に浮いているような、どーんとしたコンクリートの梁が、空間性を分ける。中心のある家的な、コンクリート壁で囲まれた安心感のある2階部分のダイニングスペースには、コンクリート梁の開口部の外にある、縁側のようなペリメーターゾーンから、南の太陽光、北の柔らかな光、東の朝日、西の夕日が、時間軸を伴って差し込んで、時空間としての独特の居心地良さがうまれていた。縁側のようなペリメーターゾーンにある、北向きの窓際の、マレンコの椅子に座って、コンクリートの壁に取り付いた、わりと至近距離にあるテレビを視聴すると、ひとりでシネマを独占しているようで、写真以上に快適だった。施主の住みこなす力も凄いね。とおもった。
生野祭りがある日曜でもあって、生野区の地車が巽公園に集合するのだけれど、その公園の中の数メートル区間を、大友の地車に車上しませんか!というお誘いがあったので、「オープンハウス」の帰りに巽公園まで自転車で走る。7.8Km32分也。12台の地車が集合する勇壮な雰囲気と、複数の鐘と太鼓の音色が混じり響きわたる空間には、ワクワク感があって、多くの観客と一緒に一体感を感じながら楽しめたのは、先週のブログに書いた、複数の地車の鐘と太鼓のリズムからうまれるビートの繰り返しと、リズムの複雑な混じり具合によって、脳が快感を得て、報酬を得る。それは皆で協力することによってうまれ、「集団の絆」のようなものを育む。なんていうのを頭の中でもう一度リフレインしてみた。