「工務店ブルース」
もう2月。寒い日々。いやそんなに寒い日々でもなかったようにもおもう。どちらかといえば寒いのか寒くないのか微妙な日々が入り交じった感じ。庭のピンクの侘助がひっそり咲いて、春に向かう兆しを感じた朝。若い頃は全く気にしなかったのに、歳を取るごとに「一月往ぬる二月逃げる三月去る」そんな三ヶ月をしみじみ感じるようになった。特に1月1日夕刻にあんな大規模な地震があって、特異な1月が往ぬる。とおもう。
1月を振り返ると、4年ぶりに「お餅つき」をやって、131名の多くの方々に参加頂いて、お互いのエネルギーを交換したように感じ、今年も頑張るぞ!感が湧いてきた。新年会も復活して、5つほど参加し、そのうちの2つは、うちの家の食卓のテーブルを囲んだ新年会だった。「MOKスクール」という「まっとうな木造建築を普及させるための勉強の場」というフレーズが使われているが、そのスタッフのの方々と河豚鍋を囲んだ新年会を催した。工務店は、木又工務店の木又さん、大塚工務店の大塚さん、そして私。設計事務所のスゥイングの小泉さん。材木屋さんの橘商店の橘さん。という建築関係トントントンの組み合わせだった。それぞれ以前から何らかの関わりがあったのだけれど、今回、大工工務店として名を馳せている棟梁の木又さんは、うちの家に来たのが初めてだったので、木村工務店を案内したり、うちの先々代が関わって造作した数寄屋の和室の実物見学で、あーだこーだと大工目線で盛りあがった。下の写真は橘さんが撮影したその時のフェースブックに投稿された写真。(橘さん勝手に拝借ゴメン&Thanks)
それで、もうひとつ、ちょっと多くの方々に知って、使ってほしいけれど、なんだかんだ紹介する機会を失っていたひとつに、槍鉋仕上げの手摺があって、大道さんという槍鉋の面白さを伝えようと奮闘している大工さんが東成に住んでいて、その大道さんに依頼して、製作取り付けしてもらったのが、「吉野桧槍鉋仕上げ手摺」。ここ数年、magosが、その手摺を頼りにして、階段を上り下りし、より艶感が増してきたようにおもうのだけれど、その独特の手触りと質感の良さを体験してもらった。
そんな、工務店から見た、素材や納まりや工務店あるある話で盛りあがり、翌日には奥方から、何度も大声で笑い合っていたのが響いていたわっ!よっぽど楽しかったんやなっ!とのお言葉。工務店の悲哀というか「工務店ブルース」のようなものを語り合いながら、悲しみや苦悩の感情を一緒に笑い飛ばせたのが良かったのだろう…..。宴を終え帰る時のそれぞれの後ろ姿には、とはいうものの、日々のルーティンをコツコツやっていくしかないよね。みたいな雰囲気が漂っていた。
逃げる2月。そんなこんなの日々のルーティンをコツコツやっていければとおもう。