持続可能な社会

木村工務店の協力会社の米田建材店さん100周年記念祝賀会があった土曜日。

うちの協力会社さんには、100年を超える、材木屋さんの岡房商店さん、鉄筋屋さんの浅田鉄筋さん、瓦屋さんの瓦寅工業さんがあって、皆さん大正時代に創業している。そんななかにあっては、弊社は、昭和に創業で、まだまだ87年ほどで、100年まで、まだ13年もあるのだと感じるし、それより、そういう100年を超える4社もの老舗の協力会社さんに支えられて建築を造っていることに、ちょっとした気概のようなものを感じる。

関係各社を代表しての挨拶を拝命され、ま、結婚式のような緊張感が漂う祝宴でないので、そんなに緊張することもないが、舞台から眺めてみると、関係各社だけでなく、親族のような方々も多く、日本の現在に於いて、100年続く企業というのは「家」という伝統と文化のようなものがあって、今回であれば、米田家というようなその代々続く「家」があって、その仲の良い親子関係のようなものがあって、そのような企業が「持続」しているのだなとあらためて感じた。

引出物の中にSB食品さんのカレーがあり、奥方が、なんでこんな商品が入っているの!と聞くので、今年同じように100年を迎える大企業にSB食品さんとかサントリーさんがあり、引出物や景品の中にその商品を入れたそうやわ。と答えたが、「株式会社」というような仕組みが主流になってくると、同族を主流としない、これからの100年企業は、同族会社の家族愛でなく、会社愛のようなものがあって、ようやく持続可能な企業となっていく100年なのだろうか…..と疑問形で考えてみた。

関西大学の木造設計製図の講評会と懇親会があった火曜日。今年から、受講する生徒の数が急に増えて、世の中の木造建築への関心度は、若い学生にとっては当たり前のコト。そんな時代感覚になってきた今学期だった。人数が増えるとレベルが低下するのかとおもいきや、通年以上に高いレベルになってきて、3〜4人のグループで設計するという課題は、私達の学生時代では一般的ではなかったが、いまや会社という組織で設計する現代建築の在り様も含めて、サッカーやラグビーのチームのように個々人の能力を活かしながら、チーム力で作る建築を学ぶ機会にもなって、木造建築とコミュニケーション能力という同時代性のようなものをあらためて感じる今年度だった。

生野区のものづくり企業の方のお誘いで、上六でミュシュラン一つ星のお鮨を食べた金曜日。緊張しながら食べる鮨はちょっと…..とおもっていたら、常連のその方と一緒だったので、気さくにあれやこれや会話しながら、コース料理の江戸前鮨を美味しく食べた。インバウンドのアジア人カップルが3組ほどいて、ご主人自ら英語で対応する姿に、今の鮨職人を感じるし、英語で対応していたアルバイトの男子は、医学部の学生だという。そういう人を雇い入れるコトも含めて現代的だし、そのインバウンドの若いカップルの女性に、小さなバースデーケーキをだして、カウンターに座りながら皆でハッピーバースデーを合唱しお祝いをして、そのお裾分けのケーキを美味しく頂戴した。寿司屋さんでバースデーケーキは初めてだが、案外悪くないね…..。

家とか。会社とか。組織とか。チームとか。学生とか。職人とか。インバウンドとか。持続可能な社会とか。現代的な在り様を垣間見た今週だった。