「そうだ京都に行こう!」的。

紅葉の季節。っといっても、うちの庭は、桜は紅葉もせず既に散って、ヤマボウシの紅葉も葉が焼けて縮こまった紅葉で、いまいち微妙な今年の紅葉。

今週の23日勤労感謝の日の祝日は、新嘗祭という穀物の収穫に感謝する儀式の日が、勤労感謝というコトバと意味に取って替わって、祝日になったらしい。いまや、祝日は休日であるコト、仕事をしなくて休めるコト、それだけで嬉しいのは、都市生活型のストレス社会になって、そのストレスを癒やす日が休日の楽しみで、祝日を「感謝」する。なんていう感覚とリンクしにくい世の中の状況になっているのだろう…..。

それはそれとして、最近、秋の庭を掃除すると、上の写真のこういう木の実が落ちている光景に出会う。今まで、全く興味がなかったのに、先日のブログ「土偶」で書いた…..

「土偶は植物の精霊をかたどったフィギュアである」
日本という国家の「大嘗祭」は天皇の即位儀礼と収穫儀礼の新嘗祭が融合したもので、「植物を成長させる精霊」という観念と「それを祭祀する儀礼」という「植物霊祭祀」の慣習と心性が古くからあって、縄文時代の「土偶」は、そういう「植物霊祭祀」の痕跡なのだという

木の実に遭遇すると、このフレーズが想い出されて、この木の実のデザインと、みみずく土偶などのさまざまな土偶デザインの類似性を想起し、植物に霊祭しながら、ひとりほくそ笑んで、庭を箒で掃いているワタシ。

かつては植物霊祭祀であったそうな、その23日の勤労感謝の祝日。いわゆるストレスを癒やそうと、朝からサウナに行った。で、朝食を食べず、昼メシというかサメシというか、奥方とコメダ珈琲で味噌カツサンドを食べて、まったりしていると、天気もエエし、「そうだ京都へ行こう!」ということになった。車は混むし駐車場も大変やし京阪電車のプレミアシートが快適だったので、それかな。いや布施駅から京都駅への直通バスがあるから、それかな。なんて相談しているうちに、今日は暖かいし、それに最近、自転車に乗っていないので、それなら京都でサイクリンでしょ!

もう既に午後1時30分を回った時刻。試しに奥方の電動ママチャリを無理矢理、車の後部座席に詰め込んでみると、二人がかりならなんとか押し込めた。私の折りたたみ自転車ブロンプトンと2台を車に積んで、第二京阪道路経由で50分ほど、鴨川西ランプを降りて直ぐの円形ランプ道路の中にあるタイムズに駐車する。一日880円也。トランクから自転車を降ろし10分ほどペダル漕いで東福寺へ。「方丈」と「通天橋」を初めて見た。今年はやっぱり鮮やかな紅葉という感じではなく、暖かい日が続いて葉が焼けてくしゃくしゃとした葉っぱが紅葉しているような感じ。それにしても多くの人。3分の1はインバウンドの方々じゃないかな。

東福寺境内にある渡り廊下、通天橋も含めて、木組みがシンプルでエエね。と眺めるが、人が多すぎて、ゆっくり鑑賞するのは別の時期だと早々に退散した。ぼちぼち自転車漕いで、三十三間堂の横を通過し、清水寺三年坂下の交差点まで来たが、人の多さと、もし見るとしてもライトアップだよね。と、六波羅蜜寺や建仁寺や祇園の裏道ばかり、あっ、こんなところにこんなお店があるの…とたらたら走る。河原町も人で溢れ歩道を走れるような状況でないので車道を走るが、バス待ちの人の行列とバスが何台か停車する横をすり抜けるのは安全ではないよね。

人で溢れかえる錦市場を横切るのに、すんませんと頭を下げて通過し、イノダ珈琲本店で、ひと息つこうと自転車停めて中に入ったら満員で待つ状況だった。今日は行列を我慢することにした。初めて奥の洋館のところで珈琲飲んだが、漕ぎ疲れを癒やしながら、ゆっくり休んで会話していると、新京極の「sousou足袋」で足袋を買うのだという。ここでしか買えないし、京都に来たらついでに買って帰ろか。みたいな感覚にさせられるコトと、路地裏を村というか集落のように多店舗で商売するやり方がカコエエな。とおもう。

唐突な京都だったので、夕食の予約がなかった。それなら洋食屋さんで食べようと2、3軒回るが、やっぱりどこもいっぱいだった。ここでようやく気付いたんですけど、この自転車ブラブラ京都、とっても楽しいけど、アルコール飲むことでけへんし、仮に飲んで、自転車押しても、最後は、電車輪行でなく、自家用車で帰るので、夜のアルコールダメがちょっとした問題点。なので大阪に帰ることになった。京都タワーと京都駅の横を通過する。こんな角度から京都駅を見たのは初めて。案外エエ夜景やな。っと残像を想い出しながら、裏道をゆっくり自転車漕いでるうちに午後6時30分に駐車場に到着した。11㎞走行也。午後7時30分には自宅に着いて、ママチャリをよいしょっと降ろし、アルコール付き夕食にありつけた。

勤労感謝の日のそんなこんなの「紅葉京都散輪」だった。