師走感の変化

12月なのに穏やかな日曜日。暖かくて師走感がますます薄らぐ感じ。というより、12月になっても、クリスマス感とか師走感とかが全く感じられない世の中の雰囲気で、本当に正月がやってくるのかどうか…..なんておもう。御堂筋の樹木にライティングされているのを見て、あらためてクリスマスの存在に気付くワタシ。

12月に入って地鎮祭が続く珍しい年。工務店にとっては、木造住宅の新築工事の場合は、12月中に基礎工事を施工して、お正月の間は養生期間とし、お正月明けから、木造の建て方をする。なんていう工程計画が一般的で、というのは、基礎工事が、コンクリートを打設する前に、お正月休暇がやってくると、基礎の鉄筋や土留めなどがむき出しの状態で1週間ほど風雨にさらし、見守ることもできず、流石に施工的に良くないので、中途半端な基礎の状態でお正月休暇を迎えるのなら、お正月明けから基礎工事を着工しようということになる。なので12月前の地鎮祭が多かった。

かつての工務店の12月というのは、お正月を新しい住まいで過ごしたいという施主の方々のために、お引き渡しでバタバタし、お正月休暇までに基礎工事や建て方やその雨養生を完結させようとしてバタバタし、師走感が満載だったが、ここ数年、様子が変わってきた。工期を急いだ工事によって施工的問題が発生する事を避ける風潮が工務店的にも大きくなって、余裕を持った工期を提示するようになり、施主の方々にも理解して頂けるようになってきた。なので、お正月前ギリギリのお引き渡し、お正月前ギリギリ入居が減ってきたし、12月中に地鎮祭をしておいて、1月お正月明けから慌てずエエ仕事をしてください。なんていう新築工事の方々も増えてきた。

何よりも世界情勢が関与している部分が多いようにおもう。どの案件も10月11月ぐらいに地鎮祭が可能な状況でもあったが、契約前の最終見積調整の段階で、長引く傾向が多い。物価高による建築コストの上昇が、コロナ前に比べて1.5倍以上になって、もはや工務店側の企業努力ではいかんともし難い状況で、施主の方々にとっては、建築工事費に対する決断に、とっても時間を要する、世の中的状況になっているとおもう。

お正月がやってくる前に、いや、お正月中に、家をどうするか、焦らずゆっくり決断し、来年は新しい家で、ゆったり過ごそう…..なんていう方々が多いのだろうか。いや、まだ、世の中の状況が不透明なので、家を建てたりリフォームするのは、まだまだ様子を見ておこう…..なんて云う方々が多いのだろうか。師走感が変化してきたようにおもう。