鰻のエキス。

暑い日が続くと、鰻を食べたくなる。なんでなんだろ。木村工務店で改装工事をした堺の鰻竹うち本店が、コロナ前に閉店し、毎年のように食べていた関西風の蒸さない炭火焼きの鰻丼が食べられなくなった。ワタシ20歳頃の、竹うちの親父さんの時代から慣れ親しんだ鰻の味で、その折詰めが冷めても美味い鰻丼だったので、お店に行けない土用の丑の日は、よく折を頼んだものだ。数個とか数十個とか。寂しい。で、今週ミナミのTOHOシネマで映画を見ることになって、その視聴後、どうしても鰻丼が食べたくなった。それですぐ近くの高島屋の竹葉亭で江戸前鰻を食べる事にした。ほんとうは高島屋だったら福喜鮓のちらし寿しが食べたいのだが、このお店も閉店になって、寂しい。

「映画館」に行くことが減って、コロナ禍はもちろん、その前からほとんど行かなくなった。それは布施の映画館が1軒もなくなったからだとおもう。昔は布施には商店街のなかに映画館が数軒あって、子供の頃はその映画館に自転車で行くのが楽しみだった。ザピーナッツが印象的だったモスラ対ゴジラとか、キングキドラとか、サンダルで行くような庶民的な感じで、寅さんの映画ではヤジが飛んだし、あの渥美清の歌声が始まるとあちこちの席で声をだして合唱していた。いつしか商店街から映画館が消えて映画ビルに建て変わったが、それも数年前にマンションに変わった。最後に見た映画は三谷幸喜の映画だった気がする。

それにしてもIMAXで視聴すると映画館って圧倒的にエエよねっ。座席もゆったりして前の人の頭も邪魔にならないし。とりあえず映画館視聴のオーソドックスなしきたりに従ってポップコーンとコーラーを二人で共有したが、もはやポップコーンはこんな量を食べることができず半分以上残した。コロナ禍があったので、シニア料金で映画を見たのは初めてじゃないかな。予告編からIMAXの音場に圧倒されながら「君たちはどう生きるのか」が始まると、すぐに黒澤明の「夢」を想起した。ワタシ的には「夢」は好きな映画でDVDも持っている。評価は低いらしい。黒澤明も宮崎駿も80歳代に製作した映画になるようで、葛飾北斎は富嶽三十六景を70歳代に製作したらしいが、80歳代に描いた絵をみると、ちょっと幻想的だ。ホクサイもクロサワもミヤザキも80歳になって、評価を気にせず、こんなものづくりが出来るのはエエなっ。とおもう。

えっ、ほぉっ、なんていう映画の視聴後は、なんとなく鰻のエキスを求めたくなった。

 

木村工務店は8月11日から17日までお盆夏休暇を頂戴します。皆さん素敵な夏休みを!