輪行

梅雨の合間。曇り空の日曜日。自転車で、生野区小路から放出を抜けて淀川に出る。淀川沿いをひた走って木津川御幸橋のさくら出合館で休憩。そこから宇治川沿いを走って宇治の平等院鳳凰堂の横を通過し、天ヶ瀬ダムから瀬田川沿いを走って琵琶湖に到着。琵琶湖を眺めたあとJR大津駅で自転車を輪行袋に入れて、新快速で新大阪駅へ、おおさか東線に乗り替えて、JR俊徳道駅で降りて、そこで自転車を組み立て、生野区小路の家に帰り着いたのが、午後3時前だった。

自転車の走行距離は80kmほど、昼前には大津に到着したが、自転車を分解し袋に入れたり、着替えたり、わざわざ新快速待ったり、新大阪での乗り替えがよく理解できず電車を3本逃したり、順調にいけば1時間6分ほどの移動に2時間ほどかかって、まったく電車に乗り慣れないワタシ。車、飛行機、フェリーの輪行はあるが、電車の輪行は初めてなんだけど、やってみると案外楽しい。またやるとおもう。宇治のまちとか、大津のまちとか、石山寺とか、ゆっくり楽しめなかったのは、輪行に自信がなかったからで、ゆっくりして夕方の混雑の時間帯に輪行するとちょっとタイヘンだなっなんて躊躇したから。そうそう鉄道オタクの若い男の子が、この輪行袋が倒れないように守りながらその前にたって車掌の所作をずっと眺めていた。なるほど、それはそれで確かに楽しそうだ。それにしても新快速は速いね。時速130km出すらしい。

今週の月曜日の夜。生野区のものづくり企業で、家業を引き継ぐ30代40代の若い方々4人、私と同じ年齢のオッサン2人の計6人と、うちの長男専務と奥方二人が参加して、うちの家にフレンチのシェフを呼んで、お手頃価格の食事会をする。皆、若いのに経営的なコトをしっかり考えて、それなりに凄いなっとおもう。なので、経営者としてのワタシって…..なんておもう。その家業を引き継ぐ若いひとりに、缶のプルタブ。正しくはステインタブというらしいが、輪っかを引っ張っても取れないタイプのその技術を持っている会社の息子さんがいて。

ワタシ、構造家の下山さんからレクチャーを受けた、タブを引っ張った缶の開口部の円が、正円でなく片方が楕円になって、それゆえ構造的にフタが缶の中に落ちず留まる。っていう話をエエカッコして、語ると、それを実際の缶に実現させる技術の話を語ってくれた。口を切らない優しい口当たりの技術とか。今、流行の生ジョッキ缶の開口部の技術とか。ものづくりってオモシロイなっとおもう。で、あの生ジョッキ缶の開口部が大きくなって、「香り」を嗅ぎながら飲めるのが大切なのだという。フツウの缶ビールをそのまま飲むよりコップに移したほうが美味しく感じるのは、飲むと同時に香りを嗅ぐのが大切なのだという。なるほど。確かに。ワインってグラスで味が変わるような気がするしね。それと飲料水が缶からペットボトルに急速に変わっていくのが驚異でもあるらしい。

それで、琵琶湖に到着し、写真の場所にあった自販機で琵琶湖を眺めながらコーラーの小さいペットボトルを飲んだ。少々疲れていたので、おもわず美味いっ!と口にしながら、なぜか月曜日のこの一連の会話が、琵琶湖の前を、高速にスーっとよぎっていった…..。