レクリエーションデー
レクリエーションデーというのが、昔から木村工務店にあって、10月の土曜日に、社員のそれぞれが「好き」なスポーツを一緒に楽しもうという行事で、きっかけはゴルフ好きだった先代と先々代が、社員と一緒にゴルフを楽しもうというイベントだった。ゴルフをしない人は「釣組」として魚釣りを楽しむということで、当時は二組に分かれて、一緒に遊んだ。レクリエーションを辞書で調べると『仕事や勉強などの精神的・肉体的な疲れを、休養や娯楽によって癒やすこと。また、そのために行う休養や娯楽。』とあって、今流な言い方では、ワークバランスを取るために、レクリエーションというひとつの機会やきっかけを提供することで、社員がより良く働ける環境を願う、会社としてのひとつ行事であり仕組みのようなものだとおもう。
昨今はレクリエーションも多様化し、ゴルフ組、魚釣組、キャンプ組、観光組、サーフィン組とそれぞれの多様な「好き」に応じて楽しむことになった。ちなみにワタシはゴルフ組で、ゴルフが「好き」かと問われれば、口がもぐもぐして躊躇してしまうのだけれど、今回は協力業者も参加しての第100回記念ゴルフ大会だったこともあり、それに代々受け継いでいる精親会ゴルフコンペを絶やす訳にもいかず、年に2回のこのコンペだけ、ゴルフをすることにしている。
レクリエーションデーは土曜日なのだが、魚釣組は船の予約の都合で今日の日曜日の早朝に実施しているし、ゴルフ組も予約が上手く取れずこの木曜日の平日に実施した。それで土曜日は会社も現場も休みで予定が空いた。なので午前中は奥方とともにサウナレクリエーションデーとしたが、SNSを通じて、吉野で「よしのウッドフェス2023」が開催されていると知って、昼すぎ、唐突に吉野まで出掛けることにした。偶然にも会社の前で現場監督のオオウエくんに会った。彼はゴルフ組だったので、現場が誰もいないこの土曜日のチャンスを狙って、午前中は現場のシロアリ駆除を施工したらしい。そのオオウエくんを誘うと、行きます!というので、奥方と3人で吉野までドライブすることになった。
「吉野」には縁が多い。親戚に山師さんや銘木屋さんや饅頭屋さんがあって、吉野の空気感が肌に馴染んでいるし、坂本林業さんや阪口製材さんや丸岡材木店さんとはそれなりの取引がある。レクリエーションデーの延長のような気分で出掛けたが、多くの知り合いと出会うことになった。先ほどのサカモトさん、サカグチさん、ゲストハウス空を営んでいる建築家のサワキさん、手刻み同好会で手刻みの小屋の建て方をしていた羽根建築工房のハネさんとか、その広報のシノダさんとか、それに先日まちのえんがわGallery&Barを開催したカクさんとか…。
おもいのほかのんびりしたエエ雰囲気があって、駐車場の横にある芝生広場と点在したイベント会場の木材団地周辺を歩くと、それぞれの製材所が道に開いて仕事をしているので、今までにない程良い工場感覚のまちあるきが楽しい。そうそう、こういうフェスのような場所にいくと、座る場所が少ないような気がする。参加者と一緒に相席できるようなイスやテーブルやベンチや芝生でゴロリとできるような居場所が欲しいな…なんておもった。
今日は生野祭りが開催された日曜日。「まちのえんがわ」が生野区持続可能なまちづくり活動支援事業の第一回に選定されて以降、行政の方々とも顔見知りの方々が増え、多くの方々と挨拶を交わす。生野区業界団体の方々。生野区のものづくり企業の方々。地車関係の方々。今年は久しぶりに生野区の地車が一同に会する地車フェスのような雰囲気があって、鐘や太鼓のリズムと威勢の良い掛け声や舞いが心躍るし、若い女性が半被着て掛け声とともに踊る姿や地車に乗る女性の姿も新鮮でエエな…とおもう。大阪のおばちゃんの若い時はな…みたいな若い女性が、積極的に楽しんで踊っている、そんな女性に開かれた地車でエエようにおもう。今年は想像以上に多くの参加者がいて、飲食店は長い行列ができていた。
「吉野」も「生野」もフェスのようなものを通じて、まちに住む若い人が、まちに愛着を持ち、まちに住むまわりの人と、ゆるやかな関係性が大切に保たれる…とエエよね。そんな若いエネルギーを感じた、木村工務店レクリエーションデーの一週間だった。